春霞たなびく
春霞。
そんな言葉を聞くと、日本語というのは、とても情緒があり美しいと思う。
昔、暇に任せて、日本大歳時記という本のページをめくった事がある。
春を表す季語だけでも、分厚い本一冊分あった。
これだけ細やかな情をもつ人種はそうそういないような気がする。
昨日はそんな靄のかかる和泉山脈に向かい、車を走らせた。
花見のような風情のあるものではなく仕事だ。
日が差す車内は、少し窓を開けるかエアコンを入れないと暑いくらいだったが、
一旦外に出ると身震いするくらい寒い。
平地と違い、どこからか運ばれた冷たい風が、
地面をなめるように吹き抜けるせいなのかも知れない。
こんな花冷えのする日は、学生時代のある春の日を思い出す。
北大阪の丘陵地の一角にコブのように突き出た小山がある。
その急な坂道を上ると、風景が一変する。
夏場は竹林が風にそよぎ清々しい。
その竹林を見下ろすように従弟の下宿はあった。
下宿は叔父が僕も寝泊りできるようにと、少し広めの部屋を選んでくれていた。
そんな部屋に少々の荷物を運び込んだのは、
3月下旬の昨日のような日だった。
遠くから見ると、荷物を乗せた軽トラが
朝霞の中に消えていくように映っていたかも知れない。
下宿の窓を開けると、肌寒い空気が流れ込み、
窓の向こうの竹林の手前に桜がちらほら咲いていた。
遠い昔の事だが、その時感じたピンと張りつめた空気と桜は今でも忘れない。
何もかもが新しく始まり、不安と希望が入り交じる季節。
時は巡り、景色も移り変わるけど、
こうして変わらない心の風景もある。
春なんだなあ。

そんな言葉を聞くと、日本語というのは、とても情緒があり美しいと思う。
昔、暇に任せて、日本大歳時記という本のページをめくった事がある。
春を表す季語だけでも、分厚い本一冊分あった。
これだけ細やかな情をもつ人種はそうそういないような気がする。
昨日はそんな靄のかかる和泉山脈に向かい、車を走らせた。
花見のような風情のあるものではなく仕事だ。
日が差す車内は、少し窓を開けるかエアコンを入れないと暑いくらいだったが、
一旦外に出ると身震いするくらい寒い。
平地と違い、どこからか運ばれた冷たい風が、
地面をなめるように吹き抜けるせいなのかも知れない。
こんな花冷えのする日は、学生時代のある春の日を思い出す。
北大阪の丘陵地の一角にコブのように突き出た小山がある。
その急な坂道を上ると、風景が一変する。
夏場は竹林が風にそよぎ清々しい。
その竹林を見下ろすように従弟の下宿はあった。
下宿は叔父が僕も寝泊りできるようにと、少し広めの部屋を選んでくれていた。
そんな部屋に少々の荷物を運び込んだのは、
3月下旬の昨日のような日だった。
遠くから見ると、荷物を乗せた軽トラが
朝霞の中に消えていくように映っていたかも知れない。
下宿の窓を開けると、肌寒い空気が流れ込み、
窓の向こうの竹林の手前に桜がちらほら咲いていた。
遠い昔の事だが、その時感じたピンと張りつめた空気と桜は今でも忘れない。
何もかもが新しく始まり、不安と希望が入り交じる季節。
時は巡り、景色も移り変わるけど、
こうして変わらない心の風景もある。
春なんだなあ。
