レトロショップ成穂堂ケンの苦悩と爆笑の日々 -249ページ目

夢は今も夢のままここに

今年に入って、大学時代のバイト先のOB会、高校時代の同窓会と、

懐かしい面々に会う機会があった。

それ以来、学生時代の事をつらつらと思い返している。

僕は何を考え、何を目指していたのか?

水底の砂に埋もれ忘れ去られていた夢の欠片たち。

時折、彼らが僅かに光って浮かび上がり、また静かに沈んでいく。

僕はその欠片を掬い上げようと、両手を必死に伸ばす。

だけど、欠片は指と指の隙間を音もなく滑り落ち、闇の中に沈んでいく。

僕は、女々しく過ぎた日々をもう一度取り戻したいともがく。

もし、あの頃に戻れたら、今度はその一歩を踏み出す勇気を持てるだろうに。





そして思う。





10年後、今を振り返り、また僕はほんの少しの勇気を持てなかった事を後悔しているのだろうか?






夢は今も夢のまま、ここにある。





目指そうとしていたもの・・・

それを口に出してしまうと、泡のように消えてしまいそうで誰にも言った事がない。

社会に出て、何かに追いかけられるような日々が始まり、

僕は夢は所詮夢でしかないと納得していった。

そして、みんなそのようにして分別のある大人になっていくのだと思った。




「今更、何を考え込む事がある?大概、デタラメな生き方をしてきただろ。

踏み出す一歩は思っているほど重いものではない。分かっているんだろ」

僕の中の誰かがそう囁く。

僕は「分からない」と言う。

「何か不都合でもあるか?」

「仕事が追いつかない」

「だらだらしている時間はあるのに?」

「そんな時間だって必要だ」

「ほぅ、やりたかった事をおしのけても?ほんとに?」

僕は言葉に詰まった。

「いつもどこかに希望はある」と、見えない誰かさんが言う。



多分、そうだと思う。大切なのは、兎も角始めるという事だ。

機が熟すまでなんて言っていると、一生何も始まらない。

仕事は走りながら考えてきた。

つくったり壊したりを繰り返してきた。

それを無駄と思った事はない。

それと同じ事だ。つくったり壊したりがなければ、先に進まない。

じっとしているだけでは、何もつくれないし、壊す事もできない。

やりたかった事をやってみるというのは、それと同じなんだ。

ダメだと思えばやり直せばいい。それだけの事だ。

やり続ける事は、やり遂げる事と同じくらい胸を張れる事なんだ。





僕は動き始めている・・・