レトロショップ成穂堂ケンの苦悩と爆笑の日々 -101ページ目

歯医者、ガッツポーズをする!

今日は、家一軒の片付け見積りから始まり、小難しい問合せやネット受注が続き、アタフタしていた。
 
結局、お昼ご飯を食べ損ねる事になった。
 
一段落して時間を見ると18時だ。
 
歯医者予約の時間が差し迫っている。
 
兎も角、早めに店を閉めて急ぎ歯医者に向かわねば。
 
僕の通っている歯医者は月2回しか予約が取れない事もあり、予約日の変更は極力したくない。
 
先代からお世話になっている歯医者なので、安心感もあり今更他に通う気もない。
 
それに家庭的な雰囲気も気に入っている。
 
今日は、詰物を嵌めて貰う事もあり、なんとしても行きたい。
 
若先生はとても繊細な方で、かなり丁寧な治療を心掛けてらっしゃるようだ。
 
中でも、患者の「痛い」には敏感に反応され、あれこれ痛みを軽減する方法を考えてられる。
 
それはそうとして、ハプニングもある。
 
今日の治療のように。
 
今日は、出来上がった詰物を嵌めるという、かなりスッと終わる治療のはずだった。
 
出来上がった詰物を仮に嵌めてみた所、ドンピシャ。
 
先生は「おお〜、ピッタリですな」と。
 
次に何やら紙のようなものを噛み合わせ部に置き、「カチカチと噛んでみて。横にギリギリと歯軋りみたいにしてみて」と。
 
「素晴らしい。寸分の狂いもない」と、満足なさっている。
 
「それじゃ、接着します」と、仮置きの詰物を外そうとするが、外れない。
 
違う器具などを取り出してきて、何とか外そうとしているが、余りにもきれいに収まっているのか、微動だにしないようだ。
 
先生は「ウソやろ。このままでいくか。あかんわな」と。
 
またしても、カチャカチャと音がするので、何やら器具を探しているのだろう。
 
で、再挑戦するも「頼むわ、何でやねん。何で取れへんねん」と、ボソボソと。
 
その声、全部聞こえてますがな。
 
こっちが頼むわ〜と言いたい。
 
それからも幾つか違う器具を取り出し、他の歯を傷つけないよう、何かをあてがい、体勢を変え(椅子の移動する音がする)、根気強く取り組んでいた。
 
その甲斐あってか「よしっ」という小さな声がした。
 
僕は目を瞑っていたが、先生は小さくガッツポーズをしているに違いない。
 
隣にいた歯科助手も、その手を握り「先生、素晴らしい」なんて、目で合図を送っていたに違いない。
 
そんなこんなで15分程の治療予定が、30分上掛かった。
 
治療が終わった後、受付嬢が「1時間は何も食べないで下さいね」と、涼やかに仰る。
 
かなり空腹なのに、そんな殺生な。
 
クリニックを出たところで、家内から「巻き寿司の準備出来たよ。
鉄火巻きがいい?サーモンがいい?」なんて電話が入った。
 
そうか、今日は節分か。
 
何でもいいから、食べさせてくれ。