こんにちは、おっさんです。

前回のテストのひどい結果に

ちょっとめげていますが、

娘が今日、実力テストを受けるので

負けていられません。

今回はいい結果になると信じて頑張ります!

 

セレクト過去問集-憲法3

の結果は、7問中、4問正解でした。

 

 次の手紙の文中に示された疑問をうけて、これまで類似の規制について最高裁判所が示した判断を説明するア~オの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。

 

 前略 大変ご無沙汰しております。

 お取り込み中申し訳ありませんが、私の進路選択について、折り入って貴兄にご相談したいことができました。演劇三昧だった学生生活を切り上げて、行政書士をめざして勉強を始めたのですが、最近、自らの職業選択が抱える不条理に、少々悩んでおります。

 行政書士になりたい私が、試験に合格しなければ行政書士になれない、というのは、職業選択の自由という、私のかけがえのない人権の侵害にはあたらないのでしょうか。他方で、もし行政書士になれたとしても、行政書士法1条の2で行政書士の独占業務とされている書類の作成に関する限り、他者の営業の自由を排除しているわけですから、私は、かけがえのない人権であるはずの、他人の職業選択の自由を侵害して生きることになるのでしょうか……。

 

 拝復 お悩みのご様子ですね。行政書士業を一定の資格要件を具備する者に限定する以上、それ以外の者の開業は禁止されるのですから、あなたのご疑問にはあたっているところもあります。問題はそうした制限を正当化できるかどうかで、この点は意見が分かれます。ご参考までに、最高裁判所がこれまでに示した判断についてだけ申しますと、

 

ア 医薬品の供給を資格制にすることについては、重要な公共の福祉のために必要かつ合理的な措置ではないとして、違憲判決が出ていますよ。

イ 小売市場の開設経営を都道府県知事の許可にかからしめる法律については、中小企業保護を理由として、合憲判決が出ていましたよね。

ウ 司法書士の業務独占については、登記制度が社会生活上の利益に重大な影響を及ぼすものであることなどを指摘して、合憲判決が出ています。

エ 公衆浴場を開業する場合の適正配置規制については、健全で安定した浴場経営による国民の保健福祉の維持を理由として、合憲とされていますね。

オ 酒販免許制については、職業活動の内容や態様を規制する点で、許可制よりも厳しい規制であるため、適用違憲の判決が下された例があります。

 

1 ア・イ・ウ

2 ア・イ・エ

3 イ・ウ・エ

4 イ・ウ・オ

5 ウ・エ・オ

 

正解3

ア 妥当でない。最高裁判所は、薬事法に基づく薬局の適正配置規制が違憲である旨の判決を下しています(薬事法距離制限違憲判決。最大判昭50・4・30)。しかし、本肢のような医薬品の供給を資格制にすることについての違憲判決は下していません。

イ 妥当である。最高裁判所は、本肢を理由とした小売市場の許可規制についての合憲の判決を下しています(小売市場事件。最大判昭47・11・22)。

ウ 妥当である。最高裁判所は、本肢を理由とした司法書士の業務独占についての合憲の判決を下しています(司法書士法違反事件。最判平12・2・8)。

エ 妥当である。最高裁判所は、公衆浴場を開業する場合の適正配置規制について、「公衆浴場業者が経営の困難から廃業や転業をすることを防止し、健全で安定した経営を行えるように種々の立法上の手段をとり、国民の保健福祉を維持することは、まさに公共の福祉に適合するところであり、右の適正配置規制及び距離制限も、その手段として十分の必要性と合理性を有していると認められる。」として合憲の判決を下しています(公衆浴場距離制限事件。最判平元・1・20)。

オ 妥当でない。最高裁判所は、酒販免許業の免許制について合憲の判決を下しています(酒類販売業免許制事件。最判平4・12・15)。

 

 

 次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、誤っているものはどれか。

 

1 憲法25条の規定の趣旨にこたえて具体的にどのような立法措置を講じるかの選択決定は、立法府の広い裁量にゆだねられている。

2 国は、子ども自身の利益のため、あるいは子どもの成長に対する社会公共の利益と関心にこたえるために、必要かつ相当な範囲で教育の内容について決定する権能を有する。

3 労働基本権に関する憲法上の規定は、国の責務を宣言するもので、個々の国民に直接に具体的権利を付与したものではなく、国の立法措置によってはじめて具体的権利が生じる。

4 労働基本権は、勤労者の経済的地位の向上のための手段として認められたものであって、それ自体が自己目的ではなく、国民全体の共同利益の見地からの制約を受ける。

5 憲法が義務教育を定めるのは、親が本来有している子女を教育する責務をまっとうさせる趣旨によるものであるから、義務教育に要する一切の費用を当然に国が負担しなければならないとは言えない。

 

正解3

1 正しい。最高裁判所は、「憲法25条の規定の趣旨にこたえて具体的にどのような立法措置を講ずるかの選択決定は、立法府の広い裁量にゆだねられており、著しく合理性を欠き明らかに裁量の逸脱・濫用であるような場合を除き、裁判所が審査判断するのに適しない」と判示しています(堀木訴訟上告審。最大判昭57・7・7)。

2 正しい。最高裁判所は、「は、子ども自身の利益の擁護のため、あるいは子どもの成長に対する社会公共の利益と関心にこたえるため、必要かつ相当と認められる範囲において、教育内容についてもこれを決定する権能を有する」と判示しています(旭川学テ事件。最大判昭51・5・21)。

3 誤り。最高裁判所は、「生存権」については、「憲法25条は、すべての国民が健康で文化的な最低限度の生活を営み得るように国政を運営すべきことを国の責務として宣言したにとどまり、直接個々の国民に対して具体的権利を賦与したものではない」と判示しています(朝日訴訟。最大判昭42・5・24)。しかし、本肢の労働基本権については、上記のように判示しているわけではありません。なお、労働基本権については、憲法28条により直接保障されているとするのが判例です(三井美唄労組事件。最大判昭43・12・4など)。

 

 

 行政書士をめざすA君は、いくつかの最高裁判所判決を読みながら、その重要な部分を書き取ったカードを作成し、判例の論理をたどろうとしていたところ、うっかりしてカードをばらまいてしまった。その際に、要約ミスのため捨てるはずだった失敗カードが1枚混ざってしまったため、全体としてつじつまがあわなくなった。以下の1~5のうち、捨てるはずだった失敗カードの上に書かれていた文章はどれか。

 

1 一般に、国民生活上不可欠な役務の提供の中には、当該役務のもつ高度の公共性にかんがみ、その適正な提供の確保のために、法令によって、提供すべき役務の内容及び対価等を厳格に規制するとともに、更に役務の提供自体を提供者に義務づける等のつよい規制を施す反面、これとの均衡上、役務提供者に対してある種の独占的地位を与え、その経営の安定をはかる措置がとられる場合がある。

2 憲法22条1項は、国民の基本的人権の一つとして、職業選択の自由を保障しており、そこで職業選択の自由を保障するというなかには、広く一般に、いわゆる営業の自由を保障する趣旨を包含しているものと解すべきであり、ひいては、憲法が、個人の自由な経済活動を基調とする経済体制を一応予定しているものということができる。

3 しかし、憲法は、個人の経済活動につき、その絶対かつ無制限の自由を保障する趣旨ではなく、各人は、「公共の福祉に反しない限り」において、その自由を享有することができるにとどまり、公共の福祉の要請に基づき、その自由に制限が加えられることのあることは、右条項自体の明示するところである。

4 のみならず、憲法の他の条項をあわせ考察すると、憲法は、全体として、福祉国家的理想のもとに、社会経済の均衡のとれた調和的発展を企図しており、その見地から、すべての国民にいわゆる生存権を保障し、その一環として、国民の勤労権を保障する等、経済的劣位に立つ者に対する適切な保護政策を要請していることは明らかである。

5 おもうに、右条項に基づく個人の経済活動に対する法的規制は、個人の自由な経済活動からもたらされる諸々の弊害が社会公共の安全と秩序の維持の見地から看過することができないような場合に、消極的に、かような弊害を除去ないし緩和するために必要かつ合理的な規制である限りにおいてのみ許されるべきである。

 

正解5

1 失敗カードではない。判例は、「一般に、国民生活上不可欠な役務の提供の中には、当該役務のもつ高度の公共性にかんがみ、その適正な提供の確保のために、法令によって、提供すべき役務の内容及び対価等を厳格に規制するとともに、更に役務の提供自体を提供者に義務づける等のつよい規制を施す反面、これとの均衡上、役務提供者に対してある種の独占的地位を与え、その経営の安定をはかる措置がとられる場合がある」と判示しています(薬事法距離制限違憲判決。最大判昭50・4・30)。

2 失敗カードではない。判例は、「憲法22条1項は、国民の基本的人権の一つとして、職業選択の自由を保障しており、そこで職業選択の自由を保障するというなかには、広く一般に、いわゆる営業の自由を保障する趣旨を包含しているものと解すべきであり、ひいては、憲法が、個人の自由な経済活動を基調とする経済体制を一応予定しているものということができる。」と判示しています(小売市場事件。最大判昭47・11・22)。

3 失敗カードではない。判例は、「しかし、憲法は、個人の経済活動につき、その絶対かつ無制限の自由を保障する趣旨ではなく、各人は、「公共の福祉に反しない限り」において、その自由を享有することができるにとどまり、公共の福祉の要請に基づき、その自由に制限が加えられることのあることは、右条項自体の明示するところである。」と判示しています(小売市場事件。最大判昭47・11・22)。

4 失敗カードではない。判例は、「のみならず、憲法の他の条項をあわせ考察すると、憲法は、全体として、福祉国家的理想のもとに、社会経済の均衡のとれた調和的発展を企図しており、その見地から、すべての国民にいわゆる生存権を保障し、その一環として、国民の勤労権を保障する等、経済的劣位に立つ者に対する適切な保護政策を要請していることは明らかである。」と判示しています(小売市場事件。最大判昭47・11・22)。

5 失敗カードである。判例は、小売市場の許可規制について消極的だけでなく、「積極的に、国民経済の健全な発達と国民生活の安定を期し、もって社会経済全体の均衡のとれた調和的発展を図るために、立法により、個人の経済活動に対し、一定の規制措置を講ずることも、それが右目的達成のために必要かつ合理的な範囲にとどまる限り、許されるべきであって、決して、憲法の禁ずるところではないと解すべきである。」と判示しています(小売市場事件。最大判昭47・11・22)。したがって本肢のように、「弊害を除去ないし緩和するために必要かつ合理的な規制である限りにおいてのみ許されるべきである」としているわけではありません。この点が要約ミスといえます。

 

 

 次の憲法の条文について一般に行われている説明として、妥当なものはどれか。

 

第31条 何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。

 

1 「法律の定める手続」とあるので、条例によって刑罰その他についての手続を定めることは、許されていない。

2 日本国憲法は別に罪刑法定主義の条文をもっているので、本条においては、戦前にないがしろにされた刑事手続について、これを法律で定めることが要請されている。

3 この条文は刑事手続を念頭においており、行政手続などの非刑事手続については、その趣旨が適用されることはない。

4 刑事手続については、ただ単にこれを法律で定めればよいと規定しているのではなく、その手続が適正なものであることを要求している。

5 この条文は、ニューディール期のアメリカ連邦最高裁判所で猛威を振るった、手続的デュープロセス論を否定したものである。

 

正解4

1 妥当でない。判例は、条例で罰則を定めることも可能と判示しています(条例と罰則。最大判昭37・5・30)。

2 妥当でない。「罪刑法定主義」を直接規定した条文は憲法には存在しません。しかし、「罪刑法定主義」は近代立憲主義憲法の重要な原則であり、31条などが根拠となります

3 妥当でない。判例は、行政手続についても、それが刑事手続でないとの理由のみで、そのすべてが保障されないわけではないとしています(成田新法事件。最大判平4・7・1)。

4 妥当である。適正手続の保障(31条)は、①手続の法定、②手続の適正、③実体の法定、④実体の適正のすべてがその内容として要求されています。

5 妥当でない。日本国憲法31条は、アメリカ合衆国憲法の「適正手続条項」(デュー・プロセス・オヴ・ロー)に習い、刑事手続上の基本原則である「適正手続」を定めたものです。「手続的デュープロセス論を否定したものである」わけではありません

 

 

 基本的人権の限界に関して、次の文章のような見解が主張されることがある。この見解と個別の人権との関係に関わる次のア~オの記述のうち、正しいものはいくつあるか。

 

 日本国憲法は、基本的人権に関する総則的規定である13条で、国民の権利については「公共の福祉に反しない限り」国政の上で最大の尊重を必要とすると定めている。これは、それぞれの人権規定において個別的に人権の制約根拠や許される制約の程度を規定するのではなく、「公共の福祉」による制約が存する旨を一般的に定める方式をとったものと理解される。したがって、個別の人権規定が特に制約について規定していない場合でも、「公共の福祉」を理由とした制約が許容される。

 

ア 憲法36条は、「公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる」と定めるが、最高裁判例は「公共の福祉」を理由とした例外を許容する立場を明らかにしている。

イ 憲法15条1項は、「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」と定めるが、最高裁判例はこれを一切の制限を許さない絶対的権利とする立場を明らかにしている。

ウ 憲法21条1項は、「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」と定めるが、最高裁判例は「公共の福祉」を理由とした制限を許容する立場を明らかにしている。

エ 憲法21条2項前段は、「検閲は、これをしてはならない」と定めるが、最高裁判例はこれを一切の例外を許さない絶対的禁止とする立場を明らかにしている。

オ 憲法18条は、「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない」と定めるが、最高裁判例は「公共の福祉」を理由とした例外を許容する立場を明らかにしている。

 

1 一つ

2 二つ

3 三つ

4 四つ

5 五つ

 

正解2

ア 誤り。「公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる」と規定しています(36条)。本規定について「公共の福祉」を理由とした例外を許容する立場を明らかにした最高裁判例は存在しません。

イ 誤り。公務員の選定・罷免権について、一切の制限を許さない絶対的権利とする立場を明らかにしている最高裁判所の判例は存在しません。

ウ 正しい。最高裁判所は様々な判例において「公共の福祉」を理由とした制限を許容する立場を明らかにしています(第一次家永教科書裁判上告審判決。最判平5・3・16など)。

エ 正しい。判例は、「検閲がその性質上表現の自由に対する最も厳しい制約となるものであることにかんがみ、これについては、公共の福祉を理由とする例外の許容(憲法12条、13条参照)をも認めない趣旨を明らかにしたものである。」と判示しています(税関検査事件。最大判昭59・12・12)。したがって、最高裁判例は、検閲について一切の例外を許さない絶対的禁止とする立場を明らかにしています

オ 誤り。「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない」と規定しています(18条)。本規定について、「公共の福祉」を理由とした例外を許容する立場を明らかにした最高裁判例は存在しません

 以上により、正しいものは、ウ及びエの二つとなり、2が正解となります。

 

 

 次の文章は、公教育をめぐる2つの対立する考え方に関する最高裁判所判決の一節(一部を省略)である。空欄 ア ~ エ に当てはまる語句を、枠内の選択肢(1~20)から選びなさい。

 

 一の見解は、子どもの教育は、親を含む国民全体の共通関心事であり、公教育制度は、このような国民の期待と要求に応じて形成、実施されるものであつて、そこにおいて支配し、実現されるべきものは国民全体の教育意思であるが、この国民全体の教育意思は、憲法の採用する議会制民主主義の下においては、国民全体の意思の決定の唯一のルートである国会の法律制定を通じて具体化されるべきものであるから、法律は、当然に、公教育における ア についても包括的にこれを定めることができ、また、教育行政機関も、法律の授権に基づく限り、広くこれらの事項について決定権限を有する、と主張する。これに対し、他の見解は、子どもの教育は、憲法二六条の保障する子どもの教育を受ける権利に対する責務として行われるべきもので、このような責務をになう者は、親を中心とする国民全体であり、公教育としての子どもの教育は、いわば親の教育義務の共同化ともいうべき性格をもつのであつて、それ故にまた、教基法*一〇条一項も、教育は、国民全体の信託の下に、これに対して直接に責任を負うように行われなければならないとしている、したがつて、権力主体としての国の子どもの教育に対するかかわり合いは、右のような国民の教育義務の遂行を側面から助成するための イ に限られ、子どもの ア については、国は原則として介入権能をもたず、教育は、その実施にあたる教師が、その ウ としての立場から、国民全体に対して教育的、文化的責任を負うような形で、……決定、遂行すべきものであり、このことはまた、憲法二三条における学問の自由の保障が、学問研究の自由ばかりでなく、 エ をも含み、 エ は、教育の本質上、高等教育のみならず、普通教育におけるそれにも及ぶと解すべきことによつても裏付けられる、と主張するのである。

                (最大判昭和51年5月21日刑集30巻5号615頁)

(注)*教育基本法

[語群]

  • 1 初等教育 
  • 2 教科書検定
  • 3 諸条件の整備
  • 4 教授の自由
  • 5 教育公務員
  • 6 第三者
  • 7 教科用図書
  • 8 学習指導要領
  • 9 教育専門家
  • 10 教育の内容及び方法
  • 11 研究者
  • 12 管理者
  • 13 中等教育
  • 14 学習権
  • 15 懲戒権
  • 16 私立学校の自治 
  • 17 大学の自治
  • 18 公の支配
  • 19 職務命令
  • 20 指揮監督
正解 ア 10 教育の内容及び方法 イ 3 諸条件の整備 ウ 9 教育専門家 エ 4 教授の自由

ア 「10 教育の内容及び方法」が入る。冒頭の「一の見解」が「国家教育権説」であり、「他の見解」が「国民教育権説」です。

 前の ア では、国家教育権説により「法律は、当然に、公教育における ア についても包括的にこれを定めることができ」るとしており、後の ア では、国民教育権説により、「子どもの ア については、国は原則として介入権能をもた」ないとしていることから、語群を見ると「教育の内容及び方法」が入ります。

イ 「3 諸条件の整備」が入る。 イ の前後は、「国の子どもの教育に対するかかわり合いは、右のような国民の教育義務の遂行を側面から助成するための イ に限られ」とあります。このことから国は子どもの教育に対して限定的な対応しかできないことになります。これを踏まえて語群を見ると限定的な表現である「諸条件の整備」が入ります。

ウ 「9 教育専門家」が入る。  ウ の前後は、「国は原則として介入権能をもたず、教育は、その実施にあたる教師が、その ウ としての立場から、国民全体に対して教育的、文化的責任を負うような形で、……決定、遂行すべきものであ」るとされています。教師の立場に合致しそうな語句を語群から見つけると、教育公務員、教育専門家、研究者、管理者が候補に挙がります。さらに「国民全体に対して教育的、文化的責任を負う」という表現からすると、「教育専門家」が妥当です。

エ 「4 教授の自由」が入る。  エ の前後は、「憲法二三条における学問の自由の保障が、学問研究の自由ばかりでなく、 エ をも含み、 エ は、教育の本質上、高等教育のみならず、普通教育におけるそれにも及ぶと解すべきことによつても裏付けられる」とあります。学問の自由の内容は、①学問研究の自由、②研究発表の自由、③教授の自由の3つとされていますので、語群を見ると、③教授の自由があり、これが解答になります。

 

 

 デモクラシーの刷新を綱領に掲げる政党Xは、衆議院議員選挙の際の選挙公約として、次のア~エのような内容を含む公職選挙法改正を提案した。

 

ア 有権者の投票を容易にするために、自宅からインターネットで投票できる仕組みを導入する。家族や友人とお茶の間で話し合いながら同じ端末から投票することもでき、身近な人々の間での政治的な議論が活性化することが期待される。

イ 有権者の投票率を高めるため、選挙期間中はいつでも投票できるようにするとともに、それでも3回続けて棄権した有権者には罰則を科するようにする。

ウ 過疎に苦しむ地方の利害をより強く国政に代表させるため、参議院が都道府県代表としての性格をもつことを明文で定める。

エ 地方自治と国民主権を有機的に連動させるため、都道府県の知事や議会議長が自動的に参議院議員となり、国会で地方の立場を主張できるようにする。

 この提案はいくつか憲法上論議となり得る点を含んでいる。以下の諸原則のうち、この提案による抵触が問題となり得ないものはどれか。

 

1 普通選挙

2 直接選挙

3 自由選挙

4 平等選挙

5 秘密選挙

 

正解1

ア 5 秘密選挙に関して議論となり得る。秘密選挙に関し、「すべての選挙における投票の秘密はこれを侵してはならない」と規定します(憲法15条4項)。本肢の「家族や友人とお茶の間で話し合いながら同じ端末から投票する」ことは、他人に誰に投票したかが分かってしまうので、秘密選挙に関して憲法上議論となり得えます。

イ  3 自由選挙に関して議論となり得る。選挙権を行使するか否かは、選挙人の自由です(自由選挙。憲法15条4項)。本肢の「3回続けて棄権した有権者には罰則を科する」は、自由選挙に関して憲法上議論となり得えます。

ウ  4 平等選挙に関して議論となり得る。選挙においては一人一票を原則とし、投票価値の平等も要請されます。本肢の「参議院が都道府県代表としての性格をもつことを明文で定める」ことは、各都道府県における投票価値の平等を維持することができなくなるため、平等選挙に関して憲法上議論となり得ます。

エ  2 直接選挙に関して議論となり得る。有権者は直接に公務員を選定します。本肢の「都道府県の知事や議会議長が自動的に参議院議員となる」ことは、直接選挙が不可能となるため、直接選挙に関して憲法上議論となり得ます。

 以上により、提案による抵触が問題となり得ないのは、1 普通選挙になります。

 

4月11日現在

終了レッスン数:498

総学習時間:104時間5800

こんにちは、おっさんです。

ここ最近、ホームベーカリーでパンを作り

それをホットサンドメーカーで、色んな具を

はさんで焼いて食べることにはまってます。

一番のお気に入りは、ハムとチーズなのですが

なにかいいのがあれば教えてください。

 

 

セレクト過去問集-憲法2
の結果は、8問中、3問正解でした。

 

 

 精神的自由権に関する次の記述のうち、判例の趣旨に照らし、正しいものはどれか。

 

1 憲法19条の「思想及び良心の自由」は、「信教の自由」(20条1項)の保障対象を宗教以外の世俗的な世界観・人生観等にまで拡大したものであるため、信教の自由の場合と同様に、固有の組織と教義体系を持つ思想・世界観のみが保護される。

2 憲法19条の「思想及び良心の自由」は、国民がいかなる思想を抱いているかについて国家権力が開示を強制することを禁止するものであるため、謝罪広告の強制は、それが事態の真相を告白し陳謝の意を表するに止まる程度であっても許されない。

3 憲法20条1項の「信教の自由」は、公認された宗教に属さない宗教的少数派であった人たちにも、多数派と同等の法的保護を与えるために導入されたものであるため、すべての宗教に平等に適用される法律は違憲となることはない。

4 憲法20条3項は、国が宗教教育のように自ら特定宗教を宣伝する活動を行うことを禁止する趣旨であるため、宗教団体の行う宗教上の祭祀に際して国が公金を支出することが同項に違反することはない。

5 憲法20条3項は、国と宗教とのかかわり合いが、その目的と効果に照らして相当な限度を超えた場合にこれを禁止する趣旨であるため、国公立学校で真摯な宗教的理由から体育実技を履修できない学生に対して代替措置を認めることを一切禁じるものではない。

 

正解5

1 誤り。思想及び良心の自由が保障される範囲は、人の内心活動一般(広義説)であるのか、一定の内心活動に限定(狭義説)されるのかという議論があります。このうち、狭義説をとっても、内心における論理的・倫理的判断、世界観、人生観、思想体系、政治的意見など人格形成に役立つ精神活動を保障し、単なる事実の知不知のような内心の活動を含まないと考えていますが、「固有の組織と教義体系を持つ思想・世界観のみが保護される。」わけではありません。また、判例も思想及び良心の自由の保障の範囲については、明確な判断をしているわけではありません(謝罪広告事件。最大判昭31・7・4)。

2 誤り。判例は、「謝罪広告を新聞紙等に掲載すべきことを加害者に命ずることは、それが単に事態の真相を告白し陳謝の意を表明するにとどまる程度のものであれば、代替執行の手続によって強制執行しても、加害者の倫理的な意思、良心の自由を侵害するものとはいえない。」としています(謝罪広告事件。最大判昭31・7・4)。「謝罪広告の強制は許されない」とする本肢は誤りです。

3 誤り。本肢は、「すべての宗教に平等に適用される法律は違憲となることはない」としていますが、この法律がすべての宗教団体に特権を付与するものであるならば政教分離原則に反する可能性があり、信教の自由を侵害するのであれば、違憲となりえます。なお、憲法20条3項に違反するとした判例として、愛媛玉串料事件(最大判平9・4・2)があります。

4 誤り。多数の判例は、国家と宗教のかかわり合いがあることを前提として、目的効果基準を用いた判断をしています(津地鎮祭事件。最大判昭52・7・13)。そこでは、「宗教とのかかわり合いをもつすべての行為を指すものではなく、のかかわり合いが右にいう相当とされる限度を超えるものに限られる」としています。したがって、相当とされる限度を超えた公金支出については、憲法違反となる可能性があるため、本肢の「宗教団体の行う宗教上の祭祀に際して国が公金を支出することが同項に違反することはない。」とはいえません。

5 正しい。判例は、「信仰上の理由によって剣道の必修実技の履修を拒否した学生に対して、正当な理由のない履修拒否と区別せず、代替措置について何ら検討することもなく、原級留置処分をし、さらに、2回続けて原級留置となったため退学処分をしたという校長の措置は、社会観念上著しく妥当を欠く処分であり、裁量権の範囲を超える違法なものである。」としています(エホバの証人剣道拒否事件。最判平8・3・8)。したがって、当該学生に対して代替措置を認めることを一切禁じるものではないことになります。

 

 

 表現の自由に関する次の判断基準が想定している事例として、妥当なものはどれか。

 

 公共の利害に関する事項について自由に批判、論評を行うことは、もとより表現の自由の行使として尊重されるべきものであり、その対象が公務員の地位における行動である場合には、右批判等により当該公務員の社会的評価が低下することがあっても、その目的が専ら公益を図るものであり、かつ、その前提としている事実が主要な点において真実であることの証明があったときは、人身攻撃に及ぶなど論評としての域を逸脱したものでない限り、名誉侵害の不法行為の違法性を欠くものというべきである。

(最一小判平成元年12月21日民集43巻12号2252頁)

1 XはA駅の構内で、駅員の許諾を受けず、また退去要求を無視して、乗降客や通行人に対してB市の施策を批判する演説を行ったところ、不退去などを理由に起訴された。

2 Yは雑誌上で、宗教法人X1の会長X2に関する事実を批判的に報道したところ、X1・X2の名誉を毀損したとして訴訟になった。

3 作家Yは自らが執筆した小説にXをモデルとした人物を登場させ、この際にXが不特定多数への公開を望まない私生活上の事実を描いたため、Xが出版差止めを求めて出訴した。

4 新聞記者Xは取材の過程で公務員Aに接近して親密になり、外交交渉に関する国の機密情報を聞き出したところ、機密漏洩をそそのかしたとして起訴された。

5 A市の公立小学校で成績の評価方法をめぐる対立が生じ、市民Yが教員Xを厳しく批判するビラを配布したところ、XがYに対して損害賠償と謝罪広告を求めて出訴した。

 

正解5

1 妥当でない。本肢は、「駅員の許諾を受けず、また退去要求を無視して、乗降客や通行人に対してB市の施策を批判する演説を行った」事例であり(最判昭59・12・18)、市民の公務員に対する名誉侵害の不法行為の違法性の有無に関するものではありません。

2 妥当でない。本肢の事例は、宗教法人の会長が報道の対象となっており(最判昭56・4・16)、市民の公務員に対する名誉侵害の不法行為の違法性の有無に関するものではありません。

3 妥当でない。本肢は、私人が「不特定多数への公開を望まない私生活上の事実を描かれたため、差止めを求めた」事例であり(最判平14・9・24)、市民の公務員に対する名誉侵害の不法行為の違法性の有無に関するものではありません。

4 妥当でない。本肢の事例は、新聞記者の公務員に対する取材方法の違法性に関するものであり(最判昭53・5・31)、市民の公務員に対する名誉侵害の不法行為の違法性の有無に関するものではありません。

5 妥当である。本肢は、市民が公務員である教員を厳しく批判するビラを配布し、当該教員が、当該市民に対して損害賠償と謝罪広告を求めた事例であり、市民の公務員に対する名誉侵害の不法行為の違法性の有無に関するものです。

 

 

 写真家Aが自らの作品集をある出版社から発売したところ、これに収録された作品のいくつかが刑法175条にいう「わいせつ」な図画に該当するとして、検察官によって起訴された。自分が無罪であることを確信するAは、裁判の場で自らの口から「表現の自由」を主張できるように、慌てて憲法の勉強を始め、努力の甲斐あって次の1~5のような考え方が存在することを知ることができた。このうち、本件の事案において主張するものとして、最も適しない考え方はどれか。

 

1 わいせつ表現についても、表現の自由の価値に比重を置いてわいせつの定義を厳格にしぼり、規制が及ぶ範囲をできるだけ限定していく必要がある。

2 表現の自由は「公共の福祉」によって制約されると考える場合であっても、これは他人の人権との矛盾・衝突を調整するための内在的制約と解すべきである。

3 憲法21条2項前段が「検閲の禁止」を定めているように、表現活動の事前抑制は原則として憲法上許されない。

4 表現の自由に対する規制が過度に広汎な場合には、当事者は、仮想の第三者に法令が適用されたときに違憲となりうることを理由に、法令全体の違憲性を主張できる。

5 文書の芸術的・思想的価値と、文書によって生じる法的利益の侵害とを衡量して、前者の重要性が後者を上回るときにまで刑罰を科するのは違憲である。

 

正解3

1 適する。わいせつの定義を厳格にしぼり、規制が及ぶ範囲をできるだけ限定していけば、収録作品が「わいせつ」な図画に該当しないとして無罪を主張することが可能となります。

2 適する。社会公共の安全・秩序維持の見地からする内在的制約と解すると、表現の自由に対する「公共の福祉」による制約については、「必要最少限度の規制」のみが認められることになるので、これを超える規制であるとして無罪を主張することができます。

3 最も適しない。本問では、すでに作品集を販売してしまっているので、事前抑制を根拠とした表現の自由について主張をしても意味がないことになります。

4 適する。表現の自由に対する規制が過度に広汎であると、表現行為に対して萎縮的効果を及ぼしてしまいます。したがって、仮想の第三者に法令が適用されたときに違憲となるということを理由として、法令全体の違憲性を主張することは適切であるといえます。

5 適する。作品集の芸術的・思想的価値が、作品集によって生じる法的利益の侵害と、その重要性において上回るときは、比較衡量の結果として違法性が阻却されると考えることができるので、これに対して刑罰を科するのは違憲であると主張することは可能です。

 

 

 表現の自由の保障根拠に関する次の記述のうち、他と異なる考え方に立脚しているものはどれか。

 

1 広告のような営利的な表現活動もまた、国民一般が消費者として様々な情報を受け取ることの重要性に鑑み、表現の自由の保護が及ぶものの、その場合でも保障の程度は民主主義に不可欠な政治的言論の自由よりも低い、とする説がある。

2 知る権利は、「国家からの自由」という伝統的な自由権であるが、それにとどまらず、参政権(「国家への自由」)的な役割を演ずる。個人は様々な事実や意見を知ることによって、はじめて政治に有効に参加することができるからである。

3 表現の自由を規制する立法の合憲性は、経済的自由を規制する立法の合憲性と同等の基準によって審査されなければならない、とする説が存在するが、その根拠は個人の自律にとっては経済活動も表現活動も同等な重要性を有するためである。

4 名誉毀損的表現であっても、それが公共の利害に関する事実について公益を図る目的でなされた場合には、それが真実であるか、真実であると信じたことに相当の理由があるときは処罰されないが、これは政治的な言論を特に強く保護する趣旨と解される。

5 報道機関の報道の自由は、民主主義社会において、国民が国政に関与するために重要な判断の資料を提供し、国民の知る権利に奉仕するものであり、表現の自由の保障内容に含まれる。

 

正解3

1 他と異ならない。本肢が「広告のような営利的な表現活動・・・保障の程度は民主主義に不可欠な政治的言論の自由よりも低い」とすることから、自己統治の価値が優先する考え方に立脚しています。

2 他と異ならない。本肢が、「個人は様々な事実や意見を知ることによって、はじめて政治に有効に参加することができる」とすることから、自己統治の価値が優先する考え方に立脚しています。

3 他と異なる。本肢が「個人の自律にとっては経済活動も表現活動も同等な重要性を有する」とすることから、自己統治の価値が優先するという考えに立脚しているわけではありません

4 他と異ならない。本肢が「政治的な言論を特に強く保護する趣旨」とすることから、自己統治の価値が優先する考え方に立脚しています。

5 他と異ならない。本肢が「報道機関の報道の自由は、・・・・国民が国政に関与するために重要な判断の資料を提供し、国民の知る権利に奉仕する」とすることから、自己統治の価値が優先する考え方に立脚しています。

 

 

 次の1~5は、法廷内における傍聴人のメモ採取を禁止することが憲法に違反しないかが争われた事件の最高裁判所判決に関する文章である。判決の趣旨と異なるものはどれか。

 

1 報道機関の取材の自由は憲法21条1項の規定の保障の下にあることはいうまでもないが、この自由は他の国民一般にも平等に保障されるものであり、司法記者クラブ所属の報道機関の記者に対してのみ法廷内でのメモ採取を許可することが許されるかは、それが表現の自由に関わることに鑑みても、法の下の平等との関係で慎重な審査を必要とする。

2 憲法82条1項は、裁判の対審及び判決が公開の法廷で行われるべきことを定めているが、その趣旨は、裁判を一般に公開して裁判が公正に行われることを制度として保障し、ひいては裁判に対する国民の信頼を確保しようとすることにある。

3 憲法21条1項は表現の自由を保障しており、各人が自由にさまざまな意見、知識、情報に接し、これを摂取する機会をもつことは、個人の人格発展にも民主主義社会にとっても必要不可欠であるから、情報を摂取する自由は、右規定の趣旨、目的から、いわばその派生原理として当然に導かれる。

4 さまざまな意見、知識、情報に接し、これを摂取することを補助するものとしてなされる限り、筆記行為の自由は、憲法21条1項の規定の精神に照らして尊重されるべきであるが、これは憲法21条1項の規定によって直接保障される表現の自由そのものとは異なるから、その制限又は禁止には、表現の自由に制約を加える場合に一般に必要とされる厳格な基準が要求されるものではない。

5 傍聴人のメモを取る行為が公正かつ円滑な訴訟の運営を妨げるに至ることは通常はあり得ないのであって、特段の事情のない限り、これを傍聴人の自由に任せるべきであり、それが憲法21条1項の規定の精神に合致する。

 

正解1

1 判例の趣旨と異なる。本判例は、「法廷で傍聴人がメモを取ることは、その見聞する裁判を認識記憶するためにされるものである限り、憲法21条1項の精神に照らし尊重に値し、故なく妨げられてはならない。」と判示しているので、「取材の自由は憲法21条1項の規定の保障の下にある」とする本肢は、判例の趣旨と異なることになります。

2 判例の趣旨と同じ。本判例は、「憲法82条1項の規定は、裁判の対審及び判決が公開の法廷で行われるべきことを定めているが、その趣旨は、裁判を一般に公開して裁判が公正に行われることを制度として保障し、ひいては裁判に対する国民の信頼を確保しようとすることにある。」と判示しています。

3 判例の趣旨と同じ。本判例は、「憲法21条1項の規定は、表現の自由を保障している。そうして、多数意見は、各人が自由にさまざまな意見、知識、情報に接し、これを摂取する自由は、右規定の趣旨、目的からいわばその派生原理として当然に導かれるところであり、」と判示しています。

4 判例の趣旨と同じ。本判例は、筆記行為は、「さまざまな意見、知識、情報に接し、これを摂取することを補助するものとしてなされる限り、筆記行為の自由は、憲法21条1項の規定の精神に照らして尊重されるべきであるといわなければならない。」とし、さらに「情報等の摂取を補助するためにする筆記行為の自由といえども、他者の人権と衝突する場合にはそれとの調整を図る上において、又はこれに優越する公共の利益が存在する場合にはそれを確保する必要から、一定の合理的制限を受けることがあることはやむを得ないところである。しかも、右の筆記行為の自由は、憲法21条1項の規定によって直接保障されている表現の自由そのものとは異なるものであるから、その制限又は禁止には、表現の自由に制約を加える場合に一般に必要とされる厳格な基準が要求されるものではないというべきである。」と判示しています。

5 判例の趣旨と同じ。本判例は、「傍聴人のメモを取る行為が公正かつ円滑な訴訟の運営を妨げるに至ることは、通常はあり得ないのであって、特段の事情のない限り、これを傍聴人の自由に任せるべきであり、それが憲法21条1項の規定の精神に合致するものということができる。」と判示しています。

 

 

 次の文章は、宗教法人Xへの解散命令の合憲性に関して、Xの特別抗告に対して下された最高裁判所決定の一節である。空欄 ア ~ エに当てはまる語句を、枠内の選択肢(1~20)から選びなさい。

 

 「(宗教法人)法81条に規定する宗教法人の解散命令の制度は、前記のように、専ら宗教法人の ア 側面を対象とし、かつ、専ら ア目的によるものであって、宗教団体や信者の精神的・ イ側面に容かいする意図によるものではなく、その制度の目的も合理的であるということができる。そして…(中略)…抗告人が、法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められ、宗教団体の目的を著しく逸脱した行為をしたことが明らかである。抗告人の右のような行為に対処するには、抗告人を解散し、法人格を失わせることが ウ かつ適切であり、他方、解散命令によって宗教団体であるXやその信者らが行う宗教上の行為に何らかの支障を生ずることが避けられないとしても、その支障は、解散命令に伴う エ で事実上のものであるにとどまる。したがって、本件解散命令は、宗教団体であるXやその信者らの精神的・ イ 側面に及ぼす影響を考慮しても、抗告人の行為に対処するのに ウ でやむを得ない法的規制であるということができる。」

                       (最一小決平成8年1月30日民集50巻1号199頁以下)

[語群]

  • 1 直接的  
  • 2 間接的
  • 3 積極的
  • 4 消極的
  • 5 明白
  • 6 具体的
  • 7 抽象的
  • 8 容易
  • 9 中立的
  • 10 宗教的
  • 11 可能
  • 12 政治的
  • 13 支配的
  • 14 指導的
  • 15 必要
  • 16 社会的
  • 17 裁量的
  • 18 手続的
  • 19 世俗的
  • 20 有効
正解 ア 19 世俗的 イ 10 宗教的 ウ 15 必要 エ 2 間接的

アには「19 世俗的」が、イには「10 宗教的」が入る。最高裁は、オウム真理教の解散命令は、法人格を奪うものであって、信教の自由を侵害するものではない、ことを理解していれば、宗教法人の解散命令は、宗教団体や信者の精神的・「宗教的」側面に容かい(口出しすること)するわけではなく、「世俗的」(世間一般で行われている)側面を対象としていると考えることができます。

ウ 「15 必要」が入る。最初の ウ の後に、「かつ適切」とあります。さらに、最後に出てくる ウ の後に「でやむを得ない法的規制」とあります。この2つの箇所の組合せとしてしっくりする語句を語群から選ぶと、「必要」が入るでしょう。

エ 「2 間接的」が入る。 エ の後に「で事実上のものであるにとどまる」とあり、そうであれば違憲ではない、とされていることから、この組合せとしてしっくりするのは「間接的」です。なお語群にはありませんが、判例では「反射的」などの語句も「事実上」とセットにして使われることがあります。

 

 

 次の文章は、最高裁判所判決の一節である。空欄 ア ~ エ に当てはまる語句を、枠内の選択肢(1~20)から選びなさい。

 

 憲法二一条二項前段は、「検閲は、これをしてはならない。」と規定する。憲法が、表現の自由につき、広くこれを保障する旨の一般的規定を同条一項に置きながら、別に検閲の禁止についてかような特別の規定を設けたのは、検閲がその性質上表現の自由に対する最も厳しい制約となるものであることにかんがみ、これについては、公共の福祉を理由とする例外の許容(憲法一二条、一三条参照)をも認めない趣旨を明らかにしたものと解すべきである。けだし、諸外国においても、表現を事前に規制する検閲の制度により思想表現の自由が著しく制限されたという歴史的経験があり、また、わが国においても、旧憲法下における出版法(明治二六年法律第一五号)、新聞紙法(明治四二年法律第四一号)により、文書、図画ないし新聞、雑誌等を出版直前ないし発行時に提出させた上、その発売、頒布を禁止する権限が内務大臣に与えられ、その運用を通じて ア な検閲が行われたほか、映画法(昭和一四年法律第六六号)により映画フイルムにつき内務大臣による典型的な検閲が行われる等、思想の自由な発表、交流が妨げられるに至つた経験を有するのであつて、憲法二一条二項前段の規定は、これらの経験に基づいて、検閲の イ を宣言した趣旨と解されるのである。

 そして、前記のような沿革に基づき、右の解釈を前提として考究すると、憲法二一条二項にいう「検閲」とは、 ウ が主体となつて、思想内容等の表現物を対象とし、その全部又は一部の発表の禁止を目的として、対象とされる一定の表現物につき エ に、発表前にその内容を審査した上、不適当と認めるものの発表を禁止することを、その特質として備えるものを指すと解すべきである。

                        (最大判昭和59年12月12日民集38巻12号1308頁)

 

[語群]

  • 1 行政権   
  • 2 絶対的禁止
  • 3 例外的
  • 4 否定的体験
  • 5 外形的
  • 6 原則的禁止
  • 7 形式的
  • 8 制限的適用
  • 9 抜き打ち的
  • 10 積極的廃止
  • 11 実質的
  • 12 個別的具体的
  • 13 警察権
  • 14 法律的留保的
  • 15 国家
  • 16 網羅的一般的
  • 17 司法権
  • 18 裁量的
  • 19 公権力
  • 20 排他的
正解 ア 11 実質的 イ 2 絶対的禁止 ウ 1 行政権    エ 16 網羅的一般的

ア 「11 実質的」が入る。憲法21条2項前段は、「検閲は、これをしてはならない。」として、その例外を認めない検閲の絶対的禁止を定めています。それにもかかわらず、「頒布を禁止する権限が内務大臣に与えられ、その運用を通じて ア な検閲が行われた」とされているので、語群より「実質的」が入ることになります。

イ 「 絶対的禁止」が入る。肢アの解説により、 イ には、「絶対的禁止」が入ります。

ウ 「 行政」・エ 「16 網羅的一般的」が入る。憲法の規定では、「検閲」の定義をしていませんが、判例は「検閲」とは、「行政権」が主体となつて、思想内容等の表現物を対象とし、その全部又は一部の発表の禁止を目的として、対象とされる一定の表現物につき「網羅的一般的」に、発表前にその内容を審査した上、不適当と認めるものの発表を禁止すること」と定義しています。

 

 

 学問の自由に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。

 

1 学問研究を使命とする人や施設による研究は、真理探究のためのものであるとの推定が働くと、学説上考えられてきた。

2 先端科学技術をめぐる研究は、その特性上一定の制約に服する場合もあるが、学問の自由の一環である点に留意して、日本では罰則によって特定の種類の研究活動を規制することまではしていない。

3 判例によれば、大学の学生が学問の自由を享有し、また大学当局の自治的管理による施設を利用できるのは、大学の本質に基づき、大学の教授その他の研究者の有する特別な学問の自由と自治の効果としてである。

4 判例によれば、学生の集会が、実社会の政治的社会的活動に当たる行為をする場合には、大学の有する特別の学問の自由と自治は享有しない。

5 判例によれば、普通教育において児童生徒の教育に当たる教師にも教授の自由が一定の範囲で保障されるとしても、完全な教授の自由を認めることは、到底許されない。

 

正解2

1 妥当である。学問の自由は、①学問研究の自由、②研究発表の自由、③教授(教育)の自由をその内容としますが、このうちの学問研究の自由は、真理探究のためのものであるとの推定が働くと、考えられています。

2 妥当でない。学問研究は本来自由であるべきですが、臓器移植や遺伝子組み替えなどの医療技術や原子力などの近年の先端科学技術をめぐる研究は、人の尊厳、生命・身体の安全や社会秩序の維持という観点から一定のルールとして法律の制定が要請されることがあります。例えば、ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律があり、この法律では、人クローン胚などを人又は動物の体内に移植することを禁止しており、これに違反した場合には、懲役又は罰金刑に処せられることとされています。したがって、「日本では罰則によって特定の種類の研究活動を規制することまではしていない」とする本肢は妥当ではありません。

3 妥当である。判例は、「大学の学生としてそれ以上に学問の自由を享有し、また大学当局の自冶的管理による施設を利用できるのは、大学の本質に基づき、大学の教授その他の研究者の有する特別な学問の自由と自治の効果としてである。」と判示しています(東大ポポロ事件。最大判昭38・5・22)。

4 妥当である。判例は、「学生の集会が真に学問的な研究またはその結果の発表のためのものでなく、実社会の政治的社会的活動に当る行為をする場合には、大学の有する特別の学問の自由と自治は享有しないといわなければならない。」と判示しています(東大ポポロ事件。最大判昭38・5・22)。

 

4月11日現在

終了レッスン数:495

総学習時間:104時間1835

こんにちは、おっさんです。

今朝は、いつもより早く起きたので

その分はやめに勉強を始めました。

 

セレクト過去問集-憲法1

の結果は、16問中、12問正解でした。

 

 私法上の法律関係における憲法の効力に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、正しいものはどれか。

 

1 私人間においては、一方が他方より優越的地位にある場合には私法の一般規定を通じ憲法の効力を直接及ぼすことができるが、それ以外の場合は、私的自治の原則によって問題の解決が図られるべきである。

2 私立学校は、建学の精神に基づく独自の教育方針を立て、学則を制定することができるが、学生の政治活動を理由に退学処分を行うことは憲法19条に反し許されない。

3 性別による差別を禁止する憲法14条1項の効力は労働関係に直接及ぶことになるので、男女間で定年に差異を設けることについて経営上の合理性が認められるとしても、女性を不利益に扱うことは許されない。

4 自衛隊基地建設に関連して、国が私人と対等な立場で締結する私法上の契約は、実質的に公権力の発動と同視できるような特段の事情がない限り、憲法9条の直接適用を受けない。

5 企業者が、労働者の思想信条を理由に雇い入れを拒むことは、思想信条の自由の重要性に鑑み許されないが、いったん雇い入れた後は、思想信条を理由に不利益な取り扱いがなされてもこれを当然に違法とすることはできない。

 

正解4

1 誤り。最高裁判所は、私法上の法律関係については、「間接適用説」をとるので、「私法の一般規定を通じ憲法の効力を直接及ぼす」ことはできません(三菱樹脂事件。最大判昭48・12・12)。

2 誤り。最高裁判所は、私法上の法律関係については、「間接適用説」をとるので、「学生の政治活動を理由に退学処分を行うことは憲法19条に反し許されない。」とする本肢は誤りです(昭和女子大事件。最判昭49・7・19)。

3 誤り。最高裁判所は、私法上の法律関係については、「間接適用説」をとるので、性別による差別について、「民法90条の規定により無効である。」としています(日産自動車事件。最判昭56・3・24)。「憲法14条1項の効力は労働関係に直接及ぶことになる」とする本肢は誤りです。

4 正しい。判例は、国が私人と対等な立場で締結する私法上の契約は、実質的に公権力の発動と同視できるような特段の事情がない限り、憲法9条の直接適用を受けないとしています(百里基地事件。最判平元・6・20)。

5 誤り。最高裁判所は、「企業者は、経済活動の一環としてする契約締結の自由を有し、自己の営業のために労働者を雇用するにあたり、いかなる者を雇い入れるか、いかなる条件でこれを雇うかについて、法律その他による特別の制限がない限り、原則として自由にこれを決定することができる」としています(三菱樹脂事件。最大判昭48・12・12)。したがって、「労働者の思想信条を理由に雇い入れを拒むことは、思想信条の自由の重要性に鑑み許されない」とする本肢は誤りとなります。

 

 

 憲法13条に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 

1 幸福追求権について、学説は憲法に列挙されていない新しい人権の根拠となる一般的かつ包括的な権利であると解するが、判例は立法による具体化を必要とするプログラム規定だという立場をとる。

2 幸福追求権の内容について、個人の人格的生存に必要不可欠な行為を行う自由を一般的に保障するものと解する見解があり、これを「一般的行為自由説」という。

3 プライバシーの権利について、個人の私的領域に他者を無断で立ち入らせないという消極的側面と並んで、積極的に自己に関する情報をコントロールする権利という側面も認める見解が有力である。

4 プライバシーの権利が、私法上、他者の侵害から私的領域を防御するという性格をもつのに対して、自己決定権は、公法上、国公立の学校や病院などにおける社会的な共同生活の中で生じる問題を取り扱う。

5 憲法13条が幸福追求権を保障したことをうけ、人権規定の私人間効力が判例上確立された1970年代以降、生命・身体、名誉・プライバシー、氏名・肖像等に関する私法上の人格権が初めて認められるようになった。

 

 

正解3

1 誤り。通説は憲法に規定されていない「新しい人権」といわれるものも、13条を根拠として具体的権利性が認められると解しています。そして判例も13条に基づいていわゆる「肖像権」などを認めたりしているので(最大判昭44・12・24)、「新しい人権」について13条を根拠とした具体的権利性を認めていると考えられます。したがって、「プログラム規定だという立場をとる」とする本肢は誤りです。

2 誤り。本肢は、「人格的利益説」に関するものであり、「一般的行為自由説」に関するものではありません。

3 正しい。プライバシーの権利については、消極的側面と並んで、自己に関する情報をコントロールする権利も認めている見解が重視されています。

 

4 誤り。プライバシーの権利が、私法上、他者の侵害から私的領域を防御するという性格をもつという点は「私生活をみだりに公開されないという法的保障ないし権利」と定義する(「宴のあと」事件。東京地判昭39・9・28)などから正しい記述といえます。一方、自己決定権とは、私的事項について公権力の干渉を受けずに自ら決定できる権利と解されているため、「公法上」だけでなく、「私法上」の問題を取り扱うこともあります。

5 誤り。最高裁判所はプライバシー権について定義したことはありませんが、地方裁判所の判決では、プライバシーの権利を個人の私的領域への干渉を排除するという自由権的・消極的側面を重視して、「私生活をみだりに公開されないという法的保障ないし権利」と定義しています(「宴のあと」事件の第一審判決。東京地判昭39・9・28)。したがって、1970年(昭和45年)以降に初めて私法上の人格権が認められたわけではありません。

 

 

 次の文章のうち、そこで想定される「実質的意味の憲法」の理解の仕方が、憲法学における伝統的な分類に従えば、他とは異なっているものはどれか。

 

1 権利の保障が確保されず、権力の分立がなされていない社会は、憲法をもっているとはいえない。

2 固有の意味での憲法を論ずるには、古代憲法、中世憲法、近代憲法、現代憲法の順で、社会の基本構造を歴史的に叙述する必要がある。

3 日本の憲法の歴史は、大日本帝国憲法の制定につながる、西洋諸国に対する「開国」を出発点として、叙述されなくてはならない。

4 近代立憲主義が定着したフランス第三共和制においては、その体制の基本を定める法律を「憲法的」と形容して、憲法的法律と呼んでいた。

5 絶対君主制とは区別された意味での立憲君主制が、19世紀ヨーロッパの憲法体制では広く普及し、明治時代の日本もこれにならった。

 

正解2

1 立憲的意味の憲法の意味。「権利の保障が確保されず、権力の分立がなされていない社会は、憲法をもっているとはいえない。」としているため、立憲的意味の憲法の意味として理解されています。

2 固有の意味の憲法の意味。「固有の意味」や「古代憲法」などは立憲主義に基づいていないことから固有の意味の憲法として理解されています。

3 立憲的意味の憲法の意味。「西洋諸国に対する「開国」を出発点として、叙述されなくてはならない」としているため、立憲的意味の憲法の意味として理解されています。

4 立憲的意味の憲法の意味。「近代立憲主義」から、立憲的意味の憲法の意味として理解されています。

5 立憲的意味の憲法の意味。「絶対君主制とは区別された意味での立憲君主制」から、立憲的意味の憲法の意味として理解されています。

 

 

 外国人の憲法上の権利に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例の趣旨に照らして妥当でないものはどれか。

 

1 国家機関が国民に対して正当な理由なく指紋の押なつを強制することは、憲法13条の趣旨に反して許されず、また、この自由の保障は我が国に在留する外国人にも等しく及ぶと解される。

2 日本に在留する外国人のうちでも、永住者等であってその居住する区域の地方公共団体と特に緊密な関係を持っている者に、法律によって地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与することは、憲法上禁止されない。

3 普通地方公共団体は、条例等の定めるところによりその職員に在留外国人を採用することを認められているが、この際に、その処遇について合理的な理由に基づいて日本国民と異なる取扱いをすることは許される。

4 社会保障上の施策において在留外国人をどのように処遇するかについては、国はその政治的判断によって決定することができ、限られた財源の下で福祉的給付を行うに当たって、自国民を在留外国人より優先的に扱うことも許される。

5 外国人は、憲法上日本に入国する自由を保障されてはいないが、憲法22条1項は、居住・移転の自由の一部として海外渡航の自由も保障していると解されるため、日本に在留する外国人が一時的に海外旅行のため出国し再入国する自由も認められる。

 

正解5

1 妥当である。判例は、「個人の私生活上の自由の一つとして、何人もみだりに指紋の押なつを強制されない自由を有するものというべきであり、国家機関が正当な理由もなく指紋の押なつを強制することは、同条(13条)の趣旨に反して許されず、また、右の自由の保障は我が国に在留する外国人にも等しく及ぶと解される」と判示しています。しかし、「外国人登録法の指紋押なつ制度は、外国人の居住関係及び身分関係を明確にするための最も確実な制度であり、その立法目的には合理性・必要性があり、憲法13条に違反しない。」とも判示しています(指紋押捺拒否事件。最判平7・12・15)。

2 妥当である。判例は、法律によって地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与することは、憲法上禁止されないと判示しています(外国人地方選挙事件。最判平7・2・28)。

3 妥当である。判例は、普通地方公共団体が合理的な理由に基づいて日本の国籍を有する職員と在留外国人である職員について、異なる取扱いをしても憲法14条1項に違反しないと判示しています(東京都管理職試験事件。最大判平17・1・26)。

4 妥当である。判例は、本肢のような社会権については、外国人に基本的人権の保障が及ばないとしています(塩見訴訟。最判平元・3・2)。

5 妥当でない。判例によれば、海外渡航の自由は、憲法22条2項によって保障されます(帆足事件。最大判昭33・9・10)。しかし、我が国に在留する外国人は、外国へ一時旅行する自由を憲法上保障されておらず、再入国の自由認められていません(森川キャサリーン事件。最判平4・11・16)。

 

 

 外国人の人権に関する次の文章のうち、最高裁判所の判例の趣旨に照らし、妥当でないものはどれか。

 

1 国家機関が国民に対して正当な理由なく指紋の押捺を強制することは、憲法13条の趣旨に反するが、この自由の保障はわが国に在留する外国人にまで及ぶものではない。

2 わが国に在留する外国人は、憲法上、外国に一時旅行する自由を保障されているものではない。

3 政治活動の自由は、わが国の政治的意思決定またはその実施に影響を及ぼす活動等、外国人の地位にかんがみこれを認めることが相当でないと解されるものを除き、その保障が及ぶ。

4 国の統治のあり方については国民が最終的な責任を負うべきものである以上、外国人が公権力の行使等を行う地方公務員に就任することはわが国の法体系の想定するところではない。

5 社会保障上の施策において在留外国人をどのように処遇するかについては、国は、特別の条約の存しない限り、その政治的判断によってこれを決定することができる。

 

正解1

1 妥当でない。判例は、「何人もみだりに指紋の押なつを強制されない自由を有し、国家機関が正当な理由もなく指紋の押なつを強制することは、憲法13条の趣旨に反し許されず、また、右自由の保障は我が国に在留する外国人にも等しく及ぶと解される」と判示しています(指紋押捺拒否事件。最判平7・12・15)。したがって、「外国人にまで及ぶものではない」とする本肢は妥当ではありません

2 妥当である。判例は、「わが国に在留する外国人は、憲法上、外国へ一時旅行する自由保障されているものではない。」と判示しています(森川キャサリーン事件。最判平4・11・16)。

3 妥当である。判例は、「政治活動の自由についても、わが国の政治的意思決定又はその実施に影響を及ぼす活動等外国人の地位にかんがみこれを認めることが相当でないと解されるものを除き、その保障が及ぶ」と判示しています(マクリーン事件。最大判昭53・10・4)。

4 妥当である。判例は、「国及び普通地方公共団体による統治の在り方については日本国の統治者としての国民が最終的な責任を負うべきものであること(憲法1条、15条1項参照)に照らし、原則として日本の国籍を有する者が公権力行使等地方公務員に就任することが想定されているとみるべきであり、我が国以外の国家に帰属し、その国家との間でその国民としての権利義務を有する外国人が公権力行使等地方公務員に就任することは、本来我が国の法体系の想定するところではないものというべきである。」と判示しています(東京都管理職試験事件。最大判平17・1・26)。

5 妥当である。判例は、「社会保障上の施策において在留外国人をどのように処遇するかについては、国は、特別の条約の存しない限り、当該外国人の属する国との外交関係、変動する国際情勢、国内の政治・経済・社会的諸事情等に照らしながら、その政治的判断によりこれを決定することができるのであり、その限られた財源の下で福祉的給付を行うに当たり、自国民を在留外国人より優先的に扱うことも、許されるべきことと解される。」としています(塩見訴訟。最判平元・3・2)。

 

 

 次の文章は、参議院内閣委員会で食育基本法案が議論された折のある議員の発言を、その趣旨を変更しないようにして要約したものである。この発言の趣旨と明白に対立する見解はどれか。

 

 「更にちょっと深く議論を進めたいんですけれども、(法案の)13条に国民の責務という条文がございます。これについては先ほどの議論の中で努力規定という表現が提案者の方から聞かれましたけれども、しかしやはり国民の責務ときっちりうたっているわけでございます。」

 「この健全な食生活に努めるという責務、これをなぜ国民は負わなければいけないんだろう。」「裏を返すと、不健康でもそれは自己責任じゃないかという、こういう議論もまたあるわけです。」

 「そして、やはり自分が自分の健康を害することに対して何らかの制約を課す、これは法律用語でいいますと」、「自己加害の防止」であり、「これパターナリスティックな制約といいます。」「で、自己加害に対して国家が公権力として介入するのは原則許されないわけですね、これは法律論として。」

 しかし、「未成年の人格的自立の助長や促進というものに関しては、限定的だけれどもこのパターナリスティックな制約は認められるであろうという、これが一つの法律の議論なんです。」

(出典 参議院内閣委員会会議録平成17年5月19日)

 

1 文明社会の成員に対し、彼の意志に反し、正当に権力を行使しうるのは、他人に対する危害の防止を目的とする場合である。

2 日本国憲法がよって立つところの個人の尊重という思想は、相互の人格が尊重され、不当な干渉から自我が保護されることによってはじめて確実なものとなる。

3 人の人生設計全般にわたる包括的ないし設計的な自律権の立場から、人の生と死についてのそのときどきの不可逆的な決定について、例外的に制約することは認められる。

4 その人間がどういう将来を選びたいと考えるかよりも、その人間がどういう将来性を有しているかという観点を優先するのは、憲法の「個人の尊重」原理の要請である。

5 生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする

 

正解4

1 明白に対立する見解ではない。国家権力の行使が「他人に対する危害の防止を目的とする」ことは、「自己加害は原則自由である」ことと明白に対立する見解とはいえません。

2 明白に対立する見解ではない。「相互の人格が尊重され、不当な干渉から自我が保護される」という本肢の記述は、「自己加害は原則自由である」ことと合致する見解です。

3 明白に対立する見解ではない。本問における発言の中は「未成年の人格的自立の助長や促進というものに関しては、限定的だけれどもこのパターナリスティックな制約は認められるであろう」としています。このことは、本肢の「人の生と死についてのそのときどきの不可逆的な決定について、例外的に制約することは認められる」とする部分と合致するものです。

4 明白に対立する見解である。「自己加害は原則自由で、国家が介入することは原則として許されない」ということであれば、「その人間がどういう将来を選びたいと考えるか」ということが優先されるはずです。このことから、本問の発言の趣旨に明白に対立する見解であるといえます。

5 明白に対立する見解ではない。「自由及び幸福追求に対する国民の権利について・・・国政の上で、最大の尊重を必要とする」ということは、「自己加害は原則自由」とする発言の趣旨に反するものではありません。

 

 

 私人間における人権規定の効力に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例の述べるところはどれか。

 

1 憲法の定める基本的人権のうち重要なものは、単に国家権力に対する自由権を保障するのみではなく、社会生活の秩序原理でもある。これは、一定の範囲において、国民相互の法律関係に対して直接の意味を有する。

2 人の思想、信条は身体と同様本来自由であるべきものであり、その自由は憲法19条の保障するところでもあるから、企業が労働者を雇用する場合等、一方が他方より優越した地位にある場合に、その意に反してみだりにこれを侵してはならないことは明白である。

3 日本国憲法は価値中立的な秩序ではなく、その基本的人権の章において客観的な価値秩序を定立している。この価値体系は、憲法上の基本決定として、法のすべての領域で通用する。いかなる民法上の規定もこの価値体系と矛盾してはならず、あらゆる規定はこの価値体系の精神において解釈されなければならない。

4 私人による差別的行為であっても、それが公権力との重要な関わり合いの下で生じた場合や、その私人が国の行為に準じるような高度に公的な機能を行使している場合には、法の下の平等を定める憲法14条が直接に適用される。

5 憲法19条、21条、23条等のいわゆる自由権的基本権の保障規定は、国又は公共団体の統治行動に対して個人の基本的な自由と平等を保障することを目的とした規定であって、専ら国又は公共団体と個人との関係を規律するものであり、私人相互間の関係について当然に適用ないし類推適用されるものでない。

 

正解5

1 最高裁判所の述べるところではない。本肢は、「国民相互の法律関係に対して直接の意味を有する」とする直接適用説の見解をとっています。

2 最高裁判所の述べるところではない。本肢は、「その意に反してみだりにこれを侵してはならないことは明白である」とする直接適用説の見解をとっています。

3 最高裁判所の述べるところではない。「法のすべての領域で通用する」とする直接適用説の見解をとっています。

4 最高裁判所の述べるところではない。「憲法14条が直接に適用される」とする直接適用説の見解をとっています。

5 最高裁判所の述べるところである。最高裁判所は、人権規定の私人間適用について間接適用説の立場に立っています(三菱樹脂事件。最大判昭48・12・12)。

 

 

 次の文章は、自衛隊基地建設のために必要な土地の売買契約を含む土地取得行為と憲法9条の関係を論じた、ある最高裁判所判決の一部である(原文を一部修正した。)。ア~オの本来の論理的な順序に即した並び順として、正しいものはどれか。

 

ア 憲法9条の宣明する国際平和主義、戦争の放棄、戦力の不保持などの国家の統治活動に対する規範は、私法的な価値秩序とは本来関係のない優れて公法的な性格を有する規範である。

イ 私法的な価値秩序において、憲法9条の宣明する国際平和主義、戦争の放棄、戦力の不保持などの国家の統治活動に対する規範が、そのままの内容で民法90条にいう「公ノ秩序」の内容を形成し、それに反する私法上の行為の効力を一律に否定する法的作用を営むということはない。

ウ 憲法9条の宣明する国際平和主義、戦争の放棄、戦力の不保持などの国家の統治活動に対する規範は、私法的な価値秩序のもとで確立された私的自治の原則、契約における信義則、取引の安全等の私法上の規範によつて相対化され、民法90条にいう「公ノ秩序」の内容の一部を形成する。

エ 憲法9条の宣明する国際平和主義、戦争の放棄、戦力の不保持などの国家の統治活動に対する規範にかかわる私法上の行為については、私法的な価値秩序のもとにおいて、社会的に許容されない反社会的な行為であるとの認識が、社会の一般的な観念として確立しているか否かが、私法上の行為の効力の有無を判断する基準になるものというべきである。

オ 憲法9条は、人権規定と同様、国の基本的な法秩序を宣示した規定であるから、憲法より下位の法形式によるすべての法規の解釈適用に当たつて、その指導原理となりうるものであることはいうまでもない。

 

1 ア イ ウ エ オ

2 イ ウ エ オ ア

3 ウ エ オ ア イ

4 エ オ ア イ ウ

5 オ ア イ ウ エ

 

正解5

 肢アは、「憲法9条の宣明する規範は、私法的な価値秩序とは本来関係のない優れて公法的な性格を有する規範である」。

 肢イは「私法的な価値秩序において、憲法9条の宣明する規範は、私法上の行為の効力を一律に否定する法的作用を営むということはない」。

 肢ウは「憲法9条の宣明する規範は、私法的な価値秩序のもとで確立された私法上の規範によって相対化され、民法90条にいう「公ノ秩序」の内容の一部を形成する」。

 肢エは「私法的な価値秩序のもとにおいて、反社会的な行為であるとの認識が、社会の一般的な観念として確立しているか否かが、私法上の行為の効力の有無を判断する基準になる」。

 以上により、ア・イ・ウ・エがそのままの順で繋がっていることがわかります。

 そして肢オは「憲法9条は、憲法より下位の法形式によるすべての法規の解釈適用に当たつて、その指導原理となりうる」としており、上記の4つの肢に対応しておらず、また、4つの肢の後に繋がるものではないため、4つの肢の最初に付けるのが一番妥当といえます。

 したがって、オ・ア・イ・ウ・エの順とする5が正解となります。

 

 

 プライバシーに関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。

 

1 何人も、その承諾なしにみだりに容貌等を撮影されない自由を有するので、犯罪捜査のための警察官による写真撮影は、犯人以外の第三者の容貌が含まれない限度で許される。

2 前科は、個人の名誉や信用に直接関わる事項であるから、事件それ自体を公表することに歴史的または社会的な意義が認められるような場合であっても、事件当事者の実名を明らかにすることは許されない。

3 指紋は、性質上万人不同、終生不変とはいえ、指先の紋様にすぎず、それ自体では個人の私生活や人格、思想等個人の内心に関する情報ではないから、プライバシーとして保護されるものではない。

4 犯罪を犯した少年に関する犯人情報、履歴情報はプライバシーとして保護されるべき情報であるから、当該少年を特定することが可能な記事を掲載した場合には、特段の事情がない限り、不法行為が成立する。

5 いわゆる住基ネットによって管理、利用等される氏名・生年月日・性別・住所からなる本人確認情報は、社会生活上は一定の範囲の他者には当然開示されることが想定され、個人の内面に関わるような秘匿性の高い情報とはいえない。

 

正解5

1 妥当でない。判例は、「何人も、その承諾なしに、みだりにその容ぼう・姿態を撮影されない自由を有する」としながら、「個人の有する右自由も、国家権力の行使から無制限に保護されるわけでなく、公共の福祉のため必要のある場合には相当の制限を受けることは同条の規定に照らして明らかである。そして、犯罪を捜査することは、公共の福祉のため警察に与えられた国家作用の一つであり、警察にはこれを遂行すべき責務があるのであるから(警察法2条1項参照)、警察官が犯罪捜査の必要上写真を撮影する際、その対象の中に犯人のみならず第三者である個人の容ぼう等が含まれても、これが許容される場合がありうるものといわなければならない。」と判示しています(京都府学連事件。最大判昭44・12・24)。

2 妥当でない。判例は、「歴史的または社会的な意義が認められるような場合には、事件当事者の実名を明らかにすることは許されないとはいえない」と判示しています(ノンフィクション「逆転」事件。最判平6・2・8)

3 妥当でない。判例は、「個人の私生活上の自由の一つとして、何人もみだりに指紋の押なつを強制されない自由を有する。」と判示しています(指紋押捺拒否事件。最判平7・12・15)。

4 妥当でない。判例は、本肢のような場合、特段の事情がない限り不法行為が成立すると判示しているわけではありません(少年犯罪推知報道事件。最判平15・3・14)。

5 妥当である。判例は、「住基ネットが被上告人らの上記の自由を侵害するものであるか否かについて検討するに、住基ネットによって管理、利用等される本人確認情報は、氏名、生年月日、性別及び住所から成る4情報に、住民票コード及び変更情報を加えたものにすぎない。このうち4情報は、人が社会生活を営む上で一定の範囲の他者には当然開示されることが予定されている個人識別情報であり、これらはいずれも、個人の内面に関わるような秘匿性の高い情報とはいえない。」と判示しています(住基ネット訴訟。最判平20・3・6)。

 

 

次の文章は、平等原則について、先例として引用されることの多い最高裁判所判決の一部である。文中の空欄 ア ~ エ にあてはまる語句の組合せとして、正しいものはどれか。

 

 思うに、憲法14条1項及び地方公務員法13条にいう社会的身分とは、人が社会において占める継続的な地位をいうものと解されるから、高令(齢)であるということは右の社会的身分に当らないとの原審の判断は相当と思われるが、右各法条は、国民に対し、法の下の平等を保障したものであり、右各法条に列挙された事由は ア なものであって、必ずしもそれに限るものではないと解するのが相当であるから、原判決が、高令(齢)であることは社会的身分に当らないとの一事により、たやすく上告の・・・・・主張を排斥したのは、必ずしも十分に意を尽したものとはいえない。しかし、右各法条は、国民に対し イ な平等を保障したものではなく、差別すべき ウ  な理由なくして差別することを禁止している趣旨と解すべきであるから、 エ に即応して ウ と認められる差別的取扱をすることは、なんら右各法条の否定するところではない。

              (最大判昭和39年5月27日民集18巻4号676頁以下)

 

    ア     イ     ウ      エ

1 具体的  形式的  客観的  事柄の性質

2 例示的  絶対的  合理的  公共の福祉

3 例示的  相対的  合理的  事柄の性質

4 具体的  一般的  実質的  公共の福祉

5 例示的  絶対的  合理的  事柄の性質

 

正解5

まず、アには「例示的」が入ります。アの後に「必ずしもそれに限るものではない」とあるためです。

 イには「絶対的」が、ウには「合理的」がそれぞれ入ります。「国民に対し イ な平等を保障したものではなく、」とあるので、語群を確認すると「絶対的」が一番適切といえます。「差別すべき ウ な理由なくして差別することを禁止している」とありますので、「実質的」「合理的」と比較すると、後者が適切です。

 エには「事柄の性質」が入ります。選択肢2及び4の「公共の福祉」は基本的人権を制約するものであり、「 エ に即応して合理的と認められる差別的取扱をすること」に当てはめても文意が通らないため、残った「事柄の性質」が入ります。

 

 

 次の文章は、衆議院議員選挙の効力を争った、ある高等裁判所判決の一節である。当時の公職選挙法別表に定められた選挙区への定数配分については、先の総選挙に関し、最高裁判所が、客観的には違憲状態であるが、なお選挙時には改正に必要な合理的期間を徒過していなかったことを理由に、合憲判断を下していた。高裁判決では、こうした状態の下で解散総選挙が行われた事案に関して、憲法判断が求められている。そこで扱われた問題を論じた文章として、妥当なものはどれか。

 

 被告は、本件選挙は内閣の衆議院解散権の行使によるものであるところ、このような選挙については、投票価値の較差を是正したうえでこれを行うかどうかは立法政策の問題である旨主張する。

 本件選挙が内閣の衆議院解散権の行使に基づくものであることは公知の事実であるが、前記の較差是正を行うべき合理的期間は、選挙権の平等を害するような較差を生ぜしめる議員定数配分規定がその間において改正されることを合理的に期待しうるに足る期間なのであるから、右期間が経過した以上、右規定は憲法に違反するものといわざるをえないのであり、右期間経過後に行われる選挙の効力については、それが内閣の解散権の行使によるものであつても、法律上他の事由に基づく選挙と異なつた取扱いをすべき理由はない。その結果として内閣の解散権が事実上制約されることが起こりうるとしても、それは事柄の性質上やむをえないことであり、以上とは逆に、内閣の解散権を確保するために違憲の選挙法規の効力をあえて承認するような法解釈をとることは、本末を転倒するものとのそしりを免れないであろう。

           (東京高判昭和59年10月19日行集35巻10号1693頁以下)

 

1 この判決は、内閣の解散権行使の前提として、衆議院での内閣不信任決議案の可決が必要的だ、という立場にたっている。

2 内閣の解散権行使の結果行われた総選挙について、その無効を争う選挙訴訟は三審制であって、本件は控訴審判決である。

3 この判決は、政治上の必要があれば、本件のような事案で内閣が解散権を行使しても総選挙は適法だ、という立場にたっている。

4 本件訴訟は、公職選挙法の定める選挙訴訟として行われているので、いわゆる機関訴訟の1形態と位置づけられるものである。

5 この判決は、現時点ではすでに改正に必要な合理的期間を徒過しており、判例によれば当該議員定数配分規定は違憲だ、という立場にたっている。

 

正解5

1 妥当でない。本問の判決は、内閣の解散権行使の前提として、衆議院での内閣不信任決議案の可決が必要的である旨を論じていません

2 妥当でない。衆議院議員の選挙の効力に関する訴訟は、第一審が高等裁判所の管轄とされています(公職選挙法204条)。本問の判決は東京高等裁判所の判決ですので、控訴審判決ではありません。難問です。

3  妥当でない。本問の判例では、「内閣の解散権の行使によるものであっても、法律上他の事由に基づく選挙と異なつた取扱いをすべき理由はない」や「内閣の解散権を確保するために違憲の選挙法規の効力をあえて承認するような法解釈をとることは、本末を転倒するものとのそしりを免れないであろう」などから、政治上の必要があれば、本件のような事案で内閣が解散権を行使しても総選挙は適法だ、という立場に立っているとはいえません。

4 妥当でない。本件訴訟は、公職選挙法上の選挙の効力に関する訴訟(公職選挙法204条)であるため、行政事件訴訟法上の民衆訴訟に位置付けられます(行政事件訴訟法5条)。機関訴訟ではありません

5 妥当である。本問の判例は「較差是正を行うべき合理的期間は、・・・右期間が経過した以上、右規定は憲法に違反するものといわざるをえない」ということから、本肢は妥当です。

 

 

 次の文章は、ある最高裁判所判決の一節である。空欄 ア ~ エ に当てはまる語句を、枠内の選択肢(1~20)から選びなさい。

 

 「公職選挙法の制定又はその改正により具体的に決定された選挙区割と議員定数の配分の下における選挙人の投票の有する ア に不平等が存し、あるいはその後の イ の異動により右のような不平等が生じ、それが国会において通常考慮し得る諸般の要素をしんしやくしてもなお、一般に ウ 性を有するものとは考えられない程度に達しているときは、右のような不平等は、もはや国会の ウ 的裁量の限界を超えているものと推定され、これを正当化すべき特別の理由が示されない限り、憲法違反と判断されざるを得ないものというべきである。

 もっとも、制定又は改正の当時合憲であった議員定数配分規定の下における選挙区間の議員一人当たりの選挙人数又は イ (この両者はおおむね比例するものとみて妨げない。)の較差がその後の イ の異動によって拡大し、憲法の選挙権の平等の要求に反する程度に至つた場合には、そのことによって直ちに当該議員定数配分規定が憲法に違反するとすべきものではなく、憲法上要求される ウ 的 エ 内の是正が行われないとき初めて右規定が憲法に違反するものというべきである。」

                       (最大判昭和60年7月17日民集39巻5号1100頁以下)

[語群]

  • 1 羈束
  • 2 数量
  • 3 地域
  • 4 人事
  • 5 権力
  • 6 価値
  • 7 人工
  • 8 結果
  • 9 票決
  • 10 厳格
  • 11 期間
  • 12 効果
  • 13 機関
  • 14 囲繞
  • 15 合理
  • 16 関連
  • 17 人口
  • 18 明確
  • 19 要件
  • 20 秩序
 
正解 ア 6 価値 イ 17 人口 ウ 15 合理 エ 11 期間

 アには、「選挙人の投票の有する ア に不平等が存し・・・憲法違反と判断され」るということから、「6 価値」が入ります。

 イには、「議員一人当たりの選挙人数又はイの較差がその後のイの異動によって拡大」とういうことから、「17 人口」が適切です。

 ウとエには、「直ちに・・・違反するとすべきものではなく、憲法上要求される ウ 的 エ 内の是正が行われないとき初めて右規定が憲法に違反する」ということから、何らかの「期間」に関する語句が入りそうであり、そうすると「合理的期間」が思い浮かぶため、ウには「15 合理」、エには「11 期間」が入ります。

 

 

次の文章は、ある最高裁判所判決において、国籍取得の際の取り扱いの区別が憲法14条に違反するか否かにつき、審査するに当たっての基本的考え方を示した部分である。次の記述のうち、この文章から読み取れない内容を述べているものはどれか。

 

 憲法10条は、「日本国民たる要件は、法律でこれを定める。」と規定し、これを受けて、国籍法は、日本国籍の得喪に関する要件を規定している。憲法10条の規定は、国籍は国家の構成員としての資格であり、国籍の得喪に関する要件を定めるに当たってはそれぞれの国の歴史的事情、伝統、政治的、社会的及び経済的環境等、種々の要因を考慮する必要があることから、これをどのように定めるかについて、立法府の裁量判断にゆだねる趣旨のものであると解される。しかしながら、このようにして定められた日本国籍の取得に関する法律の要件によって生じた区別が、合理的理由のない差別的取扱いとなるときは、憲法14条1項違反の問題を生ずることはいうまでもない。すなわち、立法府に与えられた上記のような裁量権を考慮しても、なおそのような区別をすることの立法目的に合理的な根拠が認められない場合、又はその具体的な区別と上記の立法目的との間に合理的関連性が認められない場合には、当該区別は、合理的な理由のない差別として、同項に違反するものと解されることになる。

 日本国籍は、我が国の構成員としての資格であるとともに、我が国において基本的人権の保障、公的資格の付与、公的給付等を受ける上で意味を持つ重要な法的地位でもある。一方、父母の婚姻により嫡出子たる身分を取得するか否かということは、子にとっては自らの意思や努力によっては変えることのできない父母の身分行為に係る事柄である。したがって、このような事柄をもって日本国籍取得の要件に関して区別を生じさせることに合理的な理由があるか否かについては、慎重に検討することが必要である。

               (最大判平成20年6月4日民集62巻6号1367頁)

1 立法が不合理な差別を行っていないかどうかは、立法目的の合理性、立法目的と取り扱いの区別との合理的関連性という二点から判断される。

2 憲法が国籍法制の内容を立法者の裁量判断に委ねていることに鑑みれば、この裁量権を考慮してもなお区別の合理性が認められない場合に憲法違反の問題が生じる。

3 憲法の基礎にある個人主義と民主主義の理念に照らせば、人種差別など個人の尊厳が問題になる場合や、選挙権や表現の自由が問題となる場合には、厳格な審査が要求される。

4 本件で取り扱いの区別の対象となる国籍が社会生活の様々な側面に強い影響を与える重要な法的地位である以上、区別の合理性を判断する際には慎重な検討が必要となる。

5 取り扱いの区別が、本人の意思や努力によって左右できない事項に基づいて人を不利益に扱うものである以上、区別の合理性を判断する際には慎重な検討が必要となる。

 

次の文章は、ある最高裁判所判決において、国籍取得の際の取り扱いの区別が憲法14条に違反するか否かにつき、審査するに当たっての基本的考え方を示した部分である。次の記述のうち、この文章から読み取れない内容を述べているものはどれか。

 

 憲法10条は、「日本国民たる要件は、法律でこれを定める。」と規定し、これを受けて、国籍法は、日本国籍の得喪に関する要件を規定している。憲法10条の規定は、国籍は国家の構成員としての資格であり、国籍の得喪に関する要件を定めるに当たってはそれぞれの国の歴史的事情、伝統、政治的、社会的及び経済的環境等、種々の要因を考慮する必要があることから、これをどのように定めるかについて、立法府の裁量判断にゆだねる趣旨のものであると解される。しかしながら、このようにして定められた日本国籍の取得に関する法律の要件によって生じた区別が、合理的理由のない差別的取扱いとなるときは、憲法14条1項違反の問題を生ずることはいうまでもない。すなわち、立法府に与えられた上記のような裁量権を考慮しても、なおそのような区別をすることの立法目的に合理的な根拠が認められない場合、又はその具体的な区別と上記の立法目的との間に合理的関連性が認められない場合には、当該区別は、合理的な理由のない差別として、同項に違反するものと解されることになる。

 日本国籍は、我が国の構成員としての資格であるとともに、我が国において基本的人権の保障、公的資格の付与、公的給付等を受ける上で意味を持つ重要な法的地位でもある。一方、父母の婚姻により嫡出子たる身分を取得するか否かということは、子にとっては自らの意思や努力によっては変えることのできない父母の身分行為に係る事柄である。したがって、このような事柄をもって日本国籍取得の要件に関して区別を生じさせることに合理的な理由があるか否かについては、慎重に検討することが必要である。

               (最大判平成20年6月4日民集62巻6号1367頁)

1 立法が不合理な差別を行っていないかどうかは、立法目的の合理性、立法目的と取り扱いの区別との合理的関連性という二点から判断される。

2 憲法が国籍法制の内容を立法者の裁量判断に委ねていることに鑑みれば、この裁量権を考慮してもなお区別の合理性が認められない場合に憲法違反の問題が生じる。

3 憲法の基礎にある個人主義と民主主義の理念に照らせば、人種差別など個人の尊厳が問題になる場合や、選挙権や表現の自由が問題となる場合には、厳格な審査が要求される。

4 本件で取り扱いの区別の対象となる国籍が社会生活の様々な側面に強い影響を与える重要な法的地位である以上、区別の合理性を判断する際には慎重な検討が必要となる。

5 取り扱いの区別が、本人の意思や努力によって左右できない事項に基づいて人を不利益に扱うものである以上、区別の合理性を判断する際には慎重な検討が必要となる。

 

正解3

1 読み取れる。本判例の第一段落最後の文「なおそのような区別をすることの立法目的に合理的な根拠が認められない場合、又はその具体的な区別と上記の立法目的との間に合理的関連性が認められない場合には、当該区別は、合理的な理由のない差別として、同項に違反するものと解されることになる。」という部分から、本肢の「立法が不合理な差別を行っていないかどうかは、立法目的の合理性、立法目的と取り扱いの区別との合理的関連性という二点から判断される。」が読み取れます。

2 読み取れる。本判例の第一段落中程の文「しかしながら、このようにして定められた日本国籍の取得に関する法律の要件によって生じた区別が、合理的理由のない差別的取扱いとなるときは、憲法14条1項違反の問題を生ずることはいうまでもない。」の部分から、「裁量権を考慮してもなお区別の合理性が認められない場合に憲法違反の問題が生じる」ということが読み取れます。

3 読み取れない。本判決文では、人種差別など個人の尊厳が問題になる場合や、選挙権や表現の自由が問題となる場合について触れていませんので、読み取ることはできません。

4 読み取れる。本判例の第二段落「日本国籍は、我が国の構成員としての資格であるとともに・・・・慎重に検討することが必要である。」の部分から「国籍が社会生活の様々な側面に強い影響を与える重要な法的地位である以上、区別の合理性を判断する際には慎重な検討が必要となる」が読み取れます。

5 読み取れる。本判例の第二段落「父母の婚姻により嫡出子たる身分を取得するか否かということは、子にとっては自らの意思や努力によっては変えることのできない父母の身分行為に係る事柄である。」から、「取り扱いの区別が、本人の意思や努力によって左右できない事項に基づいて人を不利益に扱うものである以上、区別の合理性を判断する際には慎重な検討が必要となる。」ということが読み取れます。

 

 

 次の文章は、ある最高裁判所判決の意見の一節である。空欄 ア ~ ウ に入る語句の組合せとして、正しいものはどれか。

 

 一般に、立法府が違憲な ア 状態を続けているとき、その解消は第一次的に立法府の手に委ねられるべきであって、とりわけ本件におけるように、問題が、その性質上本来立法府の広範な裁量に委ねられるべき国籍取得の要件と手続に関するものであり、かつ、問題となる違憲が イ 原則違反であるような場合には、司法権がその ア に介入し得る余地は極めて限られているということ自体は否定できない。しかし、立法府が既に一定の立法政策に立った判断を下しており、また、その判断が示している基本的な方向に沿って考えるならば、未だ具体的な立法がされていない部分においても合理的な選択の余地は極めて限られていると考えられる場合において、著しく不合理な差別を受けている者を個別的な訴訟の範囲内で救済するために、立法府が既に示している基本的判断に抵触しない範囲で、司法権が現行法の合理的 ウ 解釈により違憲状態の解消を目指すことは、全く許されないことではないと考える。

    (最大判平成20年6月4日民集62巻6号1367頁以下における藤田宙靖意見)

 

   ア      イ         ウ

1 不作為   比例        限定

2 作為     比例         限定

3 不作為   相互主義      有権

4 作為     法の下の平等   拡張

5 不作為   法の下の平等   拡張

 

正解5

ア には「作為」又は「不作為」が入りますが、問題文後半に「未だ具体的な立法がされていない部分においても合理的な選択の余地は極めて限られている」とあるため、「不作為」が入ります。

イ には「比例」又は「法の下の平等」が入りますが、問題文に「著しく不合理な差別を受けている者を個別的な訴訟の範囲内で救済するため」とあるため、「法の下の平等」が入ります。

ウ には「限定」又は「拡張」が入りますが、問題文後半に「具体的な立法がされていない部分においても合理的な選択の余地は極めて限られていると考えられる場合において、・・・・・司法権が現行法の合理的 ウ 解釈により違憲状態の解消を目指す」とあるため、「拡張」が入ります。

 以上により5が正解となります。

 

 

 投票価値の平等に関する次の記述のうち、判例に照らし、妥当なものはどれか。

 

1 議員定数配分規定は、その性質上不可分の一体をなすものと解すべきであり、憲法に違反する不平等を生ぜしめている部分のみならず、全体として違憲の瑕疵を帯びるものと解すべきである。

2 投票価値の不平等が、国会の合理的裁量の範囲を超えると判断される場合には、選挙は違憲・違法となるが、不均衡の是正のために国会に認められる合理的是正期間を経過していなければ、事情判決の法理により選挙を有効とすることも許される。

3 衆議院議員選挙については、的確に民意を反映する要請が強く働くので、議員1人当たりの人口が平等に保たれることが重視されるべきであり、国会がそれ以外の要素を考慮することは許されない。

4 参議院議員選挙区選挙は、参議院に第二院としての独自性を発揮させることを期待して、参議院議員に都道府県代表としての地位を付与したものであるから、かかる仕組みのもとでは投票価値の平等の要求は譲歩・後退を免れない。

5 地方公共団体の議会の議員の定数配分については、地方自治の本旨にもとづき各地方公共団体が地方の実情に応じ条例で定めることができるので、人口比例が基本的な基準として適用されるわけではない。

 

正解1

1 妥当である。判例は、議員定数配分規定について、「その意味において不可分の一体をなすと考えられるから、右配分規定は、単に憲法に違反する不平等を招来している部分のみでなく、全体として違憲の瑕疵を帯びるものと解すべきである。」と判示しています(衆議院議員定数違憲判決。最大判昭51・4・14)。

2 妥当でない。判例は、合理的期間内における是正が憲法上要求されているにもかかわらず、それが行われない場合に初めて憲法違反となるとしており、「投票価値の不平等が、国会の合理的裁量の範囲を超えると判断される場合には、選挙は違憲・違法となる」という判断はしていません(衆議院議員定数違憲判決。最大判昭51・4・14など)。さらに事情判決の法理により選挙を有効とするのは、当該選挙が違憲・違法であることを前提としなければならないので、この点においても妥当ではありません。

3 妥当でない。判例は、「憲法は、前記投票価値の平等についても、これをそれらの選挙制度の決定について国会が考慮すべき唯一絶対の基準としているわけではなく、国会は、衆議院及び参議院それぞれについて他にしんしやくすることのできる事項をも考慮して、公正かつ効果的な代表という目標を実現するために適切な選挙制度を具体的に決定することができる」と判示しています(衆議院議員定数違憲判決。最大判昭51・4・14)。本肢のように「国会がそれ以外の要素を考慮することは許されない」わけではありません。

4 妥当でない。判例は、「参議院議員の選挙であること自体から、直ちに投票価値の平等の要請が後退してよいと解すべき理由は見いだし難い。」と判示しています(参議院議員定数不均衡訴訟。最大判平24・10・17)。したがって、「かかる仕組みのもとでは投票価値の平等の要求は譲歩・後退を免れない」とする本肢は妥当ではありません。

5 妥当でない。判例は「地方公共団体の議会の議員の定数配分につき、人口比例を最も重要かつ基本的な基準とし、各選挙人の投票価値が平等であるべきことを強く要求していることが明らかである。」と判示しています(最判昭59・5・17)。したがって、「人口比例が基本的な基準として適用されるわけではない。」とする本肢は妥当ではありません。

 

 

 家族・婚姻に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。

 

1 嫡出でない子の法定相続分を嫡出子の2分の1とする民法の規定は、当該規定が補充的に機能する規定であることから本来は立法裁量が広く認められる事柄であるが、法律婚の保護という立法目的に照らすと著しく不合理であり、憲法に違反する。

2 国籍法が血統主義を採用することには合理性があるが、日本国民との法律上の親子関係の存否に加え、日本との密接な結びつきの指標として一定の要件を設け、これを満たす場合に限り出生後の国籍取得を認めるとする立法目的には、合理的な根拠がないため不合理な差別に当たる。

3 出生届に嫡出子または嫡出でない子の別を記載すべきものとする戸籍法の規定は、嫡出でない子について嫡出子との関係で不合理な差別的取扱いを定めたものであり、憲法に違反する。

4 厳密に父性の推定が重複することを回避するための期間(100日)を超えて女性の再婚を禁止する民法の規定は、婚姻および家族に関する事項について国会に認められる合理的な立法裁量の範囲を超え、憲法に違反するに至った。

5 夫婦となろうとする者の間の個々の協議の結果として夫の氏を選択する夫婦が圧倒的多数を占める状況は実質的に法の下の平等に違反する状態といいうるが、婚姻前の氏の通称使用が広く定着していることからすると、直ちに違憲とまではいえない。

 

正解4

1 妥当でない。最高裁判所は、「法律婚という制度自体は我が国に定着しているとしても、認識の変化に伴い、上記制度の下で父母が婚姻関係になかったという、子にとっては自ら選択ないし修正する余地のない事柄を理由としてその子に不利益を及ぼすことは許されず、子を個人として尊重し、その権利を保障すべきであるという考えが確立されてきているものということができる。遅くとも被相続人の相続が開始した平成13年7月当時においては、立法府の裁量権を考慮しても、嫡出子と嫡出でない子の法定相続分を区別する合理的な根拠は失われていたというべきである。したがって、本件規定は、遅くとも平成13年7月当時において、憲法14条1項に違反していたものというべきである。」と判示します(最大決平25・9・4)。したがって、「法律婚の保護という立法目的に照らすと著しく不合理であり、憲法に違反する」とする本問は妥当ではありません。

2 妥当でない。最高裁判所は、「本件区別については、これを生じさせた立法目的自体に合理的な根拠は認められるものの、立法目的との間における合理的関連性は、我が国の内外における社会的環境の変化等によって失われており、今日において、国籍法3条1項の規定は、日本国籍の取得につき合理性を欠いた過剰な要件を課するものとなっているというべきである。」と判示しています(最大判平20・6・4)。したがって、「立法目的には、合理的な根拠がないため不合理な差別に当たる」とする本問は妥当ではありません。

3 妥当でない。最高裁判所は、「戸籍法の規定のうち,出生の届出に係る届書に嫡出子又は嫡出でない子の別を記載すべきものと定める部分は、憲法14条1項に違反しない。」と判示しています(最判平25・9・26)。

4 妥当である。最高裁判所は、100日を超えて女性の再婚を禁止する旧民法の規定は、婚姻および家族に関する事項について国会に認められる合理的な立法裁量の範囲を超え、憲法に違反するに至ったと判示しています(最大判平27・12・16)。

5 妥当でない。最高裁判所は、夫の氏を選択する夫婦が圧倒的多数を占める状況は実質的に法の下の平等に違反する状態といいうるとは判示していません(最大判平27・12・16)

 

 

4月10日現在

終了レッスン数:492

総学習時間:103時間3030