4月25日、二人のタレントが無事に入国した。
プロモーターから午後3時過ぎに成田出発の連絡を受けたが
長岡に着いたのは午後7時を少し回った頃で思ったよりも早い到着だった。
二人共、長旅で疲れているだろうに全くその気配も見せず
車の中でリメイクしたのだろう、きちんと化粧した顔で
出迎えた俺に微笑んだ。
何でも無い事の様だが、この心使いはタレントの資質を示すもので
改めていいタレントが来てくれたという感触を得た。
しかし、問題も有った。
今回の2人のタレントはシンガーとシンガー・ダンサーという
中途半端な組合わせで、
ショータイムにダンスシーンをイメージしていたお店にとっては
来日する前から頭の痛い問題を抱えていた。
タレントのイザはシンガー・ダンサーで
どちらかというとダンスがメインという事なので安心したが、
それでも一人だけのダンスショーでは様にならない。
ここはもう一人のシンガー、プリンセスに頑張ってもらうしかない。
「私、歌しかできません。だってダンスは苦手でとてもとても・・・」
なんて言われたらどうしよう。
当然歌ってはもらうけど、なんとかダンスもしてほしい。
それもダンサーの様に上手に。
さっそくプロダクションに事情を説明してお願いしたところ快諾を得る事が出来た。
来日する25日までの間、プロダクションのスタジオで
イザとプリンセスの振付練習は休む間もなく続けられた様だ。
元々、フィリピーナは歌う事も踊る事も大好きな娘が多く
歌はともかく、ダンスについては感心するほど上手な娘が多い。
プリンセスもその一人でダンスセンスは抜群だった。
ここだけの話、歌よりよっぽどいいんじゃないかな?
と、俺は思うのだが。
来日から約一週間、毎晩3回のショータイムをこなしているが
お客さんの評判も上々でリクエストが有れば5分ほどのショートショウも
行っている。
イザもプリンセスもプロとしての
自覚はしっかり持っていて7曲のダンスナンバーを毎日練習している。
当然7曲とも振付は違うのが
さすがにダンサーイザはそれを完璧に踊り分ける。
その後を追いかける様にプリンセスも練習に熱がはいる。
ダンストレーナーのママの元、二人のプラクテイスは今日も続く。