毎年、3月中旬頃最後っぺのような雪が思い出した様に降る。
今朝は特に寒さもきつい。
未明からの雪は今もわらわらと降って、あたり一面真冬に
戻った様な様相だ。
昨日まで 排気ガスやごみで黒ずんだ、道路脇の根雪の残骸。
消雪用パイプから地下水と共に吐き出された鉄さびが
コンクリートを赤茶色に染めているまだら模様の歩道。
春を迎える前のいっ時の汚さをこの雪は再び蔽い隠してくれる。
真っ白な世界が俺の目の前に広がっている。
この美しさは一瞬か? 一瞬だから尚更に美しいのか。
所詮あわ雪、午後には溶けて消えてゆく。
雪下のもう一つの現実が待っている。
そして春は確実に訪れる。
自宅の裏窓から、雪化粧した桜の木。