24/06/22 翔田寛 黙秘犯 | ptureのブログ
船橋署の2作目。今回も関連のない事件が実はつながっていて、ずっと黙秘を続ける犯人の実像がだんだんわかっていく。物語のキーワードはいじめ。いじめるバカ二人は父親が大物代議士と地元の実業家という金持ち二人。片方は初っ端に殺されるんだけどとにかくこいつらが頭にくる。よくもまあこんな子供を育て上げたもんだ。なので、取調室でもう逃げ場がなくなったときには、思わず喝采してしまった。大学生が撲殺された事件、主キャラの旅館の娘の杏子の弟の溺死、連続婦女暴行事件、二年前の旅館の板前の倉田の障害事件。これらがつながっていく様見ると、ほんとこの作家うまいなあ。読むのを止められない。そしてもう一つは千葉ってこと。今回は館山、市川、船橋だったな。館山いいなあ。あそこで数泊夏休みしたいなあとかしみじみ感じてしまえるのが、いい。そうそう、3人の刑事も実に魅力的。とんがってはいないけど、ふと次の一手を思いついたりというところがすごく自然で実際の刑事もこうなんだろうなあと。ラストの犯人たる証拠も手が混んでるけど、すとんと腹におちる。ひあ、おもしろかった!