24/02/29 斜線堂有紀 廃遊園地の殺人 | ptureのブログ

舞台は20年前に廃園した遊園地。プレオープンの際に無差別殺人事件があってそのまま廃園に追い込まれた。ここに廃墟好きな主人公をはじめ10人が集まる。みな、この廃墟のオーナーからの招待を受けて。集まったのは廃墟好きのブロガーや作家、そして昔ここで働いていた人たち。この地には宝が隠してある。それを探し出した人にはこの廃墟を差し上げる。だれも見つけられなければ、20年の時を経て一般公開するとのオーナーの言葉。一体宝とは?こんな廃墟をもらうことに懸命な人々はどんな動機から?そして、一人また一人と死んでいく。猟奇的な最後の姿をみせて。というお話。廃墟か。しかも遊園地とは。これはいい感じだ。ホラーの香りがするけれどもあくまでミステリー。この遊園地を作るためにむらが一つ消えた。村人たちは明け渡しと反対の二派に分かれた。いつまでも昔にすがっていても、人はいなくなる。ならば遊園地に勝機をみいだそう。これまで閉鎖的だったせいで何人もの村人が生命をうしなった。世間は明け渡しを支持なんていう話もからみ、話の層はあつい。でも肝心の死体現場のシーンとかがわっかりにくいんだよな。もうちっと、わかりやすく書いてほしいな。これは編集さんが作家さんに言う話なんだろな。プロットは凝ってる。というか凝りすぎ。ここまでくると病気なんじゃと疑ってしまう。たくさんの伏線が最後にどんどん開いていってラストを形作る。ついていくのがやっと。ただ人の心が希薄だったのがちょっと残念。楽しみました。