最近気になること…。
気になることその1。電車の中で、恋人同士か夫婦のうち、男性が空いた席に座り、女性がその前に立っているという光景をよく見かけるということ。私の価値観によれば、席が空いていれば女性が先に座るべきであって、男性は席を譲るべきではないのか、またそうしないと、女性は怒り出すのではないか。しかし電車の光景を見ていると、どうもそうではないようである。男性が先に座っても、女性は不機嫌になることもなく当たり前のようにしていて、仲睦まじいのである。気にはなるが、女性が先に座るべきだということに合理的理由は何もないから、私のほうが気になるアンテナを弱めるしかないのか。
気になることその2。民主党が「公開会社法」なるものを準備していて、従業員代表が会社経営の重要部分に関与できるようにしようとしているということ。大企業の公的意義を重視するとか、従業員も利害関係者として経営に口出しできるようにすべきだとか、立派な理念はそれで大事だけれども、日本の大企業の取締役や監査役は、元はその企業の従業員であることも多いし(したがって公開会社法を適用したって実情は変わらないだろうし)、そもそも、そんなことを今やっている場合か、という思いがある。従業員代表が関わるといってもそれは正社員の代表者である。現在格差が問題になっている非正規雇用労働者は依然として蚊帳の外なのである。格差問題は実は経営側のみに責任がある問題ではなく、人事管理を担う正社員の意識の変容の問題でもあるのである。正社員が経営に関与できるようになったからといって、非正規労働者を安くこき使って正社員の好待遇を維持しようとする動機は変わらない。むしろそれが強まる懸念すらある。公開会社法は「今」必要な法律では決してないのである。
気になることその3。民主党幹事長の小沢一郎氏の政治資金をめぐる報道を見聞きするにつれ、小沢氏が自民党を離党してから月日を経過してなお、地元で公共事業の采配に影響力をもっているということに驚く。影響力をもっているということは、すなわち金の流れがあるのであり、公共事業の便宜供与ほしさに地元建設企業が小沢氏に実質賄賂を贈ったであろうことは、誰でも十分推測できる。小沢氏は先の選挙の前後に、企業献金の廃止を打ち出したようだが(その報道を聞いて、あの小沢氏が!?と耳を疑ったが)、実はもう自分自身が政治活動を続けていけるだけの政治献金が集まったので、金に不自由しなくなったということか。あるいは捜査の手が自分に及ぶことをあらかじめ予測してのことか。先の選挙での民主党大勝の背景には、企業と議員・官僚の癒着という、いわゆる自民党体質の脱却を願う国民の声があったはずである。小沢一郎(とその体質を受け継ぐ議員グループ)が民主党から一掃されて初めて、民主党は国民の声を代表する政党になるのではなかろうか。
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気になることその2。民主党が「公開会社法」なるものを準備していて、従業員代表が会社経営の重要部分に関与できるようにしようとしているということ。大企業の公的意義を重視するとか、従業員も利害関係者として経営に口出しできるようにすべきだとか、立派な理念はそれで大事だけれども、日本の大企業の取締役や監査役は、元はその企業の従業員であることも多いし(したがって公開会社法を適用したって実情は変わらないだろうし)、そもそも、そんなことを今やっている場合か、という思いがある。従業員代表が関わるといってもそれは正社員の代表者である。現在格差が問題になっている非正規雇用労働者は依然として蚊帳の外なのである。格差問題は実は経営側のみに責任がある問題ではなく、人事管理を担う正社員の意識の変容の問題でもあるのである。正社員が経営に関与できるようになったからといって、非正規労働者を安くこき使って正社員の好待遇を維持しようとする動機は変わらない。むしろそれが強まる懸念すらある。公開会社法は「今」必要な法律では決してないのである。
気になることその3。民主党幹事長の小沢一郎氏の政治資金をめぐる報道を見聞きするにつれ、小沢氏が自民党を離党してから月日を経過してなお、地元で公共事業の采配に影響力をもっているということに驚く。影響力をもっているということは、すなわち金の流れがあるのであり、公共事業の便宜供与ほしさに地元建設企業が小沢氏に実質賄賂を贈ったであろうことは、誰でも十分推測できる。小沢氏は先の選挙の前後に、企業献金の廃止を打ち出したようだが(その報道を聞いて、あの小沢氏が!?と耳を疑ったが)、実はもう自分自身が政治活動を続けていけるだけの政治献金が集まったので、金に不自由しなくなったということか。あるいは捜査の手が自分に及ぶことをあらかじめ予測してのことか。先の選挙での民主党大勝の背景には、企業と議員・官僚の癒着という、いわゆる自民党体質の脱却を願う国民の声があったはずである。小沢一郎(とその体質を受け継ぐ議員グループ)が民主党から一掃されて初めて、民主党は国民の声を代表する政党になるのではなかろうか。
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超勤60時間以上割増の無意味
先般の労働基準法改正により、時間外労働時間(残業時間)が月60時間を越える場合は、5割増の賃金を支払わなければならないことになった(中小企業には猶予あり)。現在は25%であるからその倍である。また、月45時間を超える場合も、25%より多くの賃金を支払うことが努力義務となった。これらの改正は来年4月から施行である。その趣旨は、長時間労働の抑制にある。すなわち、残業代を多く支払わなければならないとなると経営者は困るから、必然的に経営者は労働者の残業時間を減らすよう努力するだろう、と経営者に淡い期待を寄せた制度である。
もちろん、このような規制が、本当に長時間労働を規制する効果がほとんどないことは、誰の目にも明らかであろう。
まず、そもそも労働者を長時間労働させているような会社は、残業代を不払いであることが多い。このような会社が、法改正があったからといってハイそうですかと残業代を支給し、なおかつ割増率を上げるわけがない。国会議員を含む立法担当者は、どれだけ経営者を善人とみているのかと言いたくなる。というより、そもそも長時間労働を本気で抑制する気はないのであろう。なぜなら、この労基法改正は企業献金に頼る自民党政権末期に成立した法律だからである。
また、月45時間を超える労働に25%を超える割増賃金を支払う「努力義務」が課せられたわけだが、これまた経営者の「努力」に委ねた制度であり、そもそもただ働きをさせて長時間労働を抑制しない経営者が、割増率を上げるよう努力するはずがなかろう。それに、この「努力」の結果…すなわち、25%を超える割増率は、三六協定の中のいわゆる「特別条項」(臨時的な長時間労働を認める協定)に盛り込むとされているのであるが、そもそも三六協定なしで残業させている会社もあるというのに、また三六協定があっても特別条項は持っていない会社も多いのに、25%を超える割増率を、いったいどうやって掲げろというのであろうか。労働者が実態として月45時間(厚生労働省の限度基準告示)以上の時間外労働をしていることが多いものの、特別条項を立てるのは好ましくない、つまり、特別条項を立てるよう要求するよりも、労働時間を少なくするよう会社に求めていくべきだとして、これまで特別条項を受け入れていない労働組合も多い。そのような組合は、どのようにして25%を超える割増率を会社に要求するのであろうか。組合自ら特別条項を立てるよう会社に要求していくのか。本末転倒ではないか。これほどまでにゆるい立法のために法制審議会、国会の委員会、本会議、そして厚労省の周知活動…というように人手と金をかけているとは、なんとも無駄で、腹立たしいではないか。
仮に、月45時間以上の残業割増を30%と特別条項に書き込み、60時間以上の残業割増を50%というように就業規則に書き込む世にも珍しい善良な企業があったとする。しかしそのような善良企業が、個人の抱える仕事の中身も精査して長時間労働を抑制しようとするかは別問題である。これまでと同じ仕事をさせつつ、「お前に出す残業代がもったいないから早く家に帰れよ」と労働者に圧力をかけることも多くなるのではないか。あるいは、労働者のほうが萎縮してしまい、「割増賃金要りません」と仕事を家に持ち帰る事例が多くなるのではなかろうか。
制度の整合性という意味でも、この労基法改正は破綻していると言わざるを得ない。そもそも、割増率アップの基準となる残業時間を、45時間とか60時間に設定しているということは、そのくらいの残業をしている実態が多いということを前提にしているのであろうが、法制度としては、45時間を超えるような残業は、臨時的な事態とされているのである。つまり…法定労働時間を超える残業を会社が命じるためには、ご存知の通り、いわゆるサブロク協定(三六協定)を労使で締結しなければならない。協定を結べば青天井で残業が認められるわけではなく、たとえば月45時間が一応の限度となっており(厚労省の告示)、どうしてもそれ以上残業する必要がある場合は、臨時的な理由に限って、特別条項をサブロク協定に盛り込めば、45時間を超える残業をしてもよいということになっている(これも厚労省の告示)。この特別条項の容認が、実質的に残業を青天井にしているという批判もあるが、少なくとも建前では、45時間を超える残業は、臨時的なものに限るとされているのである。今回の労基法改正は、法制度上、その臨時的なものに、通常より多い割増賃金を支払えというものに過ぎない。一方で45時間を超える残業を臨時的なものにせよといいつつ、それに違反する実態が蔓延していることを前提に割増率を引き上げるという錯綜した制度なのである。
本気で長時間労働を規制したいなら、残業を直接法律で規制すべきであり、その遵守については労働基準監督署が目を光らせるという制度にすればよいのである。上記に関連していえば、45時間を超える残業を本当に「臨時的」なものにするよう、労基署がもっとも管轄地域を取り締まればよいのである。このような見解に対しては、現実にそぐわない、サービス残業や持ち帰り残業が増えるという批判もあろうが、そういう批判は毎度おなじみのことであり(サラ金を規制すればヤミ金が増えるなどという珍批判と同類)、小さなデメリットのために大きなメリットを拒む理由はどこにもないのである。労働時間を直接規制すれば、たとえ賃金がいくぶん安くなるとはいえ、ワークシェアリング…失業者減にもつながることであろう。
新政権では、早くこのゆがんだ政策が見直されることを望む。まさか連合傘下の大企業の正社員が、60時間を超える残業代が増えて喜んでいるわけではないだろう。
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もちろん、このような規制が、本当に長時間労働を規制する効果がほとんどないことは、誰の目にも明らかであろう。
まず、そもそも労働者を長時間労働させているような会社は、残業代を不払いであることが多い。このような会社が、法改正があったからといってハイそうですかと残業代を支給し、なおかつ割増率を上げるわけがない。国会議員を含む立法担当者は、どれだけ経営者を善人とみているのかと言いたくなる。というより、そもそも長時間労働を本気で抑制する気はないのであろう。なぜなら、この労基法改正は企業献金に頼る自民党政権末期に成立した法律だからである。
また、月45時間を超える労働に25%を超える割増賃金を支払う「努力義務」が課せられたわけだが、これまた経営者の「努力」に委ねた制度であり、そもそもただ働きをさせて長時間労働を抑制しない経営者が、割増率を上げるよう努力するはずがなかろう。それに、この「努力」の結果…すなわち、25%を超える割増率は、三六協定の中のいわゆる「特別条項」(臨時的な長時間労働を認める協定)に盛り込むとされているのであるが、そもそも三六協定なしで残業させている会社もあるというのに、また三六協定があっても特別条項は持っていない会社も多いのに、25%を超える割増率を、いったいどうやって掲げろというのであろうか。労働者が実態として月45時間(厚生労働省の限度基準告示)以上の時間外労働をしていることが多いものの、特別条項を立てるのは好ましくない、つまり、特別条項を立てるよう要求するよりも、労働時間を少なくするよう会社に求めていくべきだとして、これまで特別条項を受け入れていない労働組合も多い。そのような組合は、どのようにして25%を超える割増率を会社に要求するのであろうか。組合自ら特別条項を立てるよう会社に要求していくのか。本末転倒ではないか。これほどまでにゆるい立法のために法制審議会、国会の委員会、本会議、そして厚労省の周知活動…というように人手と金をかけているとは、なんとも無駄で、腹立たしいではないか。
仮に、月45時間以上の残業割増を30%と特別条項に書き込み、60時間以上の残業割増を50%というように就業規則に書き込む世にも珍しい善良な企業があったとする。しかしそのような善良企業が、個人の抱える仕事の中身も精査して長時間労働を抑制しようとするかは別問題である。これまでと同じ仕事をさせつつ、「お前に出す残業代がもったいないから早く家に帰れよ」と労働者に圧力をかけることも多くなるのではないか。あるいは、労働者のほうが萎縮してしまい、「割増賃金要りません」と仕事を家に持ち帰る事例が多くなるのではなかろうか。
制度の整合性という意味でも、この労基法改正は破綻していると言わざるを得ない。そもそも、割増率アップの基準となる残業時間を、45時間とか60時間に設定しているということは、そのくらいの残業をしている実態が多いということを前提にしているのであろうが、法制度としては、45時間を超えるような残業は、臨時的な事態とされているのである。つまり…法定労働時間を超える残業を会社が命じるためには、ご存知の通り、いわゆるサブロク協定(三六協定)を労使で締結しなければならない。協定を結べば青天井で残業が認められるわけではなく、たとえば月45時間が一応の限度となっており(厚労省の告示)、どうしてもそれ以上残業する必要がある場合は、臨時的な理由に限って、特別条項をサブロク協定に盛り込めば、45時間を超える残業をしてもよいということになっている(これも厚労省の告示)。この特別条項の容認が、実質的に残業を青天井にしているという批判もあるが、少なくとも建前では、45時間を超える残業は、臨時的なものに限るとされているのである。今回の労基法改正は、法制度上、その臨時的なものに、通常より多い割増賃金を支払えというものに過ぎない。一方で45時間を超える残業を臨時的なものにせよといいつつ、それに違反する実態が蔓延していることを前提に割増率を引き上げるという錯綜した制度なのである。
本気で長時間労働を規制したいなら、残業を直接法律で規制すべきであり、その遵守については労働基準監督署が目を光らせるという制度にすればよいのである。上記に関連していえば、45時間を超える残業を本当に「臨時的」なものにするよう、労基署がもっとも管轄地域を取り締まればよいのである。このような見解に対しては、現実にそぐわない、サービス残業や持ち帰り残業が増えるという批判もあろうが、そういう批判は毎度おなじみのことであり(サラ金を規制すればヤミ金が増えるなどという珍批判と同類)、小さなデメリットのために大きなメリットを拒む理由はどこにもないのである。労働時間を直接規制すれば、たとえ賃金がいくぶん安くなるとはいえ、ワークシェアリング…失業者減にもつながることであろう。
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公共サービスはどうなるのか
立法担当者はもちろん、「矛盾しない」と言い張るのであろうが、どうみても理念の相反する2つの法律がある。福祉国家の基本となる「公共サービス」について、国家が主体となって積極的に行うのか、それとも国家が投げ出して責任を放棄するのか、2つの法律を見比べるとわからないのである。
そのひとつの法律が、「競争の導入による公共サービスの改革に関する法律」(平成18年法律第51号)である。この法律は規制緩和政策・小さい国家志向を象徴するものであり、その趣旨(1条)を読むだけでも腹立たしいものである。
(趣旨)
第1条 この法律は、国の行政機関等又は地方公共団体が自ら実施する公共サービスに関し、その実施を民間が担うことができるものは民間にゆだねる観点から、これを見直し、民間事業者の創意と工夫が反映されることが期待される一体の業務を選定して官民競争入札又は民間競争入札に付することにより、公共サービスの質の維持向上及び経費の削減を図る改革(以下「競争の導入による公共サービスの改革」という。)を実施するため、その基本理念、公共サービス改革基本方針の策定、官民競争入札及び民間競争入札の手続、落札した民間事業者が公共サービスを実施するために必要な措置、官民競争入札等監理委員会の設置その他必要な事項を定めるものとする。
…出ました、「民間でできることは民間で」というキーフレーズ。ところが、今年5月に成立した「公共サービス基本法」(平成21年法律40号)では、下記のようになっているのである。
(目的)
第1条 この法律は、公共サービスが国民生活の基盤となるものであることにかんがみ、公共サービスに関し、基本理念を定め、及び国等の責務を明らかにするとともに、公共サービスに関する施策の基本となる事項を定めることにより、公共サービスに関する施策を推進し、もって国民が安心して暮らすことのできる社会の実現に寄与することを目的とする。
(基本理念)
第3条 公共サービスの実施並びに公共サービスに関する施策の策定及び実施(以下「公共サービスの実施等」という。)は、次に掲げる事項が公共サービスに関する国民の権利であることが尊重され、国民が健全な生活環境の中で日常生活及び社会生活を円滑に営むことができるようにすることを基本として、行われなければならない。
一 安全かつ良質な公共サービスが、確実、効率的かつ適正に実施されること。
二 社会経済情勢の変化に伴い多様化する国民の需要に的確に対応するものであること。
三 公共サービスについて国民の自主的かつ合理的な選択の機会が確保されること。
四 公共サービスに関する必要な情報及び学習の機会が国民に提供されるとともに、国民の意見が公共サービスの実施等に反映されること。
五 公共サービスの実施により苦情又は紛争が生じた場合には、適切かつ迅速に処理され、又は解決されること。
(国の責務)
第4条 国は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、国民生活の安定と向上のために国が本来果たすべき役割を踏まえ、公共サービスに関する施策を策定し、及び実施するとともに、国に係る公共サービスを実施する責務を有する。
(地方公共団体の責務)
第5条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、公共サービスの実施等に関し、国との適切な役割分担を踏まえつつ、その地方公共団体の実情に応じた施策を策定し、及び実施するとともに、地方公共団体に係る公共サービスを実施する責務を有する。
…このような法律をみると、公共サービスは国や自治体が責任を持って担うようにみえ、大変頼もしいではないか。だとすると前者の法律の精神はこれと矛盾しないか。前者の「公共サービス放棄法」は廃止すべきなのではないか。後者の法律は、民主党政権になってからできたものではない。同じ自民党政権時に成立した法律である。したがってこれは国家の迷走を象徴しているのである。もちろん立法担当者は、「なるべく民間に任せるが、その任せた公共サービスの監視は国や自治体が責任を持って行う」という論法でごまかすのであろうが、民間に任せて公共サービスがよくなった話を私は聞いたことがないどころか、むしろ脱法・違法行為が増えているのではないか。
「公共サービス放棄法」は速やかに廃止すべきである。
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そのひとつの法律が、「競争の導入による公共サービスの改革に関する法律」(平成18年法律第51号)である。この法律は規制緩和政策・小さい国家志向を象徴するものであり、その趣旨(1条)を読むだけでも腹立たしいものである。
(趣旨)
第1条 この法律は、国の行政機関等又は地方公共団体が自ら実施する公共サービスに関し、その実施を民間が担うことができるものは民間にゆだねる観点から、これを見直し、民間事業者の創意と工夫が反映されることが期待される一体の業務を選定して官民競争入札又は民間競争入札に付することにより、公共サービスの質の維持向上及び経費の削減を図る改革(以下「競争の導入による公共サービスの改革」という。)を実施するため、その基本理念、公共サービス改革基本方針の策定、官民競争入札及び民間競争入札の手続、落札した民間事業者が公共サービスを実施するために必要な措置、官民競争入札等監理委員会の設置その他必要な事項を定めるものとする。
…出ました、「民間でできることは民間で」というキーフレーズ。ところが、今年5月に成立した「公共サービス基本法」(平成21年法律40号)では、下記のようになっているのである。
(目的)
第1条 この法律は、公共サービスが国民生活の基盤となるものであることにかんがみ、公共サービスに関し、基本理念を定め、及び国等の責務を明らかにするとともに、公共サービスに関する施策の基本となる事項を定めることにより、公共サービスに関する施策を推進し、もって国民が安心して暮らすことのできる社会の実現に寄与することを目的とする。
(基本理念)
第3条 公共サービスの実施並びに公共サービスに関する施策の策定及び実施(以下「公共サービスの実施等」という。)は、次に掲げる事項が公共サービスに関する国民の権利であることが尊重され、国民が健全な生活環境の中で日常生活及び社会生活を円滑に営むことができるようにすることを基本として、行われなければならない。
一 安全かつ良質な公共サービスが、確実、効率的かつ適正に実施されること。
二 社会経済情勢の変化に伴い多様化する国民の需要に的確に対応するものであること。
三 公共サービスについて国民の自主的かつ合理的な選択の機会が確保されること。
四 公共サービスに関する必要な情報及び学習の機会が国民に提供されるとともに、国民の意見が公共サービスの実施等に反映されること。
五 公共サービスの実施により苦情又は紛争が生じた場合には、適切かつ迅速に処理され、又は解決されること。
(国の責務)
第4条 国は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、国民生活の安定と向上のために国が本来果たすべき役割を踏まえ、公共サービスに関する施策を策定し、及び実施するとともに、国に係る公共サービスを実施する責務を有する。
(地方公共団体の責務)
第5条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、公共サービスの実施等に関し、国との適切な役割分担を踏まえつつ、その地方公共団体の実情に応じた施策を策定し、及び実施するとともに、地方公共団体に係る公共サービスを実施する責務を有する。
…このような法律をみると、公共サービスは国や自治体が責任を持って担うようにみえ、大変頼もしいではないか。だとすると前者の法律の精神はこれと矛盾しないか。前者の「公共サービス放棄法」は廃止すべきなのではないか。後者の法律は、民主党政権になってからできたものではない。同じ自民党政権時に成立した法律である。したがってこれは国家の迷走を象徴しているのである。もちろん立法担当者は、「なるべく民間に任せるが、その任せた公共サービスの監視は国や自治体が責任を持って行う」という論法でごまかすのであろうが、民間に任せて公共サービスがよくなった話を私は聞いたことがないどころか、むしろ脱法・違法行為が増えているのではないか。
「公共サービス放棄法」は速やかに廃止すべきである。
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