陸游 | ☆ 俺たちにはつきがある!☆彡

☆ 俺たちにはつきがある!☆彡

  ~ The Moon is always with us ~

■遊山西村  陸游(1125~1209)南宋の詩人 43歳のとき免職になり故郷に帰る。

莫笑農家臘酒渾  笑う莫《なか》れ農家の臘酒渾《ろうしゅにご》れるを
豊年留客足鶏豚  豊年客《ほうねんかく》を留《とど》め鶏豚足《けいとんた》るを
山重水複疑無路  山重《やまかさな》り水複《みずかさな》り路《みち》無きかと疑う
柳暗花明又一村  柳暗《やなぎくら》く花明《はなあき》らかに又一村《またいっそん》
簫鼓追随春社近  簫鼓追随《しょうこついずい》して春社近《しゅんしゃちか》く
衣冠簡朴古風存  衣冠簡朴《いかんかんぼく》にして古風《こふう》存す
従今若許閑乗月  今従《いまよ》り若《も》し閑《かん》に月に乗《じょう》ずるを許さば
挂杖無時夜叩門  杖を挂《つ》き時と無く夜門を叩く


田舎の濁り酒か、などとお笑いくださるな
豊作で客をもてなす肉もたっぷりありますぞ、という村人の誘い
重なった山くねった河を抜けて、柳が茂り花咲く村へやってきた
春の祭りが近いのか、村では笛や太鼓が鳴り響き
人々の祭り装束は素朴で、古きよき時代の名残をとどめている
これからも閑な時に月に誘われて訪れてもよいなら
気の向くままにお邪魔いたそう


■沈園

城上斜陽画角哀  城上《じょうじょう》の斜陽画角哀《しゃようがかくかな》し
沈園非復旧池台  沈園復《ちんえんま》た旧池台《きゅうちだい》に非《あら》ず
傷心橋下春波緑  傷心橋下春波緑《しょうしんきょうかしゅんぱみどり》に
曾是驚鴻照影来  曾《かつ》て是れ驚鴻《きょうこう》の影を照し来り


ここ沈園はもはや昔の姿をとどめてはいない
私の心をしめつけるのは橋の下にゆれる春の波
この水はかつて驚き飛び立つ鴻(おおとり)を映したこともあったのだ

※陸游は二十歳のとき結婚するが離婚。
しかしその後、妻とこの場所で偶然再会する。
この詩は今は亡き妻との再会を懐かしんだもの。鴻は亡き妻のこと。