LIVE「GANGDEMIC 町田 2024.6.17」 | PSYCHO村上の全然新しくなゐ話

PSYCHO村上の全然新しくなゐ話

発売より時間が経過したアルバム、シングル、DVD、楽曲等にスポットを当て、当時のアーティストを取り巻く環境や、時代背景、今だから見えてくる当時の様子などを交え、作品を再検証。

GANGDEMIC  町田CLASSIX 2024.6.17

白か黒か。新曲「PvP」発表に伴うTHE MATCH TOURは、それが大きなコンセプトとして反映されている。ある意味、二面性、対極に位置するものと解釈することもできそうだ。

 

6月3日から始まった本ツアーは、17日の町田公演が2本目。しかしながら、ツアーと言っても毎回固定されたセット・リストを披露するわけではない。公演毎に趣向を凝らした選曲が成されている。本公演は1stアルバム「DEPARTURES」(2022年)収録曲をメインとしたライヴ。先ごろの下北沢公演が黒衣装で行われたのに対し本公演は白衣装。

 

因みに、大阪公演は2ndアルバム「TWO FACE」(2024年)をメインとしたライヴで、黒衣装での出演に。また、ツアー・スケジュールを見ると、日によって選曲や衣装に二面性を持たせながらも、すべての公演を合わせると、ひとつの大きな「作品」として完成するイメージが強い。GANGDEMICが表現するスケールの大きさを物語っていると言えまいか。

 

今回の会場は、JR町田駅の目の前にある町田CLASSIX。Tsubaki氏がMCで説明した内容によると、本公演はクラシック(古典的、伝統的など)がテーマらしい。それが1stアルバムをメインとした選曲に発展したようだ。

 

厳密に言うと会場名のCLASSIXと、古い芸術を示すCLASSICの綴りは異なるが、ある種の洒落を効かせたテーマと言える。実は、中盤のゲーム・コーナーでも、このコンセプトが反映されている。

 

19時30分になると場内が暗転。SEが流れ始めた。Ria氏、Kurumi氏、Tsubaki氏が登場してダンス・パフォーマンスを披露した後、Mirei氏、Ice氏、Sui氏が登場。白衣装でライヴを行うのは、この町田公演が初。その点においても新鮮なヴィジュアルである。

 

オープニング・ナンバーは「PARTY GANG REVOLUTION」。メンバーに合わせてフロアの観客も左右に移動し、開始早々に爆発的な盛り上がりとなった。町田CLASSIXはステージとフロアの親密度が高い会場なので、メンバーのパフォーマンスが目の前で炸裂するかのような迫力がある。

 

「PARTY GANG MONSTERS」「Gimmick」と続く。この2曲はアルバム「DEPARTURES」の収録順を再現した流れで興味深い。特に「Gimmick」はヘヴィなグルーヴを作り出し、場内に独特のうねりを生み出す1曲だ。

 

GANGDEMICは新曲を発表すればライヴに反映し、新曲に軸足を置いたメニューを組み立てている。これは今を生きるアーティストとしての、あるべき姿であるのは間違いない。その分、初期の楽曲がメニューから外れることが多くなった今、改めてアルバム「DEPARTURES」をフィーチュアするアイディアが素晴らしい。

 

その醍醐味を存分に発揮したのが「Dear my only」である。ここ最近は滅多に聴けない1曲だったのでレアだ。Kurumi氏の低音~中音域を活かした冒頭の歌メロも印象的。普段はダンスに焦点が当たるKurumi氏であるが、その声の魅力が判る。

 

演目は続く。旧オープニングSEをバックにダンス・メンバーがパフォーマンスを見せた後、「Klaxxxxon」を披露。そしてトーク・コーナーへ。メンバーが口々に「暑い!」と言う。確かにフロアは熱気が充満している。

 

白衣装でMirei氏とRia氏が着ているのはガウンらしく、特にこの2人は暑そうだ。ただし「センシティヴな見た目になる」との理由で、暑くても上着は脱げないらしい。ここからはTsubaki氏を司会にクイズ大会が行われた。

 

クラシックに因んで、「2020年の流行語は?」「2021年の東京オリンピックで日本は何枚メダルを獲得した?」「2019年の年間ヒット曲トップ3は?」といった問題が出された。最下位となったRia氏は、その場で過去の写真をX(Twitter)に投稿する展開に。

 

再び音楽へ。次に披露するのは新曲「PvP」で、GANGDEMICのことを広く知ってもらうため本曲のみ動画撮影&SNSへの投稿が可能とMirei氏が説明。パフォーマンスが開始された。

 

聴き手にガツン!と衝撃を与える曲調でありつつ、Mirei氏の艶やかな声、品のあるIce氏の声、そしてエナジーを放出するSui氏の声と、三者三様の声が堪能できる。またTsubaki氏も多くのソロ・パートを担当しており、素晴らしいヴォーカルを披露している。

 

ラスト・スパートに「SING GANG SONG」「The Answer」「EVERGREEN」「Welcome to my DANCING WORLD」を連続で歌い、熱気に満ち溢れた中でライヴは幕を下ろした。

 

「Shiningray」と「SMOKER」が無かったが、これら2曲は現在でもライヴの定番曲として頻繁に披露しているため、敢えて外されたと考察する。その分、聴く機会が減っていた楽曲を大々的にフィーチュアしたのが非常に良かった。今後も、こういった趣旨の公演を定期的に開催して欲しい。

 

セット・リスト

 

SE

①PARTY GANG REVOLUTION

②PARTY GANG MONSTERS

③Gimmick

④Dear my only

⑤Klaxxxxon

⑥PvP

⑦SING GANG SONG

⑧The Answer

⑨EVERGREEN

⑩Welcome to my DANCING WORLD