PSYCHO村上の全然新しくなゐ話

PSYCHO村上の全然新しくなゐ話

発売より時間が経過したアルバム、シングル、DVD、楽曲等にスポットを当て、当時のアーティストを取り巻く環境や、時代背景、今だから見えてくる当時の様子などを交え、作品を再検証。

ハロウィン  東京ガーデンシアター 2026.5.9

・・・続き。

 

ここからの選曲が凄い。「ディス・イズ・トーキョー」が終わると、場内に奇妙な口笛の事が響き、コミカルなメロディが流れた。アルバム「タイム・オブ・ジ・オウス」(1996年)の冒頭部分だ。

 

始まった曲は、もちろん「ウィ・バーン」である。これが日本で演奏されるのは10年ぶりであろう。2016年9月に行われた「マイ・ゴッド・イヴン・ライト」日本ツアーの最終日、新木場スタジオコーストのライヴのみ、1曲目として「ウィ・バーン」がプレイされている。それ以来だ。

 

キスクは一旦退席し、本曲はアンディが歌う。特筆すべきはサビで、「We Burn!」という歌唱に合わせて、ステージ後方から無数の火柱が何度も上がった。歌詞の如く、本当に燃えているのだ。凄まじい炎であり、アリーナ席は火が上がる度に熱を感じるほど。

 

ヴァイキーがギター・ソロを弾き、後半はサシャが担当。フラッシーなギター・ソロを披露した。カイはバッキングに徹している。エンディングのサビの繰り返しでは、何度も火柱が上がり、本当の意味で熱い盛り上がりを見せた。

 

今度はアンディが退席し、キスクと入れ替わる。キスクが次に演奏すると曲について話し始めた。タイトル・コールから「トワイライト・オブ・ザ・ゴッズ」を開始。ダニが疾走リズムを叩き、カイが印象的なメロディを弾く。

 

スタジオ盤では、歌い出しに「Insania 20 14」というフレーズがあるが、その音声は入っておらず、キスクはヴォーカル・パートから歌い始めた。ハイ・トーンを多用するメロディを、完璧に歌い上げて行くキスクの力量を再認識する場面が何度もあった。

 

マーカス・グロスコフ(b)は、ステージを走り回りながらアグレッシヴなパフォーマンスを見せる。ステージ向かって左寄りがマーカスの定位置であるものの、コーラスでマイクスタンドの前に立つ以外は、常に動き回っているのが印象的だ。

 

サビではオーディエンスの大合唱を誘う。キスクが歌い、カイがコーラスを担当する本曲は、間違いなく「守護神伝-第一章-」(1987年)の時代の色合いが蘇る。間奏では、ヴァイキーとカイがツイン・ギターのハーモニーを奏で、サシャはバッキングに徹する。

 

本曲では、スクリーンにゲーム・センターを連想する映像が流れ、曲がエンディングを迎えると「GAME OVER」と表示され終了。場内が暗転し、再びスクリーンに守護神が現れた。語りを行った後、次の曲のタイトルを告げると大きな歓声があった。「ライド・ザ・スカイ」だ。

 

ステージ中央に立つカイがメタリックなリフを弾き、ダニがシンバルでアクセントを付ける。リズムが疾走すると、カイがお馴染みのシャウトを聴かせた。スクリーンには、アルバム「ウォールズ・オブ・ジェリコ」(1986年)のジャケットに描かれた怪物が登場。演奏中は、ずっと怪物の顔が揺らめいている。

 

ストロングなメタル・サウンドに、客席では拳を突き上げヘッドバンギングするファンの姿が多く見られた。サビでは「Ride The Sky!」の大合唱だ。この名曲でツイン・ギターを弾くカイとヴァイキーの姿を見ると、メタルの歴史を作った偉大なギタリストである事実を再認識する。

 

怒涛の「ライド・ザ・スカイ」が終わると、キスクがしっとりと歌いながらステージに再登場。最新作「ジャイアンツ&モンスターズ」からのバラード「イントゥ・ザ・サン」である。続いて、アンディも登場。

 

ステージの床にはスモークが流れ込み、それをオレンジのライトが照らす。何とも幻想的な光景だ。ピアノ伴奏のパートはサンプリングを使用しており、サビからバンドの生演奏が重なる。スクリーンには巨大な太陽がイメージ映像として写された。

 

先ほどの「ライド・ザ・スカイ」で全力を出し切ったカイは、本曲ではお休み。残る6人のプレイヤーで演奏されている。

 

サシャによる泣きのギター・ソロ、それにハーモニーを付けるのはヴァイキー。エモーショナルな空気が充満する中、アンディとキスクが締めのパートを歌いエンディングを迎えている。

 

アンディがステージに残り「1998年の「ベター・ザン・ロウ」からの曲だ!」と言う。シンフォニックなメロディが流れ、サシャが重厚なギター・リフを重ねる。始まったのは「ヘイ・ロード!」であった。

 

これが演奏されるのも久々。少なくとも日本では「ラビット・ドント・カム・イージー」発表後に行われた、2004年2月の日本公演以来と思う。スクリーンに映し出されたのは、籠に入れられたカボチャ、釜で煮られるカボチャのアニメーション。アルバム「ベター・ザン・ロウ」のジャケット・デザインをイメージしているはず。

 

ハロウィンの中でもアンディ節が炸裂する本曲。サビでは「Hey Lord!Hey Lord!」の大合唱が沸き起こった。間奏後には、コール&レスポンス的なパートが設けられ、アンディが先導して観客がサビを歌う。

 

尚、「ヘイ・ロード!」からカイが戻り、再びギターは3人体制で演奏されている事を付け加えておきたい。サシャとヴァイキーが花道で演奏する中、本曲に関しては後方でバッキングに徹していたカイであった。

 

演奏を終えるとアンディが退席し、次はキスクのヴォーカルをフィーチュアした楽曲へ。サシャがアルペジオを弾き、キスクが歌いながら登場。披露されたのは、最新作に収録された「ユニヴァース(グラヴィティ・フォー・ハーツ)」だ。

 

ダニがファストなリズムを叩き、ギタリスト3人もメタリックなリフを高速で弾く。ファンは新作を聴き込んでいるようで、キスクがサビでマイクを向けると、観客は一緒に歌っている。

 

新作からの曲という事もあってか、スクリーンには宇宙の映像と共に、歌詞が表示されていた。サンプリングも重要な役割を果たしており、中盤のセリフはスタジオ音源で聴けるものが、そのまま流され、再現されている。

 

起伏に富んだ展開を経て演奏は進み、最後は再びサシャが弾く歪んだアルペジオで締めくくられた。最後の1音を弾き下ろすと、客席からは大きな拍手と歓声が上がっている。

 

続く・・・。

 

 

 

 

 

 

 

シン忍者クライシス  渋谷チェルシーホテル 2026.5.15

フレッシュな空気の中に、明確な個性と未来に向けられたエネルギーが突き抜けるデビュー・ライヴであった。この「シン忍者クライシ」なるグループが、今後、アイドル・シーンの中で、どのような立ち位置を築き、どのようにシーンを切り開いて行くのか興味深い。

 

2026年5月15日、渋谷チェルシーホテルのステージでデビューを飾ったシン忍者クライシスは、結水りお氏、真嶋あや氏、花里彩凪氏、新城愛華氏、新木ひな氏、新木美衣氏で構成された6人編成のグループ。皆、今回のデビューが最初のアイドル活動になるらしい。

 

SNSを駆使した告知はもちろん、メンバーが街頭でチラシを配布するという地道な広報活動を経て、本ステージに辿り着いたようだ。この記念すべきデビュー・ライヴは、何と入場無料(ドリンク代のみ必要)。

 

ライヴハウスを借りている点を踏まえると、大盤振る舞いの大サーヴィスと言える。当日のスタンディング・フロアは、結構な人数で賑わっていた。19時のスタートを前に、プロデューサーの高田メタル氏が登場し、観客に挨拶と盛り上げる煽りを行った。

 

定刻になり暗転。SEとして流れたのは少年隊の「仮面舞踏会」だった。これをバックにメンバーが順に舞台上に姿を見せた。アーティスト写真でも見られる、忍者をモチーフにした衣装である。

 

1曲目は、先代・忍者クライシスの楽曲「疾きこと風の如し」。アップテンポな曲調に、フロアは大いに盛り上がる。単刀直入に言うと、初々しいパフォーマンスだった。これまでリハーサルを積み重ね、仕上げて来たものをキッチリと再現したと表現すべきか。

 

しかしながら、ライヴを全力で楽しみ、この瞬間にすべてを懸けるメンバーの意気込みを感じるパフォーマンスだったのは間違いない。間奏では、メンバーが素早くシャンプし、忍者を想起させる機敏な動きを見せる。

 

歌い終えると、メンバーが「初めまして!」と観客に挨拶。花里氏、新城氏、新木美衣氏、結水氏、真嶋氏、新木ひな氏の順で自己紹介を行った。次の楽曲についてMAYKIDZのカヴァーであると紹介。

 

「Stars」のタイトル・コールを行うも、メンバーは挨拶を行った横一列並びの立ち位置から移動するタイミングを掴めず(?)、「さあ、移動しましょう」といった感じにフォーメーション・チェンジを行い、フロアからは微笑ましい反応があった。これもデビュー・ライヴだからこその場面と言える。

 

始まった「Stars」は、ギターのコード・ストロークが軸となるパンキッシュ且つアップテンポな楽曲。サビではメンバーが腕を頭上に掲げ、フロアの観客も同じ動きを行う。技巧派のダンスを見せる以上に、本曲はライヴという空間のノリを大切にしており、ステージとフロアの一体感が素晴らしい。

 

次に披露する曲は、シン忍者クライシスのために作られた楽曲。メンバーが「次が最後の曲です」と述べると、フロアからはそれを惜しむ声が上がった。披露されたのは「TRUE BLUE」という曲。

 

冒頭はシンセ・ピアノの伴奏をバックにメンバーが歌い、そこからバンド・サウンドに展開する1曲。ロック・テイストでありながら、壮大であり、どこかエモーショナルな色合いもある。今後のライヴ活動を通して、更にエモーショナルな要素が加わりそうな予感に満ちている。

 

歌い終えたメンバーはステージを去る。アンコールを求める声に、再び高田氏がステージに登場。メンバーをひとりずつ呼び込んで、トークを行う形式で進行した。何と、新木ひな氏と新木美衣氏は姉妹らしい。

 

新城氏は「セリフが何度も飛んだ」と言いつつも、「ようやくスタートに立てた」「目指すはZEPP HANEDA」と明確な目標を提示。アイドルのデビュー・ライヴは数あれど、ここまで明確な目標を述べる方は、なかなかいない。これは凄い事である。

 

力強いヴィジョンを述べるメンバー、感極まって泣くメンバーと、個性豊かな顔ぶれが集まっていると判る。その後、渋谷スターラウンジでワンマン・ライヴが決定した事を発表された。また、客席を背景に記念撮影を行っている。

 

アンコールに応え、再度「Stars」を披露。この時のみ、フロアの観客は動画撮影OKだった。これにて記念すべきデビュー・ライヴは幕を下ろした。

 

ビギニング・・・本当の意味で「起源」となる重要なライヴであった。また、メンバーの純粋な想いが渦巻くフレッシュな空間だった。フロアで見られる振りコピや、曲中のコールは本公演でほとんどなく、まだ確立されていないのだと感じる。この辺りも、今後のライヴを通して確立し、定着するに違いない。シン忍者クライシスのデビュー、本公演に集まったファンは原点の目撃者となったのだ。

 

セット・リスト

 

SE

①疾きこと風の如し

②STARS

③TRUE BLUE

 

アンコール

・STARS

ハロウィン  東京ガーデンシアター 2026.5.9

40周年を迎えたハロウィン。今ツアーのオープニング映像には、デビューEP「ハロウィン」(1985年)から、最新作「ジャイアンツ&モンスターズ」(2025年)まで、バンドが発表した歴代アルバムのジャケットが順に映し出される。

 

ハロウィンの歴史は、同時にファンそれぞれの人生を写し出す鏡とも言える。会場に集まったファンの数だけ、バンドと共に駆け抜けた人々の人生が存在する。スクリーンに登場する歴代作品のジャケットを見ながら、発表当時の自分、時代の色合いなどを思い出しながら、この歴史的なライヴに立ち会ったのではなかろうか。

 

40周年と言ってもハロウィンの場合、活動の休止も解散もなく、シーンの第一線で活動を続けて40周年を迎えている。つまり、正真正銘の40周年なのだ。これは賞賛に値する。

 

さて、今回の来日公演は、当初5月7日の大阪、10日の東京が発表されていたが、チケットの完売につき、急遽、追加公演が決まった。それが9日の東京ガーデンシアター公演である。結果として、同会場で2日間のライヴが開催される事となった。

 

9日は、開場17時、開演18時。客席に入ると、ステージはバンドのロゴを模った幕で覆われ、まだ中が見えないセッティングに。場内BGMにメタル系アーティストの様々な楽曲が流れているのだが、ピンク・クリーム69の「トーク・トゥ・ザ・ムーン」があったのが興味深い。アンディ・デリスがハロウィンの加入する前に在籍していたバンドである。歌っているのは、もちろんアンディだ。

 

18時10分を過ぎた頃、場内BGMの音量が上がり、開演を告げる楽曲へと切り替わる。客席のヴォルテージが一気に上がり、大勢が座席から立ち上がって待つ。暗転し、時計の音が場内に響く。これは40年という時に流れだろう。

 

赤のレーザー・ビームが放射され、ステージ上部から幕を切り取るような動きを見せると幕が落ち、ステージ・セットとスクリーンが現れた。アルバム「守護神伝-第二章-」(1988年)の世界観を連想する平原に、バンドが発表した歴代アルバムのジャケットが順に映し出される。

 

やがて、高台にメンバーが登場し、大きな歓声を持って迎えられた。SEの終盤でダニ・ルブレ(ds)がカウントを打ち、疾走リズムを叩き始める。オープニング・ナンバーは「マーチ・オブ・タイム」。冒頭部分は省かれ、疾走するパートからの演奏だ。サシャ・ゲルストナー(g)がイントロでテクニカルなギター・ソロを弾き、メタリックなリフをカイ・ハンセン(g.Vo)が引き継いで弾く。

 

歌パート直前に、左右からアンディ・デリス(Vo)とマイケル・キスク(Vo)が登場し、再び歓声が上がった。舞台中央からアリーナ席に向けて花道があり、アンディとキスクは時折、前に歩み出てヴォーカルを披露。

 

カイとマイケル・ヴァイカート(g)も、花道で間奏のギター・ソロを弾いた。サビでは観客の大合唱が沸き起こり、溜まっていたマグマのエネルギーが一気に吹き上がったような熱量だった。

 

ステージ後方のスクリーンは、演奏曲に合わせたイメージ映像が放映され、ステージの進行に重要な役割を果たしている。1曲目の演奏を終えると、スクリーンに守護神が現れ、客席に向けて語り始めた。

 

「Welcome Dear Pumpkin Heads JAPAN!」という語りに歓声が上がる。ツアーを通して、国名は公演地によって変更されており、JAPANの部分は日本ツアー仕様である。語り終えると、サシャにライトが当たり、クリーン・トーンのアルペジオを奏で始めた。

 

久々にプレイされる「キング・フォー・ア・1000イヤーズ」だ。2005年~2006年のワールド・ツアーにおいては、スタンドにセットされたアコースティック・ギターで冒頭パートを弾いていたサシャであるが、今ツアーではエレクトリック・ギターで弾いている。

 

しかしながら、エフェクター類による音作りかアコギのような音色で、本曲のオリジナルのサウンドをきっちりと再現していた。そのアルペジオをバックに、アンディが歌い出し、続いてキスクが歌う。アンディ時代に制作された楽曲であるため、キスクの声で聴けるのは新鮮だ。

 

リズム・インすると、ステージが明るく照らされた、スクリーンには城やステンドグラス風の模様が映し出される。正にキングをイメージした世界観だろう。13分を超える大作なので、完奏すると時間を要するとの判断か、後半の一部がカットされコンパクトなアレンジになっている。

 

本来はヴァイキーとサシャのツイン・ギターのパートがあるが、そこはカットされ、中盤からサビの繰り返しに繋げ、エンディングを迎えるアレンジとなった。見方によっては、観客の集中力を持続させるために効果的なアレンジと言えるかも知れない。

 

2曲の演奏を終え、アンディとキスクが観客に挨拶。そして「カイ・ハンセン!」と紹介し、お馴染みのピンク色のフライングVを持ったカイが、花道でロックなギターを弾き観客を煽る。「ホール・オブ・ザ・マウンテン・キング」のメロディを流用したフレーズとなり、拍手と歓声があった。

 

この展開。繋がるのは、もちろん「フューチャー・ワールド」だ。カイはイントロでスポット・ライトを浴びつつ、よく見るとメインのギター・リフはサシャが密かに弾いていた。

 

冒頭をカイが歌い、以降はキスクとアンディが引き継ぐ。客席にマイクを向けると、サビではオーディエンスの大合唱となった。ツイン・ギターはカイとヴァイキーが弾き、サシャはバッキングを担当。

 

古くからの名曲に続いては、今を生きるバンドとしての最新ナンバー。オリエンタルなメロディが流れ、アンディが「君たちの曲だ!」と言う。始まったのは「ディス・イズ・トーキョー」だ。

 

ツアーを通して世界各国で演奏されているものの、最も似合う場所はここ東京だろう。そういった意味で、東京でプレイされた「ディス・イズ・トーキョー」は特別なヴァージョン、特別な体験と言える。

 

スクリーンには日本的な風景・・・厳密に言うと、海外の方が思い描く日本のイメージを切り取ったであろう映像が流れる。中でも看板の文字「おでん 七十円」はインパクトがあり、終演後に多くの人が話題にしていた。

 

もちろん、映像のインパクトだけでなく演奏も素晴らしい。アンディが先導して歌うイントロのメロディ、「トキオ!」というサビなど、観客は最新アルバムを聴き込んでいるようで、一緒に歌う観客の姿が多くあった。

 

続く・・・。

 

 

 

 

 

 

 

Sparkly Mints  代官山SPACE ODD 2026.5.5

ゴールデンウィーク、都内では数々のアイドル・イヴェントが開催されている。日本全国に視野を広げると、それこそ星の数ほどのイヴェントが開催されているであろう。

 

しかしながら、今回、Sparkly Mintsが出演した代官山SPACE ODDのイヴェントは、何とも個性的で斬新、更にはユニークであり奇妙とも言えるコンセプトで公演が組み立てられている。キーワードは「トレイ」である。

 

まず、ライヴハウスの受付にて、光る「うん〇」が配布され、スタンディング・フロアに入ると、ステージ上に便器が置かれているのが目に入る。そのステージ上で、各グループがパフォーマンスを行うのだ。しかも転換時間のBGMは、トイレにおける一連の流れを再現した音が流されている。

 

当初、この演出について、昭和の時代からある「アイドルはトイレに行かない」という、都市伝説的な言い伝えを皮肉ったコンセプトかと思ったが、よくよく考えると5月5日は子どもの日。ある意味、悪ノリ的な遊び心が投影されているのかも知れない。

 

いずれにしても、便器があるステージで、アイドルが歌い踊るのは何とも奇妙な光景であった。後に、晴川こころ氏にお話を伺うと、アイドルとしてのキャリア7年の晴川氏も、こういった趣旨のイヴェントは初らしい。

 

イヴェントは進行し、Sparkly Mintsの出演は14時55分から。トイレ内の音を再現したBGMを経て、Sparkly Mintsのライヴ開演を告げるSEに切り替わる。メンバーが順番にステージに登場し、フロアではメンバーの名前をコール。

 

「Sparkly Mints 始めます!」の言葉から、「咲き誇れる華になろう」がスタートした。御承知のように、Sparkly Mintsは3月末から4人編成として再出発を切った。よって各楽曲の歌割り、ダンスのフォーメーションは4人用に再構成されている。

 

4月のライヴ活動を通して、4人編成としてのパフォーマンスが徐々に確立。本公演で見たライヴ・パフォーマンスでも、それを証明する形となった。それは2曲目に披露された「君へ贈る」も同様と言える。

 

ステージ中央に便器が置かれている斬新な光景であるものの、ライヴ・パフォーマンスは通常通り、繰り広げられた。2曲歌って挨拶MC。夢夜るい氏、芽咲メイ氏、晴川氏、福本あゆ氏の順番で自己紹介を。

 

晴川氏がトークしている間、他のメンバーが順にステージ袖に行く。これは水分補給ではない。戻って来たメンバーは手に光るアレを持ち、頭にはアレの飾りを着けている。フロアからは笑いがあった。ただし、Sparkly Mintsは清純派アイドルなので、頭に着けているのはホイップ・クリームとの事。

 

そのヴィジュアルのまま「パステルリボン」に突入。歌とパフォーマンスは真剣であるが、このアンバランスな光景にメンバーは笑っている。最後の楽曲「ポラリス」では、面白いハプニングがあった。

 

芽咲氏が中央で歌う際、便器に手が当たって蓋が閉じてしまったのだ。慌てて蓋を開けながら歌い続ける芽咲氏、その横で目を見開く福本氏の姿にフロアからは笑いがあった。ライヴらしいハプニングと言え、踏み込んで言うなら、このイヴェントだからこそのハプニングと言えそうだ。

 

すべての演目を終え、メンバーが観客に挨拶。ライヴは幕を下ろした。ミントのような爽快感を放つSparkly Mintsと、便器の存在が奇妙なコントラストを描き出すライヴだった。

 

イヴェントは1日中行われ、様々なアイドル・グループが出演したが、コンセプトをどのように生かし、ステージをどのように使ってパフォーマンスするのか、各グループのセンスが試されたイヴェントだったとの見方もできる。珍しいイヴェント体験となった。

 

セット・リスト

 

SE

①咲き誇れる華になろう

②君へ贈る

③パステルリボン

④ポラリス

DRAWCY  渋谷GRIT 2026.4.27

DRAWCYを構成するメンバーのひとり 咲元きい氏の個性と魅力が存分に発揮され、正に「DRAWCY featuring 咲元きい」と表現するに相応しい公演だった。

 

4月18日からDRAWCYは怒涛の10日間連続ライヴを行っており、その締め括りとして開催されたのが、咲元氏の生誕を記念したワンマン・ライヴである。4月27日は、咲元氏の誕生日当日らしい。

 

しかも会場は、デビュー・ライヴを行った渋谷GRIT。更に言うと、DRAWCYのメンバー内で生誕ライヴを開催するのは、今回の咲元氏が初。あらゆる点において節目であり、メモリアル的な意味を内包する特別な時間となった。

 

平日である事を考慮してか、ライヴは20時開演という少々遅めの時間設定。会場の入り口には、スタンド花が展示されていた。開演時刻を前に、咲元氏より来場者への挨拶と、盛り上げる言葉が陰アナウンスとしてあった。

 

そして20時を過ぎた頃に場内は暗転。お馴染みのSEが流れ、星月ひなた氏、夏芽かおり氏、柚樹りんか氏、そして本日の主役である咲元氏が登場した。メンバー全員が本公演用の特別衣装で、咲元氏はグリーンを基調としたドレス、残る3人は生誕Tシャツを着ての出演だ。

 

全員が定位置に就いたところで、ロール・プレイング・ゲームを想起させる重厚なメロディがフロアに響いた。オープニング・ナンバーは「DAY ONE」。これまで何度も披露されている楽曲でありつつ、通常とは衣装が異なる分、ヴィジュアル面で新鮮な色合いが感じられる。

 

キャッチーな歌メロと対比するかの如く、ダンス・パフォーマンスは素早い動きでキレが良い。特に間奏のダンスは見所が満載である。尚、SEから1曲目「DAY ONE」は、撮影可能と事前に告知されていたので、スタンディング・フロアではスマートフォンやカメラを持ったファンの姿もあった。

 

間髪入れずに「CARNIVAL」へ。曲が進行するに従い、観客のクラップ、ジャンプを誘発する盛り上がり曲である。タイトルと歌詞の通り、お祭り騒ぎの盛り上がりだ。次の「ENCOUNT」では、メンバーがフロアを煽って歌パートに突入している。

 

連続で3曲披露した後、挨拶のMC。柚樹氏、夏芽氏、星月氏の順で自己紹介を行い、咲元氏は「本日が誕生日の、きいです!」と挨拶を行った。柚樹氏、夏芽氏、星月氏の3人がトークを行い、咲元氏は舞台裏でスタンバイ。

 

ここからは咲元氏のソロ・コーナー。ドラマテックレコードのカヴァー「夜空のよすが」を披露した。フロアがグリーンのサイリュウムで染まる。続く、JamsCollectionの「青いペディキュア」では、残るメンバーが合流して4人でのパフォーマンス。

 

DRAWCYはグループのコンセプトもあり、衣装のデザインや楽曲の色合い、歌詞など、冒険の旅に出るような勇ましさがある。故に、カヴァー・コーナーで見られたパフォーマンスは、歌詞の内容も含め、DRAWCYメンバーのアイドルらしい部分を濃縮した演目と感じた。これも本公演だからこその特別メニューと言える。

 

歌い終えると、先ほどのソロ・コーナーや選曲についての話題でトーク。グリーンのサイリュウムで染まったフロアを「森みたい」と表現し、観客からは笑いもあった。ここからは再びDRAWCYのオリジナル曲へ。

 

メンバーが縦一列のフォーメーションに就く。曲は、もちろん「FANFARE」である。間奏明けの星月氏のソロ・パート、そこから柚樹氏が加わりユニゾンで歌うパートが印象的だ。

 

ラスト・ナンバーは現時点での最新曲「Dorothy」。煌びやかなアルペジオと、ロック・テイストなサウンドの対比が二面性を描き出す。改めて、本公演の披露曲を振り返ると「DAY ONE」「CARNIVAL」「ENCOUNT」「FANFARE」の4曲は、デビュー・ライヴと同じ並びであると気づく。

 

間にカヴァー曲を挟み、ラストに「Dorothy」という流れは、デビュー・ライヴの曲順をヴァージョン・アップしたセット・リストと言え、デビュー以降のDRAWCYの歩みを投影した演目とも解釈でそうだ。

 

全演目を終え、改めて咲元氏がファンにお礼と挨拶を行った。そして、サプライズ的な流れか、ケーキやメッセージ・ボードが運び込まれ、咲元氏に贈呈された。その後、メンバーが客席を背景に記念撮影も行われている。

 

実験的という表現が適切か定かでないが、通常の対バン形式のライヴでは表現しきれないDRAWCYの新たな魅力、咲元きい氏の魅力が満載の生誕ライヴだった。

 

セット・リスト

 

SE

①DAY ONE

②CARNIVAL

③ENCOUNT

④夜空のよすが

⑤青いペディキュア

⑥FANFARE

⑦Dorothy