ハロウィン 東京ガーデンシアター 2026.5.9
・・・続き。
ここからの選曲が凄い。「ディス・イズ・トーキョー」が終わると、場内に奇妙な口笛の事が響き、コミカルなメロディが流れた。アルバム「タイム・オブ・ジ・オウス」(1996年)の冒頭部分だ。
始まった曲は、もちろん「ウィ・バーン」である。これが日本で演奏されるのは10年ぶりであろう。2016年9月に行われた「マイ・ゴッド・イヴン・ライト」日本ツアーの最終日、新木場スタジオコーストのライヴのみ、1曲目として「ウィ・バーン」がプレイされている。それ以来だ。
キスクは一旦退席し、本曲はアンディが歌う。特筆すべきはサビで、「We Burn!」という歌唱に合わせて、ステージ後方から無数の火柱が何度も上がった。歌詞の如く、本当に燃えているのだ。凄まじい炎であり、アリーナ席は火が上がる度に熱を感じるほど。
ヴァイキーがギター・ソロを弾き、後半はサシャが担当。フラッシーなギター・ソロを披露した。カイはバッキングに徹している。エンディングのサビの繰り返しでは、何度も火柱が上がり、本当の意味で熱い盛り上がりを見せた。
今度はアンディが退席し、キスクと入れ替わる。キスクが次に演奏すると曲について話し始めた。タイトル・コールから「トワイライト・オブ・ザ・ゴッズ」を開始。ダニが疾走リズムを叩き、カイが印象的なメロディを弾く。
スタジオ盤では、歌い出しに「Insania 20 14」というフレーズがあるが、その音声は入っておらず、キスクはヴォーカル・パートから歌い始めた。ハイ・トーンを多用するメロディを、完璧に歌い上げて行くキスクの力量を再認識する場面が何度もあった。
マーカス・グロスコフ(b)は、ステージを走り回りながらアグレッシヴなパフォーマンスを見せる。ステージ向かって左寄りがマーカスの定位置であるものの、コーラスでマイクスタンドの前に立つ以外は、常に動き回っているのが印象的だ。
サビではオーディエンスの大合唱を誘う。キスクが歌い、カイがコーラスを担当する本曲は、間違いなく「守護神伝-第一章-」(1987年)の時代の色合いが蘇る。間奏では、ヴァイキーとカイがツイン・ギターのハーモニーを奏で、サシャはバッキングに徹する。
本曲では、スクリーンにゲーム・センターを連想する映像が流れ、曲がエンディングを迎えると「GAME OVER」と表示され終了。場内が暗転し、再びスクリーンに守護神が現れた。語りを行った後、次の曲のタイトルを告げると大きな歓声があった。「ライド・ザ・スカイ」だ。
ステージ中央に立つカイがメタリックなリフを弾き、ダニがシンバルでアクセントを付ける。リズムが疾走すると、カイがお馴染みのシャウトを聴かせた。スクリーンには、アルバム「ウォールズ・オブ・ジェリコ」(1986年)のジャケットに描かれた怪物が登場。演奏中は、ずっと怪物の顔が揺らめいている。
ストロングなメタル・サウンドに、客席では拳を突き上げヘッドバンギングするファンの姿が多く見られた。サビでは「Ride The Sky!」の大合唱だ。この名曲でツイン・ギターを弾くカイとヴァイキーの姿を見ると、メタルの歴史を作った偉大なギタリストである事実を再認識する。
怒涛の「ライド・ザ・スカイ」が終わると、キスクがしっとりと歌いながらステージに再登場。最新作「ジャイアンツ&モンスターズ」からのバラード「イントゥ・ザ・サン」である。続いて、アンディも登場。
ステージの床にはスモークが流れ込み、それをオレンジのライトが照らす。何とも幻想的な光景だ。ピアノ伴奏のパートはサンプリングを使用しており、サビからバンドの生演奏が重なる。スクリーンには巨大な太陽がイメージ映像として写された。
先ほどの「ライド・ザ・スカイ」で全力を出し切ったカイは、本曲ではお休み。残る6人のプレイヤーで演奏されている。
サシャによる泣きのギター・ソロ、それにハーモニーを付けるのはヴァイキー。エモーショナルな空気が充満する中、アンディとキスクが締めのパートを歌いエンディングを迎えている。
アンディがステージに残り「1998年の「ベター・ザン・ロウ」からの曲だ!」と言う。シンフォニックなメロディが流れ、サシャが重厚なギター・リフを重ねる。始まったのは「ヘイ・ロード!」であった。
これが演奏されるのも久々。少なくとも日本では「ラビット・ドント・カム・イージー」発表後に行われた、2004年2月の日本公演以来と思う。スクリーンに映し出されたのは、籠に入れられたカボチャ、釜で煮られるカボチャのアニメーション。アルバム「ベター・ザン・ロウ」のジャケット・デザインをイメージしているはず。
ハロウィンの中でもアンディ節が炸裂する本曲。サビでは「Hey Lord!Hey Lord!」の大合唱が沸き起こった。間奏後には、コール&レスポンス的なパートが設けられ、アンディが先導して観客がサビを歌う。
尚、「ヘイ・ロード!」からカイが戻り、再びギターは3人体制で演奏されている事を付け加えておきたい。サシャとヴァイキーが花道で演奏する中、本曲に関しては後方でバッキングに徹していたカイであった。
演奏を終えるとアンディが退席し、次はキスクのヴォーカルをフィーチュアした楽曲へ。サシャがアルペジオを弾き、キスクが歌いながら登場。披露されたのは、最新作に収録された「ユニヴァース(グラヴィティ・フォー・ハーツ)」だ。
ダニがファストなリズムを叩き、ギタリスト3人もメタリックなリフを高速で弾く。ファンは新作を聴き込んでいるようで、キスクがサビでマイクを向けると、観客は一緒に歌っている。
新作からの曲という事もあってか、スクリーンには宇宙の映像と共に、歌詞が表示されていた。サンプリングも重要な役割を果たしており、中盤のセリフはスタジオ音源で聴けるものが、そのまま流され、再現されている。
起伏に富んだ展開を経て演奏は進み、最後は再びサシャが弾く歪んだアルペジオで締めくくられた。最後の1音を弾き下ろすと、客席からは大きな拍手と歓声が上がっている。
続く・・・。









