LIVE「GANGDEMIC 川崎 2024.5.20」① | PSYCHO村上の全然新しくなゐ話

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発売より時間が経過したアルバム、シングル、DVD、楽曲等にスポットを当て、当時のアーティストを取り巻く環境や、時代背景、今だから見えてくる当時の様子などを交え、作品を再検証。

GANGDEMIC クラブチッタ川崎 2024.5.20

Mirei氏、Ria氏、Kurumi氏、Megu氏、Tsubaki氏、Ice氏、そしてSui氏。それぞれが明確な個性を持ちながらも、7人がステージに揃った瞬間に「GANGDEMIC」という名の圧倒的な存在感を放つ。2024年5月20日、クラブチッタ川崎のステージは7人が放つ無限のエネルギーに満ちていた。

 

昨年(2023年)5月、恵比寿リキッドルームで行われた2周年ライヴで今回のクラブチッタ川崎公演の開催がVTRの放映にて発表された。場内からは、どよめきにも似た歓声が上がっている。これまで行ったワンマン・ライヴの中で最大規模の会場だ。

 

その瞬間から、3周年に向けた時計の針は刻み始め、GANGDEMICの時間を大きく動かし始めた。Sui氏の加入、数々の新曲発表、そして毎公演でメンバーとファンが魂をぶつける熱いライヴ。

 

この1年を振り返ると様々な出来事があり、時間は「過ぎた」のではなく「積み重なった」という事実が見えてくる。積み重なった時間の先にある、クラブチッタ川崎のステージ。遂にGANGDEMICは、そのステージに立った。

 

17時から行われた前物販でTsubaki氏とお話させていただいたが、ライヴ前でアドレナリンが滾っているのか、表情や声のトーンがいつも以上にイキイキしている。本公演に懸ける意気込みを感じた次第。これは他のメンバーも同様ではなかろうか。

 

前物販は18時で切り上げられ、18時30分から開場。当日の朝は大雨だったにもかかわらず昼から止んでいる。夜には晴れており、会場前で入場を待つファンは濡れることなく入場できた。予定通り19時になると場内は暗転した。

 

従来ならダンス・メンバーの4人が先に登場してパフォーマンスを見せるが、本公演ではSEが流れ、ステージ中央に設置されたスクリーンにメンバー紹介のVTRが放映された。やがてメンバーがステージに登場して定位置へ。

 

VTR放映時のSEが「No.13」だったので、そのまま曲に流れ込むかと思われたが、ジャジー且つムーディーなメロディに切り替わる。オープニング曲は「NEXTRICK」だ。本公演用にイントロが拡張されメンバー各人がダンス・パフォーマンスを披露。

 

Sui氏がショウの開演を告げる煽りをした後、本来のイントロ部分へ。会場が大きいだけに、リズム・インすると低音の響きが凄まじい。骨の髄まで振動する迫力があった。次は「Up All Night Fuckers」で、冒頭のリズムに乗ってRia氏が観客に挨拶。メンバーが順番に自己紹介を行った。

 

フロアでは観客によるクラップ、振り付けのコピーと一体感が凄まじい。ステージ前には7個のお立ち台が準備されており、Mirei氏やIce氏がそこに昇って歌を披露していた。本曲のみならず、メンバー各人がここぞというタイミングでお立ち台に昇り、後方の観客を煽る場面が見られた。

 

「Welcome to my Dancing World」「TORICO」と続く。「TORICO」ではパープルの照明がステージを照らす中でメンバーがパフォーマンス。都会のネオンの如き美しさと妖しさが構築された。

 

歌い終えるとステージにはMegu氏とTsubaki氏が残る。低音のビートが場内を揺るがす中、両名による切れ味の鋭いダンス・パフォーマンスが繰り広げられた。変拍子のように複雑なリズムに合わせ、技巧派でありエモーショナルとも言えるダンスだった。

 

「Klaxxxxon」で全メンバーが登場した後、今度はRia氏とKurumi氏によるダンス・コーナーがあった。こちらの両名は広いステージを効果的に使用し、移動しながらダンス・パフォーマンスを見せた。

 

再度メンバーが集合して「MIRROR」と「SMOKER」を披露。特に「SOMKER」は古くからの定番曲だけに爆発的な盛り上がりを見せる。クラブチッタ川崎の客席が、大型のダンス・フロアと化した。

 

さて、先ほどはダンス担当メンバーをフィーチュアした演目が盛り込まれたが、次はヴォーカル担当メンバーに焦点を当てた楽曲「Dansynchonicity」だ。Mirei氏がステージ中央に立ち、その両サイドにIce氏とSui氏が立つ。

 

Mirei氏が「ひとりぼっちで生まれた歌が 君と出会って生まれ変わった」のフレーズを歌うと、Ice氏とSui氏が「Dansynchonicity」以外の楽曲をワン・フレーズずつ歌う。「CRIME」「NEXTRICK」「Up All Night Fuckers」「TORICO」「RISE AGAIN」「PARTY GANG CRAZY」他の一節が導入されている。

 

これらの曲は「Dansynchonicity」と同期させるために、リズムとキーが変えられているので聴いているとイメージが変わっており興味深い。中盤になるとダンス担当の4人が合流し、7人によるパフォーマンスでエンディングを迎えた。

 

どの楽曲も出来上がった時点では、まだ誰にも聴かれていない。ひとりぼっちの状態である。それがライヴという空間を通して新たな命を授かり、人々の人生に彩りを与え、かけがえのないものとなる。本公演で披露された「Dansynchonicity」は、GANGDEMICの楽曲すべてを包み込み、各楽曲への愛情と敬意を表現したヴァージョンとなった。

 

間髪入れずに「EVERGREEN」がスタート。本曲のイントロは、歓声を誘発させる魔法がある。リズム・インすると川崎の夜を揺るがす重低音と共に、爆発力のあるダンスが炸裂。歌詞の通り「ぶっ飛ぶ」ようなエネルギーがフロアに渦巻いた。

 

ここ最近のライヴでは煽りを担当することが多くなったTsubaki氏。大音量の中でも、言葉のひとつひとつがはっきりと聴き取れるのが素晴らしい。突き抜けるような声である。それは本曲の煽りでも同様だった。

 

続く・・・。