LIVE「ガンマ・レイ 六本木 2024.5.7」② | PSYCHO村上の全然新しくなゐ話

PSYCHO村上の全然新しくなゐ話

発売より時間が経過したアルバム、シングル、DVD、楽曲等にスポットを当て、当時のアーティストを取り巻く環境や、時代背景、今だから見えてくる当時の様子などを交え、作品を再検証。

ガンマ・レイ  EXシアター六本木 2024.5.7

・・・続き。

 

カイが「1stアルバムの頃に戻ろう。古い曲だ!」と言い、「ラスト・フォー・ライフ」のタイトル・コール。誰がヴォーカルを担当するのか気になるところだが、イントロは演奏陣のみで進行し、歌パートになるとラルフが歌いながら登場。大きな歓声があった。

 

令和の今になって、ラルフが歌う「ラスト・フォー・ライフ」を日本でも聴ける日が来るとは、メタル・シーンも何が起こるか判らない。場内の盛り上がりも、先程とは一段階上の熱量を帯びていた。

 

オリジナルに忠実・・・いや、オリジナルにはない超絶的なハイ・トーン・シャウトを何度も取り入れ、その凄まじいヴォーカルを再認識することになった。フロアにはプライマル・フィアのTシャツを着ている方がおられ、ラルフ目当てで足を運んだファンも多いようだ。

 

歌い終えるとラルフが「アリガトウ!」と挨拶。MCになって気付くが、ラルフの声はやや枯れ気味で喉がつらそう。御本人も調子が万全でないことを観客に謝っているようだった。しかしながら、歌っている最中は、それをまったく感じさせないヴォーカルだったのは確かである。

 

マイケルがタムの低音を駆使したドラミングを響かせ「ワン・ウィズ・ザ・ワールド」を開始。引き続き、ラルフのヴォーカルをメインとした割り振りだ。サビになるとラルフが両手を頭上に掲げ、左右に振るよう観客に促す。揃った手の動きに加え、大合唱が沸き起こり、一体感を持って進行した。

 

2曲歌ってラルフがステージから去る。再びフランクがフロントに立った。タイトル・コールから「マン・オン・ア・ミッション」が炸裂。マイケルが踏む怒涛の2バス連打は、場内の壁や床が振動するほど。間奏になると、カイとカスペリがテクニカルなフレーズを披露した。

 

オリジナルはひたすら疾走する「マン・オン・ア・ミッション」であるが、今回は終盤でバンド演奏が止み、カイが弾き語り風に歌うパートを導入したアレンジ。そこから再び疾走パートに戻ってエンディングへと向かう。

 

「次はバラードだ!」と紹介され、始まったのは名曲「ザ・サイレンス」。再度、ラルフがステージに姿を見せ、フランクと共にその歌声を聴かせた。ライヴ盤「30イヤーズ・ライヴ・アニヴァーサリー」では、ラルフが参加するブロックが後半にまとめられているのに対し、本公演では入れ替わり立ち代わり登場する段取りに。

 

演奏が終わると間髪入れずに、重厚なコーラスのSEが流れた。アルバム「ノー・ワールド・オーダー」(2001年)の冒頭に収録された「インダクション」である。単にSEとして曲を流すだけではなく、合間のダダッ!というアクセントに合わせてマイケルが生でドラム演奏を導入。

 

アルバムの収録順通り「デスローン・タイラニー」に繋がった。SE「インダクション」の流れのままギターのアルペジオはサンプリングで、ダダダッ!というマイケルのドラムは生演奏。疾走パートから完全にバンド演奏に移行していた。フロアでは髪を振り乱し、拳を突き上げ、サビを一緒に歌うなど、メタルのライヴらしい光景が繰り広げられた。

 

フランクとカイのトークで「アルバム名になっている曲」と述べられ「サムホェア・アウト・イン・スペース」をコール。これまた怒涛の疾走曲でありつつ、終盤でテンポを落とし、観客とのコール&レスポンスを取り入れたアレンジ。本曲は、いつもこのアレンジで演奏される。

 

場内が暗転し、フロントに立つメンバーがステージを去る。ただ、マイケルはずっとドラム台にいたままであったが、どうやらここで本編が終了。次からアンコールの区切りのようだ。結局、1分も経たないうちに、カイがステージに戻って来る。

 

「次は長い曲だ!」と紹介し、カイが静かにアルペジオを弾き始めた。「ヘディング・フォー・トゥモロウ」である。ハロウィンの日本武道館公演の「守護神伝」において、カイが本曲の一部を弾く場面があった。まさか、その8ヶ月後にガンマ・レイとして本曲を日本でプレイしているとは驚きだ。

 

バンド演奏に突入すると、ラルフが登場。ラルフのヴォーカルを軸としながら、フランクとカイも歌う。メタル然としたパートから、スローなパート、リズムが3連符になるパートまでドラマティックに進行。エンディングではステージが明るく照らされ、バンドが強音を決めて終了した。

 

再びメンバーがステージを去って暗転。が、これまた1分も経過しないうちに、雷が鳴り響くSEが流れた。暫くムード感を演出した後、ダークがベースでお馴染みのフレーズを弾き始めた。「センド・ミー・ア・サイン」だ。タイトルを叫ぶサビでは、フロアの大合唱を誘発している。

 

ライヴの最後にプレイされる事が多い「センド・ミー・ア・サイン」だけに、これで終了かと思われたが、カイが「今夜の最終曲だ!」と観客を煽って「ヘヴン・キャン・ウェイと」へ。ラルフが登場し、ヴォーカルを担当した。

 

エンディングでカイがドラム台に昇り、飛び降りると同時にバンドが強音を鳴らし、全演目が終了。メンバーがステージ前に集合し、観客に礼をした後にバック・ステージへと去っていった。時刻は21時50分。約2時間の熱いショウであった。

 

セット・リスト

 

①ウェルカム(SE)

②ランド・オブ・ザ・フリー

③ラスト・ビフォー・ザ・ストーム

④レベリオン・イン・ドリームランド

⑤マスター・オブ・コンフュージョン

⑥ラスト・フォー・ライフ

⑦ワン・ウィズ・ザ・ワールド

⑧マン・オン・ア・ミッション

⑨ザ・サイレンス

⑩インダクション(SE)

⑪デスローン・タイラニー

⑫サムホェア・アウト・イン・スペース

 

アンコール

・ヘディング・フォー・トゥモロウ

・センド・ミー・ア・サイン

・ヘヴン・キャン・ウェイト