LIVE「AiVER. 池袋 2024.3.8」 | PSYCHO村上の全然新しくなゐ話

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発売より時間が経過したアルバム、シングル、DVD、楽曲等にスポットを当て、当時のアーティストを取り巻く環境や、時代背景、今だから見えてくる当時の様子などを交え、作品を再検証。

AiVER.  池袋リヴォイス 2024.3.8

歌と言えば唯野真椎氏、唯野真椎氏と言えば歌。AiVER.の定期公演6回目は、強力なヴォーカルと無限の表現力でグループの音楽面を支える、唯野真椎氏の生誕祭としてライヴが行われている。

 

これまで同様に会場は池袋リヴォイスで、AiVER.は17時50分、20時20分と計2回の出演。更には19時から唯野氏のソロ出演もあった。昨年(2023年)の今頃はAiVER.始動前であり、唯野氏はソロ・シンガーとして活動していた。それを踏まえると、本公演は唯野氏のキャリアを統括した内容とも受け取れる。

 

AiVER.として1回目のライヴは私服で「Break Down」「GOLD RUSH」を披露。唯野氏のソロ・ライヴでは「残響散歌」「紅」「Its’ Lit!」「にんげんっていいな」を歌った。「紅」では間奏中にジャンケン大会が取り入れられ、勝ち残ったファン1名に唯野氏がチェキを贈呈。尺の中でキッチリとジャンケンを進行させる、唯野氏の時間配分が素晴らしい。

 

AiVER.の唯野氏としては初の生誕祭であるため、初めて参加する方はカヴァーの選曲に驚いたかも知れないが、何れも唯野氏が十八番とする楽曲。「にんげんっていいな」は、緊急事態宣言でライヴ活動が出来なかった2020年に配信で歌ったヴァージョンがファンに好評を博し、それ以降は持ち曲の如く定番となった経緯が。尚、19時からのライヴはソロ用の特別衣装でのパフォーマンスだった。

 

イヴェントは進行し20時20分。開演を告げるSEと共に生誕祭本編が開始された。特筆すべきは、この回はメンバー全員がジャージによる出演。ライヴ=運動という解釈か。主役の唯野氏は青いジャージにメガネというヴィジュアル。メンバーが順に登場して1曲目「お願い!神様!」へ。

 

本公演はAiVER.の6人が久々に揃ったライヴである点も見逃せない。季節的に風邪が流行しているため、ここ数回のライヴは2人が欠席した状態で行われていた。よって今回から6人という完全体でのパフォーマンスが披露されている。

 

歌い終えると、亜織サヤ氏、九蜜うりぼ氏、積木こころ氏、唯野氏、絵門未羽氏、流川桜氏の順で自己紹介。MCでは亜織氏も、6人が揃った久々のライヴであると述べた。トークの話題は雪へ。寒波により地域によっては雪が積もった事から、唯野氏が「雨女、雪女」とメンバーから言われる。

 

場内に笑いがあったところで次の曲へ。ジャージ衣装という事で、ここからは身体を動かせるブロックらしい。その言葉通り「新世界」「頂センセーション」、そして「アイドルクエスト」とアップテンポな楽曲を連続で披露。「アイドルクエスト」は間奏ロング・ヴァージョンで、メンバーが観客を煽る。いつも以上に運動量を必要とするアレンジに。

 

3曲を終えるとハッピーバスデーが流れ、ステージ上にケーキや花束が登場。ファンからの寄せ書きは「週刊少年ジャンプ」をモチーフにしたデザインらしく、メンバーから驚きの声が上がっていた。唯野氏が感謝の言葉や今後の抱負を述べている。

 

ライヴのメニューは折り返し地点。ヘヴィなギター・サウンドが場内に響き「Believer」がスタート。歌い出しを担当する絵門氏の艶やかな声が魅力的である。本曲はメンバー紹介を取り入れたライヴ・ヴァージョンと、CDになっているスタジオ音源ではラップ部分の歌詞や間奏の尺が異なるが、本公演では間奏で唯野氏をフィーチュアした特別版。

 

流川氏がラップで唯野氏を紹介し、観客が「まつい!」とコール。2回目は亜織氏が先導して「先生!」とコールしていた。エンディングでは亜織氏が「真椎はいつもゲームしてます!」と叫ぶ。思い返せば、昨年(2023年)の絵門氏生誕祭では「みうぱ 本当は57歳!」と叫んでいた。ここは亜織氏がパワー・ワードを叫ぶのが定着しているようだ。

 

「CHEER」のサビでは、波の満ち引きの如く観客がフロアの前後に移動し、場内にうねりを作り上げる。暗転したステージに青と白のライトが当たり、中央に立つ唯野氏が照らされた。「GLORIA」のサビをアカペラで歌い上げ、歓声が沸き起こる中、イントロに突入。熱いパフォーマンスが繰り広げられている。

 

各メンバーがプロデュースした定期公演は本日が最終日であると告げられ、フロアからは残念がる声が上がった。しかしながら、4月18日には公約企画達成を記念した無料ワンマン・ライヴが開催されると告知があり、大きな拍手があった。今後の告知等が行われライヴも終了かと思われたが、もう1曲。何と「にんげんっていいな」をAiVER.として披露。最後の「バイバイバイ」の歌詞でライヴは幕を閉じた。

 

今回は、2つの大きなテーマがあると感じる。ひとつは、やはり歌である。公演を通してその歌声をフィーチュアし、唯野氏は唯一無二のシンガーであると再認識する瞬間が幾度となくあった。

 

そして、もうひとつは「実は生粋オタクの真椎」というフレーズがあるように、ゲーム、漫画、アニメなど、唯野氏の趣味趣向が全面に添加されたライヴだった。グループ、ソロ、そしてグループと形態は変われど、その中に存在する唯野氏のカラーがより明確になる生誕祭だった。

 

セット・リスト

 

SE

①お願い!神様!

②新世界

③頂センセーション

④アイドルクエスト

⑤Believer

⑥CHEER

⑦GLORIA

⑧にんげんっていいな