LIVE「VELL’z FIRE 四ツ谷 2024.2.4」 | PSYCHO村上の全然新しくなゐ話

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発売より時間が経過したアルバム、シングル、DVD、楽曲等にスポットを当て、当時のアーティストを取り巻く環境や、時代背景、今だから見えてくる当時の様子などを交え、作品を再検証。

VELL’z FIRE「偽物音楽駆逐祭~BODO生誕祭2024~」四谷アウトブレイク 2024.2.4

VELL’z FIREの2024年最初のライヴは、上田BODO康弘さん(g)の生誕祭という記念すべき公演となりました。まず本公演は、VELL’z FIREの4人が久々に集結したライヴである事を特筆せねばなりません。

 

昨年(2023年)の秋から冬に掛けて行われた2回のライヴは、VELL’z FIRE Project名義で行われており、1回目はニセモノ・ミュージックの魔の手によって広島に飛ばされたKUNIさん(Vo)が御不在、2回目は年末に焼き肉店が多忙を極めるMIKEYさん(ds)が御不在のライヴでした。

 

その分、ゲストを迎えた編成でスペシャルな演目が用意され、普段は見られないライヴが行われましたが、これらは番外編という位置づけになる気がします。故にVELL’z FIREとしてのライヴは久々なのです。

 

更に踏み込んで言うと、前回の四谷アウトブレイク公演時(2022年10月2日)は、BODOさんが腕を骨折していたため、複数のギタリストがBODOさんに代わってギターをプレイしたライヴでした。つまり本公演は生誕祭であり、リヴェンジであるとも受け取れます。

 

イヴェントは夕方から始まっており、VELL’z FIREと縁の深いバンド及び、ミュージシャンの方が出演。VELL’z FIREはトリを飾る20時10分から出演しています。映画「地球防衛軍」のテーマをオープニングSEとしてライヴは幕を開けました。

 

SEが止むとMIKEYさんが怒涛の疾走リズムを叩き、BODOさんがアームを使用してギュイ~ン!とロックらしい音を発します。1曲目は久々の演奏となる「Murder for freedom」。KUNIさんが冒頭から凄まじいシャウトを披露しました。ファストな楽曲に場内は凄まじい盛り上がり。

 

髪を振り乱し、拳を突き上げるファンの姿が多くありました。BODOさんは髪を切って短髪になっており、白のフライングVを弾くその姿は、本曲が収録されたEP「INTO THE LIGHT」(2013年)時期と重なるものがあります。間奏ではBODOさんによる、タッピングを交えたテクニカルなソロが披露されました。

 

「Murder for freedom」のエンディングから音が続き、「The last stand」へ。アルバム・タイトル曲であり、ミュージック・ヴィデオも制作された本曲を2曲目に惜しげもなく組み込む辺り、VELL’z FIREの未来への快進撃を予感させます。

 

KUNIさんは、この日も凄まじいハイ・トーンを披露しました。俗に「口からCD音源」という言葉もありますが、ライヴでのKUNIさんのヴォーカルはスタジオ音源で聴けるものと同様・・・いや、それ以上のパワーに満ちています。

 

2曲歌ってKUNIさんが挨拶MC。本公演「偽物音楽駆逐祭~BODO生誕祭2024~」というタイトルが長くて混乱するという話から、GOGAさん(b)が「偽物音楽生誕祭、BODO駆逐祭」と言い、観客の笑いを誘います。BODOさんが「単なる悪口やないか!」とツッコミを入れました。

 

さて、この日はトリという事でVELL’z FIREは約70分のライヴを行っています。持ち時間が長い事もあってか、最近は生で聴く機会が減っていた「Hell can wait」が久々にプレイされました。ヘヴィでダークな側面を見せた後は、泣きを発散する「Sad slumber」へ。本曲は随所に導入されているBODOさんの美しいギター・フレーズが印象的な曲です。

 

2曲の演奏を終え、KUNIさんが「まったりの選曲」とコメント。ここからの選曲については「甘い、辛い、しょっぱい」と表現して笑いを誘いました。トークの間、BODOさんはフライングVから、黒のエディ・ヴァン・ヘイレン・モデルのギターに持ち替えスタンバイ。

 

次の曲について、BODOさんが「KUNIのヴォーカルを聴くと泣きそうになる」とコメント。KUNIさんは「歌う前にハードルが上がると胃が痛くなる」と言い、フロアからは笑いと拍手がありました。

 

BODOさんがクリーン・トーンでアルペジオを弾き「Calling」がスタート。静から動へとドラマティックに演奏が進行しました。続いて「Cry out」をプレイ。これらをEVHモデルのギターを持った短髪のBODOさんが弾く姿が新鮮です。

 

次のトークでは「今までの生誕祭ではカヴァー曲を演奏していたが、今日は新曲を演奏する」という話に。厳密に言うと、KUNIさん加入前の3人時代に披露した曲で、それをリニューアルしたヴァージョンとの事。

 

KUNIさんが「Reach for the sky」とタイトル・コールを行うも噛んでしまい、再度 曲フリへ。が、今度はMIKEYさんが冒頭のドラミングの調子が掴めなかったようで「ごめん!」と言って音が止みました。珍しい光景に、集まったファンは違った意味の盛り上がりを見せています。

 

気合いを入れ直し、無事に「Reach for the sky」がプレイされました。アップテンポ且つ、雄大なスケール感を持つメタル・ナンバーです。ここからBODOさんは、白のフライングVに戻っています。

 

曲が終わるとシンフォニックなSEが流れ、MIKEYさんの演説コーナーへ。「誕生日プレゼント!」と言って、BODOさんに映画「怪獣大戦争」をモチーフにしたゴジラTシャツがプレゼントされました。

 

素晴らしい出演者によって「今日のところはニセモノ・ミュージックをデストロイできた」という話から、メタル・スピリッツ溢れる御言葉に。「(MIKEYさんが働いていた)焼き肉店に未だに予約の電話を掛けてくる奴はデストロイ!もう俺様は焼き肉屋の人間では無い!」と叫ばれました。

 

そのMIKEYさんによる曲フリから「The metal party」「Life Stealer」を演奏し、メンバーはステージを去りました。ですが、まだ客電が点かず、どうやらアンコールが用意されているようです。フロアでは手拍子が続き、メンバーが再登場しました。

 

ハットを被って登場したGOGAさんは、御自身がリスペクトする沢田泰司氏に通ずるもののがあります。BODOさんが改めて出演者と来場者に感謝の言葉を述べられました。本当にラストの曲として名曲「Burning blood」が炸裂し、ライヴは幕を下ろしました。

 

セット・リスト

 

SE(映画「地球防衛軍」メイン・テーマ)

①Murder for freedom

②The last stand

③Hell can wait

④Sad slumber

⑤Calling

⑥Cry out

⑦Reach for the sky

-メタル演説-

⑧The metal party

⑨Life Stealer

 

アンコール

・Burning blood