LIVE「桜色Standard 渋谷 2024.1.28」 | PSYCHO村上の全然新しくなゐ話

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発売より時間が経過したアルバム、シングル、DVD、楽曲等にスポットを当て、当時のアーティストを取り巻く環境や、時代背景、今だから見えてくる当時の様子などを交え、作品を再検証。

桜色Standard 渋谷リング 2024.1.28

桜色Standardの新たな章が幕を開けた。ヒューリックホール東京のステージに立ったあの日から2年、桜色Standardという名の光を絶やす事無く、今日(こんにち)まで繋いだ夏川くるみ氏。グループの重要な柱となった七瀬あむ氏と天羽えりん氏、そして未来の鍵を握る星蘭実来氏と桜井瑠美花氏。

 

先ごろ、五反田で行われたワンマン・ライヴでお披露目された星蘭氏と桜井氏を含む新編成&新衣装の桜色Standardは、1月27日のライヴより本格的に活動を開始した。対バン形式のイヴェントに出演するのは、この週末が初となる。今回は28日に行われた渋谷リングでのライヴの模様を書きたい。

 

渋谷リングは、ライヴハウスが密集する道玄坂エリアにある。O-EASTのとなり、クラブエイジアの正面に位置する会場と書けば判り良いはず。この日のイヴェントは正午から始まり、終演は21時前という長丁場。桜色Standardは15時35分からの出演。

 

この会場は客席の作りが特殊で、ステージ前にあるスタンディング・エリアを筆頭に、そこから1メートルぐらい高くなったエリア、更にその後方には更に1メートルぐらい高くなったエリアがある。アリーナ、2階、3階と表現するのは語弊があるが、そのような見た目の構造であるのは間違いない。

 

15時35分になるとSEが流れ、メンバーが順に登場。伝統的なSEでありつつ、新衣装に身を包んだ新編成のメンバーが続々と姿を見せ、定位置に就くのはヴィジュアル的にも新鮮だ。全員が揃ったところで「君と駆け上がる」を開始した。

 

夏川氏が「桜色Standardです!盛り上がって行きましょう!」と呼び掛ける。曲が進行するに従い気付くが、七瀬氏が担うソロ・パートの増量を見逃せない。これまで幾度となく披露された楽曲でも七瀬氏の歌声が歌詞に新たな表情を与える。音楽面での七瀬氏の活躍に注目したい。

 

今も昔も「君と駆け上がる」は、ライヴという空間を弾ませる躍動感があり、その核たる部分はそのままに、現編成による今の桜色Standardのカラーに染め上げられていた。

 

続いては「ひらりひらひら」で、アップテンポ且つスリリングなビートに桜吹雪の如き美しさが舞う。本曲では芯の通った星蘭氏の歌声が印象的だった。また、衣装のスカート部分を使ったパフォーマンスは伝統的な動きでありつつ、凛とした天羽氏、しなやかな桜井氏と、メンバーそれぞれ歌とダンスに特色があるのが興味深かった。

 

さて、グループは先日のワンマン・ライヴで2曲の新曲を披露しており、本ステージでもそのうちの1曲「トドケ!!!!!」が歌われた。天羽氏、星蘭氏、桜井氏にとっては既存曲ではなく、初のオリジナル曲となる。

 

ステージ向かって右側の夏川氏と、左側の七瀬氏が冒頭の歌い出しを担当。アップテンポな曲調に発展した。歌詞は、メンバーからファンへの気持ちを綴った内容と解釈できる。それはライヴという空間を通して、よりリアリティのある言葉として観客のもとへ届くはず。

 

美しく咲き誇る一瞬に情熱を懸け、舞い踊といった歌詞の「ひらりひらひら」もアイドルの姿を投影した内容と受け取れる。それに対し、本曲「トドケ!!!!!」は視点こそ違えど、よりストレートにアイドルの存在と気持ちを綴った歌詞と言えそうだ。コールやクラップを導入し、ライヴ映えする作りであるのも特筆したい。

 

ラスト・ナンバー「希望の空」を歌い終え、夏川氏、桜井氏、七瀬氏、天羽氏、星蘭氏の順で自己紹介。先週のライヴで新メンバー2名がお披露目された事、新衣装になった事などを夏川氏が紹介した。「新衣装になって可愛くなりました!」と夏川氏がコメントし、客席からは拍手と笑みがこぼれている。

 

これを書いているのが奇しくも1月30日。本日で桜色Standardはデビュー2周年を迎え、3年目に突入した。継承するものと新しく発展させて行くもの。双方が絶妙なバランスで成り立つ中、桜色Standardは次なる地平へと向かって走り始めたのだ。

 

セット・リスト

 

SE

①君と駆け上がる

②ひらりひらひら

③トドケ!!!!!

④希望の空