LIVE「鈴木愛理 後楽園 2018.06.09」 | PSYCHO村上の全然新しくなゐ話

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発売より時間が経過したアルバム、シングル、DVD、楽曲等にスポットを当て、当時のアーティストを取り巻く環境や、時代背景、今だから見えてくる当時の様子などを交え、作品を再検証。

鈴木愛理「Debut Meeting Airi Fes. in TOKYO」 東京ドームシティ ラクーアガーデンステージ 2018.06.09

日本武道館公演のチケットが即ソールド・アウト。鈴木愛理氏のソロ・シンガーとしての出発は圧倒的なスケールで開始される結果になった。その理由は、リリースされたばかりのアルバム「Do me a favor」を聴けば見えてきそうだ。アルバムを聴いた瞬間、理屈抜きにして、これらの楽曲を生で聴きたい、鈴木氏の姿を見たい、パフォーマンスを生で体験したいと思わせる力が楽曲に宿っている。

 

11曲が印象的で素晴らしく、それらがアルバムとして集合し最強の作品である。しかもそこに収録された楽曲やサウンドは、これまで長きに渡って鈴木氏の歌に接して来たファンでも「新しい」と感じる要素が満載だ。昨年(2017年)の612日を節目に充電期間を経て、ここから鈴木氏の新たなキャリアがスタートしたと感じさせる重要な作品である。Cotton ClubZEPP TOKYOで見せたパフォーマンスの素晴らしさが多くの人を魅了した点も見逃せない。

 

そのアルバムのリリースに従うイヴェントを鈴木氏は全国で開催しており、69日には東京ドームシティの敷地内にあるラクーアガーデンでミニ・ライヴを行った。梅雨に入り、雨の降る確率が高い季節に入ったが、この日は晴天。正に野外のイヴェント日和である。しかしながら日中はかなり気温が上昇し、ステージ前に早くから待機しているファンに、水分補給など熱中症対策をするようにスタッフが呼び掛ける場面もあった。

 

1日に2回行われるイヴェントの1回目は14時から、定刻直前になると、優先観覧エリアを含むステージ前は勿論、一般観覧エリア、2階の通路など、ステージが見える場所は既に人人人の光景。「ここはマイナビBLITZ赤坂やZEPP TOKYOか?」と錯覚しそうな光景だ。14時を前に元ニッポン放送、現フリー・アナウンサー、そして鈴木氏のファンでもある五戸美樹アナウンサーが舞台に登場。イヴェントの注意事項を述べ、こまめな水分補給をするよう観客に呼び掛ける。そして鈴木氏が呼び込まれライヴがスタート。1回目のメニューは次の通り。

 

DESTANCE

君の好きなひと

Good Night

 

SEが流れ、バック・ダンサー2名と鈴木氏が登場し、拍手と歓声が上がる。SEが終わって間髪入れずに始まったのはアルバム「Do me a favor」の1曲目であり、ビデオ・クリップも制作されている「DESTANCE」だった。ダンサンブルな本曲は開始早々にダンサーが切れの良いダンスを見せ、鈴木氏は歌パートに入った。ダンサーも含めステージで繰り広げられるパフォーマンスは、アイドルという枠には収まり切らないダイナミックなものだった。音楽が聴こえ、大勢の人が集まっているという事で、買い物客や通行人も足を止めてステージを見ており、イヴェントが開始されると続々と人が増えて行った。

 

1曲歌い終えたところでMCを挟み、まずは鈴木氏が観客に挨拶。そして今日は岡井千聖氏が所沢の警察で1日所長をやっていたり、中島早貴氏は舞台に出ているなど、元℃-uteメンバーも各所で活動しているので、「鈴木は歌って踊る感じで、1日頑張ります!」と述べた。今回のアルバムはダンス・サイドとバンド・サイドと楽曲のスタイルが分かれており、次に歌う曲はバンド・サイドからの楽曲と説明あった。

 

始まったのは「君の好きなひと」だった。バンド・サイドの楽曲ではあるが、ロック・テイストな曲では無く、ゆったりとした片想いソングである。歌い終えると鈴木氏は「歌詞をじっくり見ながら聴いてほしい」と語る。14時からの公演は、もう1曲ファンキー且つ煌びやか、そしてゴージャスなサウンドが印象的な「Good Night」で幕を閉じた。

 

2回目の公演は17時から。夕方とは言え、日はまだ昇っており気温も暑い。2回目のメニューは次のようになっている。

 

DESTANCE

Candy Box

Good Night

 

1回目に歌った「君の好きなひと」が「Candy Box」へと入れ替わり、ロック・テイストでアップテンポな楽曲の登場に場内は活気づいていた。「君の好きなひと」を披露する際は、ダンサーは一旦舞台を掃け、鈴木氏のみのパフォーマンスだが、この「Candy Box」ではダンサー含む3名でのパフォーマンス。つまり2回目のメニューでは全ての楽曲で鈴木氏+ダンサーによるパフォーマンスが繰り広げられている。

 

1回目、2回目共に全ての歌を終えた後、鈴木氏と五戸アナウンサーのトークもあった。鈴木氏はソロ・シンガーとしてのデビュー日を非常に重要な日と感じているらしく、これまで、あぁ!、℃-uteBuono!3回メジャー・デビューがあり、これが4回目のメジャー・デビューであるが、「もう1回出発するんだなと重みを感じます」と語った。また「鈴木愛理を知っていますか?」という印象的なフレーズから始まるテレビCMを見ると、御本人は「私です!」となるそうで、このエピソードには場内から笑いや拍手も聞かれた。

 

キャリア15年で「15年目の新人」として再出発した鈴木氏。この15年間で、音楽的にもユニット、ソロなどで様々なタイプの楽曲を歌い、ステージでもあらゆる表現手段をファンに披露して来た鈴木氏だが、今回のアルバム「Do me a favor」は、まだ誰も聴いた事の無かった新しい方向性が満載だ。あの鈴木愛理氏であって、あの鈴木愛理氏では無い。正に15年目の新人としてスタート・ラインに立った鈴木愛理氏の今がここにあるのだ。

 

 

 

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