第221回「続・聖飢魔Ⅱ 全曲解説⑤」 | PSYCHO村上の全然新しくなゐ話

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発売より時間が経過したアルバム、シングル、DVD、楽曲等にスポットを当て、当時のアーティストを取り巻く環境や、時代背景、今だから見えてくる当時の様子などを交え、作品を再検証。

LIVING LEGEND/聖飢魔Ⅱ


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・・・続き。

⑦LOVEdefence of your complex

「ギターを触っていたら、理屈っぽいリフができた」と言う本曲は長官が提供した作品。その言葉通り、複雑で小難しいリフが主体となり楽曲が構成されている。歌詞は閣下が書いており、様々な愛の形を悪魔流の視点で綴ったような内容。ギター・ソロにはタッピングを取り入れたフレーズもあり、長官によると「聖飢魔Ⅱとして最初に発表した「BURNING BLOOD」でタッピングを取り入れ、最後に発表した本曲でもタッピングをした」との事だ。アップテンポでライヴ栄えしそうな本曲だが、ミサでは演奏される機会は無かった。



死の協奏曲

クラシックのピアノ・フレーズを彷彿とされるイントロが印象的な本曲は、長官作。タイトルから連想するように、重くダークなムードを内包する楽曲で、ある意味、長官が作るイメージの楽曲には直結しない曲調とも言えそう。これもステージで演奏される事は無かったが、聖飢魔Ⅱが出演した文部省の薬物乱用防止キャンペーンCMBGMとして使用された。


⑨FROM HERE TO ETERNITY

最大小教典「20世紀狂詩曲」のカップリングとしても収録され、発布に先駆け既に1999年夏ツアーで新曲として演奏されていた曲。アップテンポながら美しさと儚さを持ち、閣下もしっとりとした感じで歌詞を歌い上げている。歌詞は閣下、曲は長官によるもので、ミサにおいてメインとなるアルペジオは、スタンドにセットされた別のギターで長官が弾いている。恐らく変則チューニングを使用していると思われる。19991229日の解散ミサ初日にも演奏された。



⑩CENTURY OF THE RISING ARMS

ツインギターによる美しいメロディが随所に登場する本曲は、長官の手によるもの。殿下の力強いドラミングで疾走する楽曲に、長官らしい繊細で美しいメロディが乗り、激しさと美が融合したような1曲だ。ギター・ソロも絶品。閣下が書いた歌詞は、解散を控えた聖飢魔Ⅱと信者の事を題材にしていると思われ、この時期の聖飢魔Ⅱが歌う事によってリアリティを増す言葉が綴られている。ファイナル・ツアーでは日替わりでセット入りしていた為、ごく一部の公演のみで演奏された。19991230日の映像があるが、これはミスが多いヴァージョンだ・・・。


⑪ROCK’N RENAISSANCE

初期の聖飢魔Ⅱを想起させる厳粛で重要なコーラスから、アップテンポに発展する正統派メタル・ナンバー。本曲の特徴として挙げたいのは、全編に渡り英語詞が採用されている点で、そのサウンドから予備知識無しで聴けば、海外のメタルと思う方が居るかも知れない。間奏部ではギター・バトルに加え、珍しくキーボードのソロ・パートも設けられている。本家・聖飢魔Ⅱはミサで演奏した事は無いが、VELL’Z FIRETAROさん(Vo)が在籍するトリビュート・バンド、MEGAHELL-Ⅱのミサで本曲が取り上げられていた。


⑫REVOLUTION HAS COME

本曲も「FROM HERE TO ETERNITY」と同じく、最大小教典「20世紀狂詩曲」のカップリングとして先行発布されていた曲。詞は閣下、曲は参謀が書いており、作曲者の参謀によると「SILENCE OR VIOLENCE?」を書いた後に、もっと良い曲が書けると意気込んで作ったのが、この曲との事。勢い良く駆け抜けるスピーディなメタル・ソングで、間奏では参謀も鬼のような怒涛の速弾きを披露している。「神でも悪魔でも化学でもない ヒトの心が泣いて」という歌詞の一節が、閣下のお気に入りのフレーズらしい。新曲として1999年夏ツアーで既に演奏され、その後もファイナル・ツアー、解散ミサ初日、再集結ミサなどでも演奏されている。


⑬GO AHEAD!

地球デビューからの14年間の活動を締め括る最終曲は、参謀作の超大作「GO AHEAD!」。シンセの音色に続いて重厚なギター・リフが重なり、複雑なメロディが目まぐるしく弾かれるイントロを経て、アコースティック・パートに突入。閣下が壮大に歌い上げる。歌詞は、孤独と不安を背負いながらも、まだ見ぬ未来へ前進するといった感じのメッセージが込められており、これは当時の信者にとっても構成員にとっても意味を持つ歌詞だったように今となっては感じる。中盤では変拍子を駆使した複雑なパートが設けられ、熟練された玄人の演奏が炸裂しており、ミサにおいても完全再現していたのだから、その演奏技術たるや凄まじい。解散ミサ初日に演奏されたのが長らく唯一のヴァージョンだったが、2010年の再集結時にはオープニングに据えられ全公演で演奏された。





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