しんりの手 :psych NOTe -15ページ目

男性の脳はより速く老化する

脳は年を取ると縮んでいき、活動も低下していく。この研究者はMRI(磁気共鳴映像法)を使い66歳以上の男女330人の脳の大きさを測ったところ、男性の脳の方がより縮んでいたという。

男性の方が萎縮が激しかった部位は前頭葉、側頭葉、頭頂後頭部の3点だった。これらは考えたり、計画したり、記憶したり、感覚を統合したりする部位だ。

この結果は既に報告されている事象と合致するとこの研究者は言っている。つまり、男性の方がアルツハイマーなどの脳の萎縮に関する障害が多い。これは今回の脳の萎縮が男性により大きいのと辻褄が合う。

こういうニュースを読んでいて思うのはこれ単体では全然面白くない。世の中の興味は脳の萎縮と他のことの関連だと思う。この研究者は性別についてしか調べていないようだけど、他に影響する要素は調べなかったんだろうか。例えば身長とか、小学校の時の成績とか、日焼けの程度とか(これは根拠が無いか)。この記事からだと年を取ると全ての男性の脳が縮むのか一部の男性の脳が激しく縮むのかも分からない。そういう事の方が関心が高いと思うんだが、これは元の論文にも書いていないのかな。今度読んでみます。

元のニュース:
Male Brain Ages Faster Than Female, Henry Ford Research Shows
Edward Coffey(ヘンリー・フォード研究所)
http://www.sciencedaily.com/print.php?url=/releases/1998/02/980219061407.htm

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人類水生進化説(アクア説)


エレイン モーガン, Elaine Morgan, 望月 弘子
進化の傷あと―身体が語る人類の起源

サルから人間にどう進化したかというのは未だに議論の的だが、僕が最も現実味が高いと思っているがエレイン・モーガンの唱える人類水生進化説(アクア説、Aquatic Ape Theor、AAT、Elaine Morgan)だ。

この説のポイントは二つあると思う。(1)人類は水生生物(イルカなど)と似た性質をたくさん持っている。これはサルには見られないのでサルから人間に変化する時に水に関わる環境が影響したのだろう。(2)進化(違う種への変化)は局所で起こる。これは広大な地で交配しても影響が割合的に少なくなってしまうのに対し、局所での変化はその地域のその種の全体を変化させ得る。

第一のポイント:人類は水生生物と似た性質を持っていて、サルは持っていない、はざっとこんな点だ。
①体毛の喪失。②皮下に脂肪がある。③処女膜を保有。④脂肪分泌の多さ。⑤鼻毛の損失。⑥意識的に呼吸を制御できる。⑦汗による体温の制御。⑧(水中での息継ぎを意識的に制御するための)喉頭の下降。
つまり人間はサルとは決定的に違う点が多過ぎるので、単なる環境の細かな点が人への変化を導いたとは考えにくい。決定的な環境の違い(多分それは水に関すること)がヒトを作ったと考えられる。

第二のポイント:局所での変化。変化というのは局所的なものの方がより簡単に起こる。例えば国全体を変えるのは難しいけど、村一つならより簡単に変えられる。進化(種の変化)でも世界中に散らばったその種を変化させるにはより多くの世代の交配を必要とするけれど、一地域の変化ならより少ない世代の交配で変化が完了する。アクア説の提唱者のモーガンはこのヒトへの変化がアフリカのある隔離された地域で短期に起こったと考えている。

僕がこの本を(日本語で)読んだのはまだ大学にも入る前で、随分読みにくい本だったのを覚えている。一ヶ月くらい掛かってようやく読み終えた。でもその衝撃は僕を大学に行こうと決心させるに十分なものだった。もっと勉強したいと思った。

局所での変化の話を小枝さんのところで読んで、久しぶりにこの本を思い出したよ。僕の人生を変えた本の一つです。本が読みにくいのか僕がまだ学問に疎かったのかはいまは分からない。是非感想を聞かせてください。

アクア説の解説。ヒトと水生生物ととサルの違いなど(英語)
http://www.primitivism.com/aquatic-ape.htm

局所で起こる変化についての記事(小枝さん)
http://blog.livedoor.jp/dogmania/archives/16741993.html

アクア説の日本語での解説</a>
http://www.nagaitosiya.com/lecture/0147.htm

著者: エレイン モーガン, Elaine Morgan, 望月 弘子
タイトル: 進化の傷あと―身体が語る人類の起源

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女は笑い、男は笑わす

心理学の研究者が笑いの男女間での違いを調べた。すると男女間で笑いはとても違う役割があった。女は笑わせてくれる男が好きだったのに対し、男は笑ってくれる女が好きだった。

男女の大学生150人にそれぞれ異性と会話をさせて、その後に異性を選ばせた。すると女が62%の割合で選んだ男というのはユーモアで笑わせてくれた男だった。対照的に男が65%の割合で選んだ女というのはユーモアで笑ってくれた女だった。

この男女差は納得するな。個人的には笑うだけの女より笑わしてくれる女だと更に嬉しい。それとユーモアは人生に必要な要素だと思うよ。同じことを経験しても、それを面白くして人生を楽しくしてくれる相手は異性だろうが同性だろうが一緒にいたい気分にさせる。

ところで小学生に聞いても好きな人は面白い人が一番になるよね?中国だと勉強ができる人が一番人気があるらしいけど(情報源見つからず。募集中)。やはり成長中の国では金持ちになる可能性が高い人生が最優先なんだろうか。

ニュース元:
Love me; love my jokes
Eric Bressler (McMaster University)
http://dailynews.mcmaster.ca/story.cfm?id=3153
詳しい情報不明。論文名とか分かったら教えてください。

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知能指数:アジアは高い

IQ(知能指数)は世界の地域ごとに大きな特色がある。日本を含む極東はIQ105くらいと世界で最も高い。欧米はIQ100くらいだ。アフリカではIQ75くらいと低くなっている。

世界の地域による知能指数の違いの説明には諸々の説がある。例えば気候の違い、人種間での脳のできの違い、産業発達の違い、文化の違い、またはそれらの複合とする説。しかしこの研究は証明が難しいので、研究に終わりが来る日は近い未来には少なくとも無い。逆に言うとその理由を考えるのは楽しい。僕の説は後日に紹介するとして、皆さんも下のデータから理由を考えてみませんか?

IQ(知能指数)
極東アジア: 日本105、韓国106、台湾104、香港107、中国100

南アジア: インド81、シンガポール103、マレーシア92、タイ91、ネパール78、トルコ90、

欧米: アメリカ98、イギリス100、フランス98、ドイツ102、イタリア102、

南アメリカ: ブラジル87、メキシコ87、ペルー90、

アフリカ: エジプト83、スーダン72、南アフリカ72、ナイジェリア67、

データ抜粋元:
Richard Lynn and Tatu Vanhanen (2002) IQ and the wealth of nations. pp60-62.

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幸せには生活最低限の金。その後は?

幸せになるための条件とは何だろう?金は大きな要素の一つと言われている。でも日本や裕福な国に暮らしている人間にとっては、更に大事なものがある。

左図はGNP(国民総生産)とその国の幸せ度の比較だ。X軸が国民総生産でY軸が幸せ度だ。この研究によると一見して右肩上がりの傾向が見れる。つまり国民総生産の高い国の方が幸せ度も高い。

これはある程度本当だ。幸せになるには生活最低限の収入が大きく関わってくるというのは幸福感を研究する心理学者(Ed Dienerなど)の一致した見方だ。

でも日本人にとって普通に働いていれば生活最低限の金は普通に稼げる。ではその中でより幸せを感じるには他のどんな条件が必要なのか?それが最近の幸福感の研究のテーマで、かなりの数が研究されている。それはまた今後。

画像元:http://wvs.isr.umich.edu/fig.shtml

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心的回転は5歳で男児の方が速い

空間的認知では男性の方が能力を発揮しやすいと言われているが、その男女差は5歳から既に表れているという結果が出た。

心的回転(mental rotation)という実験方法がある。ある図形を見ながらそれを頭の中で90度とか傾けた時のことを想像する能力を試す実験だ。例えば左のアイスの絵を右に90度回転させてみた時のことを心の中で描いてみる。それは右のアイスの絵になるか?答えは否だ。色の順番が変わっている。

今回の実験では被験者が5歳と8歳なので簡単な絵であるアイスや熊を2次元的に回している。これが大人用になると無機質なテトリス風のブロックを三次元で回転させる難しいものになる。

この実験によると心的回転は回す角度が大きくなるほど難しくなり、答え(同じ図形か違う図形か)を出すまでの時間が長くなる。つまり180度回転が一番難しい。これは過去の似た実験と同じ結果だ。

今回新しく試されたのは子供の男女差だ。5歳児や8歳児でも既に男女差が歴然と出ている。アイス・コーンを180度回した時に男児は4.7秒掛かったところ女児だと5.9秒も掛かっている。女の子のほうが一秒以上余計に掛かっている。

男女差ってこんなに小さい時からこんなに出るんだな。今日は偶々、心的回転の話を大学院生たちと話していたんだけど、ジェレミー(男)は圧倒的にこの手の試験が得意だ。それは彼がテレビ・ゲームをするからだ、ということで落ち着いていた。ドーン(女)はジェレミーの半分も終わらなかった上に正解率もその更に3分の1とかだった。でもこの実験結果を見るとゲームの経験以前に既に子供の頃から男女差が顕著に表れてるんだな。

脳の活動図(fMRI)とか見ると子供だと男女差が無いものも多いんで気にしてなかったけど、これからは注意深く見てみるよ。

脳の男女差について小枝さんが本を解説:
http://blog.livedoor.jp/dogmania/archives/15604816.html

元の論文のポスター:
(PDF)Stimulus Type, Age, and Gender Effects on Mental Rotation
Vittore Perrucci, Franca Agnoli, & Paolo Albiero, University of Padova
(PDF)http://dpss.psy.unipd.it/ita/download/PosterRotation1.pdf(PDF)

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テレビは年間2万人を殺す -ドイツ

ある神経学者の説によると、ドイツ国内ではテレビを見ることにより年間2万人が死んでいるという。

この研究者(Manfred Spitzer)によると、テレビを長時間見過ぎることは様々な病気と深い相関関係がある:すなわち肥満、高血圧、高コレステロール、糖尿病。他にも視神経の発達にも悪影響を与えるとしている。

これは随分大胆な発言だな。相関関係を調べたところで、それは因果関係とは別物なんだよな。つまりテレビを長時間見る人にそういう傾向が多いとは言えるけれど、テレビを見ることが病気になる原因だとは言えないはず。それをこの研究者は年間2万人の死がテレビによるものだと言う。このピンポイントの数の因果関係予測に導く根拠のある自信が有るのか?取りあえずこの本は読ませてもらうよ。考察は追って。

この科学的見地はともかくとして、基本的には僕も子供にテレビを見せるのは控えるべきだと思うよ。この研究者が言う病気の予防のことは考えたことが無かったけど、テレビと対人関係の発育に関しては結構いろいろと研究がされている。これはまたそのうちに記事を書きます。
ま、そんな事を心配する前に僕は貧乏でテレビなんて持ってないけどね。川嶋紀子さんの家は結婚するまでテレビ無しで俗世からほぼ隔離された生活を選んでいたけど、僕の場合は単にテレビを買う金が無い。
その辺とあと、子供の発育の心配をする以前に家庭を持つことを考えるところから始めるべきだと友達は忠告をくれている。

ニュース記事:
Television kills, says German professor
http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml?xml=/news/2005/02/19/wtv19.xml&sSheet=/news/2005/02/19/ixworld.html

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視神経的に見やすいブログ1:明暗感度

薄い色の文字は読みにくい。背景色に比べて文字が見にくいブログなどは僕は速攻で読むのを諦める。基本的に良いのは白地の背景に黒の文字。

左図は人間が読める文字を2つの観点から表にしたもの。2つの観点とは文字の大きさと明暗度。青い線より下側が見える文字で、青い線より上は見えない文字。ウェブなどの文字の大きさに関係するのは青い線の右側半分くらいに相当する。左側半分はややこしいので無視しよう。これは人によって変わるけれど平均値がこのくらい。それと文字の大きさや色などは厳密にこの図の通りではなく、これは概念を伝える図式ということも断っておこう。

これによると明暗のはっきりしない文字というのは小さい文字と同等に読みにくい。つまり明暗のはっきりしない文字を認識させるためにはある程度文字を大きくする必要がある。

ブロガーの皆さん、文字と背景色は明暗をハッキリさせるとよりたくさんの人が読める環境になりますよ。あ、アメブロに文字の明暗を選べるように提案しておこう。

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仕事募集:
ウェブや印刷物などを読者が読みやすい環境にするのを手伝います。視神経や心理学のデータに裏付けされたアドバイスができます。
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関連する記事

老人向けには大きな文字を。 (しんりの手)



図の引用元:
http://www.bsrs2000.fsnet.co.uk/new_page_13.htm

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私見:就職に必要なのは情報の幅と深さ

先月に実験台となったVR(バーチャル・リアリティー:仮想現実)の課題はとてもうまくいった。こういう日ごろ経験しない新しい環境での成績は主に情報をどれだけうまく使えるかによるところが大きいと思う。これは就職先を決める時とか、自分の趣味が何なのかを自分で解るためにも似たことが言えると思う。

心理学では意思決定というのがよく研究課題になる。意思決定に最も必要で影響を与えるのは情報だ。情報は主に2つの点を満たす必要がある:幅と深さだ。幅とはつまり、いま可能な行動の選択肢を多く知っていること。深さとはつまり、選択肢それぞれの結果をある程度予想できるだけの知識があること。

VRの実験成績などを見ても、被験者の多くはこれらの情報を得ていない、または使えていないことが見て取れる。そうすると成績も悪い。例えば、より良い方法があるのに使えないという時。これには情報の幅と深さでいろいろな理由がある。実験を説明する人の説明が悪くてうまく伝わっていない場合が一つ考えられる。または、被験者がその選択肢を忘れていたり、目が行かなかったり、重要性を軽んじていたりする。これらは情報の取り扱いの問題だ。

情報の幅と深さ、という概念は他の分野にも応用が利く。例えば、就職先を決める時。ここでは幅は選択肢の広さだ。その一つとしては世の中にどんな職業があるのかを知ること。これはとても大事な情報だと僕は思うけれど、大学生と話していてもこういう情報の幅がある人は少ない。小学校の時からこういった就職の選択肢をより多く知らせる教育が僕は必要だと思う。さもないと知っている選択肢が少ないために就職が難しく感じてしまう。

情報の深さとしては、その就職でのある程度の結果を予想できる知識があること。自分の能力とか世の中での必要性など。単に幅だけある情報では使いこなせないので、ある程度の深さは必要だ。

他の応用では自分の好きな音楽の好みを知る、なんてのにも使える。CDとかは千枚くらい聞くまでは自分の好みというのは解りにくい。それまでは、あ、こんな音楽があったんだ、という発見の連続だ。でも千枚くらい聞いた後から、漸く自分はこの手の音楽が好きなんだな、というのがより解ってくる。日々ラジオで聞くだけだと、深さが足りず、自分の好みを見つけるのにも時間が掛かる。

自分にあった就職先を探すには情報の幅と深さが大事で、その情報を得るには、僕は本を読むことと、旅をすることと、その分野の人と話したりメールを出してみるのと、アルバイトなどで実際に体験してみるのを僕はお薦めするよ。

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早期に形成された脳神経網は最後まで保持される

神経学では脳の中での老いる順番というのが研究されている。この研究者によると、脳はインターネットのようで、張り巡らされた神経組織がお互いに連絡し合うことで脳の活動を行っている。この神経連絡網はその人間の発達段階の早期に形成されたものの方が長持ちし、より遅くまたは晩年になって形成された連絡網が最初に死んでいくという。

こういう綺麗な仮説って良いな。人生の早期に獲得される連絡網や能力は、生きるのに最も必要だからすぐに獲得されて死ぬまで保持できる。そして根幹の組織になるので失われにくい。逆に後期に獲得される連絡網や能力は弱い繋がりしか形成できずに衰えやすい。そんな感じですんなりと信じられるし、辻褄も合う。

実際の人生でも同じ事を日常で見るよな。子供の頃の記憶だけが老後になっても残っていたとか。

ところで似た話は長期の世代に渡っては研究されていないのだろうか?視神経の異常では赤と緑についての異常が最も多い。実はこの赤と緑を見分ける能力というのは遺伝学的に見て最も新しく獲得された能力だ。なので最も異常をきたし易いのではないか、と僕は密かに思っている。

元記事:
MRI analysis shows brain connections that develop last decline first.
George Bartzokis (UCLA).
http://www.innovations-report.de/html/berichte/medizin_gesundheit/bericht-31118.html

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