Real Gone Musicから7月発売予定のCD

Peggy Lipton
Complete Ode Recordings
これは、昨年ヴィヴィドサウンドから待望の初CD(紙ジャケ)化となったPeggy Liptonのセルフタイトルアルバム(Odeレーベル、1968年)に、5曲のボーナスを追加したコンピレーション。
Peggy Liptonは、日本でも「モッズ特捜隊」として放映された米TVシリーズ、 "The Mod Squad"(1968~)のJulie Barnes(警察の依頼で覆面捜査をするフラワーチャイルド!)役で人気を博したモデル出身の女優(90年代にはDavid Lynchの"Twin Peaks"でNorma Jennings役を演じている)。恋多き女性で、ポール・マッカートニーやエルビス・プレスリーらロックスターたちと浮名を流し、クインシー・ジョーンズの3番目の奥さん(1974年から90年まで)でもありました。
アルバムはレーベルオーナーのLou Adlerのプロデュースのもと、Hal Blaine, Larry Knechtel, Joe Osborn, Mike Deasy, Jim GordonらWrecking Crewの面々や黒人女性コーラスグループのBlossomsによるバッキングと、ゴージャスなオーケストラアレンジによって彩られた、60sガールポップ~ソフトロックの名作。楽曲はCarol KingやLaura Nyroのペンによるものが大半ですが、下の動画の"Let Me Pass By"など4曲をペギー自身が書いています。
1. Let Me Pass By
2. A Natural Woman
3. Memories of a Golden Weekend (or How I Got the Acapulco Blues)
4. San Francisco Glide
5. Stoney End
6. Who Needs It
7. Hands Off the Man
8. It Might as Well Rain until September
9. Wasn’t It You
10. Lady of the Lake
11. Honey Won’t Let Me
Bonus Tracks
12. Red Clay County Line
13. Just a Little Lovin’
14. Lu
15. Wear Your Love Like Heaven
16. I Just Wasn’t Made for These Times (Unreleased)

Spanky & Our Gang
Complete Mercury Singles
シカゴのSpanky & Our Gangは、Mamas & the Papasや5th Dimensionらと肩を並べてヒット曲を連発した、男女混声サンシャインポップ(ソフトロック)グループ。本作は、彼らが1966年から1969年にMercuryからリリースした11枚のシングル21曲を、オリジナル・モノ・ミックスで収録したコンピレーションです(トラックリストを見ると、2005年に出た4枚組ボックスのディスク4と同じ内容のようです)。
シングル11枚なのに22曲ではなくて21曲なのは、"Lazy Day"のB面曲の"(It Ain't Necessarily) Byrd Avenue"が、最後の"Everybody's Talkin'"のB面曲にもなっているため。トラック10とトラック21は、どちらもFred Neilの"Everybody's Talkin'"のカバーですが、ミックス違いのため収録されています。
1. And Your Bird Can Sing
2. Sealed with a Kiss
3. Sunday Will Never Be the Same
4. Distance
5. Making Every Minute Count
6. If You Could Only Be Me
7. Lazy Day
8. (It Ain't Necessarily) Byrd Avenue
9. Sunday Morning
10. Echoes (Everybody's Talkin')
11. Like to Get to Know You
12. Three Ways from Tomorrow
13. Give a Damn
14. The Swingin' Gate
15. Yesterday's Rain
16. Without Rhyme or Reason
17. Anything You Choose
18. Mecca Flat Blues
19. And She's Mine
20. Leopard Skin Phones
21. Everybody's Talkin'

Grateful Dead
Dick's Picks 17: Boston Garden 9/25/91
Grateful DeadのDick's Picks再発シリーズ、Vol.17は1991年9月25日のBoston Garden公演を完全収録したものに、同年3月31日のGreensboro公演からの2曲をおまけとして追加したCD3枚組。この時期の編成は、ツインギター、ツインドラム、ツインキーボードというユニークなものでした。
Disc 1:
1. Help On The Way
2. Slipknot!
3. Franklin's Tower
4. Walkin' Blues
5. It Must Have Been The Roses
6. Dire Wolf
7. Queen Jane Approximately
8. Tennessee Jed
9. The Music Never Stopped
Disc 2:
1. Victim Or The Crime
2. Crazy Fingers
3. Playing In The Band
4. Terrapin Station
5. Boston Clam Jam
6. Drums
7. Space
Disc 3:
1. That Would Be Something
2. Playing In The Band
3. China Doll
4. Throwing Stones
5. Not Fade Away
6. The Mighty Quinn
Filler: March 31, 1991
7. Samson And Delilah
8. Eyes Of The World
Musicians:
Jerry Garcia - lead guitar, vocals
Bob Weir - rhythm guitar, vocals
Phil Lesh - bass, vocals
Bill Kreutzmann - drums
Mickey Hart - drums
Bruce Hornsby - keyboards, accordion, vocals
Vince Welnick - keyboards, vocals
Electric Prunesの新譜CD発売

Electric Prunes
WaS (リンク先はPrunes公式サイト)
残念ながら私は行けなかったのですが、今年2月に初来日を果たしたElectric Prunes。3年前に亡くなったオリジナルメンバーのMark Tulinとの録音や、来日ツアーの体験から生まれた新曲"Tokyo"(下の動画)などを含む、彼らのニューアルバムが発表されています。公式サイトからのみ購入可能で、日本からの注文はInternational Ordersで送料込30ドルとなっています。
Tracklist:
1. Smokestack Lightning
2. Tokyo
3. Beauty Queen
4. Like Getting High
5. The Girl Who Crashed My Dream
6. Frozen Winter
7. Circles
8. Between the Cracks
9. Blue Sky / Red Dress
10. Love Fade Away
11. Bullet Thru the Backseat
12. Adoration Stuck
13. Don't Sneeze On Me
14. Oh My My
現在のメンバーは、
James Lowe (vo)
Steve Kara (g)
Jay Dean (g)
Rocco Guarino (ba)
Walter Garces (dr)
(この記事はN.S.さんからの情報提供によるものです。ありがとうございました。)
Victor Bradyの"Brown Rain"再発

Victor Brady
Brown Rain
メジャーレーベルからリリースされたサイケ作品の中でも最も変態度の高いアルバム、Victor Bradyの"Brown Rain"がCD再発されます(Auroraから6月10日発売予定)。
1970年にPolydorからリリースされた本作をひとことでいうなら、「スティールドラム・ヘヴィサイケ」(ポップサイケやファンクチューンなどもあり)。白人のギター、ベース、ドラムによるExperience風バッキングに、黒人のリーダーVictor Bradyによるスティールドラムが、「ピコペン ポコペン」と全編にわたって異様に鳴り響きます(リードボーカルもVictor)。
いま聴き返してみると、本気だったのかジョーク(ノベルティ)だったのか、判断つきかねるくらいの「いかもの」作品ですが、それだけに変態物コレクターには必携アイテムといえるでしょう。これ聴いたあとは、しばらく「ピコペン ポコペン」が頭にこびりついて離れないのでご注意を。
Fantastic Dee-Jays 再発

Fantastic Dee-Jays
Fantastic Dee-Jays (アナログLPはこちら)
レココレ・サイケ号で紹介されながらも、なかなか音質のいい音源を聴くチャンスがなかったFantastic Dee-Jays。今回の再発は待望のマスターテープからのリマスターです(日本盤仕様のCDはこちら)。
Fantastic Dee-Jaysはギター2本にドラムというベースレスのトリオ。Larksと名乗っていた彼らが、地元(ペンシルバニア州マッキーズポート)のDJ、Terry Leeに気に入られてバックアップを受け、リーのレーベル(Stone)からFantastic Dee-Jaysの名でリリースしたのが、唯一のアルバムである本作です。
Golliwogs(CCRの前身)のオリジナル以上に強力な"Fight Fire"で幕を開けるアルバムは、まるで「ピュア&イノセントなティーンガレージの権化」のようなサウンド。ジャランジャランと掻き鳴らされる12弦エレキギターと、ナイーブで切ない歌声に、思わず胸が熱くなります。このあと、ファズギターで武装した彼らは伝説のSwamp Ratsとして、60sガレージパンク史に名を刻むのでした。(発売元のGuerssenのページで試聴可。)
Tracklist:
Fight Fire
Get Away Girl
Shy Girl
Mr. Sad
Two Tymes Two
You're The One
What A Shame
What You're Doing
Love Is Tuff
Just A Boy
Kismetから6月発売予定のCD その2

Tiffany Shade
Tiffany Shade
Tiffany Shadeは、Big BeatのMainstreamレーベルコンピ、"All Kinds of Highs"に4曲が収められていたオハイオ出身の4人組。本作は1967年に録音され、その年の末(1968年説あり)にリリースされた唯一作です。
Jefferson AirplaneやQuicksilver Messenger Serviceなどのシスコサイケからの影響もうかがえるアルバムは、ガレージビートを含んだフォークロック~ポップサイケ作品(ファズギター入り。Loveの"Softly to Me"のカバーあり)。ハイトーンのボーカルがいて、男女混声グループみたいに聴こえる曲もあります。個人的にはキーボードがチープオルガンではなくてエレピなのが惜しいところですが、サイケなジャケを含めてコレクションに加えておきたい一枚。
1. Would You Take My Mind Out For A Walk?
2. An Older Man
3. Sam
4. Jaguar City Blues
5. A Very Grand Love
6. Softly To Me
7. No Reality
8. One Good Reason
9. A Quiet Revolution
10. Not Worth The Pain

Side Show
Side Show
Side Showは、のちに英カルトホラー映画"The Wicker Man"(1973)のサントラで名を成す、 Paul Giovanniが在籍していたNYの4人組。本作は1970年にAtlanticからリリースされた唯一のアルバムです。
曲自体はわりと普通ぽかったりしますが、時折飛び出すファズギターやシンセ、ストリングスアレンジやエフェクトが異様にサイケデリックな「変態ソフトサイケ」作品(プロデュースはArif Mardin)。ヘタウマ系のPaulのリードボーカルも良いです。
1. Cold Coffee
2. Carolyn
3. The Duel
4. The Pill
5. Ah!
6. Joanna
7. Jinx
8. Supper
9. Rooster
10. Joe
Kismetから6月発売予定のCD その1

Truk
Tracks
Trukは、元Hunger!のドラム&ボーカルで、のちに再編成Captain Beyondに参加するBill (Willy) Daffernが在籍していたオクラホマ出身の5人組。本作は1970年にColumbiaからリリースされた唯一のアルバムです。
音は、サステインの効いたファズギターと、要所に入るハモンドオルガンをフィーチャーした、へヴィサイケムードあふれるハードロック。Gunの"Yellow Cab Man"をカバーしていることからもわかるように、当時隆盛していた、リフ主体のブリティッシュハードロックからの多大な影響が窺えます。
アルバムはメジャーレーベルからのリリース(歌も演奏もメジャー級)にもかかわらず、これまで本国で不当なまでに無視され続けてきた、「秘められた宝」的アイテム。話題にならなかったのは、陰影や渋さ(地味さ)までも忠実に、英国ロックの文法を取り入れてしまったためなのかな?とも思います。コントラストとなるメロウなバラードチューンも素晴らしい。マイナーハードロックファン、ファズギター好きは要チェック!
ちなみに、プロデューサーはSonny Knightとともに、Buffalo SpringfieldのDewey Martinの名がクレジットされています。
1. Country Woman
2. Got To Find A Reason
3. Pretty Lady
4. Winter's Coming On
5. Sun Castle Magic
6. Yellow Cab Man
7. Five Is Together
8. You
9. Silence Ending
10. Max

US 69
Yesterday's Folks
US 69は、シタールコンピ"Electric Psychedelic Sitar Headswirlers Vol.2"の冒頭に"I'm On My Way"が収録されていた、コネティカットの5人組(アメリカ人2人+メキシコ人3人)。"Yesterday's Folks"は1969年にBuddahからリリースされた唯一のアルバムです。
"I'm On My Way"みたいな「どサイケ」な曲ばかりではなくて、ホーンの入ったR&Bナンバーや、フルートが活躍するジャジーな曲、アフロビートやストリングス入りのポップ~メロウサイケチューン、サウンドコラージュやエフェクトがファーアウトな約10分の"2069: A Spaced Oddity"まで、バラエティに富んだ内容。いわゆる「分裂系」の作品なんですが、これは60年代にしか生まれ得なかっただろうなという、なにか熱いものがこみあげてくる一枚。
ジャケットにはメンバーの写真や名前がクレジットされていますが、Buddahからのシングルの"Yesterday's Folks / African Sunshine"がMustard Familyという名前でリリースされていたり、アルバムの内容やUS 69というグループ名などから考えて、「企画もの」的なプロジェクトの性格もあったのかもしれません。ちなみに、ジャケットデザインはBeacon Street Unionの1stを手がけたJohn Sposatoによるものです。
1. I'm On My Way (A Patch Of Blue)
2. Yesterday's Folks
3. I'm A Nobody
4. African Sunshine
5. I Hear You Talkin'
6. Miss Goodbody
7. Never A Day Goes By
8. 2069: A Spaced Oddity
Ruthann Friedmanの新譜コンピ発売

Ruthann Friedman
Complete Constant Companion Sessions
Associationの全米No.1ヒット曲"Windy"の作者として知られるRuthann Friedmanが、1969年にRepriseからリリースした唯一のアルバムにして、私の「無人島レコード」でもあるアシッドフォークの名作"Constant Companion"に、同時期に録音された未発表トラックを追加したコンピレーション、"Complete Constant Companion Sessions"がNow Soundsからリリースされます(7月8日発売予定)。
ボーナストラックの1曲目までは、2006年のWaterレーベルからの再発CDと同内容ですが、それ以降の11曲が未発表トラックとなっている模様です。Now Soundsのリイシュータイトルではお馴染みのAlan Brownsteinによる、オリジナルマスターテープからのリマスターとのことです。
何年か前までは、たまに記事の中で名前をみかけるくらいの伝説のアーティストだったRuthann Friedman。それが、オリジナルアルバムの再発に始まって、デモ音源集や未発表音源集の発売、日本の「名盤探検隊」シリーズからの再発、そして昨年には43年ぶりとなるセカンドアルバム"Chinatown"の発表と、堰を切ったようなリリースラッシュには驚かされます(しかも、どの音源もクオリティが高い!)。
ところで、Associationといえば、メンバーのLarry Ramosが4月30日にメラノーマ(悪性黒色腫)のために72歳で亡くなったそうです。ご冥福をお祈りします。
CONSTANT COMPANION
1. TOPSY-TURVY MOON
2. PIPER'S CALL
3. FAIRY PRINCE RAINBOW MAN
4. TOO LATE TO BE MOURNING
5. RINGING BELLS
6. LOOKING BACK OVER YOUR SHOULDER
7. PEOPLE
8. MORNING BECOMES YOU
9. PEACEABLE KINGDOM
10. NO TIME
11. DANNY
12. LOOK UP TO THE SUN
BONUS TRACKS
13. CARRY ON (GLITTERING DANCER)
14. CHOCOLATE SEA
15. GINGER
16. I UNDERSTAND
17. HAVING A GOOD TIME
18. OFF TO SEE THE WORLD
19. SONG FOR MY BROTHER
20. WORLD'S END
21. TRAVELING AROUND
22. THE SKY IS MOVING SOUTH
23. WINDY (Demo)
24. WHEN YOU'RE NEAR (Demo)
Produced by JOE WISSERT
DoorsのコンピとDick's Picks Vol.18発売

Doors
Weird Scenes Inside the Goldmine
オリジナルは1972年に2枚組LPでリリースされたDoorsのコンピレーションアルバム、"Weird Scenes Inside the Gold Mine"がCD再発されます(Bruce Botnickによるリマスターで、5月19日発売予定)。
Disc 2の"Who Scared You"と"(You Need Meat) Don't Go No Further"はどちらもノンLPのシングルB面曲で、すでにボックスセットやアルバム再発時のボーナストラックとしてCD収録済みです。ちなみに、アルバムタイトルは"The End"の歌詞の一節から取られています。
Disc 1:
"Break on Through" - 2:25
"Strange Days" - 3:05
"Shaman's Blues" - 4:45
"Love Street" - 3:06
"Peace Frog/Blue Sunday" - 5:00
"The WASP (Texas Radio and the Big Beat)" - 4:12
"End of the Night" - 2:49
"Love Her Madly" - 3:18
"Spanish Caravan" - 2:58
"Ship of Fools" - 3:06
"The Spy" - 4:15
"The End" - 11:35
Disc 2:
"Take It as It Comes" - 2:13
"Running Blue" - 2:27
"L.A. Woman" - 7:49
"Five to One" - 4:22
"Who Scared You" - 3:51
"(You Need Meat) Don't Go No Further" (Willie Dixon) - 3:37
"Riders on the Storm" - 7:14
"Maggie M'Gill" - 4:25
"Horse Latitudes" - 1:30
"When the Music's Over" - 11:00

Grateful Dead
Dick's Picks Vol. 18 - Dane County Coliseum, Madison, Wi 2/3/78 Uni-Dome, University Of N. Iowa, Cedar Falls, Ia 2/5/78
Real Gone MusicのDick's Picks再発シリーズ、第18巻は1978年2月の3日間の公演(Wisconsin, Iowa)を3枚のCDに編集したもの。いまでこそ多くの音源がリリースされていますが、これが出た2000年当時は公式では初となる「1978年物」のライブアルバムでした。いつになくエネルギッシュでスリリングなJerryのギタープレイが聴き物です。
CD One
1. Bertha - February 5, 1978
2. Good Lovin' - February 5, 1978
3. Cold Rain and Snow - February 3, 1978
4. New Minglewood Blues - February 5, 1978
5. They Love Each Other - February 3, 1978
6. It's All Over Now - February 4, 1978
7. Dupree's Diamond Blues - February 4, 1978
8. Looks Like Rain - February 3, 1978
9. Brown-Eyed Woman - February 3, 1978
10. Passenger - February 5, 1978
11. Deal - February 5, 1978
12. The Music Never Stopped - February 3, 1978
CD Two - February 3, 1978
1. Estimated Prophet
2. Eyes of the World
3. Playing in the Band
4. The Wheel
5. Playing in the Band
6. Johnny B. Goode
CD Three - February 5, 1978
1. Samson and Delilah
2. Scarlet Begonias
3. Fire on the Mountain
4. Truckin'
5. Drums
6. The Other One
6. Wharf Rat
7. Around and Around
Musicians
Jerry Garcia - lead guitar, vocals
Bob Weir - rhythm guitar, vocals
Phil Lesh - electric bass, vocals
Bill Kreutzmann - drums
Mickey Hart - drums
Keith Godchaux - keyboards
Donna Jean Godchaux - vocals
United States of America 再発

United States of America
United States of America: Columbia Recordings
レココレ・サイケ号でも、ガイド本「サイケデリック・ムーズ」でも紹介されていた、サイケ基本アイテムのひとつ、"The United States of America"(1968)がCherry RedグループのEsotericからCD再発されます(7月8日発売予定)。
トラックリストを見ると、十年前にSundazedからリリースされたCDと(ボーナストラックを含めて)まったく同じ内容ですが、新規リマスターで、新たにリストアされたアートワークとエッセイによるブックレットが付属するとのことです。
このプロジェクトの中心人物は、正規の音楽教育を受け、John Cageらに師事して現代音楽を学んだ、アリゾナ出身のJoe Byrd。彼がNY時代を経て西海岸に移って結成したのがUnited States of Americaでした(レココレ・サイケ号には「同じUCLAの大学院に通うドロシー・モスコウィッツという女性の歌い手に声をかけて生まれた5人組」とありますが、ドロシーとはNY時代に知り合い、一緒に西海岸に出てきたらしい)。
Columbiaからリリースされた彼らの唯一のアルバムは、サウンドコラージュとエフェクトに電子楽器が飛び交うアバンギャルドな実験性と、女性ボーカル入りの親しみやすいサイケポップが絶妙にブレンドされた、60sサイケデリアの金字塔的作品。「サイケデリック・ムーズ」では、「全世界サイケ・ファン必聴のアルバム」と絶賛されていました。
ちなみに、このあとジョー・バードはJoe Byrd and the Field Hippiesというプロジェクトによる、"The American Metaphysical Circus"というアルバムを制作し、1969年に同じくColumbiaからリリースしています。
Track Listing:
1. THE AMERICAN METAPHYSICAL CIRCUS
2. HARD COMING LOVE
3. CLOUD SONG
4. THE GARDEN OF EARTHLY DELIGHTS
5. I WON'T LEAVE MY WOODEN WIFE FOR YOU, SUGAR
6. WHERE IS YESTERDAY
7. COMING DOWN
8. LOVE SONG FOR THE DEAD CHE
9. STRANDED IN TIME
10. THE AMERICAN WAY OF LOVE
TAKEN FROM THE ALBUM "THE UNITED STATES OF AMERICA”
BONUS TRACKS
11. OSAMU'S BIRTHDAY
12. NO LOVE TO GIVE
13. I WON'T LEAVE MY WOODEN WIFE FOR YOU, SUGAR (FIRST VERSION)
14. YOU CAN NEVER COME DOWN
15. PERRY PIER
16. TAILOR MAN
17. DO YOU FOLLOW ME
18. THE AMERICAN METAPHYSICAL CIRCUS (ALTERNATE VERSION)
19. MOUSE (THE GARDEN OF EARTHLY DELIGHTS)
20. HERESY (COMING DOWN)
The Digの新刊はサイケデリックロック特集

THE DIG presents サイケデリック・ロック (シンコー・ミュージックMOOK)
シンコーミュージックのムック、"The Dig"の5月29日発売予定の新刊は「サイケデリック・ロック」。米英の60年代サイケデリックロック~ポップシーンから周辺のポップカルチャーの模様、名盤選や亀渕昭信氏らによるリアルタイム証言、雑誌「ミュージック・ライフ」「ぷらすわん」「ヤング・ギター」の復刻記事、サイケアート(フィルモア・ポスター・コレクション)などが掲載されるとのことです。
サムネイルでは見にくいですが、表紙に記載されているアーティストは、「ジミ・ヘンドリックス、ドアーズ、バーズ、グレイトフル・デッド、ジェファーソン・エアプレイン、ジャニス・ジョプリン、ビートルズ、ローリング・ストーンズ、シド・バレット、ザ・フー、ジミー・ペイジ 他」となっています。