精神科では、初診の予約が取りにくいと感じられることが少なくありません。
その大きな理由の一つが、初診では十分な時間をかけて診察を行う必要があるからです。
初診では、現在の症状だけでなく、
家族構成や生い立ち、学歴・職歴、これまでの病気や通院歴、服用中のお薬などを詳しくお伺いします。
場合によっては、心理検査を行い、状態を多角的に評価することもあります。(当院では簡単な心理検査しかできませんが)
こうした診察を「じっくり話を聞いてもらえて安心した」と感じてくださる方がいる一方で、
「眠れないだけなのに、なぜ関係のないことまで聞かれるのか」と
疑問や戸惑いを感じられる方もおられます。
中には、予診の段階で多くの事を尋ねられ不安や不満が強くなり、診察前に帰られてしまうケースもありました。
しかし、一見関係なさそうな事まで伺う必要があります。
例えば「眠れない」という一つの症状の背景には、生活環境やストレス、心身の不調など、さまざまな要因が隠れていることがあります。
そのため、症状だけを切り取って薬を処方することは、必ずしも適切とは言えません。
精神科の診察では、患者さんご自身もまだ気づいていない背景や問題を、
一緒に丁寧に探っていくことを大切にしています。
その上で、必要な治療や支援を考えていく――
それが、精神科初診に時間をかける理由です。