近年、精神科受診のハードルが下がり、「もっと元気になりたい」「少し嫌なことがあった」など、以前なら受診に至らなかったような軽い悩みでも来院される方が増えてきました。
早めに相談できる環境が整ったこと自体は、とても良いことです。
しかしその一方で、大きな症状がないにもかかわらず、精神科に行けば気分がスッキリするはず、薬を飲めば元気になれるはずと期待して受診されるケースもあります。
かなり前のお話ですが、駐車スペースでのちょっとした対人トラブルで気分を害しただけといった、一時的な感情の波でその日のうちに受診されることもありました。(来て頂くのは経営的には有り難い事ではありますが…😅)
もちろん、人間ですから腹が立つことや落ち込むことはあります。
ですが、そうした日常的な感情は、自分で整える力を育てていくことも大切です。
よく言われるように、「自分の機嫌は自分でとれる」ことが大人としての心の自律につながります。(私自身もそれがきちんと守れているかというとそうではないです😆)
精神科は「機嫌をなおすためのサービス」ではなく、必要な時に必要な治療を提供する場所です。
症状が軽い場合には、薬よりも 運動、趣味、十分な休息、マッサージやリラクゼーションなど身体のケア の方が心身の回復につながることが多いです。
むやみに薬を使えば、依存のきっかけ となる可能性もあるため、慎重な判断が欠かせません。
ただし、
気分の落ち込みや怒りっぽさ、不安が長く続き、日常生活・社会生活に支障が出ている場合は、この限りではありません。
その場合は早めに受診し、適切な治療につなげることがとても大切です。
精神科にかかりやすくなった今だからこそ、
「必要なときにきちんと受診する」
「一時的な感情はまず自分で整える」
というバランスが求められています。
注意
本ブログに記載している診療エピソードは、個人情報に十分配慮するため、実際の内容から月日を置いたものや、一部設定•状況を変更して記述しています。