当院では、初診の患者さんには約1時間の診察枠を設けています。
他院では30分程度のところもあるかもしれませんが、精神科の初診では、現在の症状だけでなく、これまでの経過や生活背景、家族関係、既往歴など、確認すべきことが多くあります。
そのため、どうしても一定の時間を確保する必要があり、他科に比べて初診の予約が取りづらくなりがちなのは、精神科ならではの事情だと思います。
一方、再診については患者さんの状態にもよりますが、概ね5〜10分程度で必要な話を伺い、薬剤の調整などを行っています。限られた時間の中でも必要な診療を行い、できるだけ患者さんをお待たせしないよう心がけています。
さて、ここで少し気になるのが、「再初診」の扱いです。
精神科では、自己判断で通院を中断された方や、いったん治療を終結した方が、数か月あるいは数年たってから、再び調子を崩して受診を希望されることがあります。
当院では、最後の受診から3か月以上経過した方については、予約上「再初診」として扱っています。
ただし、こうした患者さんについては、過去の診療を通じて病歴や生活背景などをある程度把握しています。そのため、まったく初めて受診される方と同じように、改めて1時間近い診察時間を確保する必要はない場合が多いのです。
したがって、当院では再初診の方はできるだけ再診に準じた形で予約を受け付け、早めに診察できるようにしています。
電話でお問い合わせをいただき、その日に空きがあれば、当日中に診察することも珍しくありません。(ただし原則は電話予約した翌日以降のご案内となります。)
もちろん、以前の診察で当院では十分な対応が難しいと判断し、カウンセリングなど他の治療機関を勧めた方については、再度の受診をお引き受けできない場合もあります。
ところが、以前こんなことがありました。
他の精神科クリニックに通っていた患者さんが、半年ほど通院を中断した後、調子が悪くなって元のクリニックに予約を申し込んだところ、診察まで1か月待ちと言われたそうです。
それでは待てないということで、結局、当院を初診で受診されました。
おそらく、そのクリニックでは一定期間通院が途絶えた患者さんを、新規の初診患者さんと同じ予約枠で受け付けているのでしょう。
もちろん、クリニックごとに診療体制や予約事情が異なるため、どちらが正しいという話ではありません。
ただ、以前から診察していた患者さんであれば、すでに多くの情報がカルテに残っています。病状が大きく変化していない限り、必ずしも新規の初診患者さんと同じ時間を必要とするわけではないと思うのです。
むしろ、通院を中断していた患者さんが再び受診したいと思ったときに、予約が取れず、治療再開まで長く待たなければならないのは、できれば避けたいところです。
久しぶりの受診だからといって、必ずしも最初からやり直す必要はない。
そんな考えから、当院では再初診のハードルをなるべく低くしています。
ただ、ふと疑問に思います。
他の精神科クリニックでは、こうした再初診の患者さんをどのように扱っているのでしょうか。
以前の患者さんでも、一定期間通院が途絶えれば新規の初診枠で予約を取り直すところが多いのでしょうか。
それとも、当院のように比較的柔軟に受け入れているところも多いのでしょうか。
当院の対応が一般的なのか、それとも少数派なのか、少し気になるところです。
余談にはなりますが
医師との話し合いで治療終結したわけではなく自己判断で連絡もなく来なくなるような患者さんは正直、治療関係を築きにくく上手くいきにくいというのは確かにあります。