今日は北米ストアに並んだ新作、「Down the Rabbit Hole」の感想を書いていくよ。今年に入ってソフトの数が極端に減ったから、一週間でもかなり待ち遠しく感じたね。

 

というか、「Down the Rabbit Hole」は、あの『不思議の国のアリス』の世界をモチーフにしたゲームというだけでワクワクが止まらない。リリースの一報が入ってから、ずっと楽しみにしていた。

 

 

んで、今朝から早速プレイを開始したんですが…

 

いや~、素晴らしいね。予想を越えてきた。

 

こういうソフトをプレイすると、一々言葉を使って感想を書くのがアホらしくなるのよ。「やればいいじゃん」としか言いようがない。

 

とはいえ、一応こうやって日記を書き始めているわけだし、色々語っていきます(笑) 

 

因みに、この後幾度となく『不思議の国のアリス』の名前が出てくるけど、俺が知っているのはディズニーアニメ版だからね。原作は知らない(笑)

 

そんなわけで、早速いってみよ~!!

 

 

  Down the Rabbit Hole

 

  概要

 

購入先:北米ストア

ジャンル:アドベンチャー

言語:日本語非対応

コントローラー:デュアルショック対応(Move未確認)

視点:三人称&一人称+一人称

移動方式:空間手繰り寄せ移動&カクカク方向転換

 

 

  三人称&一人称+一人称?

 

ゲームを起動すると、ミニチュアの小屋が置かれた暗い森の中へ。世界のサイズ感は「Moss」や「Ghost Giant」に近い感じだね。画質も良好で、映像はこの時点で既に素晴らしい。

 

メニューは【ニューゲーム】【コンティニュー】【設定】だけで、【設定】画面では本をウィンドウ代わりに使っている。そのデザインも中々凝っていて、面白いと感じるね。

 

(『不思議の国のアリス』はロリコン爺さんが幼女のために書いたお話。有名だね)

 

【ニューゲーム】を選択すると、森の奥から主人公のアリスがやってきて小屋の中へ。その瞬間に小屋の壁が消えて、断面図のように内部が見えるようになる。「Allumette」で使われたこの手法も最早定番だね。というか、2D時代のRPGでもよく使われていた。

 

ここでチュートリアルがスタート。左スティックを使ってアリスを移動、右スティックで高さの調整とカクカク方向転換、×でオブジェクトを調べる。そして、デュアルショックから伸びるオーブで特定のポイントをつかんで空間そのものを手繰り寄せるように動かすことが可能。

 

(こういう世界観は大好き。スケール感が下がると情報量が増えるのよね)

 

「Down the Rabbit Hole」は『不思議の国のアリス』の純粋なVR化とは言い難い。設定がけっこう違うし、有名なシーンがまったく出てこなかったりもする。それはゲームの冒頭からそうで、アリスがウサギの穴を通って不思議の国へ行くという展開もまるまるカットされている。

 

最も違うのは、荒唐無稽でカオスな世界観を再現していない点だね。けっこう整頓された落ち着いた物語になっている。

 

まぁ、個人的にはアリスが振り回されるハチャメチャな流れこそが『不思議の国のアリス』の醍醐味だと思っているからちょっと残念なんだけど、結果的に面白い内容になっているから別にいいかな?って感じ。

 

(ラビットホールは家の地下に変更。ここも映像的に面白い)

 

不思議の国で最初に訪れるのはウサギの部屋。ここで驚いたのは、一人称視点の概念が現れたことだね。特定のシーンでキャラクターに話しかけると自動的に一人称に切り替わる。

 

これは「Mervils: A VR Adventure」や「DEEMO -Reborn-」と同じ手法だね。個人的には一人称視点のゲームにはもう飽きているから、この仕様は大歓迎。もっとこういうゲームが増えるべきだと思う。

 

あと、プレイヤーもデュアルショックの先に付いているオーブで世界に干渉出来る。ここで注目したいのは、アリスがプレイヤーにアプローチしてこないことだね。つまり、プレイヤーはVR世界に実体が存在しない。三人称視点のゲームの場合、その多くがプレイヤーを意識したもので、似たような設定ばかりになっていたから、この仕様も大歓迎。

 

因みに、このゲームには選択肢の概念が存在している。まぁ、英語だから意味はわからないんだけど、じっと会話を聞かされるのは退屈だし、無いよりあった方がいいとは思う。

 

(一人称のシーンはスケール感がやや小さいね。特にキャラクターが小さい)

 

 

  こんなゲーム

 

「Down the Rabbit Hole」のゲーム性は、一言でいうとパズル系アドベンチャーだね。「Moss」からアクション要素を抜いた感じ。

 

パズルそのものはありきたりで全く褒められたものではないんだけど、難易度が低めでパパッと解けるから「Moss」のような面倒くささはない。この手のパズルをゲームに組み込むのであれば、このぐらいの難易度でいいと思うね。


(光が差している表現が到るところで使われている。これだけでだいぶ印象が変わる)

 

このゲームの最大の特徴と言えるのが、区切られた部屋と、その配置や見せ方だね。

 

プレイヤーは井戸のような円柱状にくり抜かれた空間にいて、始めは一部の部屋しか見えないようになっている。アリスを操作して部屋を移動することで、真っ暗だった壁に明かりが灯って新たな部屋が表示される。

 

これは…、アリの巣が広がっていくような感覚と言えばわかりやすいかな? 新しい部屋が開かれるたびに「うわ~っ!! 綺麗!!」っていう喜びがあるし、それが上にも下にも広がっているもんだから、実にVR的な映像になっている。

 

(プレイヤーを囲むように広がるドールハウス。現実では不可能な体験)

 

パズルゲームとしてはあまり評価していない「Down the Rabbit Hole」なんだけど、上下の反転した鏡の世界は、映像も相まってとてもよく出来ていると感心した。

 

一言でいうと、ガラステーブルの表と裏を使ったようなステージで、アリスと相棒の"トランプ君"を切り替えながら進んでいく。

 

トランプ君っていうのは、ゲームの途中で仲間になるキャラクターで、ゲームの印象に大きな影響を与えている。やっぱ一人で冒険をするのと、仲間と冒険するのはまったく違うからね。

 

(映像的にも面白いね。裏の世界に行くと操作も反転する)

 

パズルを解く他にも、隠されたカードを探すミッションが用意されている。アクション要素がないから、これを探すのがメインのゲーム性になると言ってもいいはず。

 

因みに、グッドエンドを見るためにもカードのコンプリートは必須みたい。カードコンプリート前と後でエンディングが違っていた。

 

(カードの絵は、原作の挿絵を使っていると思う。たぶん…)

 

 

  とにかく世界観!!

 

とまぁ、ここまで色々書いてきたんですが…

 

やっぱ世界観です!!(笑)

 

ここまで何度も名前を出している「Moss」や「ROOMS The Unsolvable Puzzle」なんかが好きな人なら、絶対にハマれるファンタジックな世界観。ユーモラスなお馴染みのキャラクターが出てくるたびに大喜びしていたよ。

 

(やっぱ三人称だと映像が賑やかになるね。ずっと笑顔でプレイ出来る)

 

そんな素晴らしい「Down the Rabbit Hole」なんだけど、ちょっとした問題も存在している。それは空間を手繰り寄せる移動方法だね。つかめるポイントが限られているだけでなく、方向転換や高さの調整はボタンで行うもんだから、なんとも中途半端な存在になっている。

 

ん~、これならボタン操作だけで部屋が見やすい位置に来るようにするべきだった。まぁ、操作面でもVRらしさを表現したかったんだろうね。

 

(スクショの左下に写っている木の根をつかんで空間そのものを動かす)

 

もう一つ贅沢を言うのであれば、質感表現だね。光の反射の仕方がどれも一緒で、ステージによってはのっぺりしてると感じることもあった。

 

とはいえ、適度な尺(トロコンまで3時間ちょっと)で全体のまとまりが良い。バグも見つからなかったし、VRゲームとしての完成度は文句なしに高い。

 

 

  個人的な満足度:星4.5★★★★☆

 

星5にしようか迷ったんだけど、インパクトがちょっと弱かったかな? 「素晴らしい!!」とは思うんだけど、「凄ぇ!! 何これ!?」っていう要素がもう少し欲しかった。

 

とはいえ、この完成度なら大満足です。終わった後に充実感があるのよ。達成感ではなく充実感。

 

今回改めて思ったんだけど、俺はやっぱり操作に重点が置かれているゲームがあまり好きじゃないのかもしれない。映像や物語が良ければ操作はオマケ程度で構わない。ゲーム性がマイナス評価に繋がる場合も多いからね。

 

ん~、本当は流れを追って語っていきたかったな~、展開が多いからそれをやっていると前後編に分けなくてはならない。今後のプレイ日記で少しずつ書いていくよ。

 

というわけで、バッチリお薦めの一本です!! 英語でも問題なく遊べると思うし、是非遊んで欲しいね。