今日は国内ストアに並んだ「DEEMO -Reborn-」の感想を書いていくよ。これは、海外のPSVR専門チャンネルでも繰り返し紹介されていた国産の音ゲーだね。
トレーラーを見ると、PS2時代のファンタジーRPGみたいなグラフィックで、ワクワク感が半端ない。俺にとってはこれこそコンシューマーゲームのグラフィックだね。
しかし…、タイトルに"Reborn"と入っていると、「Reborn: A Samurai Awakens」を思い出して不安になってしまう(笑) 完全なる風評被害だね。
んで、今回はシーズンパスも合わせて購入。音ゲーは楽曲が多い方がいいからね。
ただですね…、実際にプレイしてみるとシーズンパスはいらなかったと感じてしまったね。遊んだ人ならわかるかもしれないけど、音ゲーパート以外の部分にゲームの面白さを見出してしまった。まぁ、必ずしも悪いことじゃないよ。
ん~、「Beat Saber」のヒット以降"雨後の筍"の如く作られ続けるVR音ゲー。まぁ、国産では去年「AIR TONE」という良作もリリースされたし、もしかしたら面白い体験が出来るかもね。
というわけで、色々語っていきます。早速いってみよ~
DEEMO -Reborn-
概要
購入先:国内ストア
ジャンル:脱出ゲーム+音ゲー
言語:日本語対応
コントローラー:Move専用
視点:三人称&一人称視点
移動方式:移動&方向転換なし
素晴らしいムービーシーン
ゲームを起動してVRモードを選択すると(TVでも遊べるゲーム)、初期設定の画面に。どうやら、Moveを握った両手を膝の上に乗せるのが基本姿勢みたいだね。VR音ゲーは腕を上げて疲れるものも多いから、これはありがたい。
セットアップが終わるとメインメニューへ。メニューは【はじめから】【設定】【ストア】の3つだね。【設定】では、操作説明の確認が出来る。どうやら、Moveを振ってピアノの鍵盤を叩くゲームみたい。
因みに、タイトルのイラストがいい感じ。スレンダーマンと少女の後ろ姿がどことなくダークで、VRらしい立体を活かしたデザインになっている。
(これが基本姿勢。カメラをちょっと離し気味にした方がいいかも)
(これは操作説明画面。音ゲーなのに"調べる"という操作が)
早速【はじめから】を選択すると、ムービーシーンがスタートするんだけど…
これだよ!! これ!! いきなり素晴らしいね。
三人称視点や俯瞰視点で展開されていて、カメラがポンポン切り替わるのにまったく違和感がない。2Dの編集ありの映像と同じ感覚で観賞出来る。これは、カメラが切り替わる前の段階で、次に何が起こるかを予測させているから成立するんだろうね。
たとえば、天井から光が差し込んでそれを見上げるキャラクターがいるから、その後カメラが天井に瞬間移動しても、状況がわかっているから混乱しない。「L.A.ノワール VR事件簿」はこのへんがボロボロだった。
うん、一人称で退屈な絵面が続くVRゲームも多い中、これだけ自然なムービーシーンが展開されるのは極めて珍しい。これだけでも相当価値のあることだよ。
(ピアノを弾くスレンダーマン。ゲーム内では"DEEMO"と呼ばれている)
(上空にカメラが移動。カメラがポンポン切り替わるのに状況がしっかり把握出来る)
(天井から光に包まれて下りてきた少女。『天空の城ラピュタ』みたいだね)
正直微妙な音ゲーパート
ピアノの置かれた部屋には足首が浸るぐらいの水が流れていて、とても綺麗。画質は普通なんだけど、かなりインパクトのある映像だね。
とここで、早速音ゲーのチュートリアルがスタート。プレイヤーの前方には川を連想させるレーンが伸びていて、その向こうには宇宙空間への扉のようなものが。
まぁ、幻想的でもあり、抽象的でもあって、言葉で説明するのは中々難しいんだけど、音ゲーのステージとして悪くないと思う。
因みに、音ゲーの間はDEEMOの一人称視点になるね。ピアノを弾く手が黒く細長くなって、怪しげに動いている。
(これが音ゲー画面。薄暗い背景に五線譜のようなラインが浮かんでいる)
音ゲーとして一番近いのは「Audio Beats」かな? レーンの上を流れてくるノートを手で叩く感じ。
ノートはピアノの鍵盤を意識した白と黒の2種類があるんだけど、色が違うだけでタイミングを合わせてタッチするという意味では一緒。
他には"スライド"と呼ばれている黄色いノートがあって、タッチした手を離さずに動かして連符を鳴らすって感じ。
(連符はスライドで鳴らす。2個目以降のタイミングはそこまでシビアじゃないみたい)
楽曲はピアノを全面にフィーチャーしたもので、普通の音ゲーとはだいぶ趣が違う。オリジナリティーと言えるだろうね。
んで、今回この音ゲーパートについて、先にまとめておくよ。端的に言って、あまり良い内容だとは思えない。
まず、エレガントなイメージのあるピアノを弾くという行為に対し、実際の操作はドタバタした"もぐら叩き"になっている。ダンスビートがメインの音ゲーならこの操作でも構わないんだけど、「DEEMO -Reborn-」はノートもピアノのメロディーや伴奏に割り当てられているから、どうしても違和感がある。
(もぐら叩きのようにバシバシ腕を降るから、ピアノで旋律を奏でている感じがしない)
次に、コンボが繋がっても背景に一切変化がない。映像に変化がないのは音ゲーとして盛り上がりに欠ける。
盛り上がりに欠けるという意味では、やっぱ楽曲も…。普通に聴いたら良い曲なんだけど、こういうゲームとの相性はいまいちな気がする。テンションが上がらないのよ。
ん~、俺が思うに「テトリスエフェクト」のように普通の音ゲーとはまったく違うアプローチで、楽曲を活かしつつゲームとして面白くする方法があったと思うのよ。それを探さずに、ハンドコントローラーでノートをタッチするという既存の方法を使ったのが失敗の原因だと思う。とにかく、音ゲーパートはまったく楽しくない。
(成績発表の画面はとても良い。立体を活かしているね)
こっちが本編?
音ゲーのチュートリアルが終わると、再びムービーシーンへ。どうやら、ピアノを弾くことによって木が育っていって、少女がその木の上に登って天井から元の世界へ戻るのが目的みたい。音楽で木を育てるという設定は「AIR TONE」とまったく一緒だけど偶然か?
(やっぱムービーシーンは素晴らしい。VRでもっとこういう映像が見たい)
んで、ここからは少女を主人公とした三人称のアドベンチャーパートが始まる。プレイヤーはMoveから伸びるレーザーで少女を移動させたい場所を指定して、決定するとそこに歩いていく。
ステージには譜面が落ちていたり、パズルがあったりして、この部分だけを切り取ると普通の謎解きアドベンチャーだね。
(これがメインの部屋。落ちているアイテムを拾ったり、パズルを解いたりする)
(背表紙の絵柄を合わせるパズル。こういった謎解きがたくさん用意されている)
ポーズメニューを呼び出すと、ステージマップや獲得したアイテムを確認出来る。ステージ数は全部で10かな? 今日3時間ぐらい遊んだけど、まだ3つ目のステージだから、かなりボリュームのあるゲームだと思う。
音ゲーの楽曲選択画面もとても良いデザインだね。「乖離性ミリオンアーサーVR」のカードを連想させる曲のイメージイラストがあって、それが立体を活かしたものになっている。2Dの絵にレイヤーをつけるだけで、こんな面白い映像になるんだね。
(全10ステージ。音ゲーをプレイしたり、アドベンチャーパートの謎を解くとアンロックされる)
(2Dの絵にレイヤーをつけることで立体を活かした映像にしている)
うん、そんなこんなでプレイを続けていくんだけど…
脱出ゲームとして完成度高くね?(笑)
いや、正確にいうと脱出だけが目的ではないから、謎解きアドベンチャーというべきなのか? でもやってることは脱出ゲームと一緒だよね?
ん~、ゲームオーバーも無いし、テンポも悪くない。パズルの難易度も適切。俺的には「Last Labyrinth」よりこっちの方が遥かに脱出ゲームとして完成度が高いと思う。もしかしたら音ゲーの方がオマケなのか?
(絵画が動き出す面白い仕掛け。こういう部分に力を入れてくれるのは嬉しい)
(DEEMO以外にも仮面の少女というキャラクターがいる。実は性格が悪い)
そんな理由もあって、音ゲーパートをプレイするのがかなり億劫(笑) 世界観も好みだし、普通に脱出ゲームとして遊ばせてくれって感じ。
ただ、どうしても音ゲーパートをやらないと、ストーリーが進行しないこともある。まぁ、パーフェクトクリアをしなくても木は成長するみたいだし、作業だと思ってテキトーにやればいいかな。
(譜面は本に収められている。楽曲数もかなり多いみたいだね)
今日はとりあえず3番目の屋根裏部屋で、ガラスを割るところまでは進めた。円卓の横に書かれた数字の謎が解けずに終了。
そうそう、屋根裏部屋では少女の立ち位置によって自動的にカメラが切り替わるんだけど、これも素晴らしいシステムだと思うね。身体を動かす必要がなくて楽。真後ろを見るようなゲームはもう止めるべき。
(書室にも同じような数字があったな~。関連性があるのかも)
(この暗号もわからん。MASKを取り除いてアナグラムか?)
現時点での感想まとめ
音ゲーパートは正直失敗していると思う。ただ、それ以外の部分は素晴らしいね。
特に、ムービーシーンでの編集やカメラの位置は最高。アドベンチャーパートで、一人称と三人称を自然に切り替えるアイディアも素晴らしい。このゲームをプレイすると、VRだからといって一人称に拘る必要はまったくないというのがよくわかる。実に遊びやすい。
ストーリーもミステリー要素が強くていいね。なんとなく予想出来る流れなんだけど、悪い気はしない。
とにかく、もう少し遊んでみないとなんとも言えないね。明日はこれをガッツリやるかもしれない。