久しぶりに踊った帰り道
静かな参道で

鈴虫の声が

あちら
こちら

涼やかに
透き通る
歌声が

響く
重なる
交じる

風にのって

耳に
胸に
背中に
響く

荒れていた心が 

優しく澄んでいくような
波が落ち着いていくような

胸が透き通るような



風に揺れる樹の音 に
久しぶりに気づく

あぁ
こんなに優しい風が吹いていた

見上げれば

大きな柳が
音もなく揺れている
やわらかく しなやかに

そのくっきりとした存在に
胸の中が鮮やかになる

あぁ
まだ感動することが出来た…


ぎゅうぎゅう詰めだった日々
ぱんぱんだった頭


取り戻した何かに
少しほっとする




ふわ

ふわわ

めざめる


ずいぶんおかしな夢を見てた気がする
思い出せないけど

違う国  違う時代  違う顔で
誰かと何を話してた


頭の中がふわふわして
輪郭がないみたい

昨日の夜はあんなにぎちぎちしてたのに

今朝はずいぶんやわらかい


胸が開いて
ふんわりした
見えないヴェールみたいなもので
包まれている感じ


やわらかい
優しさに
包まれてる

そこで
呼吸する


やわらかさを
背中に感じながら

そこに自分を委ねて
赤ちゃんのように呼吸する

守られている
安心…



汗ばんだ皮膚
まだ背中や肩の関節は固いけど


胸のまわりがやわらかい


今日もやることは色々あるけど
考えると
すぐに固くなりそうだけど


できるだけ
この優しさの中にいたい

どんな時も
行き先が分からなくても
目に見えなくても


本当は
この優しさに包まれてることを

何度も思い出したい




頭がぼーっとして
体が縮こまった朝

白い空に溶けていきそう
何も考えられない


上半身のほてり
熱が皮膚の表面と中を巡ってる
脇 背中から腰におりて

少し背骨に隙間が出来る
ぽきぽきと広がる音


やらないといけないことが
たくさん詰まった頭

顎は、まだ固い
相変わらず噛み締めてるね

胸や喉の隙間から
蒸気みたいに
微かに立ち上る呼吸


足の下に
大地はあったろうか

すぐにぐらつく
私の足の下に

しっかりと密着する
柔らかい絨毯に気づく

大地に腰を下ろす

体を預ける


少し気だるいこの朝に
この世界に
胸は開いていく

空気を頭に取り込む

ほら吸い込んで
欲しいだけ
いくらでも
吸い込んでいいよ

頭蓋骨が広がってく


今日は何か出来るかな
何も出来ないかな

頑張るのかな
やりたくないのかな


ゆらゆらしていたいのかな
ゆらゆら

ハンモックにでも揺られて
本とお茶
猫でもいたら最高


その前に部屋の掃除…
山積みの本や書類 
あちこちにやりかけのあれこれ
パソコンは閉じたまま
こちらをじっと見てる


ため息をついて

ふんわりした空気を吸い込む


また
ゆらゆら