9月の帰省時に行ってきた地元の風景第1弾。
先にお伝えしておきますね。
この一介の平民に門をくぐる権利はないので、外側の写真しか撮っていません。なんなら車窓見学です。
ゆくゆくは小学生の社会科見学先になるのかねぇ
私は宮城に引っ越してからテレビのない生活を送っているので、社会情勢にすっかり疎くなってしまったのですが、我が故郷熊本県では100年に一度の衝撃、まさに「黒船」と言われるものが来ていました。
それが、TSMC。「Taiwan Semiconductor Manufacturing Company」の略で、台湾が本社の半導体製造企業です。
形態としては、メーカーなど顧客の依頼を受けて、半導体を作り、供給するもの。いわゆる受託生産をするこのモデルは、「ファウンドリ」と呼ぶそうです。
半導体はもはや「教養として知っておくべきもの」なのだそうですが、でうくは理系の理解力がIQ3なので、「半導体とは何か?」について知りたいかたには、でうくが妄信しているバイエンス先生の10分解説動画を貼っておきます。
ダイオードとかトランジスタとか、なんか聞いたことのあるワードがちょこちょこ出てきて、本来の用語の使い方ってそうなんだなと思いました(小並感)
TSMCは半導体製造にいち早く着手した先駆的企業であり、半導体企業が続々と生まれる中でも最先端を走り続けているすごい企業です。iPhoneにもTSMCの半導体が使われているほか、生成AIの急成長により、半導体の需要はますます上がるばかりです。先見の明がありますね。
本社がある台湾には『台積創新館』(TSMCイノベーション博物館)が設置されており、紹介動画も発見しました。
予約制ですが、無料で入ることができるそうです。
①「イノベーションの世界」、②「イノベーションの解放」(「Unleashing Innovation」。どうやら、これがTSMCのキャッチコピーのようです。①がテクノロジー的な説明である一方で、②は世界での活躍を紹介しているみたい)、③「TSMC創設者のモリス・チャン博士」の3つの展示ギャラリーで構成されている模様。台湾国民の誇りだね。
TSMCのYouTube公式チャンネルを見てみると、日本語での工場内ツアー動画がありました。
・・・なるほど?(5分あたりからついていけてない)
熊本工場も中はこんな感じになっているのかしらん?
TSMCは1987年に設立して以降、ずっと台湾国内を中心に事業展開をしてきたそうですが、2020年に大規模な干ばつが起きたことをきっかけに「脱台湾」に舵を切ったとのこと。台湾はそれ以前から「五欠」(半導体工場の増えすぎが原因となる水、電力、土地、現場の作業者、高度人材の五つが不足した状態)が問題となっていて、国内だけでやっていくことの難しさを感じていたそう。そこに、アメリカと中国のハイテク摩擦に伴う半導体チップの輸出入の制裁・規制が加わって、関税がかかるようになってしまったため、海外に工場を置く方がコストが下がるとの判断だそうな。われわれ熊本県民にとっては黒船だけど、台湾から見るとアメリカや中国の二大大国が黒船よね。
そして、それが何故日本、熊本に?という話なのですが、TSMCの顧客先であるアップル社が要請したからなのだとか。何故要請したのかというと、それはアップルがiPhoneのカメラ用画像センサーの生産をソニーに依頼していて、そのカメラ用画像センサーを生産しているソニーの工場が熊本県菊池郡菊陽町(きくようまち)にあるからとの理由。あった
確かに
ソニー
ソニーインスパイアザネクスト
特に何も思わなかったから撮影してないけど
ようやくここで話が繋がりましたね
熊本にはTSMCという名前で工場がやってきたのではなく、JASM(「Japan Advanced Semiconductor Manufacturing」)と名前を変えてやってきました。それは、TSMCがそのまま来たわけではないから。
車窓にて失礼しますよ。
どれだけ引きで撮っても画面に収まらないすげえ
JASMはTSMCの子会社という位置づけで、TSMCを過半数としながらも、ソニー、デンソー、トヨタなどの日本企業が株主をしている企業です。え、アップルは?(爆)
TSMCは日本以外にもアメリカ、中国、シンガポールなど様々な国で工場経営をしていますが、子会社にしているのは日本だけのようですね。
熊本工場はまだ稼働開始しておらず、今年の12月頃に開始予定との話を地元住民からは聞いています
JASMという黒船の来航による経済効果はかなり高いと思われ、日本における半導体技術の発展や貿易のみならず、少子高齢化すさまじい菊陽町における宅地開発、雇用の機会など、地域活性化への期待もかなり騒がれていますが、こういう話もあるようですね。
熊本工場の時給はかなりお高め設定で、競争率が高すぎて応募前の企業説明会すら抽選から漏れたというケースも聞きましたが、「24時間働けますか」みたいな、こういうからくりがあったとは。。。
私ものTSMC Fab Tourの動画を見ましたけれど、やはり台湾のトップ企業、そもそものレベルがかなり高いんですね。作業工程で自分にできそうなものが見つからなかったんだけど
「必要なのは量産型ではなく頭脳型の人材」とも言われているようで、それはつまり製造工程を定型に沿って淡々とやれればいいということではなく、研究者レベルの知識や専門性が必要ということになる。熊本県も、産学官連携で急ピッチで人材育成を進めているようですが、人間や専門人材というのはそう短期間で育つものではないので、急げと言われてできる類のものか・・・?と思ったりもします。研究者は確かに1日が24時間とも限らない世界で生きている人間なので、頭脳型の人間を採用すれば命果てるまで働いてくれるだろうけど、熊本はすごい戦国時代に飛び込んでしまったなぁという感想です。新工場の建設には他県のライバルもいるとのことで、いつまで争うつもりだと。私は隠居して岳間渓谷でちゃぷちゃぷしながらのんびり執筆活動でもしてたいよ・・・
実は宮城も、大衡村(おおひらむら)という地域に台湾の半導体工場を誘致していたので、熊本のTSMCが手本になるのか・・・と注視していたのですが、大衡の方は急転直下の中止となり、宮城県民としては唖然でした
最後に、TSMC(JASM)を舐め回すように一周撮影した動画・・・を作ったのですが、容量が大きくてアメブロには貼れないので、インスタの方にアップすることにしました
この広さや大きさはぜひ動画で見てもらいたいんだけど、アメブロさん、動画の貼りつけOKにしてもらえないかなぁ~
でも、図らずとも動画編集に挑戦するいい機会になりました
一昔前のインスタ動画って感じだよね
数少ない写真。建物の、おしり