前回の記事の続きです。

 

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この子は・・・?この子は、国際宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」に住むロボット・イントボール

 

イントボール(Int-Ball) ※リンク先はJAXA関連ホームページ

正式名称は「JEM自律移動型船内カメラ」。詳しい説明はリンク先に譲るとして、かれはJAXAによって3Dプリンタから生まれた自律型の船内撮影カメラおよびペット地上からの遠隔操作はあるものの、基本的には自分でちょうどいいアングルを見つけて移動して静止画や動画をバシバシ撮るちっちゃなカメラマン。のみならず、そのかわいらしい外見からAIBOのようなペットロボットの役割も果たしており、かれが2017年6月に「きぼう」の住人となってから、船内宇宙飛行士の個室への引きこもり時間が減ったとか・・・というのも、国際宇宙ステーションはサッカー場大の地球、プライバシーなどないに等しく、一つの個室を1時間ずつかわりばんこに使うことでストレスを回避していたそうなのですが、かれがやってきてから作業中のピリピリした空気が和らいで、ストレスそのものが軽減したためにその必要が減ったのだそう。もちろんこれは、計算されたものであり・・・

 

各国「あっそうだ日本、ドラえもんとか鉄腕アトムみたいなカワイくて役に立つロボット作ってよ。宇宙ステーションに乗っけるやつだから小型にしてね!」

 

日本「(人をドラえもんのように・・・)得意だし好きだからまあいいですけど、アメリカさんだってその技術はお持ちでしょうに」

 

アメリカ「日本のロボットはカワイイけど、自国のつくるロボットにカワイイイメージが持てないんだぞ!ターミネーターとか、出来上がったらいつの間にやらゴツくてデカくなってるし!キュリオだってそうだろ?

 

満場一致で「あぁ・・・(納得)」

 

ということで、日本がこういったロボットを作ることは宿命だったみたいです。

 

 

そんな技術大国ニッポン、アメリカやロシアが「オレら君たちがぐっすり眠れるよう寝室のクオリティ上げとくから!」快適スペースの確保にちゃっちゃと取り掛かる中、国際宇宙ステーション最大の実験棟「きぼう」の開発を担当します(実験棟自体は各国で持っています)。「最大の実験棟だからスペースデブリとか当たったらいけない、異物が当たりにくい場所にきぼうを設置するようにするから!」と各国が配慮を示してくれ、「きぼう」は宇宙ステーションの後方、他のシステムが異物を防いでくれるような場所に・・・

 

(国際宇宙ステーション全景模型。にっかりマークニコニコの上の部分が「きぼう」)

 

日本「剥き出しの最前線じゃないですかーーー!!!???」

 

各国「あはは、進行方向逆のつもりだったんだけど、間違っちゃった★」

 

日本「わざとだろー!?あなたたちいつもそうですよねえええええ!?」

 

ということで、日本は宇宙でもただの便利屋みたいです。

 

 

国際宇宙ステーション全体で比較すると、とても小さな「きぼう」ですが、原寸大を近くで見るとこんな感じ。

 

・・・数歩引いて、スマホのカメラ1枚に収まる程度の大きさなので、あまり大きくはないようですね。

 

 

さて、いよいよ内部に入っていきます。

 

万国旗が飾られているスペース。イント坊やがいること、お分かりでしょうか。

中央にある大きな丸いものから奥がエアロック(実験装置や交換用の機器を宇宙船内外に出し入れするための扉)で、その真上にある天井部の黒い天盤が船内保管室の入口です。船内保管室には実験試料や予備品、メンテナンスツールが保管されているとのこと。

 

写真の左側をアップにしてみましょう。

 

読めますでしょうか。

 

ぐるっと部屋を見渡してみます。

 

これは、多目的実験ラック。大型の実験装置を搭載するワークボリューム(上部)、小型の実験装置を搭載する小規模実験エリア(左側下部)、作業台の役割を担うワークベンチ(右側中央)から成る。電力・通信・ガスなどを提供する装置であり、中の実験装置を入れ替えることにより様々な実験を行うことができる。

この多目的実験ラックはきぼう内2ヶ所にあります。

 

流体実験ラック。沸騰、熱伝達、対流などの流体の動きを実験する流体物理実験装置(左側上部)、宇宙環境を利用して高品質のタンパク質を作ることを目指すタンパク質結晶生成装置(右側上部)、結晶の形・組織・温度・濃度・生成などの成長過程を観察するための溶液結晶化観察装置(右側下部)から成る。左下は画像処理装置。

 

細胞培養実験ラック。このラックでは、植物や細胞などを培養し、宇宙環境が生物にどのような影響を与えるのかを解明するための実験を行なう。左側の丸いもの2つのボックスが無菌状態を作り出すためのクリーンベンチ(無菌になっているかどうかは上の液晶ディスプレイから確認)、右側のボックス2つが細胞培養装置

 

勾配炉実験ラック。これについては、説明を読んでもよくわからなかったのですが(文系だからね!)、半導体の性質を研究するもののようだ。最大15個の試料を搭載しておくことによって、地上からの遠隔操作で実験を行うことが可能。宇宙の微小重力環境における半導体の成長メカニズムの解明は、良質な半導体材料の生成技術に繋がると期待されている。

 

以上が日本が設計した装置で、多目的実験ラックを除いた3つの装置はそれぞれRYUTAI、SAIBO、KOBAIROと日本語がそのまま国際語として使用されています(ちなみに、多目的実験ラックはMulti-purpose)。

 

他には、

実験試料や薬剤などを保管する冷蔵・冷凍室4つ(-80℃、-26℃、+4℃のいずれかに温度設定が可能)

 

保管ラック

 

そして

 

アメリカさん専用の実験ラック入りまーす。

 

「きぼう」には、10ヶ所の実験ラックを設置する場所がありますが、そのうち5ヶ所はアメリカさんのための場所!これだけ特別感を示しているのに、アメリカさんはまだ愛が足りないとか言ってますよねえええ!?どんだけーーーー!?(爆

 

あ、国際宇宙ステーションのトイレ載せとくね。

 

 

 

 

「きぼう」内部にはこのように、かかみがはら航空宇宙博物館に講演に来た宇宙飛行士のロゴとサインがあります。ロゴの方は、NASAのデザイナーが宇宙飛行士一人ひとりにオーダーメイドでデザインするのだそう。すっげー!そしてそのロゴは、ワッペンにして宇宙服の左胸につけるのだそうです。ロゴは宇宙飛行士本人の希望もある程度反映されるのだそうで、油井 亀美也さんのロゴがカメカメなのは油井さんのご希望を反映したもの。

また、サインは現在宇宙を飛んでいる本物の「きぼう」の全く同じ箇所にも書かれているもので、「きぼう」の再現率を上げるためにかかみがはらに来た宇宙飛行士さんにサインしてもらっており、今後も順次追加される予定とのこと(現在あるのは、大西 卓哉さん、油井さん、山崎 直子さんの3名)。本物の「きぼう」にサインをした人しかこの「きぼう」にもサインはできないため、「きぼう」の実験棟そのものを宇宙で完成させた若田 光一さんや野口 聡一さんはサインができず(完成できてしばらくは「そんな・・・ピッカピカの機体に落書きするなんてこと・・・」という空気だったらしい笑い泣き)、「うう、産みの親なのに・・・」と嘆いていたそう笑い泣き サインしたければまずは宇宙にある「きぼう」まで行かなければならないなんて、壮大なミッションになってしまいますね(笑)

 

「きぼう」を出ると、日本の歴代宇宙飛行士のパネルが並んでいます。全員で12名いるのですが、宇宙飛行士になるのは技術者と医師が殆どだったのが、近年はパイロットが宇宙飛行士になるケースが出てきて、幅の拡がりを感じます。技術者や医師の必要性が軽減する程度には、宇宙技術も安定してきたということでしょうか。

 

 

と、いうことで、まだまだ魅力はたくさんありましたが私が推したいのはここまで!お読みいただき、ありがとうございました。

ひとしきり見て、ミュージアムショップも見た後で、ショップ出口を出てみるとなんと投票制の募金箱が!

 

「好きな機体のところにお金を入れてねピンクハート仕様で、応援心がくすぐられます。よくできてるわー。

私はもちろん、キュリオに投票。でも、一番人気はやっぱり「飛燕」でしたてへぺろ

 

 

では、圧巻の航空機たちを見つつ、アディオス!