細川さんちにお邪魔する②~地蔵院~ | 植民所在地3丁目

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Alfooでのブログ『誰も知らない植民所在地』の発展系。所在地わかりました。

でも書いてることは変わらない。

 

前日のあらすじ
台風に向かって新幹線一つで突撃する運命に晒された私とバディ・Y。
何とか生き抜いて日本人の心のふるさと・京へ辿り着いた私とYを待っていたのは、苛酷な現実と細川包囲網、そしてやはり台風の影響だった!
私とYに降りかかる苛酷な現実はまだまだ続く。。。



2日めの私のクエストは京都御苑で外構九門と御所の距離を体感で把握すること、あと鷹司邸。
その後はYの趣味で桂方面に行くことになるので、クエストはお休みです。


京都御所では、御所内の見学の他、蛤御門から堺町御門に向かう途中にある拾翠亭(しゅうすいてい)、白雲(しらくも)神社、宗像神社、厳島神社にも寄りました。
御所内見学では、清涼殿から小御所、御学問所にかけて私のテンションが異様に高いらしく「でうくさんキモチワルイ・・・」と引くY。だまらっしゃい。


本記事では、拾翠亭の写真を紹介したいと思います。

 

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拾翠亭は、公家の一つ・九條家が別邸として使用していた建物で、パンフには「茶室」と書かれています。九條家は藤原北家の流れを汲む家系で、幕末時の関白は九條 尚忠(くじょう・ひさただ)、強硬な佐幕派で日米修好通商条約の締結や和宮降嫁ではかなり積極的に動いていたそうです。
 

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建物の反対側(広縁)と、そこから望む九條池。

 

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九條池には高倉橋が架かっており、この写真の橋を左に進むと、厳島神社があります。
厳島神社では人慣れした猫がスズメ狩りをしており、勇ましく私のところに突っ込んできたので「ひぃ!」となりました。その声が原因か、最後の最後で逃げられていましたけど顔2

拾翠亭(九條邸)は堺町御門の西側に位置し、東の鷹司邸とは対になっています。
現在残る拾翠亭は40坪程度の広さらしいですが、幕末までは約10700坪もあったそう。
鷹司に次いで裕福なお家柄だったみたいです。


 

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1枚目が、鷹司邸跡。久坂さんが自刃した場所ですね。
2枚目は来島 又兵衛が亡くなった場所です。どちらもそれぞれ堺町御門と蛤御門の本当に目の前で、生々しさが伝わってきました。又兵衛に至っては、もう禁裏すれすれじゃないですか!
孝明天皇もさぞや怖かったことだろうに・・・(思わず同情)

そういえば私、拾翠亭のパネルを見て初めて知ったのですが、九門の中って当時から一般人も出入り自由だったんですね。天皇すっげー身近じゃん!(爆)
だから九門内の朔平門で田中 新兵衛が公家を殺すことができたのね。ひゃー、やっとわかった!世紀末
旅人がガイドブック片手に公家の生活を見物しに来て、九門内は非常に活気づいていたのだとか。それめっちゃ私たちやん・・・
何より天皇との距離がそんなに近かったことに驚きです。だって塀も高くないし。えっ、現在の皇居もそんなだったりする!?よく周辺でランニングしてるもんね!?(爆)
天皇を形式的に現在のような別格に押し上げたのは、大和行幸を行ったから・・・とかあるのかしら。


えっとこちらが堺町御門。八月十八日の政変前に長州藩が御親兵として守っていた門であり、禁門の変で久坂さんが鷹司邸に向かう際に通過した門でもありますね。禁門の変時は越前藩がこの門を守っておりました。

 

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少し切れていて見がたいですが、門の両端に三角屋根があるのがわかるかな?
九門の中でもこの三角屋根がある立派な門は堺町御門だけなのだとか。
これは、1900(明治33)年に堺町御門を正門と定めたからで、三角屋根はその際に増築された門番所なのだそうです。
そうね、そういや「京都御苑」というでっかい看板が、この写真の切れたところにあったわね。


蛤御門は以前撮ったつもりでいたんですけど、データをひっくり返しても出てこないのでなんか忘れたっぽい。(激戦地だったのに!)
でも、禁門の変時にできた弾痕はしっかりと確認してきました。
現在の蛤御門は明治10年から16年にかけて移設されたもので、それ以前は現在よりも30メートルほど内側に建っていたそうです。


乾御門、中立売(なかだちうり)御門、蛤御門、下立売(しもだちうり)御門、堺町御門と西から反時計回りに辿って、遂に肥後ミッションが始動!

寺町御門です。

 

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別に他の門とそう変わったことはないです。寺町御門は御苑の南東に位置する門で、御親兵時と禁門の変時は肥後藩が担当しておりました。彦斎がここで守っていたんですね。
蛤御門などのある烏丸通や堺町御門に接する丸太通と比べると、少し裏通りっぽい空気を放っています。寺町通に面しており、門をくぐってすぐ右手の黄色っぽい塀が仙洞御所(上皇のお邸)の敷地です。


本当は九門をぐるりと一周したかったのですが、振り返るとYが
死にかけていたので寺町御門からタクシーを拾ってすぐ桂方面に向かうことに。はは、振り回してごめんよ・・・
台風も過ぎて陽が射し始め、急激に暑くなる昼下がりなのでした。



Yの本日行きたいところは、仙洞御所と桂離宮、苔寺、鈴虫寺だったとのこと。仙洞御所と桂離宮は予約が取れなかったと落胆しておりました。Y・・・今回なかなか行けてなくない・・・・・・?

残る2つですが、なんと、苔寺が要予約であった情報を見落としており、それを知ったのが1日めの夜。
それからYはベッドでのたうっておりました。
私はそれを途中から冷ややかな目で見ていたのですが、他人の運命をあざ笑うと自身にも降りかかる星の下に私は生まれたようで、この日の夜は私がのたうつことになります。
その話はまた、後ほどやったー



結局、最後に候補として残った鈴虫寺も想像以上のパワースポットぶりにこちらがパワーを吸われてしまい、並ぶ気力なく断念。
そんな疲れきった私たちを受け容れてくれたのが、すぐ近くにある地蔵院

 

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「竹の寺」と言われるだけあり、門をくぐると青々とした竹林が出迎えてくれます。
一休さんが幼少時に修養したお寺。

 

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本堂。鈴虫寺とはほんと背と腹の位置にあるのに、この貸切感・・・しかも、かなり雰囲気いいぞ!


案内板を見て初めて知ったのですが、このお寺の開基は細川 頼之さんなのだそう。
えっだれあの細川さん??と思わず叫びましたけど、あの細川さんで、肥後細川初代・藤孝さんの8代先祖で現当主の元首相・護熙さんから数えて25代先祖になる?もう訳が分からないよ(爆)
頼之さんは南北朝時代から室町時代にかけて生きたかたで、足利 尊氏・義詮(よしあきら)・義満の3代にわたって仕えたそうです。『太平記』にもちらと出てくるほどの人物という。
寺作りに関しては、夢窓 疎石の影響を受けているんですって。


一番素敵だったのは、方丈でお茶菓子を嗜みながら庭園を望むこと。
残念ながら方丈は撮影禁止なので外からの門だけパシャリ。

 

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方丈内には数々の展示物がありましたが、その中にやっぱりガラシャの肖像画がありました。それも一部屋分使って。
もー私ずっと疑問だったんですよーだってガラシャ熊本来たことないのに墓だけ熊本にもあるんですもん!今でも疑問なんですけどね!?
忠興のガラシャに対する愛だけは物心ついた時から痛いほど伝わってきてたんで、もはやガラシャの肖像画見るだけでホッとしますよ、あらゆるところで見慣れすぎて!
いやー慣れって怖いわー(爆)

こほん。ガラシャで盛り上がってしまいましたが、もう一つ。方丈内には現当主・護熙さん作の襖絵もあるとのこと。残念ながら私は確認できず。でも、傍でその襖絵のポストカードが売ってあってなんだかすごくシュールに感じました。
細川さんとはそういやこういう出会い方はしたことないからねえ。

私が買ったのはこちら。

 

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その名も「だるまもり」!
地蔵院のマスコットキャラクター(?)で、邪気や煩悩、迷いを断ち切ってくれるお守り。
なにこれ、かわいい・・・



予期せぬ細川さんとの出会いを果たした後、桂離宮近くの「中村軒」さんにてお目当てのかき氷を食べ

 

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京野菜・桂瓜の氷。甘さ控えめのメロンに似た味がして、とても美味です。
2年前に桂離宮に来た時も食べましたハート


いざ、
池田屋
へ!
 

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今回は志士側の気持ちに立って飲もうと思いましたが、いかんせん店そのものが新選組推しなのでつい忘れがちに・・・顔2
あ、花燃ゆで吉田 稔麿を演じた瀬戸くんのサインがありましたよハート


 

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頼んだお酒。その名も「芹沢のお気に入り」。
前回来た時はコテコテの日本酒でしたけど、今回は金箔入りの巨峰酒。きれいですね。
芹沢メニューは渋みがあって私もお気に入りです(笑)



これにて2日めはおしまい!3日めはYと別れ、池田屋殉難者の眠る三縁寺へお参りに・・・



・・・・・・え、行けない?(次回につづく)