ヘンリー・フォード・ミュージアム | AIRPLANE NUT

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ブログタイトルは「ヒコーキきちがい」という意味です。航空ショーや航空博物館を見に行くのが趣味です。

米国のモータウン、フォードの本拠地デトロイトにはヘンリー・フォード・ミュージアムがあります。数々の歴代フォード車、何台かの大統領専用車などのほかに米国民が使ってきた家具なども展示されています。

 

フォードは航空の分野にも関りがあるため、専門の航空博物館ほどではないもののなかなか美しく維持された航空機のコレクションもあり、ライト兄弟やアメリア・イヤハートなどのよくできたフィギュアが添えられて歴史的名シーンを再現したりしています。

 

アメリアのフィギュアです。よく似ています。後方のヒコーキは名機ロッキード・ベガで、彼女が女性初の単独無着陸大西洋横断を達成した時の愛機です。NACAカウリング、平滑な木製モノコックの胴体を持ち、アメリアのほかにも多くの記録飛行を達成しました。この再現されたシーンは記録飛行達成後のものでしょうか。

これはリチャード・バードの極地探検飛行に用いられたフォッカーF VIIです。彼の北極点飛行は着陸はしていないと思うのですが着陸用のそりや寒冷地で作業するための分厚いミトンなども展示されていたので、詳しいことは知りませんが彼は海軍士官だったこともあるしきっと任務などで寒冷地での 開拓的な飛行を行っていたのだろうと思います。

これは米国の博物館でわりとよく見かけるリンドバーグのスピリット・オブ・セントルイスです。本物はワシントンDCのスミソニアン航空博物館にあるのでこれはもちろんレプリカですが、よくできています。私は子供のころこのヒコーキの紙製の模型を作ったことがあって、前方を見るための窓がないことが不思議だったのですが、離着陸の時には小さな潜望鏡のようなものを胴体の横から突き出す仕組みになっていたのですね。エンジンと操縦席の間は長距離飛行を行うために必要な大きな燃料タンクです。リンドバーグは飛行前は無名の若輩とみられていたために希望したベランカを購入できず、新興のライアンに機体制作を依頼しました。新進気鋭のメーカーだったからこそ、こんな思い切ったデザインを採用できたのだろうし、リンドバーグも自分の意見を持ち込みやすかったのではないでしょうか。

 

このミュージアムのとなりにはヘンリー・フォードやライト兄弟、それにエジソンなどがそれぞれの新発明にいそしんでいたころのアメリカを再現したような「ビレッジ」という広大なテーマパークがあり、そのなかでは馬車やT型フォードが走り、エジソンの研究所やライト兄弟がフライヤーを試作していた家などが再現されていて、デトロイト市街地からほど近いこともあってミュージアムと両方で一日たっぷり楽しめる施設です。近くのフォードの工場を見学するツアーも出ています。今のコロナ禍が去って、再び自由に海外旅行ができるようになったらぜひ出かけてみてください。