公平理論はモチベーション(=やる気)に関する理論の一つです。
結論から言うと
・人が満足するのは他者との比較
・最終的には個人の主観となる
よって、
『公平な評価システムは作れない』
であるという理論です。
これだけ聞くと救いのない理論に見えますが、ここから得られるものもあります。
では具体的に見て行きましょう。
以下のように、評価と努力を記号化します。
I.....Input(=努力投入量)
努力投入量とは、どれくらいがんばった
かということ。
O.....Output(=評価)
これを人の満足度をあらわす数式で表現してみます。
O
---
I
すると上記のようなに、I分のOとなります。
これだけだとピンとこないと思いますので、もう少し具体的に説明します。
AさんとBさんがいたとします。
Oa Ob
--- = ---
Ia Ib
このようにAさんとBさんが等価であれば、お互いに満足するとします。
ところが、
Oa Ob
--- < ---
Ia Ib
このようにどちらかに評価が傾いた時、人はそれを不満に思います。
ここで問題になるのはAさんは何とか等価の状態に持っていこうとします。
この方法は大きく3つあります。
(1)手抜きをする
分子は外部からの評価(例えば会社から)のため変更できません。
であれば自分で返れるのは分母の部分ですから、努力を怠れば
他の人と等価になります。
(2)比較する相手を変える
比較対象がBさんの場合等価にならないが、Cさんであれば
自分と同期だし...という具合に評価対象を他に探すように
なります。
(3)離職する
評価してくれる人を他に探すという行動に出ます。
注意しなければならないのは、Aさんから見てBさんの値はAさんの主観に左右されるという点です。
つまり、どんなにBさんががんばっていても、Aさんがそれを見ていなければ、「オレはこんなにがんばっているのに何でBの方が不当に評価が高いんだ!」ということにつながるわけです。
またいくらがんばってもAさんの努力が会社にとってあまり意味がなく、Bさんの行動の方が高く評価されるようなケースがあります。これをAさんが認識しないと、同様に不満を持つことにつながる可能性があります。
冒頭で書いたとおり、個人の主観に左右されるため、絶対的に公平な評価システムを作るのは難しいとい言えます。しかし、今回上げたような点をよく研究すれば、少なくとも今よりは改善される可能性も十分あると言えるでしょう。