2025年の年号がらみの問題として、今回は立方数の和と平方数が絡んだ問題を取り上げます。
まず、洛南高等附属中学校2019年算数第1問(5)を解いてみましょう。
それを踏まえて、次の問題を解いてみましょう。
次の計算をしなさい。
1×1×1+2×2×2+3×3×3+4×4×4+5×5×5+6×6×6+7×7×7+8×8×8+9×9×9
(解法1)
上の洛南の問題の出題者の意図と解説のように、1からの連続する奇数の和(平方数になります)に持ち込んで解きます。
1×1×1(1×1)・・・1(平均が1となるような1個の奇数を1に「近い」ものから配置)
2×2×2(4×2)・・・3+5(平均が4となるような2個の奇数を4に「近い」ものから配置)
3×3×3(9×3)・・・7+9+11(平均が9となるような3個の奇数を9に「近い」ものから配置)
4×4×4(16×4)・・・13+15+17+19(平均が16となるような4個の奇数を16に「近い」ものから配置)
5×5×5(25×5)・・・21+23+25+27+29(平均が25となるような5個の奇数を25に「近い」ものから配置)
6×6×6
7×7×7
8×8×8
9×9×9(81×9)・・・73+75+77+79+81+83+85+87+89(平均が81となるような9個の奇数を81に「近い」ものから配置)
結局、1から89までの連続する(89+1)/2=45個の奇数の和を求めればよいから、答えは45×45=2025となります(「1から連続する奇数の和=平方数(四角数)」については、下の図を参照)。
(解法2)
上のような知識が仮になくても、規則性があるはずと考え、小さい数から順番に調べていけば解くことができます。
1個目(までの和) 1
2個目までの和 1+8=9
3個目までの和 1+8+27=36
4個目までの和 1+8+27+64=100
このあたりまでくれば、次のように、計算結果が平方数になっていることがわかるはずです。
1×1、3×3、6×6、10×10、・・・
しかも、1、3、6、10、・・・を考えると、次のように、三角数になっていることもわかりますね。
1、1+2、1+2+3、1+2+3+4、・・・
結局、求める和は
(1+2+3+4+5+6+7+8+9)×(1+2+3+4+5+6+7+8+9)
=45×45 (1から9までの整数の和が45となることは覚えているはずですね。)
=2025
となります。
なお、上の解説からわかるように、
1×1×1+2×2×2+3×3×3+・・・+□×□×□
=(1+2+3+・・・+□)×(1+2+3+・・・+□)
=(□+1)×□×1/2×(□+1)×□×1/2 (等差数列の和の公式を利用しました。)
={(□+1)×□×1/2}2
となります。
これは高校で習うシグマkの3乗の公式になります(シグマ公式と算数の問題については、規則性(群数列)の問題(神戸女学院中学部2020年算数第5問)と高校で習うシグマ公式を参照)。