昨年度まで担当していた生徒Eくん。
Eくんには、中3の終わり頃から高2までオンライン指導をし、
十分力がついたのを機に、高3の間は質問対応のみを行ってきました。
Eくんは、全然天才肌ではなく、どちらかというと不器用なタイプだと思います。
これはお母様も同じようにおっしゃられていました。
Eくんは不器用さもあってか、中3当初の数学はかなり厳しい学力だった記憶があります。
某塾のフォロー役として指導が始まりましたが、多分ついていけなくなって辞めるだろうと思ってました。
直近の内容があまり理解できていなかったのもありますが、解くのがゆっくりでしたし、
不思議な質問が多くて、数学が苦手なタイプの特徴が顕著に出ていました。
しかし、私の予想は大きくはずれることになりました。
Eくんの勉強の取り組み方は、とても素晴らしいものでした。
こなす量が圧倒的に多いとかそういう話だけではなく、とてもじっくり丁寧に取り組むんですよね。
じっくり丁寧に。
これがねぇ、やっぱり皆出来ないんですよ。
細かいところまで気にして、疑問を持ち、解決するという作業を多くの方はやりたくないんですよね。
細かいことってつまんないし、時間かかるし、面倒くさい、眠い。
出来れば7~8割くらい分かっていればOKとしてしまいたいですね。
しかし、得意でない子の7~8割くらい分かるというのは、実際には4~6割だったりする。
なので、それが積み重なっていて、ライバルと差が開き続けたり、どこかで破綻を迎えたりするわけですね。
でも、Eくんは違ったんですねぇ。
指導で見てればすぐ分かります。
1人の時に本当にじっくり丁寧にやってるんだなっていうのが。
だから細かいところまで質問がくるし、納得できないところは一切残さない。
そんな気迫を常に感じていました。
そして予想に反し、しっかり塾についていけるようになり、文系の子ですが数学が得意科目と自ら言うほどになってしまいました。
もしEくんが、勉強の取り組み方が違ったら、ここまでは絶対になってないと思います。
それくらい当初は、苦手な子の特徴がモロに出ていましたので。
Eくんは、某最難関国立大学が第1志望でした。
模試の判定はとても順調でしたが、残念ながらご縁はありませんでした。
ですが、私立の某最難関大学に合格していたため、
浪人を迷った末、私立の方に進むという決断をした、と連絡をもらいました。
それで指導終了となりました(と言っても最後の1年は質問対応だけでしたが)。
ところが今年度の夏が終わった頃くらいに突然Eくんからラインが来まして、
実は今年度も受験を考えているので、質問対応を行ってほしいというものでした。
いわゆる仮面浪人ですね。
Eくんの通う私立大学は誰もが知るとても有名な難関大です。
大人としては、もうそこで十分じゃない? 就職の事を考えると むしろそっちがいいんじゃない? とか思ってしまうのですが、
本人としては、そういう事ではない、のでしょうね。
今年度は、大学の勉強もこなしながら、合間に受験勉強をしていたみたいです。
解いていると、疑問が生じる部分がどうしても出てきてしまうので、対応してもらえないか、とのことでした。
もちろんOKし、それから半年ほど質問対応をしていました。
(質問と言っても月に数問程度です。
なので、私がEくんを担当生徒と呼ぶのも、フォローしていたとうのもおこがましいレベル。)
そんなこんなで今年度も共通テスト、前期試験と終了しました。
結果は
残念ながら・・・。
Eくんの勉強の取り組みは、量だけでなく、質に関しても素晴らしいものでした。
しかし、そんなEくんは、第1志望の某国立大学から理不尽な仕打ちを受けておりました。
2次試験の点数の開示請求をしたところ、明らかに数学の点数が少なすぎるのです。
某塾の先生も、そして私も、Eくんが復元した答案を見ましたが、2人とも、どう考えても点数がおかしいという結論になりました。
15点くらいズレがあります。
普通の大学でも15点の差は大きいと思いますが、その大学の15点はとてつもなく大きいのです。
採点ミスか、取り違えが起きたとしか考えられませんでした。
とはいえ、実際の答案自体はもらえないので、どうしようもありません。
普通なら、この理不尽な状況に落ち込んだり、大学への不平不満が爆発しようものだと思います。
ところがEくんは、
「記述の粗さを改善しつつ、辛い採点をされても他科目で補えるようにしたい」
と言い、そのままその大学合格のために勉強をし続けたのです。
謙虚すぎる・・・。
その謙虚さが丁寧な勉強にも繋がっているのかもしれません。
ところがそんな中、2度目の不合格。
とてもとても残念でなりませんでした。
これで、もうEくんから連絡がくることはない・・・はずでした。
しかし、昨日突然ラインを頂きました。
その内容は、
京都大学の後期に合格しました!
というものでした。
えーーー!?
そもそも受けていたことを知りませんでしたので、びっくりしました。
京都大学は、法学部だけが後期日程を実施しています。
特色入試で、共通テストと小論文で合否が決まります。
志願者は350~400名くらい。
第1段階選抜は、共通テストと調査書によって行われ、50~100人程度が不合格となります。
受験者数は、毎年50名程度になるようですが、今年は37名だったそうです。
今年は受験者が少なくてラッキーだったかもしれない、とお母さんはおっしゃられていました。
実力で勝ち取っただけなのかもしれませんが、もし運がまわってきていたのだとしたら、
理不尽な事を受けた分の不運が、このタイミングで幸運となって返ってきたのかもしれませんね。
というわけで、第1志望は逃したものの、もう十分すぎる大学に合格したEくん。
これで地道にじっくり丁寧に頑張り続けた受験生活は終わりです。
器用でない子でも、正しい努力を続ければ最難関大学に合格できる!
最後にこれを示してくれたEくんでした。
頑張っている割に成績の伸びがイマイチな皆さんは、Eくんのように、勉強の量だけではなく、勉強の取り組み方に目を向けてみましょう!
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