上滑りの勉強 | プロ家庭教師のKiri/奈良/オンライン/大学受験/医学部受験/難関大学受験

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大学受験専門のプロ家庭教師Kiriが、指導に対する考え,実際に指導で経験したことなどをつづります。

今日は私がよく書く、正しくない勉強とは何か、について、まとめてみたいと思います。

 

簡単に言いますと

一通り解説を読んで理解できたら終わり、

あるいは じーっと時間をかけて考えて、ようやく解けたような状態で良しとし、

解きなおしもせずに、類題も解かずに、曖昧な状態のまま延々と進めていくやり方です。

 

このような勉強の仕方を、「上滑りの勉強」と呼ぶことがあります。

表面だけなぞって、深くやろうとしないということです。

 

全体像を見る段階ではそれでも良いかもしれませんが、何周やってもそういうやり方を続ける場合は、正しく勉強している人の何十倍も勉強しない限り追いつけません。

 

成績が伸びない子の大半は、多かれ少なかれ、こういうやり方で勉強しています。

なので、私が授業で演習を重視しているのはそこです。

 

中高一貫校の高1以下だと、演習をしているのを見て、「このくらいの練習が必要だな。」と判断して、演習させ、スラスラ解けるようになるまで解かせます。

しかし、これでも次の週、忘れる時は忘れますので、次の週に確認テストをして、出来を確認します。

出来なかったときは、またその場で演習です。

 

こういうことを自分1人できちんとやっていますか? ってことなんです。

多分ほとんどの子は、やってないですよね。

おそらく学校から与えられた宿題をこなしてオシマイ。

 

なので、正しく勉強している子や、本質を一発で見抜けたり,長期記憶が優れているような才能ある子は伸びますが、そうでない子はどんどん置いてけぼりになっていくということです。

だから平均点が取れない。取れないからおもしろくない。おもしろくないからやらない。という連鎖につながっていきます。

 

 

上滑りの勉強をしていていも、高1以下から担当している子たちは、私がこうして積み上げていけます。

本人も定期テストで点数が取れるようになり、自信がつくので、ある程度は勉強するようになることが多いです。

なので、ある程度、全体像が見えた状態で、高3を迎えることができます。

 

しかし 厳しいのは、高2以上から担当し始め、このような勉強をしている場合です。

高2になったときには、多くの学校は数学Ⅲに入っています。

数学Ⅲでは、かなりの計算力を求められ、数学ⅠⅡBをある程度 理解していることが前提になります。

 

数学Ⅲを簡単と言う人がたまにいますが、ああいうのは出来る人側から見た単なる偏見です。

普通の子から見たら、そんなに甘いものではありません。

 

上滑りの勉強を続けてきた子達の多くは、計算力がありません。

だって、大まかな解法すら表面的にしか見てこなかったわけですから、細かい計算なんてちゃんと見ているわけがありません。

なので、理解うんぬんの前に、計算ミスだらけになります。

仮に理解しても、答えが合いません。

 

そして、以前の知識がないので、そこに戻ってやり直す必要があり、進めるのに時間がかかります。

 

高2になると、理系・文系と分かれ、理系は数学の時間が高1以下に比べてかなり増えてしまいます。

ですので、計算ミスだらけで進まない、以前に戻ってやり直すので進まない、という状態で、

加えて頭の回転が遅い、などといったことが加わってしまうと、学校の進度に完全に追いつくのはっきり言って無理です。

 

その上、計算ミスだらけなので、テストはボロボロになることは必然であり、そうなれば本人も自信がつきません。

この頃から始めるということは、点数を取って自信をつけるのは難しいということが前提になってきます。

 

私は、こういう場合、指導する部分をしぼります。

無理やり学校に追いつかせるために、ひたすら解説して、演習を本人に任せるのもアリなのかもしれませんが、私の経験上では、上手くいったことはありません。

 

その理由は、結局、上滑りの勉強になるからです。

これまで数学が苦手とか、点数が取れなかった人は、上滑りの勉強を続けている可能性が高く、それが急に週1回の家庭教師がついたからといって、治ることなんてまぁありません。

 

指導中に延々と解説すると、当然それだけ次の週までにこなすべき演習量は多くなります。

これまでの量でも上滑りの勉強を続けてきた子が、こなすべき演習量が多くなった時に、正しく勉強するようになるでしょうか?

 

答えは明らかにNoであり、おそらく余計に、上滑り感が増すだけではないでしょうか。

なので、そういうタイプの子に、演習を任せっきりにして定着を期待するというのは、間違った指導の仕方だと思っています。

 

そこで私は、これだけは出来てほしいという最低限の部分にしぼって、そこをひたすらに鍛えるというやり方にします。

30ページを浅くやるくらいなら、10ページを深くやろうという考え方です。

もちろん、これでも 定期テストの点数を取ることは難しいです。

 

しかし、再び戻ってきたときに、30ページを浅くやっている子は、何も覚えていないことが多いですが

10ページを深くやった子は、その部分だけはしっかり覚えていることが多いし、忘れていたとしてもすぐに思い出せるレベルになっているはずです。

大きな目的は大学受験なわけですから、どちらにしろ定期テストで悪い点数を取るのであれば、あなたはどちらを選びますか? って話です。

 

 

以上のことから分かる通り、数学が苦手な子が、定期テストで点数を取って安心したいという場合は、高2以上で家庭教師をつけるのはちょっと遅いということになります。

これは私が家庭教師だから、ポジショントークで言っているわけではなく、事実を伝えているまでです。

 

もちろん、クラブなど、勉強以外のことが忙しくてできなかっただけで、正しい勉強の仕方が分かっている子や、もともとの能力が高い子はまた別です。

あくまで、私のブログは普通の子目線で書くことが多いです。

 

 

すでに受験生 つまりは 高3、浪人生で、上滑りの勉強をされていると、週に1回の指導だけではもう、どうしようもなくなります。

なので、勉強の仕方を注意をしなければなりません。

性格の良い子たちに、注意をするというのは気分の良いものではないです。

しかし、言わなきゃ変わらないですしね。

 

高2以下だと、日々の指導でちょっとずつ信頼関係を作って、角が立たないようにちょっとずつ伝えていけばいいですけど、受験生はそういうわけにはいきません。

もうその勉強の仕方を直さない限り、絶対に受からないって子がいたら、やっぱり伝えるしかないんですよね。

 

ガチガチに管理してくれる予備校などに通っていればそちらに任せますが、大手予備校とかだとほったらかしなので、結局私が言うしかないかな、という感じに毎回なります。

 

注意をせずに、淡々と指導を行っていくというのもビジネスとしてはアリですが、私は性格的に、そういう指導ならやらない方がマシです。

仕事はお金ではない とか思ってるわけではありませんが、ストレスフリーであることは重視しています。

 

ただこれは個人的にやらないというだけであって、そういう人たちを否定はしません。

やはり塾や予備校の多くは、下位生はお客様扱いになりますが、これは運営していくにはある程度、仕方がないことです。

 

 

最後、やや話はそれたような気もしますが、正しくない勉強について書きました。

上滑りと聞いてドキッとされた方は、早めに何かしらの対応された方が良いでしょう。

 

 

 

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