集団授業は誰に合わせる? | プロ家庭教師のKiri/奈良/オンライン/大学受験/医学部受験/難関大学受験

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大学受験専門のプロ家庭教師Kiriが、指導に対する考え,実際に指導で経験したことなどをつづります。

とある超進学校にかなり変わった先生がいらっしゃいます。

京大出身で、今も教えていらっしゃる方で、校内では担当外の子でも名前を知っているような有名な先生です。

仮にK先生とします。

 

K先生は、中1のしょっぱなの授業から、集合を教えるような方でした。

高校数学で学ぶ集合ですね。

まだ正負の数も、文字式も、方程式も学んでないんですけどね(入学前課題で正負の数はやっているでしょうけど)。

まぁベン図は中受で理解しているので無茶というほどでもないのですが、なんで? という感じですよね。

 

それから中1の期末では、写像のお話になり、単射とか全射といったお話になり、完全に大学数学やん、という内容に突入。

集合をやったのはこのためだったのね、と納得したようなしないような。

やるのはいいとしても、せめて1次関数の前でよくねー? みたいな。

 

その後も、1次方程式を習っていない子達に、いきなりn次方程式の話をするとか、大学数学でしか使用しない記号を多用したりと、もはや子供によってはノートは暗号状態。

 

教科書に載っている内容はほとんどしません。そんなものは、自分でやっとけです。

数Ⅰくらいまでは、普通のことは一切していなかったような気がします。

補習をやってくれるのですが、補習でも難しい内容を扱うので、補習になっていないと。

 

当然保護者から何度かクレームめいたものはきたようですが、K先生は「上の子達が退屈するような授業はどうしてもできない!」と言い切ったそうです。

私は、この学年はいずれ上位層以外は崩壊するだろうなぁと思っていました。

ところが・・・。

 

現段階で高校となったその学年は、英数国の中で、数学が最も強い学年なのです。

それどころか、他の学年と比較しても、数学はかなり優秀な学年の1つだそうです。

 

もう1つの数学の先生は、反対に教科書通りのかなり丁寧な指導をされる先生のようですが、その先生の授業はそこそこ寝る子が出るそうです。

ところが、K先生の授業は、出来る子も出来ない子も全員起きていて、かなりピリッとした雰囲気だそうです。

別に、怖い先生というわけではないにも関わらずです。

また、補習の出席率も、他の先生方に比べてかなり良いらしいです。

 

上位層は、教科書外の内容や、テクニックといったものを非常に喜ぶ傾向にあります。

定期テストで勉強することが増えるからやめてほしいとか、すぐ忘れるから別にいいという子も多い中、彼らは目をランランとさせて、どんどん吸収していくんですね。

超進学校になると、そういうタイプが非常に多くなります。

説明はかなり上手いようですので、その上位層たちがどんどん吸収し、意外と崩壊しないんですね。

 

初めは、こんなの分かるかよ! どうせみんなできないだろ! と勉強していなかった子達も、テストの平均点がそこそこあるのを見て驚くわけです。

 

普通は、テストの点数と人数の分布は、下図のような感じになります。

横軸:テストの点数 縦軸:人数 です。

平均点くらいの点数を取る子が最も多くなり、それから高得点になるにつれて、低得点になるにつれて、人数が減っていくという分布ですね。

 

ところが、K先生のクラスの分布は、下図のような感じになるようです。

平均点も、高得点も、低得点も同じくらいの人数 という分布です。

 

思ったより平均点がある上に、高得点を取っている子が非常に多いわけです。

上に合わせると言っているK先生は、高得点の子には、よくやった! と誉めます。

上位層には非常に愛されている先生です。

以前勤めていた医学部予備校に、たまたまK先生に教わったことのある国立医学部生がいたので話を聞いてみると、僕はK先生好きだった と言っていました。

 

こういったことが回を重ねるとじわじわと効いてくるようです。

仮にも超進学校に入学したプライドの高い子供達。

このままではいけないと感じる子が必然的に多くなるわけですね。

 

とはいえ、教科書には載っていない。参考書にも載っていない。

テスト前にやれば間に合うような生易しい内容ではない。

 

そうなると、授業を真剣に聞き、しっかり復習するという流れが、自然と出来上がる。

教科書レベル、参考書の多くの問題は解説されないので、自分で解くようになる(K先生の参考書の宿題は意外と多い)。

こういう子がどんどん増えていくわけです。

 

周りがこの授業だけは真剣に聞いている、復習している。

その空気感に、怠け者ですらこの授業だけは真剣に聞かなければやばいと感じるそうです。

 

その連鎖が、今の状況を生み出したのだろうと考えられます。

 

超進学校だからできる技ではあるのでしょうけど、集団クラスでは真ん中より少し上に合わせるのが普通だと思われますが、上にしか合わせない体制で、ここまで全体を引っ張りあげることも可能ということですね。

 

なんか英雄の紹介みたいな書き方になってしまいましたが、最後に付け加えておくと、K先生はかなり人間的には問題のある方です(^-^;)

詳しくは伏せますが、トラブルも色々聞いております。

天才にはつきものですね。

 

 

 

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