Happy Game(ハッピーゲーム) の感想(レビュー)です
かなりのネタバレを含む感想(レビュー)です
見るときに注意してください
【考察】についてはプレイ済みであることが前提となっています
見るときは特に注意してください
---------キ-------リ-------ト-------リ---------
【PV】
《注意》 エグい表現があるので視聴注意です
このゲームがどういうものか端的にわかりやすいPVです
【感想】
Amanita Deagine によるゲームです
Android版をプレイしました
Amanita Deagine といえば、不思議な世界観のゲームを緻密なグラフィックで描いた作品が多いです
このゲームはホラーゲームで今までの作品とはテイストが違います
タイトルに“Happy”とあるけどホラーゲームです
残酷な表現が多く、心がえぐられそうになる程の展開が待ち受けています
クリアした後で、どうして“Happy”なのかということを考えていました
《説明》
ホラーアドベンチャーゲームです
ゲーム内容について
ベッドで眠りにつこうとしている男の子が主人公です
チャプター形式のようで、一つのチャプターに一つのおもちゃが関係していて、ボール・ウサギの人形、そして、おもちゃではないけどペットの犬の三つです
物語の展開は、このゲームのデベロッパー Amanita Deagine の作品 CHUCHEL(チュチェル)に似ていると思います
CHUCHEL はコミカルで『トムとジェリー』のような作品です
対して、このゲームはダークサイドに堕ちた CHUCHEL です
光の CHUCHEL、闇の Happy Game です
CHUCHEL はステージ形式になっていて、そのステージの謎を解いてチェリーを取り戻すことで次のステージに進むことができます(取り戻しても奪われるので追いかけるという展開です)
怪しいポイントをクリックしたりミニゲームをプレイします
コミカルに描かれるので反応を見るだけでも楽しいです
対して、このゲームもステージ形式です
男の子が大切にしている物を取り戻すために謎を解いていきます
こちらも CHUCHEL と同じように取り戻そうとしてもできないので追いかけるという展開です
怪しいポイントをクリックしたりミニゲームをプレイします
ただ、目を覆いたくなるような出来事が多く、反応を見るのが辛いです
普通に怖く、ときに冷たささえ感じます
この男の子が一体何をしたの?って思うぐらい酷い目に遭います
気になったことが一点あります
ウサギの人形編で、ウサギにニンジンをあげるとプクゥッと膨らんで動かなくなります
このときカメラが近すぎるので、もっとズームアウトしてくれた方が配置しやすかったです
微調整しづらく位置がわからず、なかなかキツかったです
【考察】 ハッピーの意味について
このゲームの最後は『ハッピーエンド』で終わります
しかし、主人公の男の子にとって『ハッピーエンド』ではありません
バッドエンドであり最悪な終わり方をしています
それが『ハッピー』の意味について考えるきっかけとなりました
正直周回プレイをするのは気が引けました
男の子が辛すぎるから
しかし、最初のボール編で主人公の男の子が遊んでいたボールを別の男の子が奪うというシーンがありました
このとき朧気にわかりました
まずは主人公の男の子について考えてみます
全体を通してみると、この男の子は内気な性格かと思います
そのため他人に強く言うことができず、友達もいなく一人ぼっちです
実際、ボールと人形で一人遊びしています
お友達はペットの犬だけという状況です
内に籠り一人で遊んでいます
この子の部屋を見ると恵まれている家庭環境にあると推測することができます
だから家にいれば安全だと思います
そんな男の子に対して周囲の子はどう思うでしょうか?
からかっても何も言い返してこない、または、からかったときの反応が面白い
恵まれていない子が男の子に嫉妬するかもしれません
実際に「からかい」から「いじめ」に繋がる場合があります
それがボールを奪われるシーンと繋がります
また、ペットの犬編で男の子とペットの犬が地面を境に分かたれてしまうシーンがあります
このときペットの犬は地中側に行ってしまいます
犬が死んで埋葬されたのかと思っていたけどエピローグを見ると生きていました
この犬が途中で酷い目に遭います
これも男の子がいじめられていたと推測することができます
いじめっ子が犬に対してかなり酷い扱いをしていたのではないかと思っています
男の子にとっては悲しい出来事だけど、いじめっ子にとっては「ハッピー」な出来事です
男の子の反応を見て面白がったり、ただでボールを手に入れたり、憂さ晴らしのために他人の犬をいじめる
いじめっ子にとって、これらの行為が「ハッピー」なのです
ウサギの人形編で幸せにしているハートの住民がいます
この住民を不幸にすると頭が破裂して死んでしまいます
プレイヤーは他人の幸せを奪って自分のために利用しています
結果として「ハッピー」のマスクを手に入れました
まるでいじめられっ子がいじめっ子に立場が変わるかのように
他人の気持ちを理解できず自分本位な人(自分さえよければ他人のことはどうだっていい人)
人のコンプレックスをバカにして笑っている人
幸せな人に不幸なことが起こると幸せに感じる気持ち
言い換えると、恵まれている人が不幸な目に遭うのを喜んでいる「心が恵まれていない」人
ハッピーとは、自分より恵まれていたり劣っている人をコケにして自分を慰めている行為です
他人を下げることで自分が幸せに思う行為が「ハッピー」なのです
まさしく「他人の不幸は蜜の味」という言葉がピッタリです
もし、これを笑ってしまうならハッピーゲームはホラーゲームではありません
その人は楽しみながら主人公の男の子をいたぶっているから
もし、このゲームをプレイして主人公の気持ちがわからないなら、それは危険な兆候なのかもしれません
そうなってはいけない、と強く思います
その他・まとめ
ホラーゲームだけどサイコホラーかと思っています
一番怖いのは人です
誰かを妬んでいて、その人が苦しんだりする など の不幸な目に遭ったときに、妬んでいる人が幸せに感じるドス黒い感情こそが一番怖いです
今までの Amanita Deagine の作品と比べると残酷なシーンや心が痛むシーンが多いので人を選びます
素直にタイトルからプレイすると絶句するかと思います
お勧めです
【評価】
○:グラフィックやアニメーション
○:考えさせられる物語
○:パズルや謎解き要素
×:残酷だったり心が苦しくなる展開が多い
×:一部微調整がしづらいことがある