【考察】 Layers of Fear 2 恐怖のクルーズ | 遙か宇宙の彼方へ

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のんびりと更新していく予定です

 Layers of Fear 2(レイヤーズ オブ フィアー 2)の私個人による考察です

 ネタバレだらけの内容(エンディングを含みます)になっているので注意してください

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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【記載方法】

 

 過去から現在に至る時系列を元に考察しています

 この物語のベースであるバーンズ家の父と姉の物語から始まり、クルーズ客船の出来事を経て物語の核心へと繋がるような書き方をしています

 

 バーンズ家の父・姉・弟は物語風に、クルーズ客船の出来事は客観的事実風に、そして、いくつかの謎をQアンドA方式で記載しています

 

 以前書いた【感想】からさらにプレイし考察しているので、そのときに軽く書いた考察とは変わっています

 

 尚、この考察は個人的な見解であり正解ではありません

 

 

 

 

 

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【バーンズ家の物語:過去】

 

<父:喪失者>

 

 軍人として日々を過ごしていた男は心身ともにボロボロだった

 

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 そんなときに一人の女性に出会った

 

 その女性との出会いは男にとって安らぎを感じるものだった

 やがて、その女性と恋に落ち深く愛するようになった

 そして、二人は結ばれる

 

 結婚し、女の子に恵まれ家族ができる

 男はボロボロになりながら働くけど愛する妻を守るために頑張っていた

 

 やがて二人目の子を授かる

 しかし、出産と引き換えに妻は死んでしまった

 

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 そのことにショックを受け、妻が死んだ原因を弟にぶつけた

 弟が生まれなければ妻は死ななかったのに…

 

 妻が死んだという現実を受け入れることができずに、男はギャンブルに溺れるようになる

 お金に困り、家の物を売り尽くしてしまい、貧困街へと引っ越しをする程困窮する

 また妻が死んだことで男は除隊し、古びた映画館の映写技師として働くようになる

 

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 しかし、妻がすべての男にとって映写技師を勤める程の心の余裕を持ち合わせていなかった

 

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 母親の命日は弟ジェームズの誕生日。困窮していた父親にとって母親の墓に添える花だけしか買うことができなかった

 

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 そして、男は弟に辛く当たるようになる

 ネグレストから言葉の暴力

 

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 やがて暴力を振るうようになる

 

 それでも男の傷は癒えることがなかった

 妻が死んだという「事実」は変わらないから………

 

<姉:克服者>

 

 弟が生まれるまでは父母と三人で幸せに過ごしていました

 しかし、弟が生まれた日、出産性ショックで母親を亡くしました

 母親が死んでから父親はギャンブルに溺れ、貧しい生活を送るようになりました

 

 姉の生活は一変し、そのきっかけである弟に対し複雑な思いを抱くようになりました

 いつも金魚の糞のように後をついて来る弟に対し苛立ちを抑えることができませんでした

 

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 耐え難い怒りに気持ちを爆発させることもありました

 

 そんな姉は家族の前では「模範的な姉」を演じていました

 

 ある日、お金に困った父親は母親の形見であるネックレスを換金しようとしました

 弟に取り返させた姉はネックレスを見て母親と過ごした日々を思い出しました

 

 姉はそのネックレスを弟に身に着けるように言いました

 母親はジェームズが産まれることを楽しみにしていたことを

 そして、ジェームズが産まれてきたことが間違っていないことを証明してほしいと

 

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 そのために強くなってほしいと願いました

 

 しかし、そのためには姉自身も変わらなければなりませんでした

 弟を守り、導くために

 

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 そのために姉は過去の自分とお別れしました

 過去の自分を乗り越え、演じていた姉から本物の姉になりました

 

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 姉は過去を克服したのです

 

 

【クルーズ客船の最期:過去】

 

≪出航前≫

 

 姉弟は父親の虐待から逃れるために家出をした

 よく海賊ごっこをして遊んでいた姉弟は船に乗ることにした

「自由」を得るために

 

≪出航≫

 

 姉弟は誰にも見つからないように乗船することに成功した

 そして、誰にも見つからないように食料を盗んでいた

 

≪食料が減っていることがバレる≫

 

 ある日、乗組員は食料が減っていることに気づく

 以前から不法乗船があったためピリピリしていた中での出来事である

 そのため警備を厳重にし、食料を配給制とする

 

≪乗組員の不満≫

 

 配給制になり満足に食料が行き渡らなくなったことに乗組員から不満が出るようになった

 

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 そして、そのことが原因で仕事に集中できなくなっていく

 

≪犯人探し≫

 

 下層デッキの貨物置場近くで不法乗船している子供二名を目撃する

 警備隊長より手の空いている乗組員全員で子供二名の捜索を開始する

 それと同時に乗客に対し各船室での待機を指示する

 

≪事故≫

 

 ある日、機関室で爆発事故が起こる

 乗組員の不満が怠慢を働き起こってしまった事故である

 

 最悪なことに、この船では映画の撮影が行われていて大量の火薬が置かれていた

 

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 その火薬に引火し大爆発を引き起こし船殻を損傷する

 

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≪沈没する船≫

 

 異変に気づいてSOS信号を送るが、もう遅かった

 

 損傷した船穀から浸水し船が傾く

 傾いたことで、床が壁になりドアが天井となり、数多くの乗員がドアに向かって落下し転落死した

 

 火災による死者と傾いたことによる死者によってパニック状態になった船内は成す統べがなかった

 

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≪お別れ≫

 

 姉は弟を逃がす

 また後で会おうと言ってお別れする

 

 本物の姉として弟を逃がした

 

 

【本当の物語:現在】

 

〔Q1〕 『映画』とは?

 

 弟ジェームズの空想

 

 弟の体験や見聞きした事実に基づく過去と弟の「願い」や「トラウマ」が融合した空想の世界

 

〔Q2〕 弟の「願い」とは?

 

 弟にとって姉がすべてだった

 だから、姉が存在している世界を作り出したかった

 

〔Q3〕 弟の「トラウマ」とは?

 

 虐待された過去や姉が死んだということ

 虐待された過去はモノクロ画面になって、昔、弟が粘土で作った怪物(父親を作った)が襲ってくる

 

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 怪物の近くに人影が見えるときがある。その人影は父親

 

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〔Q4〕 弟にとって姉がすべてであることは作中触れられているのか?

 

 監督が語っていることがそう

 

<例>

 

 すべての命が平等に作られているわけではない。

 誰か1人の命が、重んじられることもある…

 ほか大勢の命よりも。

 

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〔Q5〕 『映画』の登場人物は?

 

 監督…弟ジェームズ

 主人公(プレイヤー)…弟ジェームズ

 姉…姉(記憶)

 怪物…父親(記憶)

 

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 エキストラ…マネキン

 

〔Q6〕 どうしてエキストラはマネキンなのか?

 

 弟にとって姉がすべてであった

 そのため、姉以外の存在など必要なかった

 だから、人ではないマネキン

 

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 父親さえ父親の姿をしていない。虐待してくる父親は怪物である

 

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〔Q7〕 度々登場するガッツポーズのマネキンの意味は?

 

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 ガッツポーズをしているのは「強さ」の象徴

 しかし、この像は首を吊っているので「弱さ」の象徴となる

 

 つまり、弟ジェームズは姉との約束を果たせていないということ

 

〔Q8〕 弟は?

 

 夢想家

 

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 弟ジェームズは父親と同じことをしていることに気づいていない

 

 妻がすべてだった父は、妻を失ったことでボロボロになり、 ギャンブルに溺れ弟を虐待した

 姉がすべてだった弟は、姉を失ったことでボロボロになり、心を閉ざし自分の殻に閉じこもった

 

〔Q9〕 どうして『映画』は完成しないのか?

 

 姉が死んだという「事実」は変わらないから

 死んだ者を生き返らせることはできないから

 

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 姉が生きているという空想(『映画』)をしても、姉が死んだという「事実」は変わらず、弟ジェームズはそのことをわかっているから

 

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〔Q10〕 弟ジェームズは姉が死んだという「事実」はわかっているのに、どうして空想を見続けるのか?

 

 過去に虐待されたトラウマと姉が死んだことによってPTSDを患っている

 現実逃避している

 

〔Q11〕 箱の意味は?

 

 エンディングの箱の中に入っているのは閉じ込めた「事実」で、それが開くのは思い出したから

 

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【弟:夢想家】

 

 弟は生まれたときから孤独だった

 

 父親には存在を否定され

 

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 姉には疎まれていました

 いつも一人ぼっちで誰も助けてくれませんでした

 

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 孤独な弟にとって空想にふけることだけが唯一現実から逃れる術でした

 孤独な自分を助けてくれる人を夢見ていました

 でも、そんな夢なんか叶うはずはないと思っていました

 

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 ある日、姉は弟に母親の形見であるネックレスを身につけるように言いました

 そして、姉に強くなってほしい、と言われました

 

 しかし、弟にとって母親は知らない人です

 そんな人のために変われと言われてもピンときませんでした

 

 でも、姉が弟の味方になってくれました

 叶わない夢が叶い、弟は一人ぼっちではなくなりました

 だから、弟はたった一人の味方である姉のために強くなろうと思いました

 

 父親からの虐待は酷くなるばかりで、ついに姉弟は家出しました

 姉弟はよく父親の勤めている映画館に忍び込み海賊映画を見ていました

 そして、海賊ごっこをして遊んでいました

 海賊のように自由になりたい、ということで船に乗り込みました

 

 でも、そこで事故が起こり、船が沈没してしまいました

 姉は死んでしまい弟はまた一人ぼっちになってしまいました

 

 たった一人の味方だった姉を失い弟は自分の殻に閉じこもってしまいました

 前よりも酷く空想するようになりました

 

 姉がすべての弟にとって姉が死んだ世界を受け入れることはできませんでした

 そのため、姉が生きている世界を空想するようになりました

 

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 それがこのゲームでいう「映画」です

 

 しかし、過去の出来事を思い出します

 特に、トラウマの一つである虐待された記憶はモノクロ映像となって映画に割り込んでしまいます

 

 いくら辛い過去を閉じ込めても思い出してしまいます

 そして、姉が死んだという「事実」を変えることができず映画は完成しません

 

 弟はわかっていました

 こんなことをしても「事実」が変わらないことを…

 でも、そのために何をすればいいかわかりませんでした

 

 弟は「事実」を受け入れることができず、過去を克服することができる強さをもっていませんでした

 だから、今度こそ映画を完成させようと、また空想にふけるのです

 

 今日も、明日も、あさっても、

 何回も、何回も、何回も、

 決して完成することのない映画の完成を夢見て空想にふけ続けるのです

 

 弟が「事実」を受け入れ、姉が言った言葉の意味を理解するまで続くでしょう