【感想】 Spiritfarer | 遙か宇宙の彼方へ

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のんびりと更新していく予定です

 Spiritfarer(スピリットフェアラー) の感想(レビュー)です

 かなりのネタバレを含む感想(レビュー)です

 見るときに注意してください

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


---------キ-------リ-------ト-------リ---------

 

【PV】

 

 

 

【感想】

 

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 Jotun や Sundered を開発した Thunder Lotus Games による新作です

 今までの作品とは雰囲気が変わりました

 前2作は高難度のハードな戦闘メインの熱いゲームでした。物語もハードです

 でも、今作は戦闘はなく温かみのある作品となっています

 

 今まで Thunder Lotus Games が開発したゲームはすべてお気に入りなので楽しみにしていました

 

 緩やかなマネジメントゲームで制約がないです

 ジーンとくる物語で、心に残るいい作品です

 

 

 グラフィック・音楽について

 

 相変わらずアニメーションが凄いです

 ステラを動かさずにそのままにしていたらエバーライトでヨーヨーしたり、相棒の猫ダフォディルがゴロゴロしたりと細かい所までよくできています

 

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 カロンに玩具じゃないから大事に扱ってくれと言われたのにエバーライトを玩具にするステラ… |д・)チラッ

 

 音楽もゲームに彩りを添えていて、日本っぽい曲があったりします

 もしかして日本の楽器が使われてるのかな?って思ったりします

 

 Spotify に Soundtrack があるので、興味がある人は聴いてみるといいと思います

 

 

 ≪説明≫

 

 マネジメントゲームです

 

 

≪操作≫

 

 左スティック(方向キー):移動

 

 L1ボタン:船の航路と時刻

 

 ×ボタン:ジャンプ

 ×ボタン(長押し):高くジャンプ、滑空

 ×ボタン+左スティック上(長押し):足場によじ登る

 左スティック下+×ボタン:下に飛び降りる、潜る

 

 ○ボタン:インタラクト、操作する・調べる

 △ボタン:持ち物・確認

 □ボタン:キャンセル

 

 タッチパネル:航海日誌(依頼・改良・雑用)

 

 オプションボタン:ポーズメニュー

 

<釣り> 最後尾からする

 

 ○ボタン:糸を投げる

 ○ボタン(長押し):リールを巻く

 

≪基本≫

 

 1.魂の乗客を船に乗せ、彼らの望みを叶えエバードアに連れて行く

 

 (1) 乗客は仕事をしたりアイテムをくれることがある

 (2) 人物に○ボタン → 話す・食べ物・渡す・ハグ・気分(大好きな食べ物・好きなもの・嫌いなもの、状況、活動)

     最初は、大好きな食べ物・好きなもの・嫌いなものがわからず該当する料理を振る舞うことでわかる

 

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 (3) 乗客に食事を振る舞ったり、特定の行動を取ったりする(上のSS:活動と気分マークの下の項目)ことで気分が上下する

 

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 (4) ハグすることで気分が上がる。ただし、断られることもある

 (5) 乗客の依頼には制限時間がない

 (6) 乗客の家を建築すると、そこに住むようになる

 (7) 船上で特定の素材を集めるときに必要な乗客がいる。乗客とお別れした後は、その家から集めるかどうか決めることができる

 (8) お別れした人の家に魂の花がある。船の改良に必要

 

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 (9) お別れした人の家を壊すことができない。配置を変えることはできる

 

 3.アルバートの造船所で、船の改良ができる

 

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 (1) 改良は三項目ある

 

     a.設計図(お金と素材):設計図で建築できる物が増える

     b.船のサイズ(お金):船のサイズが大きくなり、建築物を設置できる幅と高さが拡がる

     c.船の改良(お金と素材):新しい海域に行くことができる、船の速度アップ

 

 (2) それぞれ一番左以外アンロックされていて、購入した項目の隣がアンロックされる

 

 4.船でできること(一部)

 

 (1) 設計台(キャビンの上)

 

     a.建築→素材を使って建築する。建築する物を選択して設置場所を決める

 

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     b.編集→解体して素材にすることができる、建築物の設置場所を変更できる

     c.改良→建築物のアップデートができる。新しい設備を置くことで。設計図はイベントなどで手に入る。素材とシャードが必要

 

 (2) 航路図で、目的地を設定することで航行する

 

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     a.新しい場所にたどり着くと周囲の場所が晴れマップに描かれる

     b.画面左上に、目的地までの距離を図示している

     c.画面右上に時間があり、夜になると船が止まる

 

 (3) 各建築物ごとに作成できるものがある

 (4) 釣りについて

 

     a.ルアーが動いたら○ボタン(長押し)でリールを巻く

 

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     b.イベント後、いろいろな魚が釣れるようになる

       そして、糸の色が 白 → 黄 → 赤 と変わるようになり、そのままにしていると糸が切れる

 

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     c.イベントに関係するボトルメッセージが釣れるときがある

 

 (5) 船の表面に付着した貝を取ることができる。貝の中には食材にできる物がある

 

 

 5.船外でできること(一部)

 

 (1) 島の探索

 

     a.祠:オボルを捧げることでスキルを得る

 

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     (a) 空中ジャンプ

     (b) 滑空(×ボタン(長押し)):エアドラフトで空中に浮かぶ

     (c) ジップライン:ロープやワイヤーがある場所で左スティック上(長押し)

 

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     (d) ダッシュ(L2ボタン)→R2ボタンって書いてあるけど間違い

 

     b.宝箱

 

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     c.素材収集

 

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     d.ショップ

 

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     e.島民との会話や依頼を受けることがある

 

 (2) 行商人のフランシス:品物を買い取ってくれる

 

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     a.お使い → リストに書いてあるものを渡すと報酬を得る

 

 (3) バス停

 

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 (4) 木箱

 

     a.アイテムが手に入る

     b.海がキラキラ光っているところで潜るとアイテムが手に入る

 

 5.特別な素材収集(一部)

 

 (1) クラゲ(グウェンが必要)

 

     a.制限時間内に空中を飛んでいるクラゲにぶつかる

 

     (1) 緑色のクラゲにぶつかるとクラゲ珠が手に入る。どこから出現するかマークが出る

     (2) 金色のクラゲにぶつかるとグリムが手に入る

 

 (2) 雷雨(アトゥルが必要)

 

     a.空のビンがあれば雷を封じ込めることができる

     b.床がビリビリしている所に雷が落ちるので、落ちる前にその上に立つと雷入りのビンが手に入る

 

 (3) ドラゴン(サマーが必要)

 

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     a.頭の鉱石を掘ると引っ込み、ドラゴンの体が出現する。鉱石のある体に向かい、その鉱石を掘る。そして、他の体にある鉱石も掘っていると頭が出るので掘る。これを繰り返す

     b.ドラゴンによって収集できる鉱石が違う。また、ドラゴンによって触手で攻撃したり体の高さが違ったりしてアクション的に難しくなっている

 

 (4) オルガ・マーシャ・(アストリッドが必要)

 

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     a.岩・鉱石(金属)・木材から一つをセットする。全部で三個セットできる場所がある

     b.セットして次の日になると採集できるようになる

 

 (5) ネビュラ・ピルバグ(アリスが必要)

 

     a.子供を捕まえて親の元へ連れていく

     b.子供は一匹ずつしか捕まえることができない

     c.船内を逃げているたまに光っているときはスピードが速く触れても捕まえることができない

     d.一匹捕まえるとネビュラ繊維とグリムが手に入る

 

 (6) 以下略

 

 

 ゲーム内容について

 

 今までの Thunder Lotus Games の作品は、ハードな世界観とアクション要素が強いゲームでした

 また、神話をベースにオリジナルの物語が展開されています

 Jotun は北欧神話、Sundered はクトゥルフ神話です

 

 このゲームでも神話をベースにした物語かと思います

 

 冒頭、カロンがスピリットフェアラーの地位をステラに譲ります

 

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 カロンといえば、ギリシャ神話に登場する冥界の川ステュクスの渡し守です(日本で言うところの三途の川です)

 ギリシャ神話のカロンは、このゲームのカロンが説明した通りとほぼ同じことをしています

 

 今回はギリシャ神話なのかな? と思ったけど、あまりベースにしてはいないようです

 亡くなった人が星座になるところはギリシャ神話っぽいけど、雰囲気が日本っぽい所があります

 

 島の名前や扇子、和風な音楽があったりします

 

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 そして、巨木や巨岩の注連縄(しめなわ)

 

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 注連縄とは、神域・聖域を外界から隔てる結界として用いられる縄という意味があります

 このゲームの舞台がそうかと思います

 

 エバードアに向かうまでの風景で花びらが散る様は日本的です

 

 一回も使わなかったけど、バス停が『千と千尋の神隠し』の電車内で見た光景と一瞬重なった気がしました

 

 日本神話もベースにした世界観かと思います

 もしかしたら、ギリシャ神話(カロン)から日本神話(ステラ)にバトンタッチした世界観なのかもしれません

 

 

 主人公ステラは、この世に未練がある乗客の依頼を叶え、最後にエバードアに連れて行ってお別れします

 彼らの人生や考え方は彼らと交流することでわかってくることがあります

 

 お別れの物語で、さよならするときはジーンとするけど感傷的ではありません

 

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 別れはせつないけど、暖かみのあるハグでさよならします

 

 このお別れ……エバードアに行くのはいつでもよく、強制でないのがいいです

 

 

 旅立った彼らは大切な物を残します

『魂の花』は「船の改良」に必要な素材の一つで、新たな海域に行くために必要です

 彼らがいなくなっても悲嘆に暮れるのではなく、前に進んでいかなければいけないという意味が込められているのかもしれません

 

 そして、彼らの家の前で特別な素材収集のイベントを開始するかどうか決めることになります

 彼らがいなくなっても「教わったこと」は決して消えるわけではなく、残された者に受け継がれていきます

 

 だから、お別れしたら終わりというゲームではなく、彼らと過ごした日々は決して失われることはありません

 彼らと過ごした思い出は決して壊すことができません。彼らの家を壊すことができないように…

 

 

 お別れは人それぞれです

 

 カエルのアトゥルとのお別れが「らしい」です

 これ以外にもお別れのシーンがあるのかもしれないけど、アトゥルの内面がわかるシーンです

 

 そして、バックもユニークです

 バックだけはエバードアに行こうとしませんでした

 バック以外の乗客は全員自分からエバードアに向かうことを望み旅立っていきました

 しかし、バックだけはすべての依頼を叶えたら新たにやりたいことができました

 

 未練を解消し、自分で親告した人のみがエバードアに行くことができるのでバックを連れて行くことができません

 

 

 主人公ステラは喋らないけど、表情や動きでわかるようになっています

 プレイし始めたときは乗客がメインで、ステラは喋らないので聞き役的な立場かと思っていました

 だから、このゲームがどうやって終わりを迎えるのかわかりませんでした

 

 でも、ステラ自身にも物語があり、乗客とお別れするにつれ進行していきます

 

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 ジャンルはマネジメントゲームです

 

 乗客の依頼を叶えるために奔走したり、食材を集めて調理したり、建物などの設備を作るために素材を集めたり など やることがいっぱいです

 

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 しかし、緩やかで厳しくありません

 マネージメントするゲームはキチッと管理したり時間に追われることが多いけど、ある程度自分のペースでプレイできます

 乗客からの依頼には制限時間がないので、のんびりできます

 また、乗客からお腹が空いたと言われたときに食事を振る舞うことがあるけど、お腹がいっぱいと言われることもあるので調理に翻弄されることもありませんでした

 

 だから、基本的に自分のやりたいことを優先的に行うことができます

 

 どうしても、時間が足りないときは睡眠時間になると船が止まるので、この時間帯を自分の作業時間に充てることができます

 夢中になりすぎて朝になったことがありました

 

 

 クラフトは専用の建築物を建てるところから始めます

 そして、その建築物でミニゲームを行うことでクラフトしていきます

 

 調理は素材をセットしたらタイマーがいっぱいになるまで待つことになります

 その間に、畑の水やり など を行い、時間をうまくやり繰りしました

 

 不器用さが発揮されたのが製材所での木材加工です

 黄色の点線に合うように左スティックを上下させて木を切っていきます

 

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 うまくいけば木材が多く手に入るけど、途中までは下手過ぎて悲しい結果に終わっていました (ノ_・。)

 

 

 個人的に好きなのは鋳造所(下のSS)です

 

 左側に鉱石(最大5個まで)、中央の竈に石炭を入れ、左右のふいごを交互に使って温度を上げていきます

 ゲージには最適温度の範囲が決まっていて、その間に針が来るようにふいごを使います

 そして、針が範囲内に入ると温度が上がり緑色に点滅します

 何もしないと針は徐々に下がるので、ふいごを使いその状態を維持し、温度計がマックスになったら完成です

 

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 最大範囲を越えるとオーバーヒートし、針が最初の位置まで戻ってしまいやり直しとなります

 一応、オーバーヒートしても、すぐに針が範囲内に入るとオーバーヒートが解消されます

 

 鉱石によってゲージの上がり方や範囲に違いがあって地味に楽しかったです

 不器用でも何とかなりました |д・)チラッ

 

 

 一点だけ強制されてめんどいと思ったのは特別な素材収集の時です

 

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 船で特定の場所に着くと起こるけど、このとき、船が停まり、乗客(建物)の所に行って、いちいちイベントをするかどうか答えなければなりません

 他の作業をしているときに中断しなければならないのでめんどかったです

 

 このゲームの不満はここだけです

 

 

 船の上に建築物を建てていくことになるけど、配置できるサイズが決まっているのでパズルのように設置していきました

 建築物の上にさらに建築物を設置することができるので、作業効率を上げるための配置にするために試行錯誤しました

 いろいろな建物を造るためにアルバートの所で早めに船のサイズを大きくしました

 

 

 乗客の情報を見ると、大好きな食べ物・好きなもの・嫌いなもの があります

 しかし、どの食べ物が好きかはわかりません

 実際に調理して振る舞ったときにわかります

 

 これを埋めるためにたくさん調理して振る舞ったけど、全員分埋めることができませんでした

 多分、後から手に入る素材が必要になるかと思います

 

 それでも、乗客の好みを見つけるために調理するのは楽しかったです

 

 

 その他・まとめ

 

 スタッフクレジット後、再開を選ぶとエバードアから始まります

 クリア直前にエバードアに連れていった人もいました

 

 緩やかなマネジメントゲームで、自分のペースでプレイすることができます

 乗客が増えると忙しくなるけど、終盤になり乗客が一人、また一人と旅立っていくと暇な時間が増えていきます

 その頃にはゲームの終わり方がわかっているので、いつ終わらせるか考えるようになります

 なぜか、今までほとんどやらなかった釣りに目覚めてしまったけど……。バックのように目的ができました

 

 物語がよく最後まで引き込まれました

 乗客の依頼を叶えたり、大好きな料理を見つけたり、乗客と交流を深めていきました。ハグするのも悪くありません

 グラフィックや音楽もゲームにピッタリです

 

 ゆったりと落ち着いた環境でプレイするといいかと思います

 

 お勧めです

 

 

【評価】

 

 ○:手描きアニメーションによるグラフィック
 ○:音楽

 ○:心温まる物語

 ○:緩やかなマネジメントゲーム
 ×:特別な素材を集めるときに毎回尋ねられること