Pの食卓 -14ページ目

Bunkamuraミュージアム 『スコットランド国立美術館展』

論文の締め切りが迫り、半ば強制的に書かされる状況に耐え切れず、

着の身着のまま逃げ出し、Bunkamuraの美術館に行って来ました;


scotchtirashi

Bunkamura ミュージアム 『スコットランド国立美術館展』


スコットランドといえば、バグパイプ、ウィスキー、そしてハギスが有名かと思います。

中でもハギスは旅行者殺しというか何と言うか、見た目の独特さから、

一目見ただけで総毛立ちしてしまうグロテスクなものもあります。

そのような観光客がいる一方、その味に魅せられ個人輸入をしてまでハギスを買う人も…


そのハギスですが、現地の言葉で 『ウィーイス』 と呼ばれることもあります。

僕たちの目から見たらスコットランドもイングランドも 『イギリス』 に見えますが、

彼らにしてみれば、あくまでスコットランドは 『スコットランド』 なのだなあ、と思ってしまいました。

ちなみにウィスキーの語源は ウィスカ・バー ( 命の水 ) だそうです。

お酒を生命と関係付ける国は少なくないようですね。


スコットランド美術館展、ということで、綾辻さん十八番の 『館もの』 です!




オノレ・ドーミエの 『セレナーデ』


バスティアン・ルパージュ 『お手上げだ』


エドガー・ドガ 『開演前』


アンリ・ファンタン=ラトゥール 『薔薇』 『春の花』


ヘンリー・レイバーン 『ロバート・スコット・モンクリーフ夫人、マルガリータ・マクドナルドの肖像』


ジョン・エヴァレット・ミレイ 『優しき目は常に変わらず』

yasasikime

ふくよかな体つきが魅力的で、しばらく見入ってしまいました。

Aラインに広がるスカートや、着ている服の繊細な花模様。


ヒュー・キャメロン 『干草日和』


ジョージ・ヘンリー 『東と西』


ディヴィッド・ヤング・キャメロン 『青白い光』 『秋、モンティースにて』




以上が気に入った絵でした。

特にディヴィッド・ヤング・キャメロンの 『青白い光』 は口では説明できない、

透き通った光が再現されており、見ているだけで吸い込まれそうでした。


時には日常から逃げ出し、二時間ばかり、美術館めぐりなんてしてみるのもいいかもしれません。

論文書かないとなあ;

仁木悦子 『赤い猫』

推理小説を読み始めて半年、気が付けば40冊目となりました。

今回紹介いたしますは 仁木悦子さんの 『赤い猫』

写メールで撮ったため粗いのはご容赦。


akaineko

仁木 悦子
赤い猫

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表題 『赤い猫』 をはじめ、『白い部屋』、『青い香炉』、『子をとろ 子とろ』、『うさぎさんは病気』、『乳色の朝』 の六編からなる短編集。本格的な嵐の山荘ものから、怪談じみた怖さのあるものまで、飽きのこないショートストーリーズ。

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機会があるごとに 「求ム 『赤い猫』 」 とわめいていた甲斐あり、入手することができました!

写真ではわかりにくいですが、牡丹のような花が刺繍された黒い椅子の後ろから、

赤紫の猫がこちらをのぞき見ているという図柄です。

手前の白いものはブラスのような光沢を放つティーセットを載せたワゴンです。


さて、この 『赤い猫』 ですが、第34回日本推理作家協会賞短編部門賞を受賞した作品です。

日本推理作家協会賞は長編部門と短編部門に分かれており、

主な受賞作は横溝さんの 『本陣殺人事件』(第1回)、泡坂妻夫さんの 『乱れからくり』(第31回)、綾辻さんの 『時計館の殺人』(第45回) などなど、素人でもうなるラインナップ。

他にも江川卓さんの 『謎ときカラマーゾフの兄弟』 などロシア文学ファンが一度はお世話になったであろう解説本まで候補作に上がっており、なかなかぐっとくるものがあります。


第34回の短編部門は2作品受賞という珍しい結果になっておりました。

ひとつは今日紹介する 『赤い猫』 で、もうひとつは連城三紀彦さんの 『戻り川心中』。

『戻り川心中』、「花にまつわるミステリー四編」 ということで非常に気になります。


さてさて、今回の 『赤い猫』 ですが、なんと仁木悦子・雄太郎の兄妹がさりげなく出ています!

何の気なしに読んでいたので、その名前が文章に出てきたとき、思わず 「おっ!」 と言ってしまいました。


短編全体がうまくまとまっており、安楽椅子探偵ものから、本格まで、

whydonit と whodonit 程よくバランスの取れた構成が、物語を魅力的なものと成してます。

特にお目当てで買った嵐の山荘もの 『青い香炉』 は秀逸。

また思いがけず良かったものが、『子をとろ 子とろ』、怪談めいていて、

読みながら何度も背後に視線を感じ、ぞっとしてしまいました。


やっぱり仁木さんの作品はおもしろいなあ、と一人関心しながら観想を書いているのでした。

本格パズラーよりも内容重視の方、文句無く買いだと思います!

がちがちの本格さんにはあまりおすすめはいたしません。


連城 三紀彦
戻り川心中


募集: 仁木悦子さんの 『陽の翳る街』 古本、新古本、状態は問いません。

横浜近辺で見たという情報お持ちの方、コメントまでよろしくお願いいたします↓

「本格」 の歴史を調べてみて 個人的な研究

 1926年にアガサ・クリスティが『アクロイド殺し』を発表したとき、
『アクロイド殺し』 はフェアかアンフェアかという議論が世界規模で沸いた。


 そもそも公平か不公平かという感覚は読み手の主観によるものが多く、
ヴァン・ダインの二十則 や ノックスの十戒 でも排除できないグレーゾーンがある。
(↑私立本格推理小説「風読人:ふーだにっと」さん の遵守則 から)
上二つの多くの人に知られた優れたルールがあるにも関わらず、
未だフェアかアンフェアで議論に華が咲く、ラインギリギリを攻める作家の意欲が伺える。


 フェアプレイに関しては一定のルールがあること、アリストテレスの三一致の法則のごとく、
「本格」 を書く作家ならば守らなければならない鉄則だということもよくわかった。
しかし 「本格」 という言葉についてはどうだろう。


 僕はミステリ歴半年と浅く、「本格」 という言葉の意味がわからない。
そこで 「本格」 について何かしら定義があるか、調べてみることにした。
今回はその調べたことの断片を載せてみたいと思う。





 ミステリの祖先は探偵小説だ。
さらに突き詰めて言えば、detective story だ。


 detective story はその名が示すとおり、
detective 「探偵・(刑事)」 が活躍する story 「物語」 だ。


例を挙げれば、
ポウの The Murders in the Rue Morgue 『モルグ街の殺人』 では、
天才的分析力を持つ貴族 C. Auguste Dupin オーギュスト・デュパン。
ディケンズの Bleak House 『荒涼館』 では、
推理により真犯人を突き止めたバケット警部 Bucket。
ウィルキー・コリンズが書いた英国初の長編推理小説 The Moonstone (1868) 『月長石』では、
スコットランドヤードの Sgt. Richard Cuff リチャード・カフ巡査部長が活躍する。
瞑想好きな貴族であったり、一指し指を振り回す警部であったり、バラの栽培が趣味の巡査部長であったり、「一癖ある名探偵が推理により難解な事件を解決するもの」 が detective story だった。
狭義な定義付けがなされていたようである。


 しかし、その detective story が日本に輸入されたとき、ある異変が起こった。
ある異変とは、異なる言語間における障壁、「翻訳」だ。
detective story に与えられた訳語は 「探偵小説」 だった。


 この 「探偵小説」 という言葉には曖昧な定義付けがなされていたのだろうか、
「探偵小説」 の中においても 「本格」 と 「変格」 という二つのジャンルに分けられた。


 もともと 「本格」 という名前は1925年頃に甲賀三郎が初めて使い始めたらしい。
ドイルなど本格ものを愛読していた甲賀三郎の立場は以下のようなものだった。


     「探偵小説には小説的要素以上に探偵的要素が必要だ」


そのような考えの下、 「謎解き、トリック、頭脳派名探偵の活躍」 を主眼とする探偵小説、
つまり英語の puzzler または puzzle story もしくは classical whodonit にあたる探偵小説のことを 「本格」 としたようだ。そしてそれ以外のSFや猟奇的なもの、怪奇ものといったものを 「変格」 とした。
戦前の探偵小説が怪奇物や猟奇物が多かったことに対し、
そのような探偵小説とパズル要素の強い探偵小説とを区別するために名付けたようだ。
戦前の 「本格」 とは 「謎解き、トリック、頭脳派名探偵の活躍」 する探偵小説であった。


 戦争が終わり1946年、探偵小説というジャンルに変化が起こった。
木々高太郎が探偵小説の中に文学作品を入れたいということを言ったようだ。


     「推理と思索とを基調とした小説という意味で、探偵小説をもそれに含ませることにしたい」


つまり戦前の探偵小説の定義を拡大させ、歴史小説や文学・純文学をも範疇に含めるということだ。
確かに芥川の作品の内いくつかには推理小説・探偵小説・法廷ものの雰囲気を感じないでもない。
この動きは本格探偵小説界に一石を投じ、波紋を広げたようだ。


 その石に反応したのが江戸川乱歩だった。
木々高太郎がそのように探偵小説の定義を広げようとしたことに対し、
本格探偵小説のことを推理小説とすればよい、と異なる態度を示し、主張した。


 このように探偵小説と本格探偵小説の間に対立が起こったように見えたが、

その結末は意外なところに落ち着いた。
1946年11月、当用漢字表 に 「偵」 の字が欠落していた。 (←実際検索してみてもありません )
そのことにより時代の波によって、週刊誌や新聞など大衆の読み物を通し、

全ての探偵小説は推理小説という語にまとめられていった。


 このとき、「本格」 がどのような変容を遂げたかは僕には調べられなかった。

そしてこれ以降はっきりとした単純明快な 「本格」 の定義を見つけることはできなかった。


 その後 「本格」 は亜流とみなしていた社会派などの隆盛により、
推理小説はリアリティに反するという批判から肩身の狭い思いをしたようだ。
またトリック偏重主義になることで、トリックを発明する作家のアイディアが枯渇し、
「本格」 を体現する江戸川乱歩などはそうとう苦しんだようだ。
終いには以下のようなことを述べ、「本格」 の今後について予言めいたことを述べている。


    「謎の種は、もうほとんど行くところまで行ってしまっているのだ。
    人間の力で、この上読者の意表に出るトリックが、
    さらに幾つも考えだせようとは思われぬ。」


    「…探偵小説を行き詰まらせるものが、上述のごとく『謎』の要素にあるとするならば、
    なおさら謎にのみこだわることをやめて、謎そのものの新しさ古さにかかわりなく、
    十分情熱を打ち込み得るがごとき、
    あるいは存在を主張し得るがごとき『文学』に向かって精進すべきではないか」
                                     (仁木悦子『穴』の解説より孫引き)


トリック偏重による現実味からの逸脱、人間が描けていないという世間からの批判、
そういったことによる 「本格」 の衰退を憂えて、次なる段階へと進む意志を感じる。


 その言葉を受けたかのごとく1980代 「新本格」 と呼ばれる復興の時代が始まった。
もともと 「新本格」 とは江戸川乱歩が使った言葉であったらしく、
海外のクリスティやクイーン、カーたちが活躍した本格推理小説黄金時代の次世代、
ポスト黄金時代の作家たちに対して使った言葉だといわれる。
「本格」 + 「サスペンス」 といった変り種にも 「新本格」 が適用されたこともあったようだ。


 今僕たちが言う 「新本格」 という言葉が始めて使われたのは、
綾辻行人さんの 『水車館殺人』(現在読書中;) の帯・背表紙だったようです。
ジャンル自体を指すだけではなく、島田荘司さんの推薦によりデビュウした、
本格魂により魅力的な作品を読者に与えてくれる作家さんたちの総称ともいえるようです。





 以上が 「新本格」 に至るまでの 「本格」 の大雑把な流れだと思います。
お気づきになられたかと思いますが、「本格」 の定義をするようなものではなく、
ただの流れを追ったものに過ぎません。
途中、わからないことも多く、何かの資料に使えるほど細にいっているわけでもないです。


 調べてみてわかったことは時代の変遷により 「本格」 の定義も動くということと、
戦前と戦後における甲賀三郎や江戸川乱歩による過去の 「本格」 の定義です。
わからなかったことは現在の 「本格」 の定義でした。


 現在の 「本格」 について参考にすると良い文献等ありましたら教えてくださいませ。

池田あきこ 佐藤かずよ 『ダヤンのスープ読本』

    「スープに音楽を聞かせるとおいしくなるって知ってるかい?」

                                  (ダヤンのセリフ)


知ってますとも!知ってますよー!歌ったり踊ったりしながら作るとおいしくなるんですよね!

音痴なので歌うのは心の中でですが、それでも気分が良いときは歌いますとも!

なんででしょうね。

楽しみながら作ると、味も良くなるし、何より作ることが楽しくてしかたなくなります。


最近は、余りもののお野菜を1cmくらいに刻み、お鍋の中にぽいぽいと入れて、

コンソメやブラックペッパーで味付けしたものにはまっています。

闇鍋的おもしろさがあってグッドです。


以前はこだわりのレシピに従って、味見しながらきっちり作っていたり、

スープストックを作ったりしていましたが、

何の気なしに余りもので作ったスープ・・・

これが楽しくて、しかもおいしかった!

スープのおいしさは、野菜の切れ端とお肉の切れ端、極意を見切った気がしました!

結局は楽しんだり、余った子に活躍させるところが嬉しかったりするんでしょうね。


いやあ、料理って本当にミステリですね!!


というわけで、今日は 池田 あきこさん、 佐藤 かずよさんの 『ダヤンのスープ読本』

食いしん坊と思われようが何だろうが紹介しちゃいます。


池田 あきこ, 佐藤 かずよ
ダヤンのスープ読本


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猫のダヤンと「わちふぃーるど」の仲間たちが自慢のスープを持ちよった、まるごと一冊スープの本。前半は、ちょっとナンセンスなイラストと詩、後半はほんとうに美味しいスープのレシピ集です。

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先に紹介した 『ダヤンのミステリークッキング』 に引き続き、ダヤンの料理ものです。

大人と子どもが一緒になって楽しく料理ができるように作られた本だと思います。

いかにしておいしく楽しく簡単にスープを作るか、そこに焦点が合わさったレシピではないでしょうか!


これもまだ試していないため、ご紹介するのも何なのですが、

かなり気になるレシピがいくつかあります…

作り次第逐一レビュウしていきたいのですが、あくまでミステリ紹介のブログですので自重します;


食べることは生きていく上で一生付き合っていかなければならないことです。

人生80年、そんなに長く付き合っていかなければならないなら、

これを思う存分楽しまない法は無いってものです!


ふわふわっとした鮭の切り身の朱色肉、骨の周りの味の濃い部分、

弾力があって噛み心地がおいしい皮、よく火が通っているとパリパリしておいしい骨。

その隣には白いご飯、もう何も言うことは無いですね!

あ、お吸い物ほしいな!


ミートソースのスパゲティを作って、何か物足りなさを感じたら、

セロリの切れ端とベーコンと作った簡単なスープを付け加える。

それだけで食卓がパァッと華やぐじゃありませんか!


料理好きな人、料理食べることが好きな人、スープ好きな人、今晩何にしようかしらの人、

買いです!

東野圭吾 『容疑者Xの献身』

本日紹介しますは、東野圭吾さんによる 『容疑者Xの献身』 です。


東野 圭吾
容疑者Xの献身


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これほど深い愛情に、これまで出会ったことがなかった。
いやそもそも、この世に存在することさえ知らなかった。
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僕たち人に与えられた最も崇高な感情に自己犠牲の愛があります。
どのような不利益も省みず、人を純粋に愛することです。
エロスの愛でもなければ、アガペの愛でもない、究極の愛の形です。
『容疑者Xの献身』 はその題名が示す通り自己犠牲の愛を扱っていました。


自己犠牲の愛は、僕たちが幸福な生き方をするうえで必要なものです。
しかし、そういった愛情を持つことができる人は限られています。
同時にその愛情を受けることができる人も限られています。
また、その愛情を受ける人が、自己犠牲の愛を知らない場合もあります。
そこに全ての人が幸福になることができないカラクリの一端があります。


この 『容疑者Xの献身』 はそのような純文学的な問題、
人間の普遍性やそこからくる悲劇について、
ミステリという形式を取って表現しています。


作品の内容に関しては、淡々とした語り、必要最低限の人物描写、地味めな事件、
奇抜なトリックや事件が望まれる推理小説としてはパッとしないものですが、
登場人物たちの感情の動きに不自然さが無く、現実性を帯びており、
その結果、心の琴線に響くものになっています。


様々なことがネタバレに繋がってしまいそうなので、
何が良かったか紹介することもままなりませんが、
第一級のミステリまたは文学だと言えます。


文学好きさん、ミステリ好きさん、本格好きさん、非本格好きさん、
どなたでも楽しめること間違いないです!
是非買ってみてください。




追記:
二階堂黎人さんのHP ( 黒犬黒猫館 ) で、「この作品は本格か否か」という問題に対し、

我孫子武丸さんも加わり、読者と二階堂さんとの間で盛んに議論されております。

掲示板や日誌での議論はネタバレを多く含むため、本を読んでからの方が良いと思いますが、
とてもおもしろいテーマなので、本格好きな人は目を通して、
自分にとっての本格について見つめてみるとおもしろいかもしれません。

池田あきこ、佐藤かずよ 『ダヤンのミステリークッキング』

今日はちょっと変り種、ミステリーはミステリーだけど料理本。

池田あきこさん、佐藤かずよさんの『ダヤンのミステリークッキング』


池田 あきこ, 佐藤 かずよ
ダヤンのミステリークッキング

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絵本で人気、ねこのダヤンのお料理ブック。少しミステリアスなお話と、お話にちなんだお料理の作り方が13も入っています。初めてお料理するという、めんどくさがり屋さんにもぴったりの、くわしい図解手順入りのページでダヤンと一緒にクッキングしてみませんか。
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別に僕が食いしん坊だからとかそういう理由は抜きにして、

どうでしょう、以下のラインナップ。 楽しそうでおいしそうじゃありませんか!


・ オープン・ザ・ドア とびらをひらく呪文のパン(ソーダブレット)
・ ねずみパンとこねずみクッキー
・ シチューになった豆の王様
・ オレンジのどろぼうゼリー(いちごゼリー)
・ 目には目を、のシーフードリゾット
・ 消えたファニィ入りオムレツ
・ おろかなマスのムニエル
・ とんだドードーのフルーツサラダ
・ うずらのなぞときパイ(ミートパイ)
・ 手品師の不思議ななべ(チキンのワイン煮)
・ 月のおばさんのフラッパーフリッター
・ お弁当のゆうれい(ハンバーガーとゼリー)
・ アラルの海の夕日のタルト
・ 料理の基本(月のおばさんのお菓子の基礎
・ メイプル母さんの野菜の下ごしらえ
・ マーシィのおまかせドレッシング)


短い不思議な物語と、その物語に出てくる料理、そしてそのレシピ・・・

簡単な図と遊び心の効いた料理の作り方が、作ってみたいと好奇心をくすぐります!


まだ作っていないのでなんとも言えませんが、見た感じだとおいしそうです。

作り次第レビュウをしてみたいと思います。


ダヤン好きな方、料理好きな方、料理を食べるのが好きな方、買いです!


最近はクリームリキュールのベイリーズにはまっておりまして、
高校が定期試験期間中という好状況を活かし、毎晩のように飲んでおります。

カフェオレを作ってそこにベイリーズを垂らすと、僕には丁度良いみたいです。

アイリッシュコーヒーみたいな甘さと温かさが喉に気持ち良い。

カフェオレ:ベイリーズ=4:1 くらいの割合。

身体がポカポカしてくるので、冬には最適な飲物かもしれませんね。

baileys ←ベイリーズ



追記: 料理とミステリについて


貝谷郁子さんがミステリに出てくる料理を再現しております。

そのレシピ等をまとめた本が出版されていたようです。

手に入れ次第試したいものがいくつもあって困ってしまう。

貝谷 郁子
ミステリーからひと皿―あの場面の味が作れます
貝谷 郁子
料理で読むミステリー

霧舎巧 『マリオネット園 《あかずの扉》研究会首吊塔へ』

    「中に後動さんがいるとわかった以上、意地でも開けてみせるさ。

    こんな道具、使いものにならなくなっても構わない。」

                                 ( 錠前屋・大前田丈のセリフ )


他のメンバーに比べ、能力の割には活躍の場が少ない大前田さん。

回を重ねるごとに徐々に活躍するようになってきました。

開錠という行為自体が犯罪に関わるので、実際彼の扱い方は難しいのかもしれません。


またジョーマエさんときってもきれない人物、渋谷進平建築士…

この二人の時間を超えた対決も気になります。


ちなみに、名探偵・鳴海さんはもっと格好良いセリフを言っていましたが、

事件の内容に触れているようなのでピックアップできませんでした。


…ハードボイルドだけど皮膚の下には熱い血の流れる名探偵、格好いいなあ。鳴海さん!




ええと、今回は 霧舎巧さんによる 『マリオネット園 《あかずの扉》研究会首吊塔へ』


霧舎 巧
マリオネット園(ランド)―“あかずの扉”研究会首吊塔へ


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死者からの手紙が 《あかずの扉》 研究会に届けられた。多重にして難解な暗号に導かれた先に妖しく聳える斜塔こそ、閉鎖されたテーマパーク内の自殺の名所・首吊り塔であった。塔内を乱舞する首吊り死体は自殺か他殺か? 本格推理の旗手が趣向を凝らして贈る ”フーダニット” の到達点。殺意の操り人形は誰だ!?

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『ラグナロク洞』 がダイイングメッセージの乱舞だったのに対して、今回の目玉は 『暗号』 かと思います。

暗号ものの好きな僕にとってはツボにはまる話でした。

出てくる暗号は一つではなくいくつかあるのですが、そのうちの一つだけ解読することができました。

おそらく鳴海さんにレールを敷いてもらった故に解読できたわけですが、

まだ事件のさわりにも関わらず、何とも言い得ない達成感を得ました。 


暗号が出てきた際、名探偵が 「暗号だとすれば、寓意法だな」 と言ったので、

ダイイングメッセージ講義につぎ、『暗号論』 が展開されるか!?

と期待を持ったわけですが、さすがにプロットと関係付けられ無いので展開されませんでした。


未読なのですが、暗号に関してはエドガー・アラン・ポウが 『暗号論』 を随筆で、

江戸川乱歩が 『暗号記法の種類』 を同じく随筆で発表しているようです。

機会があれば手に入れて読みたいと思います。


《あかずの扉》研究会シリーズは過去の作品群とリンクしている場合があります。

ネタバレとまではいかなくとも、事件のあらましについて軽い説明をしているため、

過去の作品を楽しみたい方は、先に過去の作品について読んでから新しいものを読むことを薦めます。

もしかしたら霧舎学園シリーズも読んでおいた方が良いかも知れません。


事件の内容ですが、リンクしている 『ドッペルゲンガー宮』 に比べるとおとなしいです。

緊張感、フーダニット性、トリック、そういった点から見ても 『ドッペルゲンガー宮』 の方が衝撃的です。

しかし、その反面、 『マリオネット園』 の事件はより沈鬱なものとなっています。

どう沈鬱かということに関しては作中の後動さんに説明をまかせるとして、

充分楽しめる本格推理ものだということは言わせていただきます。


紹介文でうたわれている 「フーダニットの到達点」 ですが、これはその通りだと思います。

与えられた情報を頼りに、純粋にフーダニットを追求する楽しみがありました。

典型的ワトソン型である僕にとって、犯人当てをすることは不可能に近いことでしたが、

名探偵に最後の情報を与えられたとき、珍しく犯人に到達する道筋を推理することができました。


霧舎さんは最後の最後で読者が推理を立てられるようきちんと情報を与えているのだなあ、

と本格推理のおもしろさを改めて感じさせてくださいました。


アンゴウスキィさん、フーダニットスキィさん、本格推理派さん、買いです!

次は霧舎学園シリーズにも手を出してみたいと思います。

仁木悦子 『灯らない窓』

  うちの直子に言うことを聞かせられる人間なんて、この世にありやしない。

  兄貴である僕が、毎日てこずっているんだ。

  警視総監が来たって、一旦いやだとなったら口をきくようなやつじゃない。

                                (灯らない窓・地の文)


子どもならではの不条理さに対するがむしゃらな反抗。
ぶたれても、泣いても、決して屈することの無い勇気。

そのような真っ直ぐな気持ちを忘れたくない、と思わせてくれる文でした。



今回ご紹介いたしますは、仁木悦子さんによる 『灯らない窓』

写真は写メールなので粗いのはご容赦を。


tomoranaimado

仁木 悦子
灯らない窓


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通り魔事件があってまもなく、睡眠薬入りのビールをパパに飲ませて、夜中の12時にこっそり出かけて行ったママ。そのママが団地の殺人事件で逮捕された!秋祭りの太鼓の音色に心ときめかせていた平和な家庭を、不意に襲った恐怖の事件―――妻を人殺しにされた夫と、無実を信じる兄妹の明晰な推理が、謎また謎をあばく長編本格推理小説。

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仁木悦子さんの作品は、仁木雄太郎と仁木悦子兄妹探偵と、子ども探偵が有名だと思います。

子ども探偵とは、自分の親や近親者が誤認逮捕されてしまい、

やむなく子どもが探偵をするという形のもので、仁木さんが興味を持って書いた題材のようです。

『灯らない窓』 は子ども探偵ものでした。


正確に言うと 『子ども探偵+大人探偵』 といったところでしょうか。

母・妻にかけられた嫌疑を晴らすために夫と子どもが奮闘するという形です。

そのため、『夫・久プロット』 と 『子ども・進と直子プロット』 が交互に進行していく形で物語が進みます。

ちょうど事件を二つの視点から見つめる感じがスリリングでした。


事件は、父子が秋祭りから帰ってきたら母親の様子が 「へんてこ」 になっていた、ことから始まる。

「へんてこ」 な母親も嫌だし、「へんてこ」 な母を怪しむ父も嫌だから、

どうして家が 「へんてこ」 になってしまったのか、できればもとに戻したいと立ち上がる長男・進。

調べていく内に事件は思わぬ方向に急旋回していきます。


日常の何の変哲もなさそうなことから、ゆっくりと凶悪な事件へと発展していく様は、

まるでネジがゆっくりと締められ、深く深く食い込んでいくような感じがします。


解説で権田萬次氏が書いておられますが、仁木さんはこの作品を書くにあたり、

「比較的苦労なく、楽しんで書けたもの」 と述べられていたようです。


たしかに明朗で正義感溢れる長男・進の目から見た世界は清清しい!

陰鬱な泥沼の事件の後味の悪さを緩和してくれている気がします。

一方、もっとがんばらなければならない父・久の不甲斐なさには残念。

大人になるということはそういうことなのかもしれないな、と妙に寂しい気持ちになりました。


本格ものが好きで、ほのぼのとした情景、熱血な思いが好きな方。

迷わず買いです!

手に入りにくいようですが、見つけたら即買いで!


追記:

仁木さんの短編集 『赤い猫』 手に入りそうです!お騒がせしました。

つきまして 『陽の翳る街』 の情報お待ちしております!

外国人作家: アルファベット順索引

C


  Carr, John Dickson ( ディクスン・カー USA 1909-77 )

    『三つの棺』


  Christie, Agatha ( アガサ・クリスティ UK 1890-1976 )

   《ポワロシリーズ》

    『スタイルズ荘の怪事件』  『ゴルフ場殺人事件』  『ポワロ登場』  『ビッグ4』  『邪悪の家』

    『エッジウェア卿の死』  『ABC殺人事件』  『象は忘れない』

   《ミス・マープルシリーズ》

    『牧師館の殺人』  『動く指』

   《ノンシリーズ》

    『ゼロ時間へ』


F


 Futrelle, Jaques ( ジャック・フットレル USA 1875-1912 )

   《思考機械シリーズ》

   『思考機械の事件簿 I 』


L


  Level, Maurice ( モーリス・ルヴェル FR 1876-1926 )

    『夜鳥』


P

  Poe, Edgar Allan ( エドガー・アラン・ポウ USA 1809-1849 )

    『モルグ街の殺人』


Q


  Queen, Ellery ( エラリー・クイーン USA フレデリック・ダネイ 1905-82, マンフレッド・リー 1905-71 )

   《国名シリーズ》

    『ローマ帽子の謎』  『フランス白粉の謎』  『オランダ靴の謎』  『ギリシア棺の謎』

    『エジプト十字架の謎』


S


Stout, Rex ( レックス・スタウト USA 1886-1975 )

    『料理長が多すぎる』

倉知淳 『星降り山荘の殺人』

    山道が、森の樹々が、遠い山の峰が、白い吹雪に霞んで行く。

                                (星降り山荘の殺人・地の文)


降り積もる雪が、徐々に視界を遮っていくような雰囲気を感じる文で好きです。

もっと星星についての美しい景色が描写されているのかと思いましたが、

メインは雪にあったようです。



今回ご紹介いたしますは、倉知淳さんによる 『星降り山荘の殺人』 です。


倉知 淳
星降り山荘の殺人


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雪に閉ざされた山荘。ある夜、そこに集められたUFO研究家、スターウォッチャー、売れっ子女流作家など、一癖も二癖もある人物たち。交通が遮断され、電気も電話も通じていない陸の孤島で次々と起きる殺人事件・・・。果たして犯人は誰なのか!?あくまでもフェアに、読者に真っ向勝負を挑む本格長編推理。

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今回は犯人当て要素があったので、ちょっとばかり挑戦してみました。

自慢ではありませんが、 「騙されることにかけて」 は多少自信があります。

結果は言うまでもなく惨敗。 犯人を特定することすらできませんでした。

解決編を読んで、 「頭が硬くなっちゃったなあ」 と痛感いたしました!


さて 『星降り山荘の殺人』 ですが、舞台は陸の孤島、吹雪の山荘・・・

これは燃えます! ミステリの中で一番好きな状況です!

他にも 仁木さんの 『赤い猫』 に収められている短編 『青い香炉』 も吹雪の山荘ものらしく、

ぜひ手に入れたいのですが・・・ お見かけした方ご連絡ください;


話はそれましたが、吹雪の山荘は恐ろしさと美しさがあるので好きです。

助け合わなければならない状況下で起きるクローズドサークル内での連続殺人事件、

電気も無い(本作では発電機があった)、食料も徐々に減っていく、

殺人鬼と自然の両方が牙をむく恐ろしさがあります。


そのような恐ろしさのある反面、雪の舞い落つ感じ、硬く凍った雪のきらめき、静けさ、

そして電気が無い故の闇、そして白い雪。

どういうわけだか、凄惨な事件なはずなのに、美的なものを感じてしまう。

恐怖と美の合わさったものが吹雪の山荘の良さだと思います。(個人的趣味)


今回の 『星降り山荘の殺人』 は恐怖はそれほど感じませんでした。

がっちり作られているために、余計なことは書かれておらず、

やや恵まれた山荘であったために餓えや渇きの恐怖が無かったのでしょう。


美しさに関しても同様、星降り山荘といっているので星のきらめきを感じたかったのですが、

残念なことにそれもありませんでした。


なぜなら、この推理小説は 『本格』 だからです。

本格ものだから美的描写や無駄な記述が無いというわけではありませんが、

「あくまでフェアに読者に挑戦をする」という前提から、必要な情報のみを読者に与えています。

この吹雪の山荘の美しさと恐ろしさは、倉知さんが仕掛けたフェアプレイにあったように思えます。


これだけヒントを与えられているのならば、必ず犯人にたどり着かなければならない。

にもかかわらず、犯人への道を見誤ってしまう騙される面白さがありました!


気持ち良いくらいに外したので、文句無しです!

なんだかんだ言って騙されたい方、買いです!


・・・うまいなあ。 と再び読み返して思うのでした。