#4056 撫子 | プロパンガス

プロパンガス

いっしょうけんめい働いた人が
せめてビールぐらいは安心して
本物を飲める世の中をつくろう

専門知識があるわけでもないから、エラそうにサッカーなんぞ語るつもりはないが。

準決勝のなでしこの延長戦、バテバテだし、ミスは目立つし、圧倒的に敵にボールを支配されていたし。

それでも、観ていて負ける気はしなかった。

それは、なでしこが低いレベルながらも、ちゃんと自分たちの形を守っていたから。

少なくとも、守ろうとしていたから。

これまで彼女たちが積み重ねてきたもの、練習してきたこと以外からは勝ちなんか生まれないことを、彼女たち自身がよく理解していた。

一方、敵は長い(けれども極めて単純かつ単調な)縦パスを放り込んでは、ゴールに迫ろうとしているだけ。

やけくそ、にしか見えない。

そんなやり方でいくらゴールに迫っても、ネットを揺らすことなんかありえない。

なぜなら、そんなでたらめなサッカーの練習なんて、敵もやったことないから。

練習で出来ないことが本番でできるなんてことはありえない、とはよく言うけど、練習したこともないことなんて、もっと出来るはずがない。

果たして、なでしこは練習に練習を重ねた宮間のコーナーキックから岩清水のヘディングという、絵に描いたようなセットプレイでホイスッル数秒前にゲームを決めた。

それは決して偶然ではない。

そうなるべくしてそうなった。

サッカーでも野球でも、スポーツとはそういうもんだ。

そう、たぶん、人生も。