#3520 賃金 | プロパンガス

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いっしょうけんめい働いた人が
せめてビールぐらいは安心して
本物を飲める世の中をつくろう

あまりにも今さらだけど、デフレがなんでいけないか。

たとえば物価水準が下がって、1年前に比べていろんなモノやサービスの値段が軒並二割安くなったとする。

企業からしてみると、売上は二割減ってしまうけど、仕入(に相当するコスト)も二割減るから、利益も二割減る。

だけどその八割になってしまった利益には1年前の利益と同じだけの購買力があるから、二割減ったってかまわない。

その意味では、デフレに害はない。

だけど、実際にはそうはならない。モノの値段が下がっても、給料はそう簡単には下げられない。

他のコストが全部下がっても賃金だけは下げられないから、その分、企業の収益は圧迫される。

あるいは、賃金を下げることができないから、はじめからコストの安い人(=非正規)を雇う。

非正規は、仮に正社員と同じ給料をもらったとしても将来が見渡せない分、社会が暗くなる。

これが、賃金下方硬直性の問題。

モノが安くなって賃金が変わらないなら、職にありついている限りは、僕たちは豊かになる。
(僕の給料は往年の半分ぐらいに下がってるけど)

大画面のテレビやタブレットを買えるようになる。

だから、インフレにしろ、となる。

モノの値段が上がるのに比べて給料を上げる率を抑えれば、あるいは同じ率で上げるにしても2年ほど遅らせば、企業収益はぐっと改善する。

つまり、名目賃金はそのまま、あるいはちょっとぐらい上げても、実質賃金を下げることで、企業は儲かるようになる。

これが、アベノミクス教のお題目。
(本音は、これとまた別のところにある)

くりかえすよ。

アベノミクスとかインフレターゲットの目的は、実質賃金を下げることにある。

「一時金満額回答」とか、愚の骨頂。

賃金下げるためにやってんのに、上げてどうするんだよ。