オバマ金融改革法案(あるいはボルカー・ルール)について、多くの人が論じている。
「基本的な方向性としては賛同するけれど、実現困難」という見解でおおよそ一致している。
そのとおりだと想う。
なので、わざわざコメントすることもない。
ただ、1つだけ。
どうして金融機関がハイリスク・ハイリターンなバクチに躍起になったり、モラルハザードに陥ったりするのか。
それは、やはり成功した時の、経営幹部やトレーダー個人に対する報酬が巨額だからだ。
そしてその巨額報酬の可能性に対するリスクが、きわめて限定的だからだ。
よほどのことをやらかさない限り、どんなに失敗しても解雇以上の厳しい処遇を喰らうことはない。
命までは取られないのはもちろんのこと、私有財産の提供をもとめられることも、まずない。
金融機関にとってはハイリスク・ハイリターンではあっても、経営幹部やトレーダー個人にとってはローリスク(あるいはノーリスク)・ハイリターンということになる。
このローリスク・ハイリターンの誘惑は、そう簡単に振り払えるものではない。
ここの部分、根本的なところを断ち切らない限り、どんな規制を設けたところで、彼らは間違いなく抜け道を探し出してくる。
間違いなく。