#1476 温暖・4 | プロパンガス

プロパンガス

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いつもこのブログで、「二酸化炭素で温暖化なんてインチキ」とか書き散らかしてるので、ガンガン石油を消費することを推奨しているのかと勘違いされる。


とんでもない、僕は省エネ主義者。


ってか、省石油主義者。


石油はいつかなくなる。


なくなるんだけど、できるだけ長持ちさせたい。


肥料になったり、繊維になったり、化学薬品になったり、工業原料としての石油の有用性は、他の鉱物資源と比べても群を抜いている。


なので、僕は、石油を燃やしちゃう、つまり燃料として使っちゃうのは、もったいないと想ってる。


そういう意味では、動機は環境ヲタたちとは全然違うけど、「燃料としての石油の使用を抑制しよう」とか、「バイオフューエルを活用しよう」とかいう結論だけなら、大いに賛成だ。


ただ、バイオフューエル、本来なら人間の口に入るべきもの(あるいは家畜のエサになるもの)をクルマの燃料タンクに入れたり、果樹栽培をやめてトウモロコシ畑にしてしまったり、熱帯雨林を焼き払ってサトウキビ畑にしてしまったりっていうのは、やっぱりかなり不自然。


目指す方向性は、3つあると想っている。


1つ目は、少しずつ出てきているんだけど、廃材を原料としたバイオフューエル生産。


トウモロコシの皮とか、材木のクズとか、イネのワラとか、つまりブドウ糖(やデンプン)ではなくセルロースを原料としたバイオフューエル。


これまで捨てるしかなかったものを原料にできるなら、そんなに経済的なことはない。


2つ目と3つ目は、どっちもバイオフューエル専用の光合成をしちゃおうってもの。


まず、海洋光合成。


地上での砂漠緑化とかはずいぶん昔から試みられているんだけど、大規模な成功というのはほとんど例がない。


いろんな原因があるんだけど、まあだいたい、水が足りなくて頓挫する。


その点、海洋光合成であれば、水だけは豊富にある。


足りないのは、鉄分やミネラル。


そういうものは、陸地から川で海に運ばれる(もちろん海からも独自に供給はされるけど)ので、川から遠く離れた海洋のど真ん中までは届きにくい。


鉄分が足りなくて光合成がほとんど行われていないような海域が、けっこう大きく存在しているらしい。


ならば、そういう場所に鉄分を供給してやれば、光合成量が飛躍的に増大するかもしれない。


で、最後は、人工光合成。


これは、本来植物がやっている光合成、つまり水と二酸化炭素を酸素とブドウ糖に化学変化させるという作業を、工場で人工的にやってしまおうというもの。


このブドウ糖は、食べようと想えば食べられるけど、工場で作ったブドウ糖なんてあんまり口の中に入れたいものではないから、これを原料にバイオエタノールを作る。


もちろん、これを実現するためには無数のハードルがあるのだけど、もしも成功した暁には、ものすごい恩恵をもたらしてくれる技術になる。


なんてたって、水(日本のような海洋国家なら無限に入手できる)と二酸化炭素(地球上にはあまるほど存在しているらしい)と太陽光線さえあれば、油田なんかなくってもエネルギーの自給が可能になる。


夢のプロジェクトだ。


環境ヲタからも文句をつけられる心配もない。


バイオフューエルの材料を人工光合成で賄えるようになれば、トウモロコシはまた、純粋な食糧に戻ることができる。


とにかく。


石油であれ何であれ、限りある資源をできるだけ節約して使おうというのは、無条件に賛成だ。


これに『環境』なんて言葉をからめると、特定の利益グループにいいように利用されてしまうんだけど、純粋に節約を呼びかけたり、そのための技術開発に取り組んだりということにとどめておけば、やっかいなものに巻き込まれる心配もない。


環境ヲタは攻撃するけど、純粋に節約を呼びかける人のことは、僕は最大限応援するよ。