前回は偏差値70を取る方法でした。
しかし、偏差値70を取るためには運も必要です。
平均点がある程度低くないと満点でも偏差値70が取れないからです。
今回は偏差値60ですから、その心配はありません。
実力さえあれば必ず取ることが出来ます。
そのために何をすればいいか考えてみましょう。
偏差値60の目安
受験者全体の上位16%以内に入ることが出来れば、理論上は偏差値60を超えます。
100点満点の算数のテストの標準偏差はだいたい15~20に収まるので、目安としては平均点+20点もあれば十分です。
平均点が60点なら、80点以上取れれば偏差値60台になるでしょう。
つまり、目標8割ということになります。
問題数が25問(1問4点)なら、20問以上正解する必要があります。
逆に言うと、5問までは間違えても大丈夫ということです。
正答率で考えてみましょう。
正答率60%以上の問題を全部正解するとだいたい偏差値50を超えます。
偏差値60を取るとなると、少なくとも正答率40%以上の問題を全部正解したいところです。
しかし、実際のテストではそれくらいの正答率の問題が少なかったり、かなり偏りが出ることがあります。
もちろん、易しめの問題でもたまにミスをしたりするのが偏差値60台ですから、安全策を取るとしたら正答率30%以上の問題を全部正解できるようにしていきたいところです。
塾のテキストの問題レベルが3段階(基礎・応用・発展)あるとしたら、基礎・応用レベルが出来ていれば十分狙えます。
現在、塾で下位~中堅レベルのクラス帯の人であれば、そこをしっかり固めていくことで偏差値60を目指していくことになります。
ただし、発展レベルが全く必要ないということではありません。
比較的正答率が高い問題でもミスをする人は、その分を発展レベルの問題で稼がなければなりません。
ミスを減らす対策をするのも、発展レベルの対策をするのも同じくらい時間と手間がかかります。
しかし、最難関校を目指しているのであればいずれ発展レベルを解けるようにならなければならないので、多少のミスは目をつぶって難易度の高い問題を解けるようになった方がいいかもしれません。
テストのときの戦略
25問のテストであれば、20問取れればだいたい偏差値60になります。
これを試験時間50分として、どのように配分するかを考えてみましょう。
偏差値50の目安となる正答率60%以上の問題は15問程度(平均点が60点前後の場合)です。
これを何分で解けるかが勝負となります。
基本問題1問あたり平均2分かかる人の場合、ここまでで30分ですから、残り20分で5問くらいを解かなければなりません。
ですが、その5問は正答率で考えると30~50%くらいのレベルになります。
ここで1問あたり4分と考えてしまうと時間が足りなくなります。
正答率が低くなるほど解くのに時間が掛かるのです。
正答率50%の問題なら2人に1人は正解するレベルですから、平均2~3分で解けると考えましょう。
ですが、30%の問題になると1問あたり5~6分掛かるかもしれません。
それで平均4分以内に収まったとしても、それでは足りないのです。
これが20問のテストで満点を狙うというのならいいのですが、25問のテストで20問を正解するためには5問を捨てなければなりません。
実際のところ、これは難しすぎるという問題が3問くらいだと考えましょう。
2問くらいは難しめの問題を解いて不正解、あるいは正解したけど易しい問題をミスした、という感じになるかと思います。
その場合、後半で7問解かなければならないわけです。
残り20分の間に解けない問題を3問見極めて回避、残りの7問を解くとなると1問あたり3分もありません。
そう考えたら、前半15問に30分も掛けているわけにはいきません。
そこでさらに分けて考えましょう。
易しめの問題10問を平均1分で解き、残り5問を平均2分でといて合計20分。
これで残り30分になります。
そこから7問取り組むとすれば、1問あたり3~4分は掛けられます。
ただし、難問3問を見極めて回避する必要がありますから、そこに1問あたり1分は掛けたいところです。
そこを削ろうとすると、「難しそうだけどやってみたら簡単だった」という問題を落としてしまいます。
かと言って集中しすぎると、「一見簡単そうだけどやってみると時間が掛かる」という問題に引っかかる危険性もあります。
それを途中で切り上げる勇気も身に付けなければなりません。
とにかく時間配分が重要だということを理解して頂ければ幸いです。
偏差値70を取るような上位層には時間配分はそれほど必要ありません。
問題も1番から順に解いていくだけですから、あまり作戦を立てる必要もないでしょう。
しかし、偏差値60を狙っていくためにはテスト中のどこかで「見極め(損切り)」をしなければならないのです。
たまに大問2の小問に難易度の高い問題が紛れ込んでいたりするトラップがあります。
そこで嵌ってしまうと大事故ですね。
身に付けておきたいテクニック
何と言っても「時間感覚」ですね。
※もちろん基本問題は全部出来るのが前提です。
正答率で問題のレベルを判別するのは必ずしもいい方法ではありません。
というのも、正答率はテストが終わってみないと分からないものなのです。
また、みんな必ずしも正答率順に正解しているわけではありません。
すごく正答率の低い問題を正解していたり、正答率の高い問題を落としていたりするわけです。
これは得意分野・苦手分野によるバラツキが原因だったり、注意欠陥によるものだったりします。
それをどうにかしたいと考える人も多いかと思いますが、逆に言うときれいに正答率順に正解する人はそこから成績を上げるのがものすごく大変です。
発展問題に全く手を付けない人、特訓は一切受講しない人、志望校以上のレベルの問題には手を出さない人、下位クラス帯の人、などに見られる傾向です。
問題を解くときに最初から問題レベルを考えるのはやめておきましょう。
大事なのは、その問題が解けるかどうか、そして解くのにどれくらい時間が掛かるかなのです。
分類上は発展問題であっても、知識があれば1分で解ける問題もあります。
基本問題でもすごく手間が掛かる問題だと3分くらい必要なこともあります。
テキストの都合上、C問題より難しいB問題も存在するのです。
もちろん、個人差も大きいです。
そこで、その問題を解くのに掛かる時間というのを意識する必要があります。
そして、それがどれくらい正解できるか、自分の正答率を考えなければなりません。
3分掛かる問題を2問解いて正答率50%だと、5分掛かるけど確実に解ける問題1問を選ぶ方が良いわけです。
そのためには日頃から時間を計って問題を解くのが効果的です。
タイマーで2分とか決めて解くのもいいのですが、1回目は単純に時間を計ってみるといいと思います。
時間が掛かり過ぎるものは、早く解く練習をします。
間違えたものは正答率を高める練習をします。
慣れてきたら、自分で解答に掛かる時間と正解する確率を予想してみましょう。
予想と言っても問題も見ないで決めるのではありません。
問題文を読み終えた時点であとどれくらい掛かるのか、解き切れるのかを考えます。
それが出来るようになれば、テスト中に取捨選択が出来るようになります。
時間が掛かりそうな問題は後回しにして(回避して)、解けそうな問題から先に解けるようになります。
これはあくまでもテスト中に行う緊急手段(トリアージ)ですから、普段の宿題の段階で「捨て問!」とか言っている人は厳しいと思います。
実際にやろうと思うと大変かもしれません。
でも、これは偏差値60前後の人にとってはかなり重要な課題ではないかと思います。
これを塾では簡単に「時間配分を考えろ」などと言っています。
※時間配分だけで成績が上がることを保証するものではありません。
※基本・応用レベルの復習を十分に行った上で考えてみてください。
※専門家の指導の下で行うとより効果的です。
本気で成績を上げたい人、努力するのはもちろん本人ですが、全力でサポートします。
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