塾の偏差値表にあるA判定(日能研の場合はR4偏差値)の偏差値を取れば合格可能性80%だと思っている人は多いと思います。

私にもそう思っていた時期がありました。

先輩塾講師からそう教わったからです。

 

つまり、「偏差値60の人がA判定偏差値60の学校を受験したら80%以上の確率で合格できる」と勘違いしてるということですね。

では、偏差値61の人は何%になるのでしょうか?

偏差値62の人は?

逆に偏差値59の人は?

などと考えていくとA判定偏差値の仕組みが気になってきませんか?

 

今回の話は私が大手塾講師時代(コース統括時代)に実際に偏差値を決定する会議に参加した経験や、独自でいろいろ調べた経験に基づいてお話しします。

※最近はAIを使って割と簡単に調べたり計算できるようになりました。

 

 

A判定偏差値の決定方法

 

対象となる学校を受験した塾生の偏差値(四捨五入して整数にしたもの)と入試結果を集計します。

偏差値が高い順に受験者数と合格者数を並べ、累計の合格率(累計合格者数÷累計受験者数×100%)を計算します。

で、合格率が80%を切る偏差値を探します。

例えば、偏差値56のところで合格率が80%を切るとしたら、偏差値57がその学校の「A判定偏差値」となります。

 

偏差値56で合格率79%だったのに、偏差値55で再び80%を超えることもあります。

特に受験者数が少ない学校の場合、ある偏差値では受験者がいないということもあります。

 

コースが分かれている学校の場合、上のコースの方が偏差値が高いのがふつうですが、計算してみると同じ偏差値になってしまうこともあります。

 

そんなときのために会議が行われるのです。

つまり、微調整が行われるということです。

多少は塾(経営陣)の意向や、戦略的な配慮が含まれる場合もあります。

これは世間一般に偏差値が高い学校の方が高く評価される傾向があることを考慮したものです。

 

 

合格可能性80%の意味とは

 

80%というと、つまり5回受験すれば4回受かると考える人も多いと思います。

 

数学的に計算すると(二項分布)、80%の確率で合格できる人が5回受験した場合、5回とも合格する確率が約33%、4回合格する確率が約41%、合計すると4回以上合格する確率73%になります。

5回受験して一度も合格しない確率はほぼ0%なので、5回受験すれば99%合格(少なくとも1回)できるという計算になります。

 

しかし、実際には5回も受験できる学校はありませんし、複数回受験出来ても毎回条件(難易度)が異なるため、単純計算はできません。

 

 

塾が出している80%というのは、「A判定偏差値以上の受験者の80%以上が合格した」というデータに基づく事実(多少調整はあるかもしれません)であって、個々の受験生の合格可能性を計算しているのではないのです。

 

つまり、塾から100人受験させたら80人は合格が見込めるという偏差値のラインということです。

もちろんA判定だけではなく、B判定やC判定の人も受験しますから、それを含めて合格実績の見込みを立てるわけです。

塾にもよりますが、C判定はギリギリ合格者が出た偏差値と考えるといいと思います。

 

そこらへんを基準に志望校別コースの受講資格が設定されます。

が、C判定に届かなくても併願校に合格できる偏差値であれば受講可能とされているのが現状です。

 

 

判定で不合格

 

A判定で合格可能性が80%だとすると、20%は不合格になるということです。

ここで冷静に考えてみて欲しいのです。

A判定と一言で言っても、ギリギリの人からかなり余裕のある人までいます。

それらの人たちが均等に80%の確率で合格すると思いますか?

 

どう考えても、A判定ギリギリの人はA判定という括りの中では底辺になります。

A判定全体で20%の不合格者が出るとしたら、当然ながらギリギリの人の不合格率が高くなるのは理解できるかと思います。

上位になるほど合格率が高くなるとしたら、ギリギリの人はその分低くなって、全体として平均80%になると考えてください。

 

そういうことを考慮して、数学的に計算するとA判定ギリギリの人の合格率も求めることが出来ます。

そこはAIに任せてみたところ、実質倍率2倍程度の学校の場合、統計学的に約65~70%前後になるとの結果でした。

倍率が高くなると合格率はもっと下がります。

 

この数値は実際に現場で集計した結果に近いです。

学校にもよりますが、ギリギリの人の合格率は60%前後というのが私の感覚です。

 

A判定偏差値+3ポイントくらいの偏差値を取っていると、合格率は90%を超えます。

 

 

あなたの偏差値はそれじゃない

 

A判定偏差値にギリギリ届いた人は「これでA判定が取れた」と一安心しているかもしれません。

しかし、あなたの偏差値はそれではありません。

 

何を言っているのかというと、塾の偏差値表の基準となっている受験生の偏差値の算出方法の話です。

実は1回の偏差値ではなく、6年生の9~12月の平均値を基にしているのです。

つまり、最大4回の平均値です。

ですから、「A判定が取れた」というためには過去4ヶ月分を平均してA判定偏差値に届いていなければなりません。

もちろん、まだ8月ですからこれから先の4ヶ月の勝負になります。

 

 

実験してみよう

 

① 紙を使って立方体(サイコロ)を作ってみましょう。

② 各面には過去6回分のテストの(3科または4科)偏差値を書きます。

③ サイコロを振って、出た偏差値が志望校のA判定を超えたら〇、越えなければ×と記録します。

④ 合計100回振ってみて、〇の数があなたがA判定になる確率になります。

⑤ その値に80%を掛けると理論上の合格可能性が出ます。

 

※ 何回振っても〇にならない人はどこかが間違っているのですぐに塾の先生に相談しましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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