前回に引き続き、非ビジネスクール系の専門職修士のプログラムを探してみました。こちらは前回の「ビジネス・アナリティクス」でなく、主に「データサイエンス」の呼称が使われているようです。いろいろ探してみたところ、Quoraですが以下のリストが面白かったのでご紹介します。

 

https://www.quora.com/What-are-the-best-MS-in-Data-Science-Analytics-Programs-in-the-US

 

提供機関は統計学科計算機科学科、専門の研究所等(中にはビジネススクールも混じってますが)。いずれも統計学科なら統計学だけといった形でなく、総合的に必要なスキルセットを学べるようになっています。一方でビジネス関係の科目が取れるわけではなさそうです。上位はカーネギー・メロン、スタンフォード。カーネギー・メロンやコロンビアは、前回の「ビジネス・アナリティクス」に加えて、別枠でこれら「データサイエンス」のプログラムを用意している、というのも興味深いです。前回紹介したリストの中にはパートタイムやオンラインのプログラムも沢山入っていましたが、こちらはゼロではありませんが少なそう。

 

カリキュラム的には、前回のビジネス系のプログラムと比べると、より踏み込んだ数学・統計学・アルゴリズム等、一見してよりゴツそうな構成となっています。学生も理系出身者が大半なのではないかと思います(ただ、私の知り合いは文系卒からこのサイトのリストにある院の一つに進んでますので、絶対というわけではないと思いますが)。ゴリゴリのテック系への就職や、システムの実装といったより腕力が必要な業務にも対応できそうです。

 

もっとも、前回出てきたスローンのプログラムは下手するとそれ以上にゴツそうですが...、この辺はなかなか外からではわかりませんね。

 

一見、変わり種はUCB。「情報学部」でオンラインの専門職修士課程を用意しています。見た目は上記のプログラムよりだいぶソフトな印象。

 

https://datascience.berkeley.edu/

 

「情報学部」は、日本で言うと図書館情報学科みたいなイメージです(私の中では)。

 

最後に日本の話。滋賀大学が「データサイエンス学部」を立ち上げたというのが話題になりました(来年には横浜市立大学も立ち上げるそうです)。日本にはこれまで独立した統計学部・学科がなかったので、統計学の先生がひたすら「自分の城」を欲しがっただけなのではないか(笑)、といった懸念もある一方で、滋賀大学はもともと実学志向の大学だと聞いておりますので、どのような方向に進むか、注目してみたいと思います。