最後まで見ると、再登場の尚之助が何の「象徴」なのかが分かる(大河ドラマ考148, 八重33) | Prof_Hiroyukiの語学・検定・歴史談義

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今週の「大河ドラマ考」は2回の予定です。

まずは、NHK取材で判明!やはり八重「さん」は歴史的人物では無かった(大河ドラマ考147, 八重32) の続きです。(1回目はやや簡単にさせて頂きます。)


今週の「八重の桜」(2013.8.18放送)は「第33回 尚之助との再会」。

京都の再建を牛耳る槇村正直が東京での派閥争いに巻き込まれて逮捕。

その後見人である木戸孝允に釈放の取り成しを願うため、八重さんは兄の覚馬に随伴して東京へと旅立ちます。

なんと、交通手段は鉄道。文明開化が進行しつつあるのは明らかなのですが・・・

「東京だけが開化しても仕方が無い」と覚馬。

まさしく、そのための京都再建なのですから!


(1)今回は、八重さんの「過去の配偶者」と「未来の配偶者」の両方が!

今回は、東京に於いて前夫・尚之助との再会シーンが。

尚之助が東京に住んでいた事は史実らしいのですが、八重さんとの再会が本当にあったかどうかは分かりません。


それでは、ただのお涙頂戴シーンなのか・・・いえ、どうやらそうでは無い様です。


(2)鍵は、最後の取って付けた様な新島襄の登場シーン。

彼はまだ米国。

その地で、日本が内戦で憊れている事、そして「教育制度が必要な事」を米国人に訴えているのです。


そうか・・・そう言いましたら、尚之助は東京で寺子屋の様な事(手習いの先生)をして生計を立てていたという設定でした(事実、そういった説も有る様です)。


それならば、構図は簡単です:


過去の配偶者」尚之助 →「旧制度の寺子屋」

未来の配偶者」新島襄 →「新制度の学校(大学)」


ここでは、尚之助は「古いものの象徴」として描かれているのですね。

尚之助との別れのシーンは、ドラマとしてのけじめ。

これで八重さんは「新たなる決意を持って」帰国する新島が齎すものを迎える・・・という形になるのです。