「EURO24各国語での外来語由来動詞の作り方」(第2外国語への手引き 第37回) | Prof_Hiroyukiの語学・検定・歴史談義

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<本記事を引用された場合、その旨を御連絡頂けると有り難いです。>

4か国語総合TV番組EURO24。全96回中86回を視聴済みです。

EURO24を題材としてみたかったのですが、残念ながら(今まで視聴した中では)表題の「外来動詞の扱い」について触れられた放送は見当たりませんでした。

ですので、以下は小生の知見から。


(1)日本語での外来動詞は「外来語」+「する」のパターンが圧倒的。

「ロマンス語の規則動詞とは何か,イタリア語編(第23回)」http://ameblo.jp/prof-hiroyuki/entry-10591700945.html で申しましたとおり、日本語での不規則活用動詞は「来る」と「する類」の2種類のみです。

そして、する「類」と記したのはこの様な合成語がすべて本動詞「する」と同じ活用をするからでした。


「サボる」などの様に他の活用(この場合は五段活用)をするのは少数派。「サボタージュする」(本日の外来語No.15:サボタージュhttp://ameblo.jp/prof-hiroyuki/entry-10583578128.html を参照。)でしたら外来語だと気付きやすいのですが、ここまで来ると外来語と聞いて驚く人まで居る様です。


(2)ドイツ語の場合は-ieren動詞

ドイツ語の場合は単純で、不定形(原形)が外来語要素+-ierenとなります。

俗に言う「イーレン動詞」です。

(例)study(英)→studieren

   tatami(日)→tatamisieren

tatamierenにならないのは不思議ですが、これは「日本風に暮らす」の意味です。


なお通常の動詞語尾-enを付けただけの例もあり、この場合は日本での「サボる」と同じようにドイツ人も外来語と気付きにくい事も有るようです。新しい動詞に多い様ですね。

(例)e-mail→e-mailen


(3)ロマンス諸語では活きた動詞(活変化動)で外来動詞を作る。

まず、イタリア語・スペイン語では第1規則活用動詞のみが新しい動詞を作り得る「活変化動詞」。

その一方で、第2・3規則活用動詞は「死変化動詞」と呼ばれています。

この命名からも分かる様に、不定形においてイタリア語では-are、スペイン語では-arで終わる形にするのです。

※第1規則活用動詞については本ブログの「第2外国語への手引き第24回」http://ameblo.jp/prof-hiroyuki/entry-10596520846.html を御参照下さい。

そして、フランス語でも圧倒的に第1群規則活用。不定形の語尾が-erで終わる形になります。

第2群規則活用(-ir)になる可能性が有るとの事ですが、近年は殆ど例がないそうです。

※フランス語の第1群規則活用、第2群規則活用については本ブログの「第2外国語への手引き第27回(フランス語の規則動詞)」http://ameblo.jp/prof-hiroyuki/entry-10605382590.html を御参照下さい。


本日はここまで。新しい例などが見つかりましたら報告致します。


参考文献:
伊藤太吾著「フランス語・イタリア語・スペイン語が同時に学べる本」,ナツメ社, 2006.