第2外国語への手引き(第27回:ロマンス語の規則動詞とは何か,フランス語の規則動詞) | Prof_Hiroyukiの語学・検定・歴史談義

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本日2度目の更新です!


「第2外国語への手引き第24回」で紹介したスペイン語http://ameblo.jp/prof-hiroyuki/entry-10596520846.html の続きです。


今回はいよいよフランス語の規則動詞について述べてみる事にします。

予め書いてしまいますと、スペイン語では「1人称単数」が重要でしたがフランス語では「1人称複数」の活用形が大事となりますので、その積もりで読み進めていって下さい。


(1)フランス語の規則活用動詞群は2つ。イタリア語やスペイン語とは異なります。


イタリア語やスペイン語と同じくフランス語もラテン語を祖としているのですが、規則動詞は第1群規則活用と第2群規則活用の2つという様にかなり様相を異にします:


第1群規則活用:不定形(原形)が-erで終わる動詞(いわゆるer動詞)

第2群規則活用:不定形(原形)が-irで終わる動詞で、ある条件を満たすもの


この「ある条件」というのが怪しいところです。


(2)ひとまず第1群(-er)から。

第1群規則活用の例として、aimer(愛する)を見てみましょう。

<直説法現在>

1人称単数 aime

2人称単数 aimes

3人称単数 aime

1人称複数 aimons

2人称複数 aimez

3人称複数 aiment


色のついたところが活用語尾なのですが、1・2人称複数の「オン」「エ」以外は発音しません!

我流で下手な発音で覚えると修正が難しいので、CDやテープなどで発音を確認しながら覚える必要が有ります。そこがフランス語動詞の大変なところの1つです。


それから、aller(行く)など、見掛けはerで終わっているものの上記の様な人称変化(活用)をしないものが有り、これらは不規則動詞として別途覚える必要が有ります


(3)数は少ないものの、第2群(-irの一部)も把握する必要あり。

「er動詞は規則活用で、動詞全体の約9割を占める」とは色々な教本に書かれていますが、まさか使用頻度の9割という訳ではありません。使用頻度の高い語ほど不規則性は高くなる傾向にありますから。

ですので、やはりその他の頻出動詞はどうしてもチェックする必要があるのです。


その筆頭は、残りの半分以上(の数)を占めるという第2群規則活用動詞。代表は「finir(終える)」で、以下の様な活用をします:

<直接法現在>

1人称単数 finis

2人称単数 finis

3人称単数 finit

1人称複数 finissons

2人称複数 finissez

3人称複数 finissent

複数人称の語尾が「第1」に比べて長めである事にお気づきでしょうか?


「(直接法現在の)1人称複数が-ssonsで終わる」

・・・これが第2群規則活用であるための「ある条件」だったのです!

殆どの動詞(例外:savoir「知っている」など)は1人称複数・現在分詞・半過去・接続法現在の語幹が共通です(正確には1人称複数から語幹を作っています)から、

「現在分詞が-ssantで終わる」

・・・を条件としてもかまいません。

ちなみにfinirの現在分詞はfinissantで、あとの2つの活用は次の様になります:

<直接法半過去> <接続法現在>

1人称単数 finissais finisse

2人称単数 finissais finisses

3人称単数 finissait finisse

1人称複数 finissions finissions

2人称複数 finissiez finissiez

3人称複数 finissaient finissent


単なる確認だけではなく、後々の事を考えれば、如何に(直接法現在の)1人称複数が大切かという事も分かるのではないでしょうか!


しかし、これだけではただの文法説明

これでは面白くありませんので、次回は「第2群の問題点」と「別の分別方法」、さらにその問題点についても言及いたします。(続く)